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番外編 1
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しおりを挟む「生徒会、か」
3年生へと学年が上がり、先生から頂いた話。
私の成績や日頃の行いを見て推薦したというもの。
これまで規律はしっかりと守っているし、勉学においても成績は常に上位に入っている。
それにプラスして、この当たり障りない性格も考慮されてるのだろうな。
(まぁ、悪くはない話か)
他人から見る自分の印象が良いということだし、
ーーなにより、する事が多い方が気が紛れる。
本日早速顔合わせの挨拶があるとの事で、コンコンと歴史を感じる扉を叩いた。
『入れ』
「失礼いたします」
(割と早めに来たのにな、人が居たか)
ガチャリと開けると、この学校で知らない人はいない顔。
「へぇ、やっぱお前も選ばれてたか」
「こんにちは梅谷。
先程のホームルームぶりですね」
「まったくもってそれな。なんだ、一緒に来れば良かったわ」
「冗談」
「冗談じゃねぇよったく……このやり取りもう何回目だよ櫻?」
「何十回レベルですかね? いい加減飽きません?」
「お前なぁ………」
梅谷 シュント
知らない人はいない程有名な家の次男で、容姿も淡麗。
ピアス等のアクセサリーはつけ放題だが、明るい性格や優秀な成績・周りを巻き組むリーダーシップなどで先生にも生徒にも一目置かれている。
そして、私と同じく中学生から高校に至るまでずっとA組。
と言うことは、もう6年も私たちは腐れ縁なわけで……
なんでこの男は、こんなにも構ってくるのだろう。
私は友人関係にもある程度の距離を保って接しているが、この男に至っては出会った時からずっと露骨に避けてる。
もう周りが見ても分かるくらい思いっきり。
それなのに、どうしてその垣根を超えてくるのか……
(本当、理解ができないな)
寧ろここまで来ると最早梅谷はMなんじゃないだろうか?
「お前何の役職? 俺会長」
「副会長です」
「へぇ。んじゃ俺に1番近いわけか」
「業務上話をすることは多くなるかと思いますが、あくまでそれだけですので」
「あーあーわかってるよ。
でも、そっちはそうだけど俺はちげぇからな」
「……〝まだ〟ですか?」
「ん?〝まだ〟だぞ??
ーー俺はお前に惚れてるっつってんじゃねぇか」
それは中学生…確か中2の頃。
日直で放課後一緒に残っている時、言われた。
夕焼けが差し込んでいて、その赤さに負けないくらい顔を真っ赤にして貰った告白。
普段からチャラチャラしてるからきっと罰ゲームか何かなのだろうと思ったのに、全然違くて。
この男はこんなにも真剣な表情ができるのかと、本当にビックリした。
だがーー
「その話は、1番最初に言われた時断ってるでしょう?
その後も何回か告白されてますが、ちゃんとNOと言っているはずです」
「んな簡単に諦めきれるわけねぇだろうが。俺はまだお前のことが好きだ。こんなに好きになったのは初めてなんだよ」
「はぁぁ……
それでも、諦めてもらわないと困るんですよ」
どうせホイホイ寄ってくる生徒たちと毛色が違うからとか、そういう物珍しさなんでしょう?
それともこの長い髪? 整った顔? 角のない性格?
この世界に男女は関係ない、所詮は家同士の政。
この学園も男子校ということもあり男同士のカップルは多いし、私も別に偏見はない。
(でも、残念)
「私には、 ーー婚約者がおりますので」
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