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第7章 大陸編

リネア⑦ パラドイネ6

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 「うん、いい結界だね。じゃあそろそろやろうか」

 「うん」

 部屋に張られた結界を見回し満足げに言ったアキラの言葉にうなずいたセナがヤオ達4人を見渡すと全員神妙な面持ちで頷いた。

 「よし、じゃあ手はず通りに頼むよ」

 「では、まずわたくしから」

 アキラの言葉でアイリーンが魔剣とアムートの兄に手を向け魔力を流すと魔剣から伸びた深紅に輝く謎の記号や文字が細かくびっしり刻み込まれた鎖のようなものが現れアムートの兄の胸に突き刺さっているように見えた。

 「さすがだね。じゃあこの調子で次も頼むよ」

 「おまかせを」

 アイリーンの力が安定するのを確認したアキラの言葉に従い、ヤオが魔剣タオが兄の元へ行き息を合わせて同時に印を結んで術を発動すると深紅に輝いていた文字が徐々に青色に変わっていくとアキラが鎖のつなぎ目1つ1つに刻まれた術式の解除をはじめた。

 「これは思ったより時間がかかりそうだなぁ。セナ君そろそろ頼むよ」

 「うん、わかった」

 30分以上作業をしていたアキラが右目の魔眼から魔力を放出しながら汗を拭きセナにいいセナが頷くとアイリーンの背中に手をあて闇の魔力を流し、ヤオとタオにはそれぞれ燐気と龍気を流し込こんだ。

 「はぅん♡」

 「「 っ!? 」」

 セナに触れら闇の魔力を流されたアイリーンは嬉しさと極上の超高濃度な闇の魔力に恍惚な表情をうかべ、ヤオとタオも強烈な燐気と龍気が強制的に流れ込むとビクンと体をふるわせ驚いた後、目を合わせ頷きさらに力を込めた。

 「あれ?」

 急にセナの左目の魔眼が魔力を放ち始めアキラに魔力を供給しはじめた。これはビルバーンがアキラの消耗を察しセナの無属性の純粋な魔力を送り始めたためだった。

 「お?助かるけど僕にまで供給して大丈夫かい?」

 「ビルバーンさんが送ってるみたい。送るのはこのペースでこの量ならしばらくは大丈夫だよ」

 「そうかビルバーン様には感謝だね。でも無理はしないでくれよ?きつくなったら僕よりほかを優先してくれ」

 「うん。でもこれくらいなら使ってる分が自然に回復する量よりほんの少しだけ多いくらいだからまだまだ大丈夫だよ」

 「そ、そうなのかい?…それは頼もしいね」

 ケロッと答えたセナの言葉にさすがのアキラも驚きを隠せなかった。

 「待たせたねメディー君!出番だ!セナ君もよろしく頼むよ」

 「わかった。メディーお願いね」

 「はい!お任せください!!」

 数時間後、集中を途切れさせることなく解呪していたアキラが顔をあげメディーにこえをかけると、メディーはやっときた自分の出番に張り切って動き出した。

 「よし!いつでもいけます!」

 「じゃあセナ君とタイミングをあわせてくれ」

 「じゃあカウント3でいくよメディー!」

 「はい!」

 4人への力の供給をとめたセナが魔眼と龍眼、そしてピアスの力を開放しメディーが貼った結界がきしむほどの力を練り上げメディーに声をかけた。

 「3・2・1いまだ!」

 「はい!」

 「よし!しっ!!」

 セナのカウントに合わせメディーが魔剣と兄それぞれを解呪の間アキラたちの指示によって調整していた簡易結界を作動させるとセナは刀を素早く抜き居合のようにアキラの目の前の鎖を断ち切った。

 「次だ!」

 「うん!!」

 一瞬で切り終えた刀を鞘にもどすと同時にアキラの声に従いアキラは魔眼を使い兄の、セナは3つの力を使い魔剣の結界を安定させるようにさらに結界を幾重にも貼った。

 「よし!最後だ!ヤオ君タオ君!!」

 「おまかせを!」

 ヤオとタオがアキラの言葉に答えるように同時に印の結びをいくつも組み合わせすべての力を練りこみ上げ結界を
特殊な呪術で覆い結界を固定した。

 「か、完了にございます」

 「うん…うん…大丈夫そうだ!」

 「こっちも大丈夫みたい」

 息を切らし膝をついて今にも倒れそうなヤオの言葉を受けアキラが魔剣と兄のつながりを調べセナが魔剣を調べると笑顔を浮かべた。

 「成功ですわね」

 「ですね。ただ魔剣自体は今は封印するしか方法がなかったんですけどね。でもアイリーンさんも皆もお疲れ様、みんなのおかげで成功したよ、ありがとうございました」

 「もったいなきお言葉!微力ですがお役に立てたようでこの上なき幸せですわ」

 「アイリーン殿のおっしゃられる通りにございます」

 「我らはセナ様のお役に立てることが何よりの幸せですわ」

 「です!です!」

 やりとげた満足感と頼りになる4人に嬉しそうに笑顔を浮かべ頭を下げて礼をしたセナにアイリーンをはじめとした4人はセナの役に立てた幸福感を味わっていた。

 「セナ君、アムートさんに知らせてあげたらどうだい?」

 「そうだった!アキラさんもありがとう!」

 アキラの声で思い出したかのようにセナが礼をいったあと部屋のドアをあけた。

 「お待たせしました」

 「セ、セナ様!兄上は!?」

 「魔剣とのつながりは解呪できました。今はメディーの貼った結界の中で休んでいます」

 「ほ、ほんとうにございますか?」

 「はい。意識が戻りどのような状態になっているか、それと今は魔剣の力を封じるので精いっぱいだったのでもしものことがあればと結界をはらせてもらっている状態です」

 「あ、あぁ…兄上…よかった…セナ様ありがとうございます…ありがとうございます」

 「今回はアキラさんやみんなのおかげです。それよりお兄さまの容体をみてあげてください」

 「は、はい!失礼いたします!」

 セナの言葉をきき、小刻みに震えるほど動揺し驚いたアムートだったが真実だと理解すると号泣しながら何度もセナに感謝をし部屋の中へとかけていった。

 「コルネさんも3人を守ってくれてありがとうございました」

 「もったいなきお言葉…私にできるのはこのようなことしか」

 「こんな事じゃないですよ、コルネさんがいるからアリアとカトリーヌが視えなくても安心できるんですから」

 「…セナ様」

 役目を終え再び姿を消そうとしたコルネにセナが感謝をするとコルネはセナの心からの言葉に胸を熱くしさらなる忠誠を誓い一礼したのち姿を消した。

 「二人とも長い時間またせてごめんね、疲れてない?」

 「それはこっちのセリフだよ!みんな頑張ったんだね、すごいよ!」

 「そうですわね…ほんと凄い方々ですわ」

 声をかけられたアリアは嬉しそうに全員を褒め、カトリーヌは自分が何の役にも立ってないことにショックを受けていた。

 「兄上…」

 「今、状態を軽く調べたが呪いの影響は確実に切り離せてるし命に別状はないよ。ただしかなり消耗しているけどね」

 「ああ…魔王参謀様、ありがとうございます。パラドイネ受けたご恩は一生忘れません」

 「興味深い話だったしなによりセナ君の頼みだったからね。礼はセナ君にいってもらえるかな?」

 「ありがとうございます、ありがとうございます」

 「アムートさん、うまくいってよかった…ただその魔剣、封印しているだけで力を失っていないんです」
  
 「え?で、では…」

 「一応僕たちが結界をはり呪術で囲ってしまっていますが…どうでしょう、もしよかったらこの魔剣アキラさんに引き取ってもらって魔王城で保管してもらうのは、駄目ですかね?」

 アキラに感謝の気持ちをつたえようと何度も頭を下げていたアムートにセナが打診した。

 「このような危険なものを引き取ってもらうなど…ココまでしていただいた方にさすがにそこまでのご迷惑は…」

 「ああ、気にしなくてもいいですよ。僕もこの魔剣に興味がありますから」

 「え?」

 「ほかの魔王がどの程度のものなのか…じっくり調べさせてもらえると嬉しいんですが」

 「そ、そうですか…少しでもお役にたてるというのであれば…こちらは願ったりかなったりですが」

 「おぉ!ありがとう!こちらに迷惑がかかることはしないと約束させてもらうよ!」

 「は、はぁ…ありがとうございます」

 アキラのテンションのあがりかたにあっけにとられたアムートが事態を飲み込めない中、とりあえず礼をした。

 「セナ君、急がせて悪いが送ってくれないか?」

 「え?も、もう?」

 「ああ、いつまでも城を離れるわけにもいかないしね!さぁ!たのむよ!」

 「う、うん。一応4人はここでお兄さまの容体をみていてくれるかな?」

 「お任せを」

 「では、パラドイネ家の今後の発展をお祈りいたします」

 「あ、ありがとうございました!あの魔王様にもぜひ御礼をお伝えください!」

 「はい、たしかに」

 「では、送ってきます」

 急かすアキラに苦笑しながらセナは魔王城へと転移した。

 「アキラさんありがとうございました!」

 「いや!こちらこそ実に有意義な時間をすごさせてもらったよ!」

 「その剣よろしくおねがいします」

 「任せてくれたまえ…これで他の魔王たちの誰かの実力がわかればいいけどね」

 「そうだね。じゃあ僕はいくよ」

 「ああ、また顔を見せに来てくれ。エイコもよろこぶからね」

 「はい!必ずまたきます!じゃあありがとうございました!」

 「がんばるんだよー」

 アキラとセナはにこやかに挨拶をかわしセナは再びパラドールに転移した。

 「おかえりなさいませ」

 「ただいま戻りました。それでかわりは?」

 「ありませぬ」

 「そうですか…」

 戻ってきたセナはヤオからの報告を聞き顔を少し曇らせた。

 「セナ様、ここまでしていただけるだけで十分です。兄上のことは我々が見ますので、夜もだいぶ更けてしったので本日は我が家にお泊り頂、すこしでもごゆっくりお休みください」

 「ああ、結構時間がかかってしまいましたからね…では申し訳ありませんが今日はこのままお世話になります」

 「申し訳なく思うのは私のほうです!」

 「あははは、キリがないですね」

 「ふふふっ、すぐお部屋に案内させます」

 「ありがとうございます。みんなお言葉に甘えていこうか」

 「うん」

 「はい」

 「ぎょ、御意」

 笑いあったセナがみんなに声をかけるとアリアとカトリーヌは立ち上がり部屋の外に向かって歩く中、ヤオとタオそしてアイリーンは立ち上がった拍子によろけ疲労を隠せずにいた。

 「大丈夫ですか?」

 「情けない姿をおみせしてしまい申し訳ございませぬ」

 「大丈夫です。少々力を使いすぎただけですわ」

 「枯渇ぎみなんですか?」

 「大丈夫ですわ、すぐに回復いたしますので」

 セナの問いに3人は必死に平静を装い立っていたが小刻みに震えていた。

 「とりあえず体力は回復させてあげれませんが枯渇をなんとかしましょう」

 「そんな!セナ様とてお疲れのはず!」

 「皆さんほどじゃないですから、いきますよ?」

 「セ、セナ様!ワタクシは大丈夫ですからぁぁ~ん♡」

 「っ!!お情けありがとうございまする」

 セナの声掛けで体にいっきに力がながれこんだ3人がそれぞれのリアクションをとった。

 「セナ?メディー寝ちゃってるよ?」

 「え?ああ、無理をさせちゃったから」

 「あれほどの力を生身で耐えてあれほどの働きをしたことのほうが驚愕ですわ」

 壁によりかかりすやすやと眠るメディーをみてセナは申し訳なさそうな顔をしたがアイリーンはまじまじとメディーをみながらいった。

 「とりあえずここに寝かせるわけにもいかないなっと!」

 「じゃあ、皆行こうか」

 「セ、セナ様そのようなことを!我らがお運びいたしますゆえ」

 「大丈夫ですよ。それではアムートさん、僕らはひとまず休ませていただきます」

 「はい、もてなしもできず申し訳ありませんが、せめてごゆっくりお休みください。」 

 メディーをひょいと抱きかかえお姫様抱っこをしたセナが声をかけるとアムートはいまだに泣きすぎて腫れた目のまま深々と頭を下げセナ達を見送った。
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