ハルとアキ

花町 シュガー

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中編: イロハ編

sideイロハ: 相談しましょ、そうしましょ 1

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「ーーさて」

放課後。
ハルとアキの部屋で、お茶とお菓子を用意してソファーに座る。

「まっ、待って、まじでするの?」

「当たり前でしょ、そう言ってるじゃん!ほら覚悟決めて」

「っ、ハルがスパルタだ……」

「ふふふ。大丈夫だよアキ、僕もフォローするからね?」

「………ぅん」

「よし、じゃあ話始めちゃおっかイロハ」

「うんっ!よろしくお願いします」

目の前でわいわい言い合ってる双子に、ペコリと頭を下げた。


「先ず始めになんだけど、イロハはエッチの何が知りたいの?」

「あのね、やり方が知りたくて」

「やり方っていうのはそもそもの仕方ってこと?」

「ぁ、えぇっとね、仕方は知ってるんだ!」

こういう特色の学園に中学時代からいる。
思春期盛りの年代なんだし、シた事なくても男同士の仕方はみんな知ってるもの。

だから、そこではなくてーー


「どうやったら、そこまで持っていけるのかなって…エッチできるのかなぁって」


エッチまで行き着く、その過程が知りたい。


「成る程、そこなんだ」

「うん。カズマと付き合ってまだ1週間ちょっとなんだけど、でもカズマはずっとおれのこと思ってくれてて…
だから、多分ずっと我慢してくれてたんだよね」

付き合い始めて何か変わるかと思ったけど、全然。寝る前にちょっと触れる程度のキスをするだけだ。
まぁまだ間もないし、焦る事はないと思う…けど……

おれだって男。
カズマのこと、欲しいって思ってる。

「それに、もう待たせたくないんだよね。
だから今度はおれからいこうと思って」

「わぁ……イロハカッコいい」

「だな。凄い男前」

「ぇえ!そうかな」

「うーん、でも確かにイロハからいかないとカズマ動かなそうだなぁ」

「うん、シたいって思っててもイロハの気持ちが自分に追いつくまで待とうって堪えそう」

「だよねぇー………」

そこを、どうにかしたいんだけど……

「ねぇアキ。アキは初めての時どうやって会長とシたの?」

「俺? 俺は……まぁハルとしてレイヤと付き合ってたのもあるから、先ずはレイヤが本当に俺の事が好きなのかっていうのを確認して、それからーー

って、あれ…??」


「? アキ?」


パタッと口を開けたまま固まったアキが、どんどん赤くなっていく。

「ぇ、ア、アキ…?大丈夫?」

 「ぁ、ゃ……ちょ、まってね、待て待て…」

「あぁー…あはは……」

目をぐるぐるさせながら「あれ、あれ?」と言ってるアキの頭を、ハルが苦笑しながら撫でた。

「アキは、アキとして付き合い始めた〝瞬間〟に抱かれたんだよね?」

「っ!! ハ、ハルっ」

「ぇ、」

〝瞬間〟って、0コンマ1秒ってこと?
ってことは、「付き合おう」ってなった後すぐに……?

「まぁ、レイヤが我慢できなくてアキを襲っちゃったパターンなんだけd」


「なにそれ!すっごい羨ましいー!!」


「「………ぇ」」


「おれも告白した時押し倒しちゃえば良かった!」

そしたら今こうして悩む必要もなかったのに!
あぁぁ時間戻らないかな? もっとちゃんと計画立てて好きって言えば良かった。

「うーん、でももうそのタイミングは過ぎちゃったからなぁ…次のタイミングはいつなんだろう……難しい…ねぇ2人とも何かいい案ないかな?

ーーって、ん?」


「……っ、ふふふ、あはははっ!もう駄目イロハ面白い、可愛いー!!」

「ははは!あーぁ、なんかもういいや。イロハなら何でも話せそう。ってかもう大丈夫なんじゃね?」

「分かる。大丈夫だと思う」

向かい合って座ってたソファーを立って、2人がおれを挟んでこちら側に座った。

「まぁでも、相手はカズマだもんな。手強いよなぁ」

「冷静だもんね。静かな水面みたいな…本当お茶の子って感じ」

「そう。でも、そこを崩したいんだよね!!」

「うんうん、良い思う」

「おし!じゃあ相談内容分かったところで!」


パンッ!とアキが両手を叩いた。


「作戦会議に移ろうぜ!!」





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