あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

七章 学園生活 1-2

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「戻りました」

　小屋へ入ると少し声を張り上げて先生がそういう。
　すると先ほど入っていった部屋からバーストさんが出てきた。
　その手にははかりがあった。

「今日は早かったな。
　ではそれをこちらへ」

　バーストさんははかりを机の上に置くと、先生から袋を受け取った。
　そして慣れた様子で鉱石の重さをはかっていく。
　
「今日は少し多めだな。
　二人だし問題はないだろう」

　そういうと先ほど名前を書いた横に重さを記入していく。
　
「さて、ここで割っていくだろう？　
　布を持ってくるから少し待っとれ」

　名簿とはかりをもって今度はまた別の部屋に入っていく。
　割っていくってどういうことかな？

「このままでは使うのに少し大きいので、もう少し小さく割ってから持ち帰りましょう」

　声には出していないはずなのに先生が疑問に答えてくれる。
　私ってそんなに顔に出ているのかな。
　
「いつもそうしてあの大きさにしているのですか？」

「はい。
　持ち帰ってから割ってもいいのですが、ここだとそれ用のハンマーもありますし便利なんです」

　割る専用のハンマーなんてあるんだ……。

「待たせたな。
　ほれ」

　バーストさんは戻ってくると机に布とハンマーを置く。
　確かに先ほどまで使っていた者とは先の形が異なっていた。
　これが割る専用のハンマーか。

「ありがとうございます」

　布で先ほど採ってきた鉱石を挟めると、ハンマーをそこにあてる。
　大きな音をならしながら何回かたたくと、布に挟んでた鉱石はいつものような大きさに割れていた。
　粉々ではなくこの多さにちゃんと割れているのがすごい……。
　やっぱりこのハンマーの形状的に力の入り方がコツなのかな？

「割れたか？」

「はい。
　ありがとうございました」

「いやいや。
　よければ茶でも飲んでいかないか？」

　鉱石をしまい終わったころに、元の部屋に戻っていたバーストさんが戻ってきていた。
　その手には紅茶が三杯分とお菓子が乗ったトレーがある。
　
「お茶ですか？」

「ああ、このところ人があまり来なくてな。
　話し相手が欲しかったんだ」

「……では、言葉に甘えて」

　バーストさんと先生はそういうと席に座る。
　これは私も座った方がいいのかな？
　四席ある中、先生とバーストさんが向かいに座ったので私は先生の隣に座ろっと。