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その日、私は仕事が休みで家にいた。
妹が降りてきて家を出ることにしたといってきた。
持って行く荷物を一時的に私の生活スペース(一階)に置かせて欲しいとも。
3階にある妹の部屋から一階に荷物を何往復も持ってこさせる訳にいかない。
だから3階から二階玄関まで持ってきてもらい、一階と二階は私が往復した。
妹が産婦人科に定期健診にいった。
現旦那さまと一緒に。
健診が終わったと妹からメールが来たので、家の前ではなく、ちょっと先に車を停めるように返事をした。
荷物を家から車まで全て運んであげて、妹とその旦那に最後に伝えた。
「生んでくれた母親には会って話しをしなさい。家については、落ち着いたら電話でもいいから連絡しなさい」と
妹は、手紙を家のポストに入れて出て行った。
そして、妹は姉にも父親にも、もちろん自称『母親』にも連絡をしていない。
家族の中で妹と連絡がとれるのは私と生んでくれた母親だけ。
実家に戻ってから5年。
父親が膀胱ガンで入院した。
自称『母親』は自分の兄妹にのみ連絡をしていた。
父親の兄妹には一切連絡を入れていなかった。
父親が自分の兄妹に連絡を入れて欲しいと言ったらキレた。
「何で私が連絡しなきゃいけないの!?」と。
さすがにこれは無いわぁ~と思った私は、父親に事後承諾で一番上の伯母に連絡した。
もちろん自称『母親』の兄妹に先に連絡が行っているとも伝えた。
祖父母たちと一緒に暮らしていた一軒家に私・父親・自称『母親』の三人しか住んでいないのはスペースの無駄。
というより、人数が極端に少なくなったのでエアコンの利きが悪くなったので、都内から千葉のファミリータイプのマンションに引越しをした。
6月に引っ越してから、今日までリビングに詰まれた箱は開けられていない。
キッチンも料理ができるような状態ではない。
私の部屋だけが、片付いている状態になっている。
そして、自称『母親』と口論すると、亡くなった祖父母や兄、生んでくれた母、私の姉妹や父方の伯父・伯母まで貶す。
そしてかならずこう言うのだ。
「私は母親として家の事をしっかりとやってきていたのに」と。
頚椎の手術をした影響で、介助が必要な状態になっている。
そして、自称『母親』はそんな父親に言ってはいけないことを言った。
「私はあなたの専属介護士じゃないの!」と。
引っ越してから、料理が一切作られたことのないキッチン。
片付けられない引越しの荷物。
週に一回、車をだしての食材(お弁当や惣菜)の買出し。
父親に呼ばれると、嫌々返事をして父親の部屋へと向かう。
その間なにをしているかといえば、録り溜めしたテレビを見ている。
だから私は何度も自分に問いかけている
『母親』ってなんだろう?
子供を生んだら『母親』なんだろうか?
と。
妹が降りてきて家を出ることにしたといってきた。
持って行く荷物を一時的に私の生活スペース(一階)に置かせて欲しいとも。
3階にある妹の部屋から一階に荷物を何往復も持ってこさせる訳にいかない。
だから3階から二階玄関まで持ってきてもらい、一階と二階は私が往復した。
妹が産婦人科に定期健診にいった。
現旦那さまと一緒に。
健診が終わったと妹からメールが来たので、家の前ではなく、ちょっと先に車を停めるように返事をした。
荷物を家から車まで全て運んであげて、妹とその旦那に最後に伝えた。
「生んでくれた母親には会って話しをしなさい。家については、落ち着いたら電話でもいいから連絡しなさい」と
妹は、手紙を家のポストに入れて出て行った。
そして、妹は姉にも父親にも、もちろん自称『母親』にも連絡をしていない。
家族の中で妹と連絡がとれるのは私と生んでくれた母親だけ。
実家に戻ってから5年。
父親が膀胱ガンで入院した。
自称『母親』は自分の兄妹にのみ連絡をしていた。
父親の兄妹には一切連絡を入れていなかった。
父親が自分の兄妹に連絡を入れて欲しいと言ったらキレた。
「何で私が連絡しなきゃいけないの!?」と。
さすがにこれは無いわぁ~と思った私は、父親に事後承諾で一番上の伯母に連絡した。
もちろん自称『母親』の兄妹に先に連絡が行っているとも伝えた。
祖父母たちと一緒に暮らしていた一軒家に私・父親・自称『母親』の三人しか住んでいないのはスペースの無駄。
というより、人数が極端に少なくなったのでエアコンの利きが悪くなったので、都内から千葉のファミリータイプのマンションに引越しをした。
6月に引っ越してから、今日までリビングに詰まれた箱は開けられていない。
キッチンも料理ができるような状態ではない。
私の部屋だけが、片付いている状態になっている。
そして、自称『母親』と口論すると、亡くなった祖父母や兄、生んでくれた母、私の姉妹や父方の伯父・伯母まで貶す。
そしてかならずこう言うのだ。
「私は母親として家の事をしっかりとやってきていたのに」と。
頚椎の手術をした影響で、介助が必要な状態になっている。
そして、自称『母親』はそんな父親に言ってはいけないことを言った。
「私はあなたの専属介護士じゃないの!」と。
引っ越してから、料理が一切作られたことのないキッチン。
片付けられない引越しの荷物。
週に一回、車をだしての食材(お弁当や惣菜)の買出し。
父親に呼ばれると、嫌々返事をして父親の部屋へと向かう。
その間なにをしているかといえば、録り溜めしたテレビを見ている。
だから私は何度も自分に問いかけている
『母親』ってなんだろう?
子供を生んだら『母親』なんだろうか?
と。
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