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三章 いざ、入試へ!

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 あれから、リュラもすくすくと育ち、4歳になった。
 我が弟ながら、スゴく可愛い。
 彼は、茶色のストレートの髪に蒼の瞳を持った子だ。
 まだ幼いということや、髪を長めに伸ばしていることから、私のこの頃の服がよく似合う。

 兄様も順調な学園生活を送り、今度騎士特進科の四年生になる。
 四年生になると、制服は替わるらしい。

 私はといえば、先生がお手上げという程度は頭が良かったらしく、まあ、計算と歴史、魔法理論に関しては敵なしという感じだ。
 この国のいわゆる国家試験レベルでも解けたりします。
 魔法の座学では初歩のことを教わった。
 なんでも、この世界では魔力の種類は大分あるらしい。
 火土水風光闇の他にも、空間、創造など、とにかくいろいろだ。
 火土水風の魔力を持っている人はよくいるが、そのほかは大分珍しい。
 あるものは数十年に一度とか……。

 ちなみに、魔法を使ったことはない。
 どうやら、学園の入学試験において始めて使えるようになるみたい。
 詳しいことは、その時説明されるみたい。

 最近になって、お母様によって身につけていたきらきらとしたものを外した。
 なんでも、魔力を外に放出する手伝いをするものだったとか……。

 私は今年8歳になり、明日入学試験を迎える。
 うーん、緊張する……。

「アーネが緊張する必要ないでしょう」

「姉様、絶対に大丈夫ですよ~」

 夕食の席でそう漏らしたら、そっこー否定されました。
 むっとしている私と違って、お母様もうなずかれてる。
 え~、緊張するよ?

「アーネも、もう学園に入ってくる年か。
 どの科に受かるか楽しみだね」

 にっこりと笑う兄様。
 兄様はだんだんと大人に近づいていく。
 12歳なだけあって、まだまだ幼いけどね。
 
 ちなみに、この国は18歳が成人。
 最後までいけば、その年に学園を卒業することになる。
 王宮に勤めたければ、18歳まで学園に通わなくてはいけない。
 1~3年が初等科、4~6年が中等科、7~10年が高等科となっている。
 一応わかれてはいるが、通う学園は特別な事情がない限り、変わらない。
 これからの10年間が決まる入試とか、怖すぎっ。

 でも、前世でも似たようなかんじだった。
 私立小学校にお受験して、駄目だったら父の後を継ぐのが難しくなるっていう入試。
 受かったから良かったものの……。

 私が考え事をしていると、お母様が声をかけた。

「実力を出せれば、大丈夫よ。
 そう、明日にはお父様も帰ってこられるのよ。
 お父様に良い報告ができるといいわね」

 お母様の言葉にしっかりとうなずいた。
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