218 / 536
文化祭編
sideアキ: 優しい手 1 ※
しおりを挟む体が、熱くて熱くて
思考が、ぼーっとして
でも、そんな中、待ち望んでいた声に「ハル」と呼ばれたような気がした。
「レ…ヤ……」
(レイヤ…いる、の?)
怠くて体が動かず、確認することができないもどかしさにまた涙が出てくる。
「レ…イヤ………っ」
(レイヤ、何処…何処にいるの? レイヤ……っ)
「ーーハル」
「ぁ………レ…イ……」
(レイヤの、声だぁ…っ)
顔のすぐ近くで、力強く名前を呼ばれた。
手を伸ばしたいけど…力が入らなくて。
そんな俺を、レイヤはきつく抱きしめてくれた。
「ーーっ、ぅ……」
ビクリッと体が震えるが、でもそれ以上に凄く安心してしまう。
(あったかい………)
「ハル、もう大丈夫だからな。安心しろ」
(っ、嗚呼)
大好きな体温、大好きな人、大好きな声。
もう、涙が止まらなかった。
そのままふわりと持ち上げられる感覚がする。
「ハル、移動するからちょっと待ってろ」
(あぁ……終わったんだ………)
やっと…やっと、終わったのか。
安心して目を閉じて、レイヤに体を預けた。
ベッドに寝かされて、俺の体に付いてるモノをレイヤが拭き取ろうとしてくれて。
そのタオルの感覚にビクリと震えてしまう。
「ぁ、ゃめて……っ」
触れられた部分から熱が生まれて、その感覚が体を駆け巡ってしまって、どうしようもなく息が上がってきて…
「……ハル、体が熱いのか?」
「ん、ぁつぃ…」
熱くて熱くてたまらない。
でも、どうすればいいのかも分からない。
分からなくて、辛い。
そして、それ以上にーー
「レ、ヤ……こわぃ…っ」
「自分の体が熱いのが、怖いのか?」
「……ん」
自分の体が自分でわからなくて、怖い。
(おれ、どうしちゃったの……?)
もうここは変質者の部屋じゃないのに、どうしてまだこんななの?
俺の体、変? 壊れた?
どうやったら治る?
(レ、イヤ……っ)
濡れた目で見つめると、その顔が悔しそうに歪んだ。
「…っ、そうか、わかった。
どうにかしてやるから、まずは体拭かせろ」
丁寧に体を拭かれて、綺麗になった体を優しく抱きしめられた。
「ハル、キスしていいか?」
「…ん、して……っ」
ふわりと温かいものに唇を軽く塞がれる。
「キスは、された?」
「さ、れてない」
「そうか、良かった」
チュッ チュッと軽いものからだんだん長いものへと変わっていき。
「ん…んぅ……、んぁっ」
そのまま、長い指で胸をキュッと掴まれる。
「ここは結構触られたみてぇだな…腫れてる。怖かったな」
労わるように頭を撫でられながら、レイヤの顔が唇から下に降りていく。
「ぁあっ! ぁ、レ、ヤぁ…っ」
口の中に乳首を含まれ、舌で優しく転がされて。
「ふぁ…ぁ……ぁ、ぁあ」
ビクビクと体が跳ねてしまう。
「気持ち悪いか? ハル」
「ぁ……っ、もちぃ…、きもち、いぃっ」
「ククッ、そうか」
安心したようにニヤリと笑われて、またレイヤの顔が戻っていった。
(すご、さっきと…全然、ちがう……)
あいつに触られた時はあんなに気持ち悪かったのに、レイヤにされるのは全然嫌じゃない。
「はぁ…ぁ、ぁあ……っ、レ、イヤ……んっ」
体の中にずっと溜まってた熱いものが、また一気に身体中を駆け巡り出した。
「レイ、レイ、ヤ……んっ、ふ、
ーーっぁあ!」
いきなり強い感覚が襲ってきてビクリと体が跳ねる。
「ハル、ココは? イッたか?」
0
お気に入りに追加
353
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる