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番外編 2
パーティー 1
しおりを挟む※ハル編終了後の時間軸
※書きたいところだけ書いた単発。何かが続くことはありません。
【side ハル】
(………? なんだ?)
有名ホテルの大きな会場。
煌びやかなシャンデリアと真っ赤な絨毯、壁に沿って置かれた豪華な料理、そして歩き回るたくさんの人・人・人。
会社関係の立食パーティーに呼ばれたレイヤと一緒に来てみたそこは、まさに別世界だった。
想像よりすごくてアキと萎縮して、でも それでも一歩を踏み出したアキと共に会場へ入って。
将来龍ヶ崎の会社へ入ることを目標としたアキ。
夏休み中にレイヤへ話したらしく、それから勉強を頑張っている。
(レイヤも嬉しそうにしてるから、もう見てて微笑ましいよね)
今日のことも、アキが「行ってみたい」と言ったから実現したこと。
〝呼ばれた〟ってことは挨拶回りとか話とか多分いろいろしなきゃいけないだろうし、ずっとアキとはいられないはず。
この容姿で、且つ外にまだ慣れてない片割れのことが気にかかって「僕も行っていい?」と聞いてみた。
そして、今ーー
「おふたりとも、大丈夫でしょうか」
「はい、大丈夫です」「ありがとうございます、月森先輩」
仕事をしに行ったレイヤと離れた僕らは、広い会場で先輩と一緒。
(そうだよ、先輩がいたんだよ!)
いや、僕忘れてた……っていうのはあれだけど、本当にアキのことしか頭になくて僕が行かなきゃってなってた。
こういうときに先輩使えばいいんだよ。先輩もそれを望んでるし、もう僕らはふたりだけじゃないんだし。でも頭になかったってことは、僕は主人としてまだまだということで…くぅぅ、月森って難しい……
先輩。仕事2倍にしちゃってすいません。
チラリと目が合った先輩は、僕の考えてることがわかるかのようにニコリと微笑んでくれる。
優しい…月森先輩もっと「主人の自覚しろ」って怒ってください。じゃないと使うの上手くならない……
そもそも〝頼る〟というのが苦手な僕たちに、人を使うことなんてーー
(……まただ)
先ほどから変な視線。
1人じゃない、何人かから。
小鳥遊というので目立ってる自覚はある。双子が揃ってるし、こういう会社関係のパーティーには顔を出さなかったし。
けどこれは、そういう好奇なものじゃない。もっとなにか、獲物を狙っているようなーー
ポツリ
「胸ポケットですハル様。ハンカチの色が同じです」
「っ、」
小声で教えてくれた先輩に習いスィ…と横目で見てみると、確かに同じハンカチをスーツの胸に挿した人たちが散らばっている。
彼らが視線を向けているのか。
ヒソヒソ…
「どこの会社でしょう」
「さぁ…ここからは遠目で見えませんね。会社ではない可能性も」
「僕らが出席することはレイヤが前もって伝えてたから、リストに僕らの名前があったはず。
ってことは、予め準備して来たのかな」
「でしょうね。しかもーー」
「「アキ(様)狙いだ」」
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