ハルとアキ

花町 シュガー

文字の大きさ
上 下
362 / 536
未来へ編

sideアキ: 玄関先 ※

しおりを挟む






「っ、んんぅ!」

バタン!とドアが締められ玄関に降ろされた途端、荒々しく唇が重なった。

「ん…ん、んん」

(やば、もってかれそ……)

壁にもたれかかりながら、目の前にあるレイヤの服をキュゥッと握りしめる。

「はぁっ、ぁ、レイ…ん!」

直ぐにヌルッと熱い舌が入り込んできて、グチュグチュ口内を掻き回されて。

(は、待って……無理っ)

舌同士が触れる度、ゾワリとする感覚に背中が震える。

「んぁ、は…ぁぁう……」

(き、もちぃ………)

目を閉じて、その気持ちいい波にのまれようとするとーー


グリッ!

「っ、ひぁぁ!?」

いきなりきた強い快感に、キスしてた口が外れた。

「ぁ、まだだめっ、ゃだ、や!」

足の間に膝を入れられ、グリグリと股を刺激される。

「ハッ、足だけでガクガクしやがって…どんだけ敏感なんだよ。 

後アキ、ここ玄関な」


「へ?」


「誰かが、訪ねて来るかもなぁ」


「ーーっ! ちょ、レイヤ奥に…

ぁあぁ!?」


グリッ!とこれまで以上に強く刺激され、思わず体が跳ねる。


(くっそ野郎……!)


〝奥〟ってそういう意味じゃねぇよ!!


「ククッ、そんな目で睨まれても逆効果だぞ」

「なっ」

「ってか、お前が我慢すりゃいいんだよ声を。そうだろ?」

面白そうに笑われ、キッと睨みつける。


「なぁ、アキ……」


ピクッ

「っ、」

耳元で囁かれて、思わず両手で口を塞いだ。

「あぁ、それじゃキスできねぇな」

誰の所為だ誰の!!
もう知らない!

両手に更に力を入れると、ハハッと耳元で楽しそうな笑い声が聞こえた。

「まぁいいか。

ーーなぁアキ、よがって見せろよ」


ギラリと、目の前の瞳が輝いた。












「ふ…ぅ、んんぅ……ん…」

ピチャピチャ耳元で響く音と、休みなく責め立てられる膝の快感に、頑張って立ってた足からガクッと力が抜けた。
レイヤにもたれかかるように前へ倒れて、足の間にある膝と腰にまわされた手に支えられていて。
頭がぼうっとする中、震える手で何とか口を塞いでいる。

「やっぱお前って負けず嫌いだよなぁ、アキ」

「っ、ぅぅ…」

「なぁ、手外せよ」

(ゃ、やだ……)

だって、誰かがこの部屋を訪ねて来るかもしれない。
業務を終えた副会長さんたちとか、俺の事を心配した月森先輩とか。

考えれば考えるほど、手を離すことができなくて。

(でも、)


ーーでも…もうはっきり言って限界。


耳元で名前を呼ばれる度、感じてしまう身体。
膝で刺激されまくったソコはもうとっくの昔に勃ち上がっていて、先走りで下着が凄い事になってる感触がする。

もう本当に限界で、もうイッちゃいそう……

(でも、ここでイッたら絶対声漏れる)

それだけはどうにか避けたい。
でも、でも出したくて出したくて堪らなくて……

グッ!

「っ、んんん…!」

擦られるよう強く膝を動かされ、ビクッ!と体が跳ねた。

「なぁ、アキ」

「はぁっ、ふ……んぅ…」

(だから、名前呼び……っ)

ゆさゆさ膝で緩やかに揺さぶられながら、耳元で甘く囁かれた。

「な、アキ。イキてぇだろ?」

(っ、イキ…たぃぃ……)

「じゃあ当然、こんな弱ぇ刺激じゃ足りないよなぁ」

(た、りない…っ、もっと、もっと強いの)

「ククッ、腰揺れてるぞ」

頭では駄目ってちゃんとわかってるのに、体は正直に動き出す。

「なぁ、その調子で手も外せよ」

(ゃ、それはやだっ)

「大丈夫だアキ。俺の口で塞いでやっから」

(レイヤの、くち…で……?)


キスで、塞いでくれるってこと…?


トロリとした思考に、それは甘く入り込んできて。


(レイヤと…キス、したぃ……っ)


ーー口の中、気持ちよくしてほしい。


そんな気持ちに至った瞬間、スルリと手から力が抜けた。


「レ、ヤぁ…」


口の中に舌を入れて欲しくて、口を開けて潤んだ目のままレイヤを見上げる。


「っ、アキ」


「ぅんん!」


直ぐにガバリと唇が塞がれて、レイヤの舌が忙しなく動き回る。


(きもち、ぃ……)


気持ちよすぎて、また身体がドクリと熱くなってきて。


「ぁ、ん、んふっ、ん、んん」


(だめだ、もぅ)


イく…イッちゃう……っ、


ガクガク震え出した身体をぎゅぅっと抱きしめられて。

だんだん早くなる膝からの強い快感を…素直に感じて。


「ん、んんっ、んぅ、~~~~っ!!」


ビクンッ!と、身体が大きく跳ねた。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

当たって砕けていたら彼氏ができました

ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。 学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。 教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。 諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。 寺田絋 自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子 × 三倉莉緒 クールイケメン男子と思われているただの陰キャ そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。 お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。 お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。

彼の理想に

いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。 人は違ってもそれだけは変わらなかった。 だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。 優しくする努力をした。 本当はそんな人間なんかじゃないのに。 俺はあの人の恋人になりたい。 だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。 心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。

この愛のすべて

高嗣水清太
BL
 「妊娠しています」  そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。  俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。 ※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。  両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

手作りが食べられない男の子の話

こじらせた処女
BL
昔料理に媚薬を仕込まれ犯された経験から、コンビニ弁当などの封のしてあるご飯しか食べられなくなった高校生の話

処理中です...