403 / 536
中編: イロハ編
sideイロハ: 相談しましょ、そうしましょ 1
しおりを挟む「ーーさて」
放課後。
ハルとアキの部屋で、お茶とお菓子を用意してソファーに座る。
「まっ、待って、まじでするの?」
「当たり前でしょ、そう言ってるじゃん!ほら覚悟決めて」
「っ、ハルがスパルタだ……」
「ふふふ。大丈夫だよアキ、僕もフォローするからね?」
「………ぅん」
「よし、じゃあ話始めちゃおっかイロハ」
「うんっ!よろしくお願いします」
目の前でわいわい言い合ってる双子に、ペコリと頭を下げた。
「先ず始めになんだけど、イロハはエッチの何が知りたいの?」
「あのね、やり方が知りたくて」
「やり方っていうのはそもそもの仕方ってこと?」
「ぁ、えぇっとね、仕方は知ってるんだ!」
こういう特色の学園に中学時代からいる。
思春期盛りの年代なんだし、シた事なくても男同士の仕方はみんな知ってるもの。
だから、そこではなくてーー
「どうやったら、そこまで持っていけるのかなって…エッチできるのかなぁって」
エッチまで行き着く、その過程が知りたい。
「成る程、そこなんだ」
「うん。カズマと付き合ってまだ1週間ちょっとなんだけど、でもカズマはずっとおれのこと思ってくれてて…
だから、多分ずっと我慢してくれてたんだよね」
付き合い始めて何か変わるかと思ったけど、全然。寝る前にちょっと触れる程度のキスをするだけだ。
まぁまだ間もないし、焦る事はないと思う…けど……
おれだって男。
カズマのこと、欲しいって思ってる。
「それに、もう待たせたくないんだよね。
だから今度はおれからいこうと思って」
「わぁ……イロハカッコいい」
「だな。凄い男前」
「ぇえ!そうかな」
「うーん、でも確かにイロハからいかないとカズマ動かなそうだなぁ」
「うん、シたいって思っててもイロハの気持ちが自分に追いつくまで待とうって堪えそう」
「だよねぇー………」
そこを、どうにかしたいんだけど……
「ねぇアキ。アキは初めての時どうやって会長とシたの?」
「俺? 俺は……まぁハルとしてレイヤと付き合ってたのもあるから、先ずはレイヤが本当に俺の事が好きなのかっていうのを確認して、それからーー
って、あれ…??」
「? アキ?」
パタッと口を開けたまま固まったアキが、どんどん赤くなっていく。
「ぇ、ア、アキ…?大丈夫?」
「ぁ、ゃ……ちょ、まってね、待て待て…」
「あぁー…あはは……」
目をぐるぐるさせながら「あれ、あれ?」と言ってるアキの頭を、ハルが苦笑しながら撫でた。
「アキは、アキとして付き合い始めた〝瞬間〟に抱かれたんだよね?」
「っ!! ハ、ハルっ」
「ぇ、」
〝瞬間〟って、0コンマ1秒ってこと?
ってことは、「付き合おう」ってなった後すぐに……?
「まぁ、レイヤが我慢できなくてアキを襲っちゃったパターンなんだけd」
「なにそれ!すっごい羨ましいー!!」
「「………ぇ」」
「おれも告白した時押し倒しちゃえば良かった!」
そしたら今こうして悩む必要もなかったのに!
あぁぁ時間戻らないかな? もっとちゃんと計画立てて好きって言えば良かった。
「うーん、でももうそのタイミングは過ぎちゃったからなぁ…次のタイミングはいつなんだろう……難しい…ねぇ2人とも何かいい案ないかな?
ーーって、ん?」
「……っ、ふふふ、あはははっ!もう駄目イロハ面白い、可愛いー!!」
「ははは!あーぁ、なんかもういいや。イロハなら何でも話せそう。ってかもう大丈夫なんじゃね?」
「分かる。大丈夫だと思う」
向かい合って座ってたソファーを立って、2人がおれを挟んでこちら側に座った。
「まぁでも、相手はカズマだもんな。手強いよなぁ」
「冷静だもんね。静かな水面みたいな…本当お茶の子って感じ」
「そう。でも、そこを崩したいんだよね!!」
「うんうん、良い思う」
「おし!じゃあ相談内容分かったところで!」
パンッ!とアキが両手を叩いた。
「作戦会議に移ろうぜ!!」
0
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
当たって砕けていたら彼氏ができました
ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。
学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。
教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。
諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる