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第4章 ジルネイ編
答えの答え
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セナの暴走から一夜明け、セナの容態に変化もなく安定していた。
「皆、昨夜はご苦労様でした」
城の会議室らしき部屋に朝から集まった昨夜の一行に、エイシャが椅子から立ち上がり礼をした。
「気にするな」
「主治医の務めだよ」
「おぅ!俺は甥っ子のためだからな!」
サイ、アディオン、エイケンが笑顔で答えた。
「それで主らもいくつか聞きたいことがあるであろうと思ってな?このような場を設けたんだが?」
3人の顔を見回しながらエイシャが言った。
「ふむ。それは腐るほどあるな」
「そうだね!思いつくだけで片手の指じゃたりないほどだよ!」
「5本でとかすくねぇじゃねぇかっ!」
3人のいつものやり取りが終わるのを見計らってエイシャが話し出した。
「まず、昨夜は我々の不手際によりセナ殿の身に多大な傷を残し、そなたらにも迷惑をかけたな」
「それはもういい。エイシャ私が知りたいのは…」
「なんでエイシャがセナ君のことをセナちゃんって呼んでいたかだよ!」
「そう…ではない!アディオン話の腰をおるな」
「え~?でもサイも気になるでしょ?」
「うむ…それもあるな」
サイが切り出すと割り込むようにアディオンが言った。
「まぁ、いつかばれることだしな」
「…そうだな……よかろう話せる範囲で話そう」
エイケンがどうでもよさそうにいうと、少し考えた後エイシャが話し出した。
「まず、セナ殿の両親だが父はエイケンの弟で間違いない」
「ふむ、では母方がエイシャ殿の血縁関係者か?」
「いや…ちがう」
「どういうこと?」
エイシャの言葉にサイとアディオンが頭をかしげて考え込んだ。
「エイケンの母、セナ殿の祖母が私の近しい血縁関係者なのだ…」
「え?」
「なん…だと…?」
エイシャの告白にアディオンは間抜けな声をだし、サイはショックを隠せずにいた。
「じゃぁ、なにかい?エイケンは燐気をもつ鬼人と龍気をもつ龍人の間に生まれたということかい?」
「そうだぜ?」
「なんと…」
アディオンの疑問にエイケンがあっさり認めたことで2人は驚きを隠せずにいた。
「エイケンは燐気をそしてセナ殿の父エイシンは龍気をもっていたのだ」
「そして…セナ殿は…両方をもちあわせたと?」
「サイ違うよ…セナ君は魔力もある…」
「それはたぶん母親ゆずりだな」
エイシャの言葉に、サイは驚き、アディオンはさらに魔力について口にした。
「うむ、エイケンの言う通り考えられる理由として母のほうの力だろう」
エイシャがエイケンの言葉を認めた。
「じゃぁ…たまたまエイケンと弟さん?は力を1つしかもってなかったけど、セナ君はいいとこどりしてしまったということだね?」
「そういうことになるな」
「今回ばかりはいいとこどりといっていいのかわからんがな」
アディオンの言葉にエイケンとサイが答えた。
「たしかに3つの力が混在するのは見たことがない…今回のことで危うい力だというのはわかったけどねぇ」
「なぜ、らしくもなく焦った?」
アディオンが言葉とは裏腹に真剣な目でエイシャをみながらいうと、サイも便乗するかのように理由をたずねた。
「それについては我らがお答え致します」
突然エイシャの横から現れたヤオが神妙な面持ちで頭をさげ話し出した。
「まず、私とタオの力はそれぞれ燐気と龍気なのはご存知か?」
ヤオの問いかけに3人が頷くとヤオの隣に現れたタオが言葉を引き継ぐように話し出した。
「我らは姉妹…それも双子なのでございます」
「…う、うん。見ればわかるよ?」
タオの言葉にアディオンが困ったかのように答えた。
「我らは普通の人と人との間に生まれました」
「ちょっとまて!ただの人になぜその力が宿る?」
「わかりませぬ…」
「ただ…」
サイが疑問を口にすると二人は言いずらそうに話し出した。
「我らが親は先祖代々、東の国にて人の神を祭る一族でした」
「我が一族は東の人の純潔血統を頑なに守り続けている一族で」
「そこに我らが生まれました…」
「ふむ。何か問題でも?」
ヤオとタオの話にサイが何が問題なのかと尋ねた。
「その答えは先ほどサイ殿が口にしたではありませぬか?」
「っ!?なるほどそういうことか…」
「はい」
サイはヤオの言葉にさきほど自身がなぜ力を持つ?と尋ねたことを思い出した。
「母は不貞を疑われ国を追われ、我らは忌子として処分されそうになったそうです」
タオがいいずらそうに話した。
「しかし叔母が秘密裏に我らを逃がし、知り合いへと預けてくださったのでございます」
「ほぅ?」
「その方が先代女王に仕えていたロウ様でございました」
「なんと!?ドラゴニアの牙と言われたロウ殿に!?」
ヤオとタオの言葉にサイが驚きの声をあげた。
「さようでございます」
「そこで我らはいろいろなことをロウ様から教え込まれましたわ」
「なるほど……あのロウ殿に育てられれば、そなたたちの強よさも頷ける」
サイが納得したように頷いた。
「そして、現女王エイシャ様が現れ即位すると先代女王様と二人、掟により大陸へと旅立っていかれました」
「我々に自由をいいわたし…」
「ほう?それならば何故エイシャにつかえている?」
サイの疑問を聞いた二人は無言で首を横に振った。
「我らは一度世界をみに行きました…そして挫折をし自暴自棄になり死を選ぼうと無茶なことばかりをするようになり…」
「そこで我々の話が耳に入ったエイシャ様のお力で我らは再び自身の出生の謎を追うことにしたのですわ」
「ゆえにわれらは勝手にエイシャ様に忠誠を誓っている身で、正式には仕えているわけではないのでございます」
「そうか……これ以上深く聞くのは下衆なことだな…すまんな」
サイの言葉を聞きタオが笑顔を浮かべ顔を横に振った。
「じゃぁボクから質問、なぜセナ君を答えだと言ったんだい?」
アディオンが割り込むように話を切り出した。
「それは、セナ様は相反するといわれている力…燐気・龍気をお一人で併せ持ち、かつ本来ならば持つはずのない魔力までお持ちになられているからでございます」
アディオンの問いにヤオが答えた。
「自分たちに重なって見えたか?」
「そういうわけではございませんが…我らは忌子として扱われ…ほかにも強すぎる力を持つもの、特殊な力を持つものはどこへ行っても、皆から恐れられるか、疎外され疎まれる存在ばかりでございました…」
「しかしセナ様は…違いましたわ…皆から慕われ英雄になり笑顔でいましたわ…今まで見てきた方々をお凌ぎになる力をお持ちなのに…ですわ」
サイの問いかけに二人は首を横に振りそれぞれ話し出した。
「なるほどね。要は自分たちは疎まれていたのにセナ君はなぜ慕われたかを知りたいんだね?」
「正直…わかりません…あこがれなのか…嫉妬なのか…それすら私にはわかりませんが…ただ」
「ただ?」
「セナ様は光にみえたのでございます」
「私もですわ…ひときわ輝く…優しい光に…」
アディオンの言葉にひどく困った顔をしながらヤオがいい、サイが話を促すとタオとヤオ二人は顔を見合わせ自身たちが感じたことを素直に答えた。
「そうか…二人もボクと同じものを感じたんだね…わかったよ…ありがと」
答えを聞いたアディオンは満足そうにうなずいた。
「いやいや!綺麗に話がまとまったけどよ!なんであの状態からセナは助かったんだよ!おまえらのやったあの儀式みてぇのは何だったんだよ!」
アディオン、サイがヤオとタオの話を聞き満足そうに頷き、二人も満足そうにしているなかエイケンが叫んだ。
「皆、昨夜はご苦労様でした」
城の会議室らしき部屋に朝から集まった昨夜の一行に、エイシャが椅子から立ち上がり礼をした。
「気にするな」
「主治医の務めだよ」
「おぅ!俺は甥っ子のためだからな!」
サイ、アディオン、エイケンが笑顔で答えた。
「それで主らもいくつか聞きたいことがあるであろうと思ってな?このような場を設けたんだが?」
3人の顔を見回しながらエイシャが言った。
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「そうだね!思いつくだけで片手の指じゃたりないほどだよ!」
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「まず、昨夜は我々の不手際によりセナ殿の身に多大な傷を残し、そなたらにも迷惑をかけたな」
「それはもういい。エイシャ私が知りたいのは…」
「なんでエイシャがセナ君のことをセナちゃんって呼んでいたかだよ!」
「そう…ではない!アディオン話の腰をおるな」
「え~?でもサイも気になるでしょ?」
「うむ…それもあるな」
サイが切り出すと割り込むようにアディオンが言った。
「まぁ、いつかばれることだしな」
「…そうだな……よかろう話せる範囲で話そう」
エイケンがどうでもよさそうにいうと、少し考えた後エイシャが話し出した。
「まず、セナ殿の両親だが父はエイケンの弟で間違いない」
「ふむ、では母方がエイシャ殿の血縁関係者か?」
「いや…ちがう」
「どういうこと?」
エイシャの言葉にサイとアディオンが頭をかしげて考え込んだ。
「エイケンの母、セナ殿の祖母が私の近しい血縁関係者なのだ…」
「え?」
「なん…だと…?」
エイシャの告白にアディオンは間抜けな声をだし、サイはショックを隠せずにいた。
「じゃぁ、なにかい?エイケンは燐気をもつ鬼人と龍気をもつ龍人の間に生まれたということかい?」
「そうだぜ?」
「なんと…」
アディオンの疑問にエイケンがあっさり認めたことで2人は驚きを隠せずにいた。
「エイケンは燐気をそしてセナ殿の父エイシンは龍気をもっていたのだ」
「そして…セナ殿は…両方をもちあわせたと?」
「サイ違うよ…セナ君は魔力もある…」
「それはたぶん母親ゆずりだな」
エイシャの言葉に、サイは驚き、アディオンはさらに魔力について口にした。
「うむ、エイケンの言う通り考えられる理由として母のほうの力だろう」
エイシャがエイケンの言葉を認めた。
「じゃぁ…たまたまエイケンと弟さん?は力を1つしかもってなかったけど、セナ君はいいとこどりしてしまったということだね?」
「そういうことになるな」
「今回ばかりはいいとこどりといっていいのかわからんがな」
アディオンの言葉にエイケンとサイが答えた。
「たしかに3つの力が混在するのは見たことがない…今回のことで危うい力だというのはわかったけどねぇ」
「なぜ、らしくもなく焦った?」
アディオンが言葉とは裏腹に真剣な目でエイシャをみながらいうと、サイも便乗するかのように理由をたずねた。
「それについては我らがお答え致します」
突然エイシャの横から現れたヤオが神妙な面持ちで頭をさげ話し出した。
「まず、私とタオの力はそれぞれ燐気と龍気なのはご存知か?」
ヤオの問いかけに3人が頷くとヤオの隣に現れたタオが言葉を引き継ぐように話し出した。
「我らは姉妹…それも双子なのでございます」
「…う、うん。見ればわかるよ?」
タオの言葉にアディオンが困ったかのように答えた。
「我らは普通の人と人との間に生まれました」
「ちょっとまて!ただの人になぜその力が宿る?」
「わかりませぬ…」
「ただ…」
サイが疑問を口にすると二人は言いずらそうに話し出した。
「我らが親は先祖代々、東の国にて人の神を祭る一族でした」
「我が一族は東の人の純潔血統を頑なに守り続けている一族で」
「そこに我らが生まれました…」
「ふむ。何か問題でも?」
ヤオとタオの話にサイが何が問題なのかと尋ねた。
「その答えは先ほどサイ殿が口にしたではありませぬか?」
「っ!?なるほどそういうことか…」
「はい」
サイはヤオの言葉にさきほど自身がなぜ力を持つ?と尋ねたことを思い出した。
「母は不貞を疑われ国を追われ、我らは忌子として処分されそうになったそうです」
タオがいいずらそうに話した。
「しかし叔母が秘密裏に我らを逃がし、知り合いへと預けてくださったのでございます」
「ほぅ?」
「その方が先代女王に仕えていたロウ様でございました」
「なんと!?ドラゴニアの牙と言われたロウ殿に!?」
ヤオとタオの言葉にサイが驚きの声をあげた。
「さようでございます」
「そこで我らはいろいろなことをロウ様から教え込まれましたわ」
「なるほど……あのロウ殿に育てられれば、そなたたちの強よさも頷ける」
サイが納得したように頷いた。
「そして、現女王エイシャ様が現れ即位すると先代女王様と二人、掟により大陸へと旅立っていかれました」
「我々に自由をいいわたし…」
「ほう?それならば何故エイシャにつかえている?」
サイの疑問を聞いた二人は無言で首を横に振った。
「我らは一度世界をみに行きました…そして挫折をし自暴自棄になり死を選ぼうと無茶なことばかりをするようになり…」
「そこで我々の話が耳に入ったエイシャ様のお力で我らは再び自身の出生の謎を追うことにしたのですわ」
「ゆえにわれらは勝手にエイシャ様に忠誠を誓っている身で、正式には仕えているわけではないのでございます」
「そうか……これ以上深く聞くのは下衆なことだな…すまんな」
サイの言葉を聞きタオが笑顔を浮かべ顔を横に振った。
「じゃぁボクから質問、なぜセナ君を答えだと言ったんだい?」
アディオンが割り込むように話を切り出した。
「それは、セナ様は相反するといわれている力…燐気・龍気をお一人で併せ持ち、かつ本来ならば持つはずのない魔力までお持ちになられているからでございます」
アディオンの問いにヤオが答えた。
「自分たちに重なって見えたか?」
「そういうわけではございませんが…我らは忌子として扱われ…ほかにも強すぎる力を持つもの、特殊な力を持つものはどこへ行っても、皆から恐れられるか、疎外され疎まれる存在ばかりでございました…」
「しかしセナ様は…違いましたわ…皆から慕われ英雄になり笑顔でいましたわ…今まで見てきた方々をお凌ぎになる力をお持ちなのに…ですわ」
サイの問いかけに二人は首を横に振りそれぞれ話し出した。
「なるほどね。要は自分たちは疎まれていたのにセナ君はなぜ慕われたかを知りたいんだね?」
「正直…わかりません…あこがれなのか…嫉妬なのか…それすら私にはわかりませんが…ただ」
「ただ?」
「セナ様は光にみえたのでございます」
「私もですわ…ひときわ輝く…優しい光に…」
アディオンの言葉にひどく困った顔をしながらヤオがいい、サイが話を促すとタオとヤオ二人は顔を見合わせ自身たちが感じたことを素直に答えた。
「そうか…二人もボクと同じものを感じたんだね…わかったよ…ありがと」
答えを聞いたアディオンは満足そうにうなずいた。
「いやいや!綺麗に話がまとまったけどよ!なんであの状態からセナは助かったんだよ!おまえらのやったあの儀式みてぇのは何だったんだよ!」
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