ハルとアキ

花町 シュガー

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体育大会編

[体育大会編]sideアキ: え、貴方1人でやってたんですか? 1

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「小鳥遊ー。小鳥遊ー? おーい」

「……………」


(なんで、こうなってんだ……)


生徒会室で会長に掃除を言い逃げしたあの日。
あの日を境に、龍ヶ崎は俺の体育の時間に合わせて生徒会室に来るようになった。

(え、なんでだ!? 授業行けよ職務乱用かよ! ったく…一体なんなんだ……)

「たーかなしー聞こえてんだろうが返事しろよーおーi」

「っ、あぁもうなんですか!!」

「お、やっとこっち向いた」

ニヤリと楽しそうに笑う顔。

「これ、この書類も一緒にやっとけ」

「……ちょっと、さっきから僕に頼りすぎじゃないですか? いくら貴方の専属だからと言っても、もうちょっと仕事量考えてください」

「あ? こんなのまだまだ序の口だろうが。弱音吐いてんじゃねぇよ。おら、とっとと取りに来い」

(っ、くっそ~~!)

机の位置は、あれからまだ直してない。
俺はあいつから離れた場所で、壁を向いてずっと業務している。

(なんだこいつは…何でこんな俺に構うんだ?)

婚約者だから? それだけじゃないような気がする。

(ってか寧ろ構わないといけないのは俺の方なのに、何であいつから寄ってくんだよ……)


「ん、お利口さんだなぁ小鳥遊」

会長の机まで行くと、再びクククと笑われる。

(っ、このクソ会長が……お前が来いって言ったんだろうかこの野郎!)

「はいはい、んな怒んなって」

「っ…これですね。かしこまりました」

「ん。 なぁ、お前いつまで机あそこなんだ?」

「一生です、い・っ・しょ・う!」

ポソッ
「はぁー、ったく…もーちょっとは懐いてくれよなぁ……」

「聞こえてますよ会長サマ」

懐くってなんだ懐くって。
俺は動物じゃないぞ!?


(しっかし……)


最近、生徒会に入った時より格段と仕事量が多い。

風紀は学園の規則を、生徒会は学園の行事を司る。

(〝体育大会〟か……)

今1番近い行事が、体育大会。
全校生徒が各団に分かれて優勝を競い合うものなのだと、イロハたちが教えてくれた。

はっきし言ってハルにはまったく関係ない行事だ。

(まぁ、体育大会に参加できない分こういった裏方は積極的に手伝わないといけないんだけど……)

しかし、ちょっとやる事が多すぎないか?

ちらっと会長の机を見ると大量の書類が山積みになっている。

(この人、これ全部やるのかな…? ーーん?)


「この書類の山……」


会長の机にあるいくつかの書類の山のひとつ。

(これ〝会計〟って書いてある)

こっちの山は〝副会長〟。
こっちの山は〝書記〟。

(なんで、会長の机に他の人の書類が……)

「なに、それもやってくれんのか?」

「は!? ちがっ……
大体、どうして他の方々の書類が会長サマの机にあるんですか?」

「あ? んなもん、あいつらが全然仕事しに来ねぇからだろうが」


「…………は?」


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