278 / 323
第7章 大陸編
旗揚げ!
しおりを挟む
セナ達がドラニスタへ来て4日が立っていた。
「いまだ敵に動きはありませんでした」
「そうですか、アイリーンさんありがとうございます。僕はエイシャ様に報告に行ってくるので休んでてください」
アイリーンから報告を受けたセナがエイシャの元へと向かった。
「んー…こうも動きがないと退屈ですね…セナ様とご一緒できるのは嬉しいですが、この状況なら魔王様や先生の元へいきたくなりますねぇ」
「そう?私は結構充実してるけど」
「マインは基本治療室や資料室に入り浸ってるし、エリスとスカーレットさんはエイケン様たちと修行の日々、カトリーヌとヤオさん、タオさんは今後の話し合いとかで常に難しい話をしてますし…メディーはずっとなんか作るか厩舎にいってるんだもの」
「あなただって鍛錬してるじゃない」
「ここは綺麗でいいところですが、魔大陸よりかなり魔力が薄いし軽いんですよ」
「それでもそこそこはやってるんでしょ?」
「ベヘモートさんとの親和性を高める修練やら少しづつですよ」
椅子に座り退屈そうに足をばたばたさせているコニーにセナから借りた医術書をめくりながらマインがため息交じりに会話をしていた。
「あれ?メディーはまだきてない?」
「え?来てないわよ?みんなどうしたの?」
「なにやらお知らせがあるとのことで皆を集めてほしいとメディーさんから賜りましたの」
「え?なんだろ?」
「さぁ?…いかんせんメディーですからなぁ…」
「そうですわね…メディーですから…」
全員がメディーにより呼び出されさすがのヤオもタオもメディーの行動だけは読めず困惑していた。
「皆さん全員おそろいですかっ!」
「メディーなんですの?」
「できました!」
「はい?できた?」
「はい!」
「メディーさん…主語がございませんわ…なにがお出来になられたのかしら?」
「アイリーンさん!これですよ!これ!!」
「旗…にございますか?」
メディーが大きな旗を取り出しテーブルの上に広げた。
「はい!セナ様の旗ができました!」
「ほぅ!これは見事ですな!」
「ええ!神々しく力強い実にいい紋章ですわ!」
旗を全員が顔を寄せ合い見るとヤオとタオができをほめた。
「やはりブレイダーに似てるわね」
「ええ、ですが剣ではなく刀ですしなにより」
「柄と鍔が龍をかたどっていて盾には馬が描かれてますね」
みると翼を4枚広げた黒龍をモチーフにした刀と盾には二本足で立ちあがる荒々しい黒馬が描かれていた。
「はい!グラニールと迅風です!」
「メディーすばらしい出来ですわ!」
メディーの言葉を聞きタオが手放しで感動するようにほめたたえた。
「ん?旗のふちにあるこの天使はなに?」
「ああ、それは縦3横に4人ずつ描いてますがそれは私達です!」
「ヴァルキューレ!」
「はい!セナ様の旗はセナ様だけのものですし、ですからセナ様をお守りしお傍にい続ける私たちの決意を入れさせていただきました!」
「見事!」
セナ一代限りの紋章だからこそということとセナはそれを必ず受け入れてくれると暗に信じているメディーにヤオもほめざる負えなかった。
「それと皆さんにはこれです!」
「これは?さっきの天使の?」
「はい!私達の紋章です!」
メディーが取り出したのはセナの紋章が入った盾をもつ女性の天使の形をしたピンバッジだった。
「えっと、お配りしますね!これがヤオさんでこっちはアイリーンさんですね!」
「え?一人ひとり決まってるの?」
「はい!」
「あ!右手の武器がみんな違いますよこれ!」
「本当だ!旗の天使はなにももってないのに!」
「旗はこの身と心でセナ様とともに有り、必ずお守りするという決意の表れですから!」
メディーがそういいながら右手にスパナをもっている戦女神のピンバッジを左胸につけた。
「我らは黒刀と白刀にございますか」
「あ、私のは背の羽がグラニール殿と同じに!?」
「はい!」
「私とマインはそれぞれの杖でエリスは刀…」
「スカーレットさんはよく見ると小手とすね当てが!」
「そういうカトリーヌもレイピアをもってますね」
「メディーさん…なぜわたくしだけ…みなさんとデザインがちがうのでしょうか?」
手のひらにのせたバッジを見せながらアイリーンが少々怒りをふくみながら訪ねた。
「だってアイリーンさんがセナ様から賜ったのは日傘ですから!盾に日傘はおかしいので紋章がはいった日傘をさしているんですよ!」
「え~なんかアイリーンさんのほうが女性らしくていいですねぇ…私のもアイリーンさんのようにかわいらしいレディーにしてほしいです!」
「コニー…あなたレディーはないでしょ…」
「なんでですかっ!私だってアイリーンさんみたいなフリフリでかわいらしい服で居たいんですよ?ほんとうは!」
「コニーがアイリーンのような服装?それこそ幼女にみまちがえられるわよ?」
「むっきー!エリスだってムチムチでむりじゃない!」
「あははは…なんかわかる気がするわ。たしかにアイリーンやカトリーヌのようにかわいらしい格好もしてみたいけど…私の図体じゃ無理だものね」
「はぁ~…たしかに日傘に盾はおかしいですわね…私のはこれで結構ですわ…ありがとうございますメディー」
予想外にみんなに自身がうらやましがられていることに驚いたアイリーンだったが口元を少し笑顔にゆがめ心なしか嬉しそうにバッジを襟元につけた。
「おぉ~!みなさんよくお似合いですよ!なんかチームという感じがします!あ、ちなみに迅風の従魔のベルトにもこの紋章が入ってますし、グラニールの装備にも入れておきました」
「パーフェクトですわメディー」
「えへへへへ!ありがとうございます!」
「これでリネアや各国に行っても大丈夫です!」
3日目の夜にセナが迅風とグラニールをつれてきていたのをみたメディーがずっと準備していたものを徹夜で完成させ皆に褒められ満足げに笑顔を浮かべていた。
===============================
「おぉ!かっこいい旗になりましたね!」
「気に入っていただけましたかな?」
「もちろんです!それに皆さんがつけているバッジもよく見ると細部が違いますが皆さんお揃いでいい出来ですよ!」
「おほめ頂きありがとうございますわ…メディーがきけば大変喜んでいたと思いますわ」
「あははははっ!ゆっくりやすませてあげてください」
「そうですな」
帰ってきたセナに旗やバッジを見せた面々が笑顔を浮かべる中、とうの製作者メディーは涎を垂らし白目をむいて爆睡していた。
「いまだ敵に動きはありませんでした」
「そうですか、アイリーンさんありがとうございます。僕はエイシャ様に報告に行ってくるので休んでてください」
アイリーンから報告を受けたセナがエイシャの元へと向かった。
「んー…こうも動きがないと退屈ですね…セナ様とご一緒できるのは嬉しいですが、この状況なら魔王様や先生の元へいきたくなりますねぇ」
「そう?私は結構充実してるけど」
「マインは基本治療室や資料室に入り浸ってるし、エリスとスカーレットさんはエイケン様たちと修行の日々、カトリーヌとヤオさん、タオさんは今後の話し合いとかで常に難しい話をしてますし…メディーはずっとなんか作るか厩舎にいってるんだもの」
「あなただって鍛錬してるじゃない」
「ここは綺麗でいいところですが、魔大陸よりかなり魔力が薄いし軽いんですよ」
「それでもそこそこはやってるんでしょ?」
「ベヘモートさんとの親和性を高める修練やら少しづつですよ」
椅子に座り退屈そうに足をばたばたさせているコニーにセナから借りた医術書をめくりながらマインがため息交じりに会話をしていた。
「あれ?メディーはまだきてない?」
「え?来てないわよ?みんなどうしたの?」
「なにやらお知らせがあるとのことで皆を集めてほしいとメディーさんから賜りましたの」
「え?なんだろ?」
「さぁ?…いかんせんメディーですからなぁ…」
「そうですわね…メディーですから…」
全員がメディーにより呼び出されさすがのヤオもタオもメディーの行動だけは読めず困惑していた。
「皆さん全員おそろいですかっ!」
「メディーなんですの?」
「できました!」
「はい?できた?」
「はい!」
「メディーさん…主語がございませんわ…なにがお出来になられたのかしら?」
「アイリーンさん!これですよ!これ!!」
「旗…にございますか?」
メディーが大きな旗を取り出しテーブルの上に広げた。
「はい!セナ様の旗ができました!」
「ほぅ!これは見事ですな!」
「ええ!神々しく力強い実にいい紋章ですわ!」
旗を全員が顔を寄せ合い見るとヤオとタオができをほめた。
「やはりブレイダーに似てるわね」
「ええ、ですが剣ではなく刀ですしなにより」
「柄と鍔が龍をかたどっていて盾には馬が描かれてますね」
みると翼を4枚広げた黒龍をモチーフにした刀と盾には二本足で立ちあがる荒々しい黒馬が描かれていた。
「はい!グラニールと迅風です!」
「メディーすばらしい出来ですわ!」
メディーの言葉を聞きタオが手放しで感動するようにほめたたえた。
「ん?旗のふちにあるこの天使はなに?」
「ああ、それは縦3横に4人ずつ描いてますがそれは私達です!」
「ヴァルキューレ!」
「はい!セナ様の旗はセナ様だけのものですし、ですからセナ様をお守りしお傍にい続ける私たちの決意を入れさせていただきました!」
「見事!」
セナ一代限りの紋章だからこそということとセナはそれを必ず受け入れてくれると暗に信じているメディーにヤオもほめざる負えなかった。
「それと皆さんにはこれです!」
「これは?さっきの天使の?」
「はい!私達の紋章です!」
メディーが取り出したのはセナの紋章が入った盾をもつ女性の天使の形をしたピンバッジだった。
「えっと、お配りしますね!これがヤオさんでこっちはアイリーンさんですね!」
「え?一人ひとり決まってるの?」
「はい!」
「あ!右手の武器がみんな違いますよこれ!」
「本当だ!旗の天使はなにももってないのに!」
「旗はこの身と心でセナ様とともに有り、必ずお守りするという決意の表れですから!」
メディーがそういいながら右手にスパナをもっている戦女神のピンバッジを左胸につけた。
「我らは黒刀と白刀にございますか」
「あ、私のは背の羽がグラニール殿と同じに!?」
「はい!」
「私とマインはそれぞれの杖でエリスは刀…」
「スカーレットさんはよく見ると小手とすね当てが!」
「そういうカトリーヌもレイピアをもってますね」
「メディーさん…なぜわたくしだけ…みなさんとデザインがちがうのでしょうか?」
手のひらにのせたバッジを見せながらアイリーンが少々怒りをふくみながら訪ねた。
「だってアイリーンさんがセナ様から賜ったのは日傘ですから!盾に日傘はおかしいので紋章がはいった日傘をさしているんですよ!」
「え~なんかアイリーンさんのほうが女性らしくていいですねぇ…私のもアイリーンさんのようにかわいらしいレディーにしてほしいです!」
「コニー…あなたレディーはないでしょ…」
「なんでですかっ!私だってアイリーンさんみたいなフリフリでかわいらしい服で居たいんですよ?ほんとうは!」
「コニーがアイリーンのような服装?それこそ幼女にみまちがえられるわよ?」
「むっきー!エリスだってムチムチでむりじゃない!」
「あははは…なんかわかる気がするわ。たしかにアイリーンやカトリーヌのようにかわいらしい格好もしてみたいけど…私の図体じゃ無理だものね」
「はぁ~…たしかに日傘に盾はおかしいですわね…私のはこれで結構ですわ…ありがとうございますメディー」
予想外にみんなに自身がうらやましがられていることに驚いたアイリーンだったが口元を少し笑顔にゆがめ心なしか嬉しそうにバッジを襟元につけた。
「おぉ~!みなさんよくお似合いですよ!なんかチームという感じがします!あ、ちなみに迅風の従魔のベルトにもこの紋章が入ってますし、グラニールの装備にも入れておきました」
「パーフェクトですわメディー」
「えへへへへ!ありがとうございます!」
「これでリネアや各国に行っても大丈夫です!」
3日目の夜にセナが迅風とグラニールをつれてきていたのをみたメディーがずっと準備していたものを徹夜で完成させ皆に褒められ満足げに笑顔を浮かべていた。
===============================
「おぉ!かっこいい旗になりましたね!」
「気に入っていただけましたかな?」
「もちろんです!それに皆さんがつけているバッジもよく見ると細部が違いますが皆さんお揃いでいい出来ですよ!」
「おほめ頂きありがとうございますわ…メディーがきけば大変喜んでいたと思いますわ」
「あははははっ!ゆっくりやすませてあげてください」
「そうですな」
帰ってきたセナに旗やバッジを見せた面々が笑顔を浮かべる中、とうの製作者メディーは涎を垂らし白目をむいて爆睡していた。
0
お気に入りに追加
6,942
あなたにおすすめの小説
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる