いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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「発言いいか?」



「どうぞ?ニック殿。」
「分隊から本軍に戻り、
他の2軍と同等の権利をもらえるんだから文句もない。
予算無しも仕方がない。
だが、ブラスの林に加えて、群生地までも管理するなら
予算を付けてくれ!」
「だから、それは中央院統括部から出すと言っているだろ?」
「お前の部から?」
「お前?言葉が悪いぞ?ニック!」
「はっ!俺は今、軍の隊長だ。
そして俺に命令できるのは我らが王のみ!
ここにいる誰も俺に命令はできない!!」
「なにを言うか!
お前とガイライ共々、中央院統括部所属だ!
なので、ブラス管理についてはわたしが上官だ!!
それが不服なら予算なんぞ出んぞ!!」

リーズナ!
ほんとにムカつく!!


「ニック隊長!気を沈めてください!!
予算は大事です。リーズナ殿が折角、行商以外に
予算を付けてくれると言ってくれているんです。
なにが不服なんですか!」
「何もかもだ!!」
「ニック隊長!ニック!落ち着け。ほらこれ、
新しいものだ。外してみろ。
ヒトヒネリだって、売っても1リングなんだぞ?予算はいるんだ。
な?
ああ、これ、ブラスの小物です。
よかったらどうぞ。」


ガイライはヒトヒネリとブラスを四角に加工したものを
差してあるのか?組んでいるものを渡してきた。

「ん?すぐにばらけるぞ?」
「じゃ、戻してみろ?」
「え?」
「ああ、皆さんもどうぞ?その間にコーヒーでも入れましょう。」

小さな背負子に入っていたように
カンターウォーマーを出している。

ヒトヒネリはどうにもできないようだ。
が、この組んだ物はすぐに皆はばらすことができた。
が、元に戻らない。


「組んだ物をお買い上げの上、比べてみては?
それらは全く同じものですよ。
わたしの名において保証します。
一つ、10リングでいかかが?
ニックは?落ち着いた?」」
「わからないから余計にイライラする!!」
「買うか?」
「え?俺からも取るの?」
「もちろん。」

悪徳商人になってる!
モウちゃんの仕込みか?

コーヒーを配りながら、
10リングで、売っている。


ヒガスもスダウト家、タレンテ家の2人も
買っている。ウォーマーもだ。
リーズナも?

「リーズナ?これは外れる。」

音を出さずにヒトヒネリを外して、
また元に戻してやった。
はははは!悔しそうな顔!
あー、すっきり!!

しかし、ガイライは、答えを教えている。
ヒトヒネリはいいが、6本組のものは、
3度ほど練習して皆ができるようになった。


「これは、答えを知っているものだけが、
楽しめる遊びですからね。
それは、この商品を最初に買ってくださったお客様の特典だ。
後はお好きになさってください。
答えを知りたければ、皆さんに頼むか、
こちらに買いに来てくれるでしょうから。
ここ、王都で答えをわたしどもでは披露しませんから
ご安心を。」

そう聞いて皆が何とも言えない顔で笑っていた。

「ふー。楽しいものだな。」

事務方ヒガスも満足そうにしている。

「あ!それで、ニック殿の第3軍は中央院統括部所属ということに?」
「・・・・予算の為だ。承知。」
「ふはははははは!ニック、ガイライ、頑張れよ?
では、臨時会合で、ブラスの管理のことを進言願います。」
「わかりました。
ああ、それで、ニック殿?
軍再編のことと少し話がそれるのですが、
軍部ルカリとコットワッツ領主護衛、モウの手合わせの
審判をしていましたね?
ルカリはいいとして、護衛モウとの関係は?」
「槍術を覚えたいっていうから、少し手ほどきをな。
それが?」
「そうか。少し、彼女と話をしたいんだが?
話をつけてくれるか?」

そうなるわな。

「それは、今はやめておいたほうがいいな。」

リーズナが、ヒトヒネリをカチャカチャさせながら話し出した。

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