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第5章 ストラトス帝国編
歌姫の力
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スカーレットがそろそろセナ達の元へ合流するだろうと言うとき。
「戦況はどのようになってるんですか?」
エリスが近くの騎士にたずねると騎士は苦々しい顔をし戦況を知らせた。
「はい、兵力は未だシュバインが上回っておりますが、セナ様の介入により向こうは混乱しており僅かにわが軍が押している状況です」
「なるほど…アリア?街の中に避難は?」
「しません!」
「ガンコー」
騎士の話を聞きエリスが、もしものことを考えアリアに尋ねるがアリアはギュッと拳をにぎりばっさり拒否し、コニーがからかった。
「第二騎士隊 前線へ!第一騎士隊と入れ替われ!」
見張り役の騎士が前線の合図をみて知らせると、先ほどの騎士たちが急いで隊列を組み出撃していった。
「怪我人を街の中へ運べ!」
「動けるものは武器の補給と休息を今のうちにしておけ!」
しばらくすると前線で戦っていた第一騎士隊がもどってきて慌ただしく動いていた。
「戦況は?」
「ん?向こうは正規の騎士がすくなく冒険者くずれや山賊なんかが多くて奴らのフットワークの軽さが厄介だ」
一息ついた騎士にマインが尋ねると騎士は前線を思い出し苦々しい顔で説明した。
「心情的に奴隷にされて無理やりたたかわされてるやつらを倒さなきゃならないのがキツイな」
説明してくれた騎士の横にどかっとすわりもう一人の騎士が疲労した顔でいってきた。
「奴隷を戦わせているのですか?」
「んー…戦わせているというか…盾にしているんだよ…奴隷を最前線にだしその後ろから騎士やらが矢や魔法を使ってくるんだが、奴隷ごと巻き込む攻撃を仕掛けてくるのでな…キツイ」
「ひどい…」
「あぁ…大した装備も与えられず最前線にだされているからな…言葉を発することも禁じられてるのか…声も出さず死んでいくよ…」
騎士たちが顔をゆがめ罪もない奴隷にされたというだけで戦わされてるものを殺してくことに心が疲弊しているようにみてとれた。
「何とかしてあげなきゃ…」
「アリア?」
ギュッとこぶしを握り締めて思いつめる様に戦場をみながらつぶやくアリアにエリスが不安げに声をかけた。
「私もやれることをやらなきゃ…皆の心の救済をしなきゃ!」
「え?」
「歌いに行きます!!」
「グルワァァァァァァァ!!!!」
アリアの決意をこめた言葉に答える様にグラニールが翼を広げ咆哮をあげた。
「ありがとう!グラニール!」
アリアは自分の気持ちに答えてくれたグラニールに抱きつき礼をいったあとその背に乗った。
「アリア!まって!マイン!コニー!エルシーダに!!」
アリアの後をおいグラニール背中に乗りながらエリスが焦ったように声をかけると二人も頷きエルシーダの背中に乗った。
「グラニール?あぶないけど最前線にいってくれるかな?」
「アリア危険すぎる!」
「グルワァーー!!」
グラニールが前線へ進んでいく中、エリスは必死に引き返すように促すがアリアは聞く耳もたず、とうとう最前線の上空についた。
「これ以上、下へはさがらないでください!さすがに矢も魔法も届いてしまいます」
エリスの譲歩にアリアが頷くとグラニールに何かをつぶやき笑顔を浮かべ飛び降りた。
「なっ!?アリア!!」
「大丈夫!」
「グルワァ」
飛び降りたアリアを追う様に身を乗り出し下を確認したエリスにグラニールの両手に乗ったアリアが笑顔で手を振り答えた。
「危険すぎる!無茶しすぎだ!」
「大丈夫!グラニールが守ってくれるから!じゃぁ…歌います!」
エリスの声を遮るように答えたアリアが呼吸を整え姿勢をただすと、エリスはその不思議で神聖ともとれる雰囲気に息をのみ目を奪われた。
「~♪~♪♪~~♪」
アリアが祈るように歌い始めると彼女の宝冠が淡く美しい光を放ち始め、歌にあわせその光はどんどんと広がりはじめ、しまいに戦場すべての空に広がった。
「なんだ!?歌!?アリアかっ!?」
ギルスが戦場を覆う光と優しく響き渡る歌に驚き空をみあげグラニールの手の上で歌うアリアをみて驚いた。
「なんだこの光と歌は!」
ブレイダー軍だけではなくシュバイン軍も歌と光に気づき戦場の動きが止まり全員が空をみあげた。
「すごい…戦争が止まってる…」
エリスが信じられないものを見たかのようにつぶやいた。
パリン!パリン!パリン!
アリアが両手を広げ歌い始めると戦場のあちこちから無数のガラス割れるような音が聞こえてきた。
「お…おぉ~…ん?しゃ…しゃべれる…」
「え?お…俺もだ!」
「自由になったのか!?」
ガラスが割れ砕け散るような音とともに赤い光が奴隷たちから放たれ消えていくと、奴隷にされ無理やりたたかわされていた者達はやっと自分たちが自由になったことに気づき両手をみたり、お互い見合い声をかけあったりした。
「ギルス様!…信じられませんが…奴隷たちが解放されていっているようです」
「なに!?戦場に俺の声を届かせる!準備をしろ!」
兵が奇跡をみたかのようにギルスに報告すると、歌に聞き入っていたギルスが驚き急いで拡声の道具を用意させた。
「望まずこの戦場にいる者達よ!歌姫の力により貴殿たちは自由の身となった!わが軍に敵意なく戦いたくないものは保護をしよう!望まぬ戦いを強いられまだ戦えるものは我らとともに敵を討て!!」
ギルスの声が戦場に響き渡るとシュバイン軍の兵士たちは奴隷が解放されたことに驚きと戸惑い、奴隷だった者たちも急なギルスの言葉に驚き互いに見合っていた。
「俺は戦うぞ!シュバインに捕まってる家族を助けにいく!!」
「俺もだ!!」
戦場のあちこちで奴隷たちが反旗をひるがしシュバイン側へと攻撃をはじめると再び戦場は動き出した。
「っ!?また戦場が動き出して…」
それを上空からみて自身の力不足だと悲しそうに涙を流しながらせめてぶれいブレイダー軍に祝福あれと、気持ちを切り替えアリアは歌い続けた。
「戦えないものはマルンの街に迎かわせろ!戦ってるものには武器とせめて盾を渡してやれ!」
セルジオの声が戦場に響きブレイダー軍と元奴隷たちの混成軍が数と士気でシュバイン軍をおしはじめた。
「自分の守りたいものを想え!自分が倒れなければ守りたいものは守れる!!」
ガルハルトが最前線で味方の兵に声をあげ、声を聴いた者たちは強い意志を宿した目でシュバイン兵たちに向かっていった。
「戦況!不利!雇った者たちも逃げ始めました!」
「なに!?逃げ出すものは殺せ!」
「はっ!」
「ちぃ!あの目障りな歌をやめさせろ!龍へ一斉攻撃をしかけろ!」
戦況が不利になると途端に逃げだし始めた冒険者や盗賊たちにイラついた指揮官がグラニールを指さし一斉攻撃を指示した。
「あれは!撃たせるな!グラニールが狙われているぞ!!」
いち早く気づいたギルスが指示をだすが間に合わず、シュバイン軍から無数の矢と魔法がグラニールへと放たれた。
「やばい!アリア!グラニール!!」
「エルシーダ!だめだ間に合わないよ!」
無数の攻撃が自身の方へ飛んでくるのを防ごうとグラニールやアリアに声をかけ、マインとコニーはエルシーダで盾になろうとしたが間に合わず悲鳴に似た声をあげた。
「雷霆」
ジジ…ジジジーー
ドガーーーン
エリスやコニー、ギルスまでもが諦め目をつぶったとき、空から電磁音が聞こえ極大な雷が降りアリアたちへ向かった攻撃すべてを壊しさらにシュバイン軍の中心へと落ちると直径10メートルをこえるクレーターをつくりブスブスと焦げ付いていた。
「なに?…今の」
コニーが起こった事態を受け入れられず腰が抜けたように尋ねるとニッコリわらったメディーが北の方角を指さし答えた。
「そんなの決まってるじゃないですかっ!」
マインとコニーが指さす方をみると小高い丘で迅風の上で刀を空へ向かたセナがいた。
「戦況はどのようになってるんですか?」
エリスが近くの騎士にたずねると騎士は苦々しい顔をし戦況を知らせた。
「はい、兵力は未だシュバインが上回っておりますが、セナ様の介入により向こうは混乱しており僅かにわが軍が押している状況です」
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「心情的に奴隷にされて無理やりたたかわされてるやつらを倒さなきゃならないのがキツイな」
説明してくれた騎士の横にどかっとすわりもう一人の騎士が疲労した顔でいってきた。
「奴隷を戦わせているのですか?」
「んー…戦わせているというか…盾にしているんだよ…奴隷を最前線にだしその後ろから騎士やらが矢や魔法を使ってくるんだが、奴隷ごと巻き込む攻撃を仕掛けてくるのでな…キツイ」
「ひどい…」
「あぁ…大した装備も与えられず最前線にだされているからな…言葉を発することも禁じられてるのか…声も出さず死んでいくよ…」
騎士たちが顔をゆがめ罪もない奴隷にされたというだけで戦わされてるものを殺してくことに心が疲弊しているようにみてとれた。
「何とかしてあげなきゃ…」
「アリア?」
ギュッとこぶしを握り締めて思いつめる様に戦場をみながらつぶやくアリアにエリスが不安げに声をかけた。
「私もやれることをやらなきゃ…皆の心の救済をしなきゃ!」
「え?」
「歌いに行きます!!」
「グルワァァァァァァァ!!!!」
アリアの決意をこめた言葉に答える様にグラニールが翼を広げ咆哮をあげた。
「ありがとう!グラニール!」
アリアは自分の気持ちに答えてくれたグラニールに抱きつき礼をいったあとその背に乗った。
「アリア!まって!マイン!コニー!エルシーダに!!」
アリアの後をおいグラニール背中に乗りながらエリスが焦ったように声をかけると二人も頷きエルシーダの背中に乗った。
「グラニール?あぶないけど最前線にいってくれるかな?」
「アリア危険すぎる!」
「グルワァーー!!」
グラニールが前線へ進んでいく中、エリスは必死に引き返すように促すがアリアは聞く耳もたず、とうとう最前線の上空についた。
「これ以上、下へはさがらないでください!さすがに矢も魔法も届いてしまいます」
エリスの譲歩にアリアが頷くとグラニールに何かをつぶやき笑顔を浮かべ飛び降りた。
「なっ!?アリア!!」
「大丈夫!」
「グルワァ」
飛び降りたアリアを追う様に身を乗り出し下を確認したエリスにグラニールの両手に乗ったアリアが笑顔で手を振り答えた。
「危険すぎる!無茶しすぎだ!」
「大丈夫!グラニールが守ってくれるから!じゃぁ…歌います!」
エリスの声を遮るように答えたアリアが呼吸を整え姿勢をただすと、エリスはその不思議で神聖ともとれる雰囲気に息をのみ目を奪われた。
「~♪~♪♪~~♪」
アリアが祈るように歌い始めると彼女の宝冠が淡く美しい光を放ち始め、歌にあわせその光はどんどんと広がりはじめ、しまいに戦場すべての空に広がった。
「なんだ!?歌!?アリアかっ!?」
ギルスが戦場を覆う光と優しく響き渡る歌に驚き空をみあげグラニールの手の上で歌うアリアをみて驚いた。
「なんだこの光と歌は!」
ブレイダー軍だけではなくシュバイン軍も歌と光に気づき戦場の動きが止まり全員が空をみあげた。
「すごい…戦争が止まってる…」
エリスが信じられないものを見たかのようにつぶやいた。
パリン!パリン!パリン!
アリアが両手を広げ歌い始めると戦場のあちこちから無数のガラス割れるような音が聞こえてきた。
「お…おぉ~…ん?しゃ…しゃべれる…」
「え?お…俺もだ!」
「自由になったのか!?」
ガラスが割れ砕け散るような音とともに赤い光が奴隷たちから放たれ消えていくと、奴隷にされ無理やりたたかわされていた者達はやっと自分たちが自由になったことに気づき両手をみたり、お互い見合い声をかけあったりした。
「ギルス様!…信じられませんが…奴隷たちが解放されていっているようです」
「なに!?戦場に俺の声を届かせる!準備をしろ!」
兵が奇跡をみたかのようにギルスに報告すると、歌に聞き入っていたギルスが驚き急いで拡声の道具を用意させた。
「望まずこの戦場にいる者達よ!歌姫の力により貴殿たちは自由の身となった!わが軍に敵意なく戦いたくないものは保護をしよう!望まぬ戦いを強いられまだ戦えるものは我らとともに敵を討て!!」
ギルスの声が戦場に響き渡るとシュバイン軍の兵士たちは奴隷が解放されたことに驚きと戸惑い、奴隷だった者たちも急なギルスの言葉に驚き互いに見合っていた。
「俺は戦うぞ!シュバインに捕まってる家族を助けにいく!!」
「俺もだ!!」
戦場のあちこちで奴隷たちが反旗をひるがしシュバイン側へと攻撃をはじめると再び戦場は動き出した。
「っ!?また戦場が動き出して…」
それを上空からみて自身の力不足だと悲しそうに涙を流しながらせめてぶれいブレイダー軍に祝福あれと、気持ちを切り替えアリアは歌い続けた。
「戦えないものはマルンの街に迎かわせろ!戦ってるものには武器とせめて盾を渡してやれ!」
セルジオの声が戦場に響きブレイダー軍と元奴隷たちの混成軍が数と士気でシュバイン軍をおしはじめた。
「自分の守りたいものを想え!自分が倒れなければ守りたいものは守れる!!」
ガルハルトが最前線で味方の兵に声をあげ、声を聴いた者たちは強い意志を宿した目でシュバイン兵たちに向かっていった。
「戦況!不利!雇った者たちも逃げ始めました!」
「なに!?逃げ出すものは殺せ!」
「はっ!」
「ちぃ!あの目障りな歌をやめさせろ!龍へ一斉攻撃をしかけろ!」
戦況が不利になると途端に逃げだし始めた冒険者や盗賊たちにイラついた指揮官がグラニールを指さし一斉攻撃を指示した。
「あれは!撃たせるな!グラニールが狙われているぞ!!」
いち早く気づいたギルスが指示をだすが間に合わず、シュバイン軍から無数の矢と魔法がグラニールへと放たれた。
「やばい!アリア!グラニール!!」
「エルシーダ!だめだ間に合わないよ!」
無数の攻撃が自身の方へ飛んでくるのを防ごうとグラニールやアリアに声をかけ、マインとコニーはエルシーダで盾になろうとしたが間に合わず悲鳴に似た声をあげた。
「雷霆」
ジジ…ジジジーー
ドガーーーン
エリスやコニー、ギルスまでもが諦め目をつぶったとき、空から電磁音が聞こえ極大な雷が降りアリアたちへ向かった攻撃すべてを壊しさらにシュバイン軍の中心へと落ちると直径10メートルをこえるクレーターをつくりブスブスと焦げ付いていた。
「なに?…今の」
コニーが起こった事態を受け入れられず腰が抜けたように尋ねるとニッコリわらったメディーが北の方角を指さし答えた。
「そんなの決まってるじゃないですかっ!」
マインとコニーが指さす方をみると小高い丘で迅風の上で刀を空へ向かたセナがいた。
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