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第四話

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はぁー、
「で、私をここに連れてきた理由は?」
「否、理由は特にはない…」
はぁ⁉
「でも、あの場所は野生の魔物も結構多いから、あそこにいるよりは、安全だ」
だとしても!
「なら、近くの村にとかでも連れてけばいいじゃん!わざわざ、魔王城に来る必要あった⁉」
「近くの村は、魔族ばかりだから、止めたほうがいい。異世界との常識の差もあるだろうし、文字も分かるかどうか判明していない。第一、金がないだろう?」
うっ
「その顔は図星だな?」
「そうだけど、何か⁉異世界から来たんだから、仕方ないでしょ⁉」
こうなったら、逆ギレしてやるわ!
「責めてはいない。なら、金もかからない。文字も読まなくてすむ。凛音の事情も知っているから、色々と教えてやれる、魔王城の方がお互いにいいと思うぞ」
今のを聞くと、
「お互いにって言ったけど、あんたにメリットなくない?」
「それは…俺は凛音が気に入ったからな。少しでも側にいたい」
うわ、これがもし、普通にイケメンが好きだったら絶対に惚れるわ
まぁ、私は大嫌いだけど!
「まぁ、私としては有難いから、色々とわかるまではお世話になるわ」
「わかるまでと言わず、ずっといればいい」
いや、
「ずっとはちょっと…それに、あんたもきっとすぐに飽きると思うよ」
「さて、それはどうかな?」
ふーん、自信ありげ?
「なぁ、思ったんだけど、あんたって呼び方やめろよ」
えー
「じゃ、なんて呼べと?」
「リファエル。リファエルと呼んでくれ。何か、あだ名を作ってもいいが…」
リファエル…
確かに長いし、呼びにくい…
「リファエル……リファ…じゃ捻りがないし……リフェ?」
本当に自分のネーミングセンスのなさが嫌になってきた…
「リフェ?」
「そう、リフェって呼んでもいい?」
なんか、魔王様に対して失礼?
「あ、あぁ!是非、呼んでくれ!」
以外に気に入ってくれた?
「うん!」
良かった…
以外に嬉しい…
トントン
「兄上、入ってもよろしいでしょうか?」
この声、弟のラフィエル君?
「あぁ」
「失礼致します」
ふーん…
さっきはあんまり見えなかったけど、身長も結構高いんだ
リフェより、少し小さいくらいだよね…
私よりは三十センチくらい大きい…
悲しい現実…
「凛音様、改めて自己紹介させて頂います。リファエル・アルファーニーの弟、ラフィエル・アルファーニーと申します」
凛音、様ぁ⁉
「ちょ⁉様はやめてください!」
「では、何とお呼びすれば?」
何とって!
「普通に凛音でいいですよ!」
「そうですか…。では、凛音、これから、よろしくお願いしますね」
「は、はい…」
なんか、一気に気が抜けた…
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