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【第22話】 聖徳太子はスキル持ち…だった?
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異世界アルファザードに浮かぶ(女神たちの拠点でもある)空中神殿…
そこからから数百メートルほど離れた位置でのオレ・春埼隆人と四天王のひとり『天空王スカイダル』(巨乳なダークエルフ)との空中戦は、オレの優勢で大勢が決していた。
「 …村のみんな…仇を討てなくてゴメン… 」
そう呟いたスカイダルの真意を探るべく【アカシック・レコード】にアクセスしたオレは、スカイダルの正体(本名)が、30年前に人間に滅ぼされたダークエルフの村の生き残りである『リリティア』であることを知った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 なぜだっ!? なぜキサマは私の本当の名前を知っているっ!? 」
スカイダルが強い口調でオレに問いかける。
…と、同時に神殿内の女神たちからも【テレパシー】が入ってくる。
( 「 いや~…まさか、あの『ヤハク村』に生き残りがいたとは驚きっスね~… しかも、四天王の一人『天空王スカイダル』がその生き残りだったとか… 」 )
「 おいっ!! なぜだっ!? 答えろっ!! 」
( 「 驚いた… 」(ボソッ…) )
「 聞いているのかっ!? キサマっ… 」
( 「 ヒーリスたちも知らなかったのか… 」 )
( 「 30年前の『ヤハク村』のことは知っておりましたが…さっき、ファイナさんが言っていたように、生き残りがいたことや、その生き残りが『スカイダル』だということは知りませんでした…まったく、驚きです… 」 )
「 おいっ…!? 」
あ~…もう…スカイダルがちょっとうるさいな…
スカイダルは、オレが空中神殿内にいる女神たちと【テレパシー】で会話していることなんてわからないもんだから、テレパシー会話中にも『なんでオレがスカイダルの本名(リリティア)を知っているのか?』についてガンガン問いかけてくる。
しゃーない…とりま…
( 「 スキル【時間停止】! この星と、この星から観測可能な天体の時間を停止する! 」 )
オレがスキル【時間停止】を心の中で念じた瞬間、この星と この星から観測可能な天体の時間が停止した。 ( 時間を停止する場合は、その星だけでなく、その星から観測可能な天体全ての時間を停止しておく。 そうしておかないと、時間停止を解除した時にその星から見える太陽や月や星座などの位置が急にワープしたように見えてしまう等の不都合が生じてしまう為だ。 )
『 …シーーーン… 』
静寂があたりを包む…
尚、当然、スカイダルだけでなくファイナたち女神の時間も止まっている。
とりあえず、ファイナたちのいる空中神殿の食堂に瞬間移動で戻ったオレは…
「 【時間停止解除】! 空中神殿の内部だけ時間停止を解除する! 」
空中神殿内だけ時間が流れ出した。
「 わっ…ビックリした… 」(ボソッ…)
「 ひゃっ!? そ…創造主様っ!? 」
「 おわっ!? 瞬間移動っスかっ…!? いきなり目の前に現れるから、ビックリしたっスよ~… ってか、スカイダルとの戦いは途中じゃないっスか…?? 」
「 ん…まぁ、とりあえず、世界の時間を止めといた。 今、この世界で時間が流れてるのは、この空中神殿の中だけだ。 …まぁ、スキル【並列思考(マルチタスク)】を使えば、聖徳太子みたいに、スカイダルと会話しながら、同時にオマエ達ともテレパシーで会話する…なんてこともできるんだけど、とりあえずはオマエ達と30年前の『ヤハク村』の件について色々話を聞いてから、スカイダルと話をすることにしたんだ。 」
「 あの…ちょっとお話が逸れるようで申し訳ございませんが、『しょうとくたいし』というのはいったい…? 」
「 ん…? あぁ…『聖徳太子』ってのは、地球の…日本の昔の偉人だ。 同時に十人の人間の話を聞き分けることができたらしい…って逸話が残ってる。 」
「 マジっスかっ!!? スゴイっスね…もしかして、創造主様みたいにスキル【並列思考(マルチタスク)】を持ってたんスかね…? 」
「 …かもしれないな… 」
まぁ、真偽不明な逸話だからなぁ…
【アカシック・レコード(宇宙記録)】にアクセスするなりスキル【過去視】を使えば真偽はわかるけど、今はそんなことよりも…
「 …で、その事件について確認なんだけど…
30年前まで『ヤハクの森』の近くにはダークエルフの『ヤハク村』があった。
その村のダークエルフは、ダークエルフとしては珍しく、人間と特に敵対してなかった。
が、30年前に『ヤハクの森』で希少金属である『魔鉱石・翡翠(ひすい)』が発見され、その独占を目論んだ『ヤークド帝国』の『ヤハド皇帝』と『宰相リヒャルト』の命令による帝国軍の手によって、『ヤハク村』は滅ぼされた。
…って認識でOK? 」
「 はい。 まったく、その通りです…。 スゴイですね…これは昔、創造主様が私たちにお話して下さった【アカシック・レコード(宇宙記録)】とやらから引き出した情報なのですか…? 」
「 まぁな 」
「 もう、チートとかそういうレベルじゃないっスよね… アタシらに話を聞かなくても、『もう【アカシック・レコード】だけでいいんじゃないかな』みたいな感じっスね~ 」
「 まぁ、でも、【アカシック・レコード】からの情報だけじゃ味気ないからな。 オマエ達の主観とかも交えた話を聞きたいんだ。 この30年前の事件について、他になんかないか? 例えば、その後、帝国はどうなったかとか、なんでもいいからさ… 」
「 …だったらボクから… 」(ボソッ…)
珍しく、アイネの方から積極的に(?)切り出してきた。
「 おっ! アイネか…じゃあ、話してみてくれ 」
「 30年前、『ヤハク村』が滅ぼされた後、ボクは『ヤハド皇帝』に天罰を下した… 」(ボソッ…)
「 えっ…? 」
えっ…? 天罰…?
「 それってつまり… 」
「 ボクは悪逆非道の『ヤハド皇帝』を処刑した… 」(ボソッ…)
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