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第一部
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しおりを挟む私は今着ている寝間着をさっそくドワーフの能力を使い
旅に出ても問題無いように作り直して
ベッドのシーツも補強魔術をかけてローブとして作り替えた。
「さて、と。
まずは近場で、人間が居住してそうな町に転移しますか!」
近場と言っても元々あった人間国の地理を考えるとかなりの距離が出そうだけど
目を閉じれば、頭の中に地図が浮かんできた。
意識して思い浮かべた事が魔術として変換されて自由に使えるようだ。
これが思考魔術ってやつかな?と思いつつ
自分の位置を把握して町の場所を調べると
3000年のうちにエルフ国の近くにまで人間達の町が出来ていたようだ。
町というより街って規模かな。
パッと目を開けて、振り返る。
私に関係ない人たちも居たけれど、消滅してしまったのは国王のせいだし
はっきり言って、私は被害者側だ。
恨むなら、傲慢で馬鹿な国王を恨んで欲しい。
そして国王よ。 『 ざまあみろ 』
私は、ふぅ、と軽く息を吐き前を向く。
「私は、私が楽しいと思える日々を過ごす為に前を向き続けるよ!」
宣言するように叫ぶと、もう一度目を瞑って私は転移した。
~ 第一部 <完> ~
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