いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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788:畳1枚

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(愛しい人?)
(わたしは凡人だ。
そのわたしでも、何かを見せてもらえれば、
こうすればいいのにって思うことがある。
あれらを見て、改良していく知識と経済力がある人がたくさんいる。
いい方にも悪い方にも。
それを制限するのが隠匿だ。欲の名に置いて隠匿する。
それを行なっているのが砂漠石だ。
わたしは砂漠石に心からの感謝をささげるよ)
(?欲だけではないだろう?ゴムは違うだろ?)
(いっしょだよ。自分が人に後ろ指を差されたくないという欲だ)
(・・・・。
愛しい人?眠いんだな?
これが終われば、あれとワイプと呼ぶのだろ?
カップの友人も連れてくる。
準備をする前に少し寝よう。)
(!そうだよ!!100万リングの商談だ!)
(そうだ!頑張ろうな!)
(もちろんだよ!!)


少し考え込んでいたのだろうか?
マティスに心配をかけてしまった。
そうだよ!商売!商売!!


パーン!

新型銃の試し撃ち。
旧型と同じ距離で広げたマントを貫通させた。

今度は板を建て掛けている。
畳1枚分。1帖。

このさ、畳1枚っていう表現。
こっちではまったくもって誰も理解してくれなかった。
一般寝床より、ちょっと小さいぐらい、で、やっとだった。
畳単位は寝床単位だと覚えておこうとおもったものだ。

それ、2cm程の板10枚、3センチほどの隙間で並べる。
で、新旧の威力比べ。
どこまで貫通するかなってこと?

ん!
んーーーーー?

「どうした?」

今度は聞いてきた。

「いや、あれ。1枚板?すごいね!
余程大きな樹だよ?ボルタオネ産なのかな?」
「?そうだろ?驚くことなのか?」
「うん。あとで、テール君に話しておこう。価値あるものだよ?
無垢材で一枚板!こんなことに使うなんてもったいない!」
「そうなのか?あとは?」
「え?ああ、あれぐらいだったら、わたしの正拳で貫通するなって。
距離もでるよ?気をのせれば。
ガイライは倍以上だ。
ニックさんの槍も師匠の棒もだ。
剣は?」
「投げることはしないが、そうだな、気を乗せていいのなら、
離れても真っ二つにはできるぞ?」
「すごい!砂漠石も気もある世界。
本質は同じかもしれないけど、すごい!!
すごいって言うのが口癖になっちゃうぐらい!すごい!マティスが!!」
「ははははは!それは私だろ?
愛しい人がすごいんだよ?」
「うふふふふふふ。そう?惚れなおしちゃう?」
「いつでもだ!」
「わたしも!!」

「姉さん!兄さん!
人前ではやめて!!」

「「はーい!」」


いかんな。
なんか緩んでいる。マティスもだけど、わたしもだ。
緑目の影響か?いや、眠いのだ。
気を付けよう。

パン!
旧式は3枚貫通。

同じ距離で、新型。
バーン!6枚。
倍離れて、2枚。


約2倍ってところか?
両手で撃てばいいのに。
おもいっきりのけぞっていた。

そして大砲。
角度が一定なのか、距離を指示して設置。
新型の倍ほどの距離。


ギュウィン!という音。
思ったより音は小さい。
爆発しているわけではないからだ。
摩擦音のみ。

ドンバラガッシャンと並べ建てた板を粉々に砕いた。
距離的にそんなもんなのだろうか?
わたしには首傾げの状態だ。
が、臨時会合でいちばんの歓声。


「お静かに!
飛距離が伸び、破壊力が違う!
そして!
この新型と大砲は砂漠石の交換ができます!」

弾倉に砂漠石をいれたという。
15弾で一つの砂漠石。
大砲は3弾で1セット。
カートリッジのようなケースに入りその中に砂漠石もセット。
隠匿はガチガチのようだ。
冷蔵庫と一緒で、分解すればただの鉛玉、砂玉。


「軽量化に成功です。
これで、銃本体の補充をする必要がないのです!」


それはルカリアにしてみれば商売あがったりだな。
売れるのは銃弾。
それを作っているのはマトグラーサだ。

銃本体の開発も進んでいくな。
いいものをどんどん作っていかないと売れなくなるから。
進化に拍車がかかる。

しかし、ルカリア領国領主テレンスは苦々しい顔をしている。
どういうやり取りでそれを許したんだろうな。
もともと、銃弾を押し出すってことを
マトグラーサが隠匿していたのだろうか?
その隠匿を銃身に使うというのがルカリアの銃の隠匿?
使用権を買っていたのか?
だったら、どうにもできないね。

できることは銃身、製鉄技術の隠匿だ。
それに気付いているのかどうか?
隠匿をかけていたとしても、
その権利、他国に売ることはしないだろうな?
それをやられても、銃弾は売れるマトグラーサは関係ないか。

みな満足げなのは間違いない。
ガイライ、ニックさんはどんなものを出してきても
使う兵隊を訓練しないといけないからそっちを考えないといけない。
武器の能力であの2人を満足させるには難しいだろうな。

レディも違う服を着て戻っている。
かなり派手なドレスだ。
あのピンクのドレスが似合いそうだな。

最初のやり取りは教えたけど、
最後までうまく持っていったのはレディだ。
強くなったと思いたい。


それにしても素晴らしいプレゼン力だ。
よくある当社比をわかりやすく見せてくれる。

銃と大砲のお披露目は、
軍再編もナソニールのことも忘れるぐらいにみな大興奮だ。


戦争が有ってもニバーセルは安泰だと思っているのだろう。


・・・・・。
なんか、もう、どうでもいいや。




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