『母親』ってなんだろう？

４

一人暮らし３年目、老人介護施設に入居していた祖母が老衰で亡くなった。
祖母をお寺に移す前に、実家でお別れをするために向かった。
父親の兄妹たちが揃っていた。
その時、一番上の伯母から
「なぜ、一昨年のおじいちゃんの法事に参加しなかったのか？」
と聞かれた。
祖父の法事も、兄の法事も連絡が来ていなかった。
だから参加などできるはずもない。
そして、一人暮らしをやめるまで祖母の法事の連絡も来なかった。


１０年間一人暮らしをして実家に戻ると、家の中は一人暮らしを始める前よりも悲惨な状態になっていた。
階段や廊下に物が置かれ、買い物も妹たちが行っているという。
更年期障害の症状が出て、汗が止まらなくなり外に出ることを極端に嫌がるようになった。
自分は若いと思っているのか、病院で『更年期障害』と診断されても納得せず、１０件近い病院をはしごしたらしい。
私の実家の部屋は、いつの間にか物置と化していた。
団欒の場であり、リビングは入れないような状態になっていた。


実家に戻って３年目、妹が子供を授かった。
婚約してはいたが、入籍前だったこともあり自称『母親』がキレた。
妊娠初期の妹の頭から麦茶をかけた。
季節は夏。更年期の影響で暑がりな自称『母親』は１２畳用の大型エアコンの設定温度を１８℃にしていた。
その冷風が直撃するところに妹を立たせた上で、頭から麦茶を掛けた。
その状態で２時間説教された妹は、慌ててお風呂に入りにいった。
身の危険を感じた妹は、黙って家をでる事を決めた。