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期末テスト編
2
しおりを挟むシャァァーーー……………
温かい熱気に包まれて、ホッと息を吐く。
(とりあえず状況を整理しよう)
昨日、凄い雨の中放課後に残って業務をして
途中から雷が鳴り鳴り始めて、停電になって
パニックになった俺を、会長が抱きしめて……くれて
キ…キスも……してくれて、
(それから、どうなったんだっけ…?)
思い出せない。
でも、あの状況だと多分防音設備が整ってる仮眠室へ連れて行ってくれたんだろう。
そこまでは…まぁ、いい。
キスも……多分俺を落つけようとしてやってくれたものだと思う…し………
問題は、今だ。
(なんで俺、会長と一晩過ごしちゃってんの!?)
そう、そこ。 そこが問題。
俺なにしちゃってんの!?え!?
ま、まさか俺がぎゅぅぅって会長に抱きついて離れなかったとか!?
それとも、俺が泣きついたとか!?
「嘘だろ……っ」
(どんな顔して会えばいいんだよ………!)
あり得ない、この俺がハル以外にそんな事するなんて……
でも、あの時は非常事態っていうか……
「と、とりあえず……」
〝会長に、雷が苦手だとバレた〟
この事実は、もう覆せそうにない。
本物のハルは雷なんてへっちゃらだけど…こればっかりはハルにも協力して貰わないといけないかな……
あぁーミスっちゃった…ハルごめん……
(次帰るとき、ちゃんと報告しよ)
抱きしめられた事とかキスされた事とか、一晩過ごした事とかは全部秘密にしといて。
こう…なんというか……
俺からハルに変わったら、徐々に雷が怖くなくなってきた~的な…こんな感じの演技だけしてもらって……
うん、はい。 要相談します………
上がって髪を乾かして、時計を見るとまだ朝の6時手前。
(どーしよっかなぁ…制服とか昨日のまんまだし一旦部屋戻りたいな……)
でも、まだ寝てる会長を置いて1人で帰っていいのか……
今の状況からして、多分俺の為に一緒に居てくれてたんだよな、あいつ。
そんな奴にお礼ひとつ言わず、自分だけとっとと戻るのもな……
(それに、あいつなんかすごく幸せそうな顔して寝てたし)
まだ学校始まるまで時間に余裕があるから、起こしに行くのも気が引ける。
「はぁぁぁ…しょうがないなぁ……」
(朝ごはんでも、作ってやるか)
昨日、結局俺のせいで会長も夜ご飯食べ逃してると思う。
それに、迷惑…かけちゃったから、そのお礼としても……
「ティーカップくらい季節の模様にしなさい!茶葉や茶菓子も置いていきますから!」と言いながら、結局それ以外のものもたくさん置いていく副会長さん。
「差し入れ持ってきたよ~」と書類チェックのついでに色々持ってきてくれる会計さん・書記さん。
その3人のお陰で、生徒会室のキッチンは以前よりかなり食材で潤っている。
「んんー…賞味期限近いやつから使ってくかな……」
昨日の夜ご飯の分も合わせて、ちょっと多めに作ってやるか。
「おしっ」
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