あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

九章 初めての夏休み

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「アーネミリア様をお迎えに上がりました」

　丁度ベンネに起こされて朝食を食べ終わり、身支度を整えたころ王城からお迎えが来た。
　この状態なら私が直接王城に向かった方が良かった気がするな。
　でもせっかく来てくれたので、ありがたく馬車に乗らせてもらった。
　
「気を付けてね、アーネ」
　
「はい！
　初めての祭りなので楽しんできますね」

　母様に見送られて、馬車で王城へと向かった。


「待っていたわ、アーネさん！」

　王城へ着くと出迎えてくれたのはルカさん。
　まさか直接出迎えてもらえるとは思っていなかったから正直びっくりした。
　まだルカさんも用意していないようで、いつもと同じような服装だ。

「お出迎えいただいて、ありがとうございます」

「いいのよ！
　さあ、準備をして出かけましょう」

　ルカさんが本当に楽しそうに笑っているから、こちらまではやくもとても楽しくなってきた。
　さっそくルカさんに誘われて部屋に入ると、そこにはいくつもの服が並んでいた。
　
「わぁ！
　すごい数の服ですね」

「せっかくなかなかしない格好をするのでいろいろ用意させたのよ！
　好きなものを選んでください」

　にっこりと笑ってルカさんがいう。
　側には何人かの侍女が控えているから、着る服が決まったら手伝ってくれるらしい。
　まあ、一人で着られるように作られているはずだから手伝いはなくて大丈夫だとは思うけど……。

　実際に触ってみると、やっぱりいつも着ているものよりもごわごわしているのがわかる。
　ただ服はシンプルでもちろん着やすそう。
　だけどデザイン性には富んでいてとても可愛い。
　どういうのを着ようかな？

「これなんてどうかしら？」

　ルカさんが持ってきたのはワンピース型ので、腰の部分できゅっと絞るひもが付いているもの。
　大柄な花が描かれていてとても可愛い。

「とても可愛いと思います！」

「ありがとう！
　ではこれにしようかしら。
　アーネさんは決めたかしら？」

「わ、私はまだ迷っていまして」

「あら。　
　ゆっくり選んでくださいね」

　そういってくれたけれど、やっぱり待たせてしまうのは申し訳ない。
　ここは早めに選ばないとね。

　うーん。
　やっぱりルカさんが頼んだ人が選んだだけあって、どれも可愛い。
　悩むけど……！
　胸の下あたりが絞られていて、その上が白のシンプルなものだけど袖のあたりが絞られていて、下は大きめのチェック柄。
　うん、これにしよう！

「これにします」

「それも可愛いわ！
　では着替えましょう」」

　さっそくその服を持って着替えをしたが、やっぱりとても着やすかった。