いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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717:出戻り軍

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軍再編の詰めの協議というが、
来ているのは、俺たち2人と、
スダウト家、タレンテ家の事務方だけだ。
予算の念押しだけか?
予算なのに資産院の人間もいない。
そりゃそうだ、オートは再編に関して、
一切の予算は認めなかったからだ。

話を進めるのも中央院の事務部のヒガスだ。
調整役だな。
しかし、彼の元で決めたことはきちんと中央院に通る。
そして覆ることはない。


そこからの話し合いはまさしくくだらない。
軍の資産、鍛練場、館、宿泊施設、
それの取り合いだ。

俺たちはいらんよ!
軍に銃が支給されるのなら、
俺たちにも当然支給しろよ!
え?あれはマトグラーサの好意?
間抜け共め!只より高い物はないだろ!
見返りを要求されるぞ?

いらねぇ!
見返りが今後の銃購入なら、
こっちで買うよ!なんせ、俺たち2人だからな!!




「軍は3部隊、
スダウト軍、タレンテ軍、第3軍だな。
予算は新たな2軍のみに分配。
旧軍部の施設、資産もこの2軍で分配。
第3軍は行商を主な収入源とする。
これは一時でも分隊となった過程があるからだ。
そのかわり、国民と密接な関係を築けるだろう。
そして、王直属だ。
今までも第4部隊まであったが、
各部隊が対等である。
それで、よろしいな。」
「お待ちを!」
「リーズナ殿?なにか?
そもそも、なぜここに?ガイライ殿が同席を求めたから許可はしたが、
発言するようなこともないだろう。」
「もちろんだ。
いや先にな、ここで決めれることを決めておくほうがいいだろう?
わたしの管轄にあるブラス地帯なんだがな。」
「あなたの管理がままならないから、タフトにブラスが拡がったんだろ?」
「それは違うぞ?わたしの管理地からは拡がってはいない。
ピクトから来たのは調査済みだ。」
「それで?」
「あれはタフトがまた管理するのか?
が、どうだろうな?ザスが入荷したタフトで?」
「・・・しないだろうな。」
「そうだろ?
そのまま管理しなければ、いずれ王都にまでもブラスが繁殖する。
それに文句を言おうものなら、
タフト領主は、軍に、中央院に押し付けようとする。
ずうずうしいはなしだ。
その話を臨時会合の時に偉そうに言ってくるだろうな。
だからな、先に、こちらで引き受けると言ってほしい。
領地問題ははっきりさせたほうがいいからな。
今後のことを考えれば、王都直下の領地が
拡がるほうがいいだろう。それがブラスの群生地でもな。」
「なるほどな。」
「そうなると分隊はないのだから本軍管理だな。
前回は軍が管理をするという名目だったんだからな。
スダウト家とタレント家のどちらかだ。
そこでな、わたしのブラス管理地、汚水処理場を含むのだがな、
それも、お願いできないかと思ってな。」
「軍がブラスだけではなく、汚水処理地の管理をすると?」
「そうだ。なんでも、窓口は少なくするほうがいい。」
「それは軍の仕事ではない。」
「そうか?いまは回収業者ともめているからな。
軍に管理してもらいたいんだが?」
「もめているのはそちらの話だ。
軍も中央院も関知しない!!」
「だったら、悪いが、出戻り軍を付けてくれ。」
「で、出戻り軍?第3軍のことか?」
「そうだ。もともと、分隊の収入源として
ブラスをつけたんだろ?
そのまま継続してほしい。そしてブラス群生地もついでにな。
一応、我が中央院統括部の所属にしてな。
出戻り軍だがな。プっ。失礼。」

出戻り軍!
嬉しそうに言いやがって!!
まさしくそうなんだけどな!!


「・・・・。」
「ん?問題か?別に出戻り軍でなくてもいいんだ。
スダウト軍、タレンテ軍でもいい。
ここにきているのは、隊長でもないんだな?
あはははは!
隊長で来ているのはニックだけか。
やはり、暇なんだな。ああ、失礼。
どうだ?お二方?」
「スダウト家が有する軍ではお受けしかねる。」
「同じく、タレンテ家でものだ。」
「中央院としての意見は?」
「・・・・。出戻り軍、失礼、第3軍がすればよろしい。」








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