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第7章 大陸編

旗揚げ!

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 セナ達がドラニスタへ来て4日が立っていた。

 「いまだ敵に動きはありませんでした」

 「そうですか、アイリーンさんありがとうございます。僕はエイシャ様に報告に行ってくるので休んでてください」

 アイリーンから報告を受けたセナがエイシャの元へと向かった。

 「んー…こうも動きがないと退屈ですね…セナ様とご一緒できるのは嬉しいですが、この状況なら魔王様や先生の元へいきたくなりますねぇ」

 「そう?私は結構充実してるけど」

 「マインは基本治療室や資料室に入り浸ってるし、エリスとスカーレットさんはエイケン様たちと修行の日々、カトリーヌとヤオさん、タオさんは今後の話し合いとかで常に難しい話をしてますし…メディーはずっとなんか作るか厩舎にいってるんだもの」

 「あなただって鍛錬してるじゃない」

 「ここは綺麗でいいところですが、魔大陸よりかなり魔力が薄いし軽いんですよ」

 「それでもそこそこはやってるんでしょ?」

 「ベヘモートさんとの親和性を高める修練やら少しづつですよ」

 椅子に座り退屈そうに足をばたばたさせているコニーにセナから借りた医術書をめくりながらマインがため息交じりに会話をしていた。

 「あれ?メディーはまだきてない?」

 「え?来てないわよ?みんなどうしたの?」

 「なにやらお知らせがあるとのことで皆を集めてほしいとメディーさんから賜りましたの」

 「え?なんだろ?」

 「さぁ?…いかんせんメディーですからなぁ…」

 「そうですわね…メディーですから…」

 全員がメディーにより呼び出されさすがのヤオもタオもメディーの行動だけは読めず困惑していた。

 「皆さん全員おそろいですかっ!」

 「メディーなんですの?」

 「できました!」

 「はい?できた?」

 「はい!」

 「メディーさん…主語がございませんわ…なにがお出来になられたのかしら?」

 「アイリーンさん!これですよ!これ!!」

 「旗…にございますか?」

 メディーが大きな旗を取り出しテーブルの上に広げた。

 「はい!セナ様の旗ができました!」

 「ほぅ!これは見事ですな!」

 「ええ!神々しく力強い実にいい紋章ですわ!」

 旗を全員が顔を寄せ合い見るとヤオとタオができをほめた。

 「やはりブレイダーに似てるわね」

 「ええ、ですが剣ではなく刀ですしなにより」

 「柄と鍔が龍をかたどっていて盾には馬が描かれてますね」

 みると翼を4枚広げた黒龍をモチーフにした刀と盾には二本足で立ちあがる荒々しい黒馬が描かれていた。

 「はい!グラニールと迅風です!」

 「メディーすばらしい出来ですわ!」

 メディーの言葉を聞きタオが手放しで感動するようにほめたたえた。

 「ん?旗のふちにあるこの天使はなに?」

 「ああ、それは縦3横に4人ずつ描いてますがそれは私達です!」

 「ヴァルキューレ!」

 「はい!セナ様の旗はセナ様だけのものですし、ですからセナ様をお守りしお傍にい続ける私たちの決意を入れさせていただきました!」

 「見事!」

 セナ一代限りの紋章だからこそということとセナはそれを必ず受け入れてくれると暗に信じているメディーにヤオもほめざる負えなかった。

 「それと皆さんにはこれです!」

 「これは?さっきの天使の?」

 「はい!私達の紋章です!」

 メディーが取り出したのはセナの紋章が入った盾をもつ女性の天使の形をしたピンバッジだった。

 「えっと、お配りしますね!これがヤオさんでこっちはアイリーンさんですね!」

 「え?一人ひとり決まってるの?」

 「はい!」

 「あ!右手の武器がみんな違いますよこれ!」

 「本当だ!旗の天使はなにももってないのに!」

 「旗はこの身と心でセナ様とともに有り、必ずお守りするという決意の表れですから!」

 メディーがそういいながら右手にスパナをもっている戦女神のピンバッジを左胸につけた。

 「我らは黒刀と白刀にございますか」

 「あ、私のは背の羽がグラニール殿と同じに!?」

 「はい!」

 「私とマインはそれぞれの杖でエリスは刀…」

 「スカーレットさんはよく見ると小手とすね当てが!」

 「そういうカトリーヌもレイピアをもってますね」

 「メディーさん…なぜわたくしだけ…みなさんとデザインがちがうのでしょうか?」

 手のひらにのせたバッジを見せながらアイリーンが少々怒りをふくみながら訪ねた。

 「だってアイリーンさんがセナ様から賜ったのは日傘ですから!盾に日傘はおかしいので紋章がはいった日傘をさしているんですよ!」

 「え~なんかアイリーンさんのほうが女性らしくていいですねぇ…私のもアイリーンさんのようにかわいらしいレディーにしてほしいです!」

 「コニー…あなたレディーはないでしょ…」

 「なんでですかっ!私だってアイリーンさんみたいなフリフリでかわいらしい服で居たいんですよ?ほんとうは!」

 「コニーがアイリーンのような服装?それこそ幼女にみまちがえられるわよ?」

 「むっきー!エリスだってムチムチでむりじゃない!」

 「あははは…なんかわかる気がするわ。たしかにアイリーンやカトリーヌのようにかわいらしい格好もしてみたいけど…私の図体じゃ無理だものね」

 「はぁ~…たしかに日傘に盾はおかしいですわね…私のはこれで結構ですわ…ありがとうございますメディー」

 予想外にみんなに自身がうらやましがられていることに驚いたアイリーンだったが口元を少し笑顔にゆがめ心なしか嬉しそうにバッジを襟元につけた。

 「おぉ~!みなさんよくお似合いですよ!なんかチームという感じがします!あ、ちなみに迅風の従魔のベルトにもこの紋章が入ってますし、グラニールの装備にも入れておきました」

 「パーフェクトですわメディー」

 「えへへへへ!ありがとうございます!」

 「これでリネアや各国に行っても大丈夫です!」

 3日目の夜にセナが迅風とグラニールをつれてきていたのをみたメディーがずっと準備していたものを徹夜で完成させ皆に褒められ満足げに笑顔を浮かべていた。

 ===============================

 「おぉ!かっこいい旗になりましたね!」

 「気に入っていただけましたかな?」

 「もちろんです!それに皆さんがつけているバッジもよく見ると細部が違いますが皆さんお揃いでいい出来ですよ!」

 「おほめ頂きありがとうございますわ…メディーがきけば大変喜んでいたと思いますわ」

 「あははははっ!ゆっくりやすませてあげてください」

 「そうですな」

 帰ってきたセナに旗やバッジを見せた面々が笑顔を浮かべる中、とうの製作者メディーは涎を垂らし白目をむいて爆睡していた。
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