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第6章 エターニャ神皇国編

過保護と忠誠と愛はすべてを超える

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 「セナ様!もうお体のほうは大事ないのですか!?」

 「はい。無事に移植も終わりました、お二人にはご心配をおかけして申し訳ありませんでした」

 エイコ達がエターニャ神皇国の首都シルティアへと転移してしまったのでセナは別室に控えていたヤオとタオのもとへと無事をつたえるために向かった。

 「よかったですわぁ」

 「しかし、不思議なまなこになってしまわれましたな」

 「ん?不思議ですか?」

 「お気づきになられておりませんでしたか?左右で瞳の色が違いますわ」

 セナの無事に安堵の息をはいた二人だったがセナの瞳の色に気づくとまじまじと見つめ、いまだ目覚めた瞳を確認していないセナが自身の顔をペタペタとさわり二人に尋ねた。

 「どんな感じですか?視界に違和感はないんですが…変ですかね?」

 「いえ!そのようなことはございませぬ!ただ左が金で右が水晶のように透き通った淡い青だったもので」

 「え!?さっきまで左は普通に黒だったんですが…力をかしてくれることになったからですかねぇ」

 「お二人?…力を貸す?…それはどういうことで?」

 「ああ、それはですね…」

 セナは先ほどまでのことを二人に説明した。

 「…鬼神ザラク様の…」

 「そのお瞳がアカシカ様の…」

 ヤオとタオが驚きながらもどこか崇拝に近い目線をセナのピアスと右目に注いでいた。

 「ビルバーンさんとアカシカさんが一触即発になったときは焦りましたよ」

 「ドラニスタに伝わる物語にもなるほどの天敵どうしですから仕方ありませんわ」

 困った顔で笑うセナにタオが言った。

 「伝説のお三方がセナ様の一部となりお力をお貸しいただけるとは…セナ様はもはや神にも等しい存在となられましたな」

 「ぶっ!僕はそんな大層なものじゃないですよ!お三方が力をお貸ししてくれるから光を失わず体内バランスもとれてまっとうに生きれてるだけの存在なんですから!」

 ヤオが尊敬の念をこめた目でセナをうっとり見つめながらいうと、セナは盛大に焦りながらその言葉を否定した。

 「すべての力を受け入れられる器があるというだけで驚愕ですわ」

 「ほんにな…これで完全に力を手中に収めるとなると…セナ様にもはや勝てるものはおりますまい」

 「まさに最強ですわ」

 セナの言葉を二人が否定した。

 「使いこなせる自信はまったくないです…それよりシルティアはどうなったのかなぁ」

 セナは露骨に話題を変えるようにつぶやき大陸のある方角を窓からみた。

 =====================================

 「一瞬だったが無事についたな」

 「ああ、さて…事前に伝えてはいるがシルティアに他の国の代表がいるかどうかだね」

 無事にエターニャの地に降り立ったエイケンが安堵の息をはいていった。

 「居ても居なくてもいいわよ。別に話し合いに来たわけじゃないし、聞いてないのは向こうが悪い、そんなの私に関係ないし通じないわ」

 「うわぁ…」

 「それで?ここから普通に入って会いに行くのかい?」

 めんどくさそうに言ったエイコの発言にエイケンはドン引きし、アキラはありえないとは思いつつも一応たずねた。

 「向こうから来させるからいいわよ」

 「どうやってだよって!おい!本気か!!」

 何気なくいったエイコにエイケンが声をかけている間にエイコは右手をシルティアの上空に向け魔力を高めた。

 「エイコ街に被害をださないでくれよ?せっかくセナ君が身を挺してまもった街だ」

 「そうね。わかったわ」

 止めても無駄だとわかっているアキラがいうとエイコは納得はできないという顔をしながらも頷くと人差し指を立て軽く振った。

 「おい!大丈夫かあれ!」

 エイコの指の動きにあわせるように突如シルティアの上空に直径100メートルはあるであろう隕石が1つ降り落ちてきた。

 「落ちた衝撃もかんがえてあるから大丈夫よ、あれくらいで吹っ飛ぶ壁なら最初からないほうがいいわ。見晴らしがわるいだけだもの」

 「被害かんがえてねぇじゃねぇかっ!」

 「失礼ね!考えてるわよ!!街の真ん中に落としてもいいのに街の外にちいさいの1つだけにしてあるじゃない!」

 エイケンの焦る声に心外だとばかりにエイコがいうなか、シルティアの横1キロ離れているかどうかの場所に隕石が落ちすさまじい衝撃が爆風とともにシルティアを襲った。

 「ほら大丈夫じゃない」

 「ほらじゃねぇだろ!すこし防壁ぶっこわれてるじゃねぇか!」

 何事もなかったかのようにいったエイコにすこし崩れた防壁を指さしエイケンが怒鳴った。

 「もとから脆い場所だったんでしょ、補強の場所がわかってちょうどよかったじゃない」

 「二人ともその辺にしてくれ、お迎えがきたようだよ」

 言い争いが始まろうとしていた時、アキラがシルティアの方角を指さし二人に声をかけた。

 「魔王殿とお見受けいたしますがまちがいございませんか?」

 エターニャ神皇国を代表して護衛の神官騎士にまもらてた教皇代理のペドロがエイコへ声をかけた。

 「よお、ペドロ」

 「エイケン様おかわりないようでなによりにございます…」

 「紹介するぜ?現魔王のエイコと側近のアキラだ」

 「遠路はるばるお越しいただき…」

 「無駄な挨拶はいらないわ。用件は伝わってるわね?」

 「は、はい…とりあえずこんなところで話すのもなんなので…こちらへ」

 底冷えするような冷たい目をしたエイコに冷や汗を盛大に吹き出しながらペドロが一番いい馬車をすすめた。
 
 「それも必要ない、仲良くするためにきたわけじゃないから。ほかの者たちは?」

 「えっと…各国それぞれへとお戻りになられました…」

 「ほう?」

 恐る恐るエイコの怒りを探りながらペドロが伝えるとエイコは額に血管を浮かび上がらせ一段トーンをさげた声で答えた。

 「不躾ですが、失礼いたします!」

 「お?エリス、修行はさぼってねぇだろうな?」

 「エイケン様今はそれどころでは!魔王様!セナ様はっ!セナ様はご無事でしょうかっ!」

 抑えきれなかったのかマインやコニーの静止を振り切りエリスがエイコの前に駆け寄り必死な形相で尋ねた。

 「随分いきなりね」

 「も、申し訳ございません…」

 「ふぅ~…まぁいいわ、無事よピンピンしてるわ」

 「よかった…セナ様をお救いいただき…ありがとうございます、ありがとうございます」

 「「「 ありがとうございます!! 」」」

 エイコの言葉に我に返ったエリスが土下座し謝ると、あまりに必死な態度にエイコは毒気をぬかれ深いため息をついたあとセナの無事をつたえると、エリスをはじめ、メディー、コニー、マインは安堵の涙をながし土下座のまま礼をいうエリスに習うように3人もエリスの横に並びエイコへと感謝した。

 「セナ…よかったぁ…うぅぅっ…ありがとうございます」

 出遅れたように立っていたアリアもセナの無事をきくとポロポロと大粒の涙をながし感謝しエイコへと頭を何度もさげた。

 「この子達なんだろ?いい子たちじゃないか」

 エリスたちの光景を見たアキラがエイケンの肩に手をかけ優しい笑顔をむけた。

 「まぁセナは無事だけどよ、念のためちっとの間、魔大陸で養生すっからよ」

 「師匠!私も魔大陸に連れて行ってください!」

 「師匠?あの子あんたの弟子なわけ?」

 「ああ、都合のいい時だけ師匠呼ばわりしてくる不詳の1番弟子だ」

 エイケンが声をかけるとエリスは覚悟を決めた顔をしエイケンへと願い出た。

 「知ってるとは思うがよ。魔大陸の魔素はこっちとは違う、適合できなきゃ下手したら死ぬぜ?」

 「適合できなければその辺に捨て置いてもらってかまいませんっ!」

 「おいおい」

 「魔王様、エイケン様、私もお願いします!」

 「メディーおめぇもかよっ!」

 「はい!セナ様の手助けどころかいつもいつも助けられてばかり…せめて御側で日々のお世話くらいはさせてください!」

 エリスに続きメディーまで魔大陸へと連れて行けといいはじめ困ったエイケンがエイコを見た。

 「…駄目ね」

 「えっ…そこをなんとかお願いできませんか…」

 エイコが少し考えこみ断りの言葉をつたえるとメディーはショックを隠せず震えた声でさらに願い出た。

 「ダメ」

 「おいおい…こいつらの覚悟は本物だぜ?」

 「エイケン君、悪いが僕も反対だ」

 「アキラさんまで?めずらしいな」

 エイケンはメディーたちがかわいそうになり間に入ろうとしたが、アキラによって止められた。

 「君たちのことをセナ君から聞いている。無理をしていないか見てきてくれとも頼まれている」

 「セナ様から!?」

 「ああ、そこまでセナ君が心配してる相手に死ぬかもしれないリスクを負わせることはできない」

 「主を守れなかった罰だと思ってあきらめて待つことね」

 「くっ!…わかりました…」

 エイコの言葉に返すこともできずエリスは苦渋の表情のまま頷くしかなかった。

 「さて、セナ君からの頼みもかなえたし本題と行こうか」

 「ああ、そうだな。エターニャ神皇国はどうすることにしたんだ?」

 アキラが話題をかけペドロとエイコをみながらいうと、本題を思い出したエイケンがペドロへとたずねた。

 「我が国はセナ様に大きな借りがございます。我が国は魔王様のお言葉に従い、今後セナ様にから政治にかかわらせることは致しません。それと我が国でのセナ様の活動の自由を認めます」

 「こちらから…ね…まぁいいわ。今はそれで充分ね。今の発言を反故にしたらこの国はなくなると思ってちょうだい」

 「わ、わかりました」

 エイコがにらみつけながら言うとペドロは再び汗を盛大に吹き出しながら頷いた。

 「さて、ここにはもうようはないわね」

 「じゃあ、リネアへ行こうか」

 「ああ、ギルスたちにも話があるしな」

 「そうね、じゃありネアへいきましょう」

 「じゃあペドロがんばれよ!」

 「は、はい!」

 もはやエターニャ神皇国にまったく興味のなくなったエイコの肩に手を置いたエイケンがペドロへと手を上げ挨拶した。

 「どうしたんだい?」

 「…なにやってるのよ、あんたたち。りネアに寄った後、ドラニスタまで連れて行ってあげるからさっさと用意しなさいよ」

 「え?」

 転移をしないエイコにアキラが尋ねるとエイコは少しイライラしながらエリスたちに言った。

 「くっくっく!いいとこあるじゃねぇか」

 「うるさい!」

 「おめぇらさっさとしろ!ドラニスタで姫が耐えれると判断したら魔大陸へはいれるんだからよ!」

 「っ!?少々おまちください!すぐに用意します!!」

 「迅風!いきますよっ!!あっ!ペドロ様!その馬車は差し上げるのでご自由にお使いください!」

 エイケンの言葉に息を吹き返したかのようにエリス達があわただしく動きはじめた。

 「アリア様もご準備を」

 「ペドロ様!?」

 「こちらは大丈夫ですから…お気をつけて」

 「ありがとうございます!ペドロ叔父様!!」

 「っ!!うんうん…気を付けていくんだよ…アリア!セナ君をいやしてあげるんだ」

 「はい!」

 どこか悲しそうにエリス達をみていたアリアへペドロが柔らかい笑顔でいうと、感極まったアリアがペドロに抱き着きついペドロを叔父と呼ぶと自信を叔父のように慕ってくれていたことにうれし涙をながしたペドロがやさしくアリアの頭をなで見送った。

 「魔王様…エイケン様…その子達のことくれぐれもよろしくお願いいたします」

 「まかせとけ」

 最初からセナのもとへ行こうとしていたエリス達はさっさと準備をすませるとエイコのを囲いエイコを触っているエイケンへと触れた。

 「いくわよ」

 「はい!おねがいします!!」

 あきれたような顔をしながらも転移の瞬間、少しだけ口角をあげてわらったエイコとともに一行はリネアへと消えていった。 
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