あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

十章 新学期

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「そういえば、アーネのクラスは文化祭どうするんだい？」

　馬車に乗り込むとさっそく兄様がそんなことを聞いてくる。

「私のクラスは不参加ですよ。
　ただ、生徒会のお手伝いをする事になりました」

　そう伝えると初めはやっぱり、という顔をしていた兄様がえ？ っと表情を変えてきた。
　どうしたんだろう？

「どうしてアーネが生徒会を手伝うんだい？
　まさか僕の妹をこき使うなんてね……」

　最後の一言はそうとう声を落としていましたが、しっかり聞こえています兄様。
　その声音の本気度に私も思わずびくりとしてしまった。

「お兄様？　
　私がお引き受けしたことですから口出ししないでくださいね」

　そういうとようやくそっかと納得したようにうなずく。
　いや、本当に良かったよ……。

「お兄様のクラスは参加なさるんですか？」

「中等部以降は全クラス参加しないといけないんだ」

「そうだったのですね。
　何をなさるんですか？」

「まだ決まっていないんだ。
　でも騎士科だからね、それに沿ったやつかな」

　騎士科に沿ったやつ……。
　剣舞とか？

「楽しみにしていますね」

　うん、初めての文化祭だし、やっぱり知っている人のところ行きたいよね。

「準備頑張るね」

　ぐっと拳を握ってやる気十分な兄様。
　これは文化祭が楽しみになってきたな。