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第6章 エターニャ神皇国編
英雄もどる①
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「あっ!セナ殿!!隊長!セナ殿です!!」
「なにっ!こちらから通せ!」
「はい!」
セナ達はリストニアのすぐそばに転移し入街するため門にならぶ人々の列に並ぼうとしているところを王国騎士がみつけ隊長の指示でセナのもとへ他の人たちの混乱を招かぬように注意しながらむかった。
「セナ殿」
「ご無沙汰しております」
「もうお体はって、今は挨拶よりも皆さんと一緒にこちらへ」
一緒に訓練していた顔見知りの騎士だったため声をかけられセナは嬉しそうに挨拶するとセナのケガを聞いていた騎士は元気そうなセナを見てほっとしたがすぐに職務を思い出しセナ達を列外からリストニアの中へと案内した。
「しかし…ご無事でよかった。ごゆっくり休んで行ってください」
「ありがとうございます。詰所に今度顔をださせてください」
「もちろんですよ!いつでもお越しください!!」
わずかにこれまでの話をきいた騎士たちが心から安堵の息を吐き、セナへ敬礼し見送った。
「まずはアリアを教会に送るよ」
「あー…では、エリスは先にギルドに、ヤオさんとタオさんはブレイダーに、マインさんはブレイダーの治療院に私は工房にセナ様のご帰還の報告にいきますので、申し訳ないですが迅風と一緒にアリアを送ってあげてもらえますか?」
「え?」
「セナ様が急に来たらどこもびっくりするんで先に知らせておかなきゃならないんでお願いします」
「メディー、ありがと」
メディーの言葉にセナがそういうものかな?と納得したが、他の者たちはメディーがアリアのためにセナと二人っきりにさせてくれたことをわかっていたので満面の笑みをメディーにむけていた。
「じゃあ、アリア行こうか迅風アリアをのせてあげてくれるかい?」
「ブルルルル」
「ん?僕も?わかったよ。よろしくね迅風」
迅風を優しくなでながらセナが頼むと迅風はセナも乗れと鼻先でセナをグイグイ押した。
「えへへ…迅風ありがとう」
セナと一緒に乗れて喜ぶアリアが迅風を優しくなでた。
「迅風のほうがアリアの気持ちをわかってるみたいですね…」
「迅風はデキる子ですからねぇ」
マインの苦笑した顔をみたメディーが同じような顔をしセナと迅風を見ながら答えると一同はそれぞれの場所へ向かった。
「アリア?セナ様も!」
アリアを迅風の背の前に乗せ歩くセナ達をみた街の人々から声をかけられながらも教会にたどり着いたアリアたちを見つけた修道女が驚きながら駆け寄ってきた。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさいませ!話は多少入っておりました。アリア怪我無く何よりです!」
朗らかに笑い挨拶をしたアリアを抱きしめ修道女が安堵の息をはき、我に返るとセナに一礼し教会内へと走り去っていった。
「おかえりなさいアリア」
「カトリーヌ様!ただいま戻りました!!」
修道女からの報告を聞き小走りでかけてきたカトリーヌがアリアを見つけると両手を大きく広げ駆け寄りそのままの勢いでアリアを抱きしめた。
「ご心配をかけてしまってごめんなさい」
「無事でなによりだわ!セナ様もすっかりよくなられたようで安心しましたわ!」
「ご心配をおかけしました」
申し訳なさそうに謝罪するアリアに笑顔で答えたカトリーヌがセナを目線でとらえるとアリアを抱きしめたままセナに声をかけた。
「魔王が現れた後、国から話を聞いた時には心臓が止まると思いましたわ」
「ご迷惑をおかけし申し訳ありません…では私はこの辺でお暇させていただきます」
カトリーヌからエイコが現れた時の話をきいたセナが焦りながら謝罪し迅風にまたがった。
「え?セナもういっちゃうの?」
「アリアを無事に送り届けれたしね。アリアもゆっくり休んでよ」
セナが驚くアリアに笑顔をで答えた後、残念そうなアリアとカトリーヌに頭を下げ教会をあとにした。
「セナ殿!おかえりなさいませ!」
「ただいま戻りました」
教会を後にし迅風と共にブレイダー邸へと帰ってきたセナを門番していたブレイダー私設騎士の二人がみつけると満面の笑みにセナが本当に回復している嬉しさから目に涙を浮かべセナを迎えた。
「セナ様、おかえりなさいませ」
「セバスさん、ただいま戻りました。ご心配をおかけし申し訳ありません」
「いえいえ、ご無事なお姿を拝見できほっとしております。ヤオ殿とタオ殿もおられますゆえ、ささっ、中へとどうぞ」
敬礼した騎士が猛ダッシュで屋敷へと入っていきすぐにセバスがあらわれセナをみて嬉しそうに笑うと優雅に一礼しセナを屋敷の中へと招き入れた。
「ギルス様、セナ様がおかえりになられました」
「なにっ!!はいってくれ!!」
セバスが執務室のドアをノックし用件を伝えるとガタンという音とともにギルスの待ちきれない声が聞こえ二人は笑いあいながら入室した。
「ギルス様、ご心配をおかけしました。ただいま戻り…」
「セナ殿!よくぞ無事に!!もうケガはよいのかっ!!!」
セナの挨拶を遮る勢いでギルスが涙目で駆け寄りセナを熱く抱擁した。
「ご心配をおかけしました。おかげさまですっかり元気です」
「そうかっ!そうかっ!!」
「あなたっ!セナ様がお戻りになら……あぁっ……!」
「へぐっ⁉」
バンバンと抱擁しながらセナの背中をたたいて無事を喜んでいたギルスのもとへエミルが血相をかえ現れセナを見つけると感激の声を上げかけよりギルスを吹き飛ばしてセナへと抱き着いた。
「ああ…セナ様!よくぞ戻ってきてくださいましたわ!もうお体は大丈夫なのですか!?」
「は、はい。ご心配をおかけしました。もうすっかり元気です」
「そうですか…生死をさまようほどの御怪我をなされたと聞いた時、わたくし生きた心地がしませんでしたわ!」
「ご心配おかけして申し訳ありません」
「いえ!いいんですよ!元気なお顔を見せに来てくれたんですもの!セナ様がご無事でよかったですわ!」
「ケガする前より調子がいいくらい元気にしてもらいました」
「まぁ!セナ様ったら!ああそうでした!セバス?今日の夜は豪華な食事にしてもらって?セナ様のご快気をお祝いせねばなりませんわ!」
「そうでございますね!すぐに準備を!ではセナ様またのちほど」
エミルの言葉にセバスも笑顔をうかべ料理長のもとへと向かった。
「お疲れでございましょ?セナ様のお部屋でごゆっくりやすんでくださいまし」
「あっ、有難いんですがアリアを教会へ送りまっすぐここへ帰ってきたので、まだ他へ帰ってきた挨拶をしていないんです」
「そうだったんですの」
セナの言葉にエミルはすぐセナが出かけてしまうので少し悲しそうな笑顔で頷いた。
「治療院と工房、ギルドあたりであろう?」
「え?はい」
「ならば夕食にその者たちを招待するゆえ、セナ殿は部屋でやすむがいい」
「そうですわねっ!さすがですわ、あなたっ!!セナ様?そういたしましょ?ね?ね?」
ギルスの言葉にエミルが満面の笑みを浮かべた後、おねだりする子供のようにセナの腕をとってセナへと声をかけた。
「わかりました。では申し訳ありませんがお言葉に甘えさせていただいてよろしいでしょうか」
「水臭いことをもうすな家族が無事に帰ってきたのだ、それくらいのことはさせてくれ」
「そうですわっ!家族なんですから!!」
笑顔の夫妻をみたセナが本当に嬉しそうな笑顔を浮かべ一礼した。
その後、夫妻と少し話をし使用人たちや私設騎士団の面々にも挨拶をし土産を手渡して自室へと戻った。
「おかえりなさいませ、セナ様」
「あ、ここにいらっしゃったんですね」
自室のドアをあけるとヤオとタオがセナを笑顔で迎え入れた。
「セナ様、お疲れさまでした」
「タオさん、ありがとうございます」
ヤオがセナへ椅子をすすめセナが座るとタオがすかさずお茶をいれ、セナが嬉しそうに其れをのんで、ほっと息を吐くのを二人は嬉しそうに見守った。
「失礼いたします。お食事の準備ができましたのでご案内いたします」
部屋で今後の話を少ししていたセナ達のもとへレイファが訪れ食堂へと案内した。
「うわっ!?」
「おー!セナ殿!!」
「セナ様!」
食堂の扉を開けると広いブレイダー邸の食堂内を埋め尽くす人々がおり、驚くセナを見て歓喜の声をあげた。
「さあ主役の登場だ!セナ殿こちらへ!」
ギルスが満面の笑みをうかべセナを招き横に並んだセナの肩にがっちりと肩を組んで声を上げた。
「お忙しい中!セナ殿の帰還をこのように大勢の方々に足を運んでいただき嬉しく思う!今宵はセナ殿の快気と帰還の祝いをささやかながら開かせていただいた!時間の許すかぎりご堪能くだされ!それではセナ殿、一言たのむ」
「え?み、皆様、ご心配をおかけいたし大変申し訳ありません。色々な方のご尽力により体もすっかり治りました、本来なら私から皆さんのもとへご挨拶に伺うつもりでしたが、ギルス様のご厚意にまた甘える形でこのようなすばらしい会を開いて頂けて本当にうれしく思います。えっと…みなさんありがとうございました」
カチコチに緊張し、つたないながらも必死に感謝の気持ちを言葉にしたセナに集まった全員が苦笑しながらも変わらないセナをみて盛大な拍手をおくり食事会が始まった。
「セナ!」
「セナ様!」
「あっ!サイスさん。オリファさんも来てくれたんですか?」
ギルスの乾杯のあいさつの後、まっさきに人をかきわけ現れたサイス達にセナは笑顔をうかべた。
「あたりまえだ!うちの看板冒険者の帰還だから!おまえはいつもいつも無茶ばっかりこきやがって!どんだけ俺の寿命を削るつもりだこらっ!」
「いたっ!あははは…ご心配をおかけして申し訳ありません」
「マスター!セナ様になんてことするんですかっ!死んでください!今すぐに!」
「おいっ!冒険者同士の軽い挨拶だろうがっ!」
「だまれ肉だるま!……セナ様本当にご無事でよかったです…お怪我をなさったと聞いた時、生きた心地がしませんでしたよ?」
「オリファさん、サイスさんもご心配をおかけして申し訳ありません」
セナの頭をはたいたサイスに青筋を浮かべたオリファが辛辣な言葉を投げつけた後、笑顔でセナの手を握り言った。
「セナ様!…はいはい!オリファどいてどいて!」
「ちょ!スターシャさん!」
「あ、スターシャさんに治療院の皆さんもきてくれたんですか?」
「当然じゃない!まぁ全員ってわけにはいかないから非番者だけだけどね」
「ありがとうございます。皆さんにあえてうれしいです!」
手を握るオリファを押しのけスターシャがセナを軽く抱擁し挨拶をした。
「師匠から聞いたわ……本当に治ってよかった」
「アディオンさんにもご迷惑をおかけしちゃいました……」
「師匠は好きでやってるからいいのよ。……今までの治療方法だけじゃだめだとわかったしね」
涙をうかべいうスターシャに申し訳なさそうにセナがいった。
「きゃっ!」
「きゃっ!なに?」
しんみりした空気をやぶるように急にオリファとスターシャが自身の尻をおさえ悲鳴をあげた。
「祝いの場でなにを辛気臭い顔をしておるのじゃ?」
「マーカス様!ご無沙汰しております!」
「ほっほっほ、セナ殿の祝いの場に儂がこぬわけ…へぼっふっ!」
「あー!!マーカス様!」
笑顔でスターシャとオリファの尻をさわりながら朗らかに挨拶をしてきたマーカスが体をくの字にまげ吹っ飛んでいった。
「おじい様…」
「工房の皆さんもきてくれたんだね!メディーありがとう」
スターシャとオリファの渾身の拳を食らい吹き飛んだマーカスをあきれたようにみていたメディーと工房の面々にセナが挨拶をすると全員笑顔になり現在制作中の作品のことなどを楽しく会話したのち力なく倒れているマーカスを回収していった。
「セナ!」
「あっ!アリア。エリスさんにマインさんも」
マインとエリスを引き連れアリアがカトリーヌを初めてとした教会の人々とともに現れた。
「セナ様、我々まで来てしまい申し訳ありません」
「いえ!こちらこそご足労をおかけして…、お越し頂きうれしいです!」
カトリーヌが頭をさげるのにあわせ教会の人々も頭を下げたがセナは両手をばたばたと振り嬉しそうに答えた。
「アリアも送ったばかりなのにあわただしくさせてごめん」
「全然だよっ!」
「マインさんもエリスさんも皆をここまで連れてきてくれてありがとうございます」
満面の笑みをうかべたアリアに笑顔をかえしたセナがマインとエリスに頭を下げた。
「いえ!帰りもきちんと私が教会の方々を送り届けます」
「私は治療院の方々をと予定しております」
セナの礼にエリスとマインも笑顔で答えた。
「セナ殿、もう大丈夫そうだな。安心した」
「いっ!?国王陛下!王妃様も!?」
後ろから声をかけられセナが振り返るとラフながら高級感あふれる服装のゲオルグとアレストラが笑顔で立っていた。
「お忍びになられていらっしゃいませんが、一応お忍びできておりますからそう硬くならずに」
「いや…エルリック様まで…そんなこと言われても緊張しますよ…」
ゲオルグの横からクスクスと笑いながら声をかけたエルリックにセナが顔を蒼くしながら答えると、エルリックとアレストラはしてやったりの顔をした。
「城にセナ殿が帰ってきたことを門番が報告にいったらしくてな、すぐに城から使いがきたんだ」
めんどくさそうな相手がきたとばかりにため息をつきながらギルスがエミルとともにやってきた。
「普通は貴様からも報告があってしかりなんだがな!」
ゲオルグがギルスに額に青筋をたてながらいったがギルスはめんどくさそうな顔をしながら聞き流していた。
「本来であれば私がご報告に向かわなければならなかったのですが…申し訳ございません」
ゲオルグの言葉にセナが心底申し訳なさそうに頭をさげた。
「セナ殿が気に病む必要はない」
「そうだぞ!セナ殿がかえってきたのなら話などすぐに耳に入るのだ。わざわざ城などにいかんでもいい」
「貴様は即時に報告にこい!」
ゲオルグが笑顔でセナの肩をたたき言うがギルスの態度に顔を赤くしギルスを怒鳴りつけた。
「なにっ!こちらから通せ!」
「はい!」
セナ達はリストニアのすぐそばに転移し入街するため門にならぶ人々の列に並ぼうとしているところを王国騎士がみつけ隊長の指示でセナのもとへ他の人たちの混乱を招かぬように注意しながらむかった。
「セナ殿」
「ご無沙汰しております」
「もうお体はって、今は挨拶よりも皆さんと一緒にこちらへ」
一緒に訓練していた顔見知りの騎士だったため声をかけられセナは嬉しそうに挨拶するとセナのケガを聞いていた騎士は元気そうなセナを見てほっとしたがすぐに職務を思い出しセナ達を列外からリストニアの中へと案内した。
「しかし…ご無事でよかった。ごゆっくり休んで行ってください」
「ありがとうございます。詰所に今度顔をださせてください」
「もちろんですよ!いつでもお越しください!!」
わずかにこれまでの話をきいた騎士たちが心から安堵の息を吐き、セナへ敬礼し見送った。
「まずはアリアを教会に送るよ」
「あー…では、エリスは先にギルドに、ヤオさんとタオさんはブレイダーに、マインさんはブレイダーの治療院に私は工房にセナ様のご帰還の報告にいきますので、申し訳ないですが迅風と一緒にアリアを送ってあげてもらえますか?」
「え?」
「セナ様が急に来たらどこもびっくりするんで先に知らせておかなきゃならないんでお願いします」
「メディー、ありがと」
メディーの言葉にセナがそういうものかな?と納得したが、他の者たちはメディーがアリアのためにセナと二人っきりにさせてくれたことをわかっていたので満面の笑みをメディーにむけていた。
「じゃあ、アリア行こうか迅風アリアをのせてあげてくれるかい?」
「ブルルルル」
「ん?僕も?わかったよ。よろしくね迅風」
迅風を優しくなでながらセナが頼むと迅風はセナも乗れと鼻先でセナをグイグイ押した。
「えへへ…迅風ありがとう」
セナと一緒に乗れて喜ぶアリアが迅風を優しくなでた。
「迅風のほうがアリアの気持ちをわかってるみたいですね…」
「迅風はデキる子ですからねぇ」
マインの苦笑した顔をみたメディーが同じような顔をしセナと迅風を見ながら答えると一同はそれぞれの場所へ向かった。
「アリア?セナ様も!」
アリアを迅風の背の前に乗せ歩くセナ達をみた街の人々から声をかけられながらも教会にたどり着いたアリアたちを見つけた修道女が驚きながら駆け寄ってきた。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさいませ!話は多少入っておりました。アリア怪我無く何よりです!」
朗らかに笑い挨拶をしたアリアを抱きしめ修道女が安堵の息をはき、我に返るとセナに一礼し教会内へと走り去っていった。
「おかえりなさいアリア」
「カトリーヌ様!ただいま戻りました!!」
修道女からの報告を聞き小走りでかけてきたカトリーヌがアリアを見つけると両手を大きく広げ駆け寄りそのままの勢いでアリアを抱きしめた。
「ご心配をかけてしまってごめんなさい」
「無事でなによりだわ!セナ様もすっかりよくなられたようで安心しましたわ!」
「ご心配をおかけしました」
申し訳なさそうに謝罪するアリアに笑顔で答えたカトリーヌがセナを目線でとらえるとアリアを抱きしめたままセナに声をかけた。
「魔王が現れた後、国から話を聞いた時には心臓が止まると思いましたわ」
「ご迷惑をおかけし申し訳ありません…では私はこの辺でお暇させていただきます」
カトリーヌからエイコが現れた時の話をきいたセナが焦りながら謝罪し迅風にまたがった。
「え?セナもういっちゃうの?」
「アリアを無事に送り届けれたしね。アリアもゆっくり休んでよ」
セナが驚くアリアに笑顔をで答えた後、残念そうなアリアとカトリーヌに頭を下げ教会をあとにした。
「セナ殿!おかえりなさいませ!」
「ただいま戻りました」
教会を後にし迅風と共にブレイダー邸へと帰ってきたセナを門番していたブレイダー私設騎士の二人がみつけると満面の笑みにセナが本当に回復している嬉しさから目に涙を浮かべセナを迎えた。
「セナ様、おかえりなさいませ」
「セバスさん、ただいま戻りました。ご心配をおかけし申し訳ありません」
「いえいえ、ご無事なお姿を拝見できほっとしております。ヤオ殿とタオ殿もおられますゆえ、ささっ、中へとどうぞ」
敬礼した騎士が猛ダッシュで屋敷へと入っていきすぐにセバスがあらわれセナをみて嬉しそうに笑うと優雅に一礼しセナを屋敷の中へと招き入れた。
「ギルス様、セナ様がおかえりになられました」
「なにっ!!はいってくれ!!」
セバスが執務室のドアをノックし用件を伝えるとガタンという音とともにギルスの待ちきれない声が聞こえ二人は笑いあいながら入室した。
「ギルス様、ご心配をおかけしました。ただいま戻り…」
「セナ殿!よくぞ無事に!!もうケガはよいのかっ!!!」
セナの挨拶を遮る勢いでギルスが涙目で駆け寄りセナを熱く抱擁した。
「ご心配をおかけしました。おかげさまですっかり元気です」
「そうかっ!そうかっ!!」
「あなたっ!セナ様がお戻りになら……あぁっ……!」
「へぐっ⁉」
バンバンと抱擁しながらセナの背中をたたいて無事を喜んでいたギルスのもとへエミルが血相をかえ現れセナを見つけると感激の声を上げかけよりギルスを吹き飛ばしてセナへと抱き着いた。
「ああ…セナ様!よくぞ戻ってきてくださいましたわ!もうお体は大丈夫なのですか!?」
「は、はい。ご心配をおかけしました。もうすっかり元気です」
「そうですか…生死をさまようほどの御怪我をなされたと聞いた時、わたくし生きた心地がしませんでしたわ!」
「ご心配おかけして申し訳ありません」
「いえ!いいんですよ!元気なお顔を見せに来てくれたんですもの!セナ様がご無事でよかったですわ!」
「ケガする前より調子がいいくらい元気にしてもらいました」
「まぁ!セナ様ったら!ああそうでした!セバス?今日の夜は豪華な食事にしてもらって?セナ様のご快気をお祝いせねばなりませんわ!」
「そうでございますね!すぐに準備を!ではセナ様またのちほど」
エミルの言葉にセバスも笑顔をうかべ料理長のもとへと向かった。
「お疲れでございましょ?セナ様のお部屋でごゆっくりやすんでくださいまし」
「あっ、有難いんですがアリアを教会へ送りまっすぐここへ帰ってきたので、まだ他へ帰ってきた挨拶をしていないんです」
「そうだったんですの」
セナの言葉にエミルはすぐセナが出かけてしまうので少し悲しそうな笑顔で頷いた。
「治療院と工房、ギルドあたりであろう?」
「え?はい」
「ならば夕食にその者たちを招待するゆえ、セナ殿は部屋でやすむがいい」
「そうですわねっ!さすがですわ、あなたっ!!セナ様?そういたしましょ?ね?ね?」
ギルスの言葉にエミルが満面の笑みを浮かべた後、おねだりする子供のようにセナの腕をとってセナへと声をかけた。
「わかりました。では申し訳ありませんがお言葉に甘えさせていただいてよろしいでしょうか」
「水臭いことをもうすな家族が無事に帰ってきたのだ、それくらいのことはさせてくれ」
「そうですわっ!家族なんですから!!」
笑顔の夫妻をみたセナが本当に嬉しそうな笑顔を浮かべ一礼した。
その後、夫妻と少し話をし使用人たちや私設騎士団の面々にも挨拶をし土産を手渡して自室へと戻った。
「おかえりなさいませ、セナ様」
「あ、ここにいらっしゃったんですね」
自室のドアをあけるとヤオとタオがセナを笑顔で迎え入れた。
「セナ様、お疲れさまでした」
「タオさん、ありがとうございます」
ヤオがセナへ椅子をすすめセナが座るとタオがすかさずお茶をいれ、セナが嬉しそうに其れをのんで、ほっと息を吐くのを二人は嬉しそうに見守った。
「失礼いたします。お食事の準備ができましたのでご案内いたします」
部屋で今後の話を少ししていたセナ達のもとへレイファが訪れ食堂へと案内した。
「うわっ!?」
「おー!セナ殿!!」
「セナ様!」
食堂の扉を開けると広いブレイダー邸の食堂内を埋め尽くす人々がおり、驚くセナを見て歓喜の声をあげた。
「さあ主役の登場だ!セナ殿こちらへ!」
ギルスが満面の笑みをうかべセナを招き横に並んだセナの肩にがっちりと肩を組んで声を上げた。
「お忙しい中!セナ殿の帰還をこのように大勢の方々に足を運んでいただき嬉しく思う!今宵はセナ殿の快気と帰還の祝いをささやかながら開かせていただいた!時間の許すかぎりご堪能くだされ!それではセナ殿、一言たのむ」
「え?み、皆様、ご心配をおかけいたし大変申し訳ありません。色々な方のご尽力により体もすっかり治りました、本来なら私から皆さんのもとへご挨拶に伺うつもりでしたが、ギルス様のご厚意にまた甘える形でこのようなすばらしい会を開いて頂けて本当にうれしく思います。えっと…みなさんありがとうございました」
カチコチに緊張し、つたないながらも必死に感謝の気持ちを言葉にしたセナに集まった全員が苦笑しながらも変わらないセナをみて盛大な拍手をおくり食事会が始まった。
「セナ!」
「セナ様!」
「あっ!サイスさん。オリファさんも来てくれたんですか?」
ギルスの乾杯のあいさつの後、まっさきに人をかきわけ現れたサイス達にセナは笑顔をうかべた。
「あたりまえだ!うちの看板冒険者の帰還だから!おまえはいつもいつも無茶ばっかりこきやがって!どんだけ俺の寿命を削るつもりだこらっ!」
「いたっ!あははは…ご心配をおかけして申し訳ありません」
「マスター!セナ様になんてことするんですかっ!死んでください!今すぐに!」
「おいっ!冒険者同士の軽い挨拶だろうがっ!」
「だまれ肉だるま!……セナ様本当にご無事でよかったです…お怪我をなさったと聞いた時、生きた心地がしませんでしたよ?」
「オリファさん、サイスさんもご心配をおかけして申し訳ありません」
セナの頭をはたいたサイスに青筋を浮かべたオリファが辛辣な言葉を投げつけた後、笑顔でセナの手を握り言った。
「セナ様!…はいはい!オリファどいてどいて!」
「ちょ!スターシャさん!」
「あ、スターシャさんに治療院の皆さんもきてくれたんですか?」
「当然じゃない!まぁ全員ってわけにはいかないから非番者だけだけどね」
「ありがとうございます。皆さんにあえてうれしいです!」
手を握るオリファを押しのけスターシャがセナを軽く抱擁し挨拶をした。
「師匠から聞いたわ……本当に治ってよかった」
「アディオンさんにもご迷惑をおかけしちゃいました……」
「師匠は好きでやってるからいいのよ。……今までの治療方法だけじゃだめだとわかったしね」
涙をうかべいうスターシャに申し訳なさそうにセナがいった。
「きゃっ!」
「きゃっ!なに?」
しんみりした空気をやぶるように急にオリファとスターシャが自身の尻をおさえ悲鳴をあげた。
「祝いの場でなにを辛気臭い顔をしておるのじゃ?」
「マーカス様!ご無沙汰しております!」
「ほっほっほ、セナ殿の祝いの場に儂がこぬわけ…へぼっふっ!」
「あー!!マーカス様!」
笑顔でスターシャとオリファの尻をさわりながら朗らかに挨拶をしてきたマーカスが体をくの字にまげ吹っ飛んでいった。
「おじい様…」
「工房の皆さんもきてくれたんだね!メディーありがとう」
スターシャとオリファの渾身の拳を食らい吹き飛んだマーカスをあきれたようにみていたメディーと工房の面々にセナが挨拶をすると全員笑顔になり現在制作中の作品のことなどを楽しく会話したのち力なく倒れているマーカスを回収していった。
「セナ!」
「あっ!アリア。エリスさんにマインさんも」
マインとエリスを引き連れアリアがカトリーヌを初めてとした教会の人々とともに現れた。
「セナ様、我々まで来てしまい申し訳ありません」
「いえ!こちらこそご足労をおかけして…、お越し頂きうれしいです!」
カトリーヌが頭をさげるのにあわせ教会の人々も頭を下げたがセナは両手をばたばたと振り嬉しそうに答えた。
「アリアも送ったばかりなのにあわただしくさせてごめん」
「全然だよっ!」
「マインさんもエリスさんも皆をここまで連れてきてくれてありがとうございます」
満面の笑みをうかべたアリアに笑顔をかえしたセナがマインとエリスに頭を下げた。
「いえ!帰りもきちんと私が教会の方々を送り届けます」
「私は治療院の方々をと予定しております」
セナの礼にエリスとマインも笑顔で答えた。
「セナ殿、もう大丈夫そうだな。安心した」
「いっ!?国王陛下!王妃様も!?」
後ろから声をかけられセナが振り返るとラフながら高級感あふれる服装のゲオルグとアレストラが笑顔で立っていた。
「お忍びになられていらっしゃいませんが、一応お忍びできておりますからそう硬くならずに」
「いや…エルリック様まで…そんなこと言われても緊張しますよ…」
ゲオルグの横からクスクスと笑いながら声をかけたエルリックにセナが顔を蒼くしながら答えると、エルリックとアレストラはしてやったりの顔をした。
「城にセナ殿が帰ってきたことを門番が報告にいったらしくてな、すぐに城から使いがきたんだ」
めんどくさそうな相手がきたとばかりにため息をつきながらギルスがエミルとともにやってきた。
「普通は貴様からも報告があってしかりなんだがな!」
ゲオルグがギルスに額に青筋をたてながらいったがギルスはめんどくさそうな顔をしながら聞き流していた。
「本来であれば私がご報告に向かわなければならなかったのですが…申し訳ございません」
ゲオルグの言葉にセナが心底申し訳なさそうに頭をさげた。
「セナ殿が気に病む必要はない」
「そうだぞ!セナ殿がかえってきたのなら話などすぐに耳に入るのだ。わざわざ城などにいかんでもいい」
「貴様は即時に報告にこい!」
ゲオルグが笑顔でセナの肩をたたき言うがギルスの態度に顔を赤くしギルスを怒鳴りつけた。
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ある明るい満月の夜、亮次は近所の竹やぶの中でうずくまる、異国の血が混ざったと思われる小さくて不思議な少年に出逢う。彼は何を訊いても一言も喋らず、身元も判らず、途方に暮れた亮次は、交番に預けて帰ろうとするが、少年は思いがけず、すがるように亮次の手を強く握ってきて――。
ひと言で言うと「ピュアすぎるBL」という感じです。
不遇な環境で育った少年は、色々な意味でとても無垢な子です。その設定上、BLとしては非常にライトなものとなっておりますが、お互いが本当に大好きで、唯一無二の存在で、この上なく純愛な感じのお話になっているかと思います。言葉で伝えられない分、少年は全身で亮次への想いを表し、愛を乞います。人との関係を諦めていた亮次も、いつしかその小さな存在を心から愛おしく思うようになります。その緩やかで優しい変化を楽しんでいただけたらと思います。
タイトルの読みは『かぐやぼう』です。
※表紙イラストは画像生成AIで作成して加工を加えたものです。
【完結】そっといかせて欲しいのに
遊佐ミチル
BL
「セックスが仕事だったから」
余命宣告を受けた夜、霧島零(21)はひったくりに合い、エイト(21)と名乗る男に助けられる。
彼は東京大寒波の日なのになぜか、半袖姿。そして、今日、刑務所を出所してきたばかりだと嘘とも本気とも付かない口調で零に言う。
どうしても人恋しい状況だった零はエイトを家に招き入れる。
過去を軽く語り始めたエイトは、仕事でセックスをしていたと零に告げる。
そして、つけっぱなしのテレビでは白昼堂々と民家を襲い金品を奪う日本各地で頻発している広域強盗犯のニュースが延々と流れていて……。
下げ渡された婚約者
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マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
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クラスで話題の美少女配信者がデブスの俺だとは推ししか知らない〜虐げられても関係ない、推しに貢ぐ為にスキルのガチャを引く〜
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ダンジョン、それは神が信仰心を集める為に人間に与えたシステムである。
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それは高校生でも数億稼げてしまう程に人智を超えた出来事である。
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霧外日向(きりがいひなた)は太っていた。デブス、その言葉が良く似合う外見をしている。
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そんなある日である、彼の推しであるダンジョン探索系VTuberのリイアのフィギュアを買うために金を探した。しかし、金がない。
完全なる金欠。剣術を辞めた事により両親にも頼みにくい。バイトも時間がかかる。それでは購入時期に間に合わい。
そこで日向は『ダンジョン』に挑む事にした。探索者となり、金を稼いで貢ぐために。
ダンジョンに入り、ステータスを確認するとネットにもないスキルが二つ存在した。
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無知な日向はその事実に当面の間は気づかない。
だが、日向はこれをポジティブに考えて利用し、配信者『日陰』として活動する事を決めた。
推しであるリイアに近づく為に。⋯⋯だが、無知故に彼の動画はバズってしまう。
モンスターカードと言う激レアアイテムを数枚所持して扱う初心者として⋯⋯。
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何故なら、完全な女性の配信者と世界に思われているからだ。
それが推しにバレてしまうのだが⋯⋯⋯⋯
レアアイテムを大量入手出来るスキルを持つ彼が目指す先には何があるのか?
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巻き戻り令息の脱・悪役計画
日村透
BL
※本編完結済。現在は番外後日談を連載中。
日本人男性だった『俺』は、目覚めたら赤い髪の美少年になっていた。
記憶を辿り、どうやらこれは乙女ゲームのキャラクターの子供時代だと気付く。
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巻き戻って明らかになる真実に『俺』は激怒する。
表に出なかった裏設定の記憶を駆使し、ヒロインと元凶から何もかもを奪うべく、生まれ変わったオルフェオの脱・悪役計画が始まった。
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