ハルとアキ

花町 シュガー

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親衛隊編

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「…………なっ」





な ん だ 此 処 は 。


(……と、とりあえず入らなきゃ)


でも…何処に足を置けばいいんだ……?


「…………」


パッとしゃがんで足元にあるプリントを適当に退け、扉を閉める。

「…これは……」

今は4限目ということもあり、シーンと静まり返ってる部屋。

シャンデリアが煌びやかに輝いているけど、所々蜘蛛の巣が張ってるのが見える。
足元には沢山の書類たちがバサーッと落ちていて、その隙間から辛うじて床が赤い絨毯だとわかるくらい。
各机の上は、もう目も当てられない有様で。

(え、なに? 強盗でも入った?)

この有様は、一体……?


「…………とりあえず」

(自分の机がどれかわかんないんじゃ、業務出来ない……)

それに、こんな汚い部屋初めて見た…
なんなの? あいついっつもこんな部屋で仕事してんのか?
ちょっとやばすぎだろ、少なくとも俺はこんな部屋には居たくない……

「っ、くそ…掃除からとかまじか……」

(授業終わりまでどれくらい時間ある? …結構あるな)

カチャッとドアの内鍵をかける。

(1人だし、今だけ〝俺〟になってもいいかな?)

ハルの動くスピードでやってもいいけど、なるべく早めに終わらせてさっさと自分の仕事をしたい。

「っし、やるか!」

見てろ!あいつが来たらビックリするくらい綺麗にしてやる!







「ーーふぅ…こんなもんかな……」

机の上のプリントを整えて、床のプリントを全部拾って机に置いて、絨毯を綺麗にして窓と机を拭き上げて、本棚も片付けて、プリントを整理して……

「シャンデリアは流石に無理だなぁ…あいつが来たら頼むか」

(それくらい手伝わせよう。うん)

「しっかし広い部屋だなー……」

綺麗になった生徒会室を改めて見回すと、かなり広い。

(しかもキッチンに仮眠室にシャワールームに……下手したら住めるだろ此処)

やばいな生徒会室。

「この机があいつのかな?」

1番中央の、座りやすそうな椅子がある机を撫でる。

「で、その隣にあるいかにも〝くっつけましたー〟的な机が…俺のかな?」

なんか腹たつぞこれ。
くっつけたくないな。離しとこう、うんうん。

俺の机にも日にちの新しいプリントが何枚か置かれていて、恐らくあいつが俺にさせようとした仕事なんだと思う。

「ふーん、これをすればいいのか。時間は…まだもうちょっとある」

(充分)

これくらいの量ならすぐ終わる。

「これ終わらせたらイロハ達と学食か……おし、がんばろ!」


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