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743:製造責任
しおりを挟む槍術?ではないな。
なんだろうか?棒?拳?剣?柔術?
ありとあらゆるものが混じっている。
隠密というのはそうなのだな。
カップと似ているな。
床の砂が滑る。なんだ?こいつが撒いたのか?
荷重を掛ければいいか?
いいな。
体が今まで以上に動く。
ジンジョウーのまじないのおかげか。
月が沈む。
!
来る!
重い圧が上から降ってくる。
変動の時のようだ。
相手からではない。
お互いが距離を取る。
わたしとドーガーはセサミナ様の傍に。
「忍法!影縫い!」
頭から布を被った者、
それがいきなり現れ、何かを投げつけてくる。
避けることが出来たが、何本かは足元に刺さった。
そして、上空に浮いている。
え?
「影を縫い付けた!お前たちは動けない!!
ふはははははははは!」
動けない?セサミナ様は?
視界の端に、ドーガーの背に守られているのセサミナ様を確認する。
2人とも動けないようだ。
あれは?同じか。固まっている。
見習いもか?
えーと、この場合の言葉はなんだっけ?
「お前か!何者だ!!」
声はでる。
が、本当に足が動かない。腕もだ。
「この砂を管理するもの。
砂紋を刻むもの。
このありさまはなんだ?
誰が砂紋を消した?
誰が壊した!!」
本当にお怒りのようだ。
怖い。
「ドーガーです!!」
「セサミナ様!!配下を売るなんて!!」
「売ってない!正直に話しただけだ!」
「それでも主はかばうものでしょう!!」
「いいや。この件に関しては主なんぞ関係ない!!」
「ひどい!!!」
「お前か?」
服が波打ってる。
これはいいな!
「違います!そいつが砂の上を歩かしたのです!
抵抗は出来ませんでした!!」
「・・・それはおかしい。
木組みと布張りから改良したが、歩くぐらいなら問題ない。
・・・まさか、中央の木に何かしたのか?」
「・・・・。」
「何をした?」
「・・・・。」
「腰かけたんだよ!」
「お、お前え!黙れ!!大体、お前が座れと言ったんだ!!」
「は!死ねと言われれば死ぬのか?お前は?」
「うるさい!!」
見上げながら叫んでいる。
「腰かけてどうなるか、なんで想像しないんだ?
イフだ!IF!もしもだ!!
想像しろ!なんでもだ!子育てもだぞ!!
もしもこれに子供が腰かけたら折れるかもしれない!
これを地べたにおいていたら赤子が勝手に拾って食べるかもしれない!
なんでも口に入れるんだから!
想像しろ!!
ここは極端に想像力が足りん!!
あれは、引っ張ってたんだよ!上に!!
どうしても真ん中がたるむから!
あー、まさか、そこに腰掛けるとは!!
良き長さの棒で、ビャクの止まり木にもなっていたのに!!」
「?引っ張り上げる?絨毯のような?」
「そうなんよ。もう!!
最初は組んだのよ?でも、枯山水には
みんなの反応がわるかったから、歩くのはいないなって思って。
糸にしたのよ、クーちゃんの!
糸も切れてるね。もう一度考えるよ。
怪我はなかった?
ここは鍛練場だからなにもしてないから。」
「はい。ありません。」
「そう。よかった。」
スッと下に降り、頭からかぶっていた布を取った。
あ、首が動いた。
もちろん、モウ様だ。
ドーガーの前に?
振り返ることはできない。
「ドーガー、申し訳ない。
最初に確認すべきなのに。ごめんね。
これは製造責任を問われるな。
注意書きもなにもなかったし、そういう仕組みだって言ってなかったもんね。」
「え?あああ!いえ!そんな!!
どうぞ、頭をお上げください。」
モウ様が頭を下げているのか?
これは、こちらまで、申し訳ない気持ちになるな。
「うん、これからちゃんと注意を配布するし、説明もするね。
それを見て破ったら、コッキュっとなの刑だから。」
こきゅっとな?
なんだろう?
寒気がする。
「で?今どういう状況?」
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