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517:ゆるみ
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「テール様?なんだか、乗ってほしそうにしてますよ?
マリーはちょっと馬のいうことが分かるのですよ。
乗れますか?」
「の、れない。・・・まだ。」
「一緒にのって差し上げたいのですが、
どうやら、テール様だけがいいようで。
あー、カーチ殿、マーロ殿もですか?
そうですか。」
森に行くようだ。
ボルタオネの領土の森。32番目の森。
「カーチ殿。マーロ殿。
森を散策してきてはいかがですか?」
「え?黒馬に乗れるのですか?イスナすらも乗れなかったのに。」
「そうなのですか?テール様を気に入ったようですよ。
森を案内したいようですね。
マーロ殿?馬は我らよりも賢い生き物です。
捕らえるなどと考えてものではありませんよ?」
「!」
「さ、まずはテール様、その後ろにカーチ殿かな?で、マーロ殿。
・・・・台がいりますね。椅子でいいかしら?」
テール君は持ち上げればいいが、
カーチもマーロも、機敏なほうではないようだ。
椅子と机を寄せて持ってもらう。
これから森を行く
その後ボルタオネに
(そうなの?でも、匂いは?カーチは?)
新たな香木も見つけることができる
あなたと香人のおかげだ
あの石も
(クジラ石?役に立ったんならよかったよ。
またわからんことがあったら呼んでもいいのかな?)
もちろんだ
あなたはわたしの友人だ
わたしもあなたの元を訪ねることもある
またあなたと走りたいしな
香人も乗せたい
(香人ってのはマティスのことを差すんだね。わたしは?)
あなたはあなただ
(そりゃそうだ。ああ、あの言葉、マティスと2人で言い合ったんだ
で、名前の付けっこをしたよ)
それは愉快だ
「マリー?」
「ああ、乗れましたね。
では、行ってらっしゃいませ。」
「テール殿、我らはこれにて。また新しき館が整いましたら、
いらしてください。」
「え?もう行くの?マリー?」
「ええ。今宵の夜会にも行きますよ。
その時テール様もいかれますよね?
そのときに乗り心地を教えてくださいね。」
「わかった!では、コク?案内してくれ。」
馬に乗った2人の顔面が蒼白なのは、高いところが怖いのか、
コクを怖がっているのか。
館を完璧にきれいする。
師匠の館はそのまま収納。
地下の鍛練場もそのまま持っていく。
もちろんきちんと埋め戻した。
それから、割り当てられた区画近く、ガイライ達の館を調達したところへ。
きっとニックさんがいてるはずなので、
案内してもらおう。
急がないとね。
「結局はお茶がすごいって話?」
「そうなりますね。姉さんの言うように、
それぞれが、思うことをしでかしたということですか?」
「怖いな。望んだことが叶うのだろ?無意識に。」
「ちょっと違うかな?叶うというかしてしまう。
砂漠石の制御がないというか。」
「砂漠石の?」」
「そうだよ?砂漠石で願いが叶う。
けど、それはかなりの制御があるっていう認識でしょ?
ほんとうは砂漠石は切っ掛けを作るんだけどね。
だけど、本来は、それはできない、大きい砂漠石だからできる、
これだけ理解しているからできるっていう
縛りがあるんだ。が、ボルタオネではそれが緩んでいたんだ。
わたしの言霊と同じだ。それが、漠然と?
移動や呼び寄せも必ず縛りをかけてるよね?
それがない状態。
領民にはそんなに影響はなかったかもしれないね。
そんな大それたことを望んでいないから。
んー、ペリフロは結婚っていう願いが少なからずあったのかも。
それが膨れたかもしれないね。」
「では、そのゆるみがなければドーガーは?」
「無理だろう。少なくとも即決はないな。
イスナさんは家族の、娘の幸せ、自分のしたいこと、
領主の仕事というのは優先順位が低かったんだろうね。
心の中でカーチが先に生まれていたはずだと。
自信がなかったのかもしれない。」
「しかし、そのゆるみのきっかけは?匂い? 」
「だと思う。妖精の匂いかどうかは分からないけど。
糸ではないだろうね。徐々にだ。
香木がある森。その管理はボルタオネではなく、
管理者はコクだ。コクも気付かないまま、匂いに侵されたとしか。
いまは大丈夫みたいだけどね。」
「・・・姉さん。これ以上は。」
「もちろん。」
いまは旧王都の近くの場所。
いうなれば旧都下街。
1棟解体したのだが、そのお金はもらっていない。
要は金を払う気はさらさらないわけだ。
全部解体して更地にしても払わないだろう。
しかも隣接する区画はコットワッツの滞在区画となった。
コットワッツの今の状況を考えれば、
なにか新しいことをはじめて儲け話が転がってくると考えるかもしれない。
が、所詮、滞在区画だ。
ここれなにかかできるわけでもない。
だったら、王都中央院に疎まれているコットワッツに
なびくのは得策ではないだろう。
しかも、天文院まで絡んできた。
触らぬ神にたたり無し。
熟れたプニカに触るなだ。
そうだ、ダクルの実も雨の日前に収穫しないと。
メモ帳に忘れないように書いておこう。
残りの館を収納して、
まずは師匠の家をどんと設置した。
家の前にデッキを展開してお茶をしている。
ブラスの館をどこに持っていこうか。
ゆったりと緑あふれる公園も作りたいな。
畑も。
イーペロの樹だけ先に植えておこうかな。
なにか、囲っていないとちょっと不安。
ニックさんと相談しよう。
そんなことをしながら、ニックさんを待っている。
この地区の管理者と交渉しているからまっててくれと言われているのだ。
マリーはちょっと馬のいうことが分かるのですよ。
乗れますか?」
「の、れない。・・・まだ。」
「一緒にのって差し上げたいのですが、
どうやら、テール様だけがいいようで。
あー、カーチ殿、マーロ殿もですか?
そうですか。」
森に行くようだ。
ボルタオネの領土の森。32番目の森。
「カーチ殿。マーロ殿。
森を散策してきてはいかがですか?」
「え?黒馬に乗れるのですか?イスナすらも乗れなかったのに。」
「そうなのですか?テール様を気に入ったようですよ。
森を案内したいようですね。
マーロ殿?馬は我らよりも賢い生き物です。
捕らえるなどと考えてものではありませんよ?」
「!」
「さ、まずはテール様、その後ろにカーチ殿かな?で、マーロ殿。
・・・・台がいりますね。椅子でいいかしら?」
テール君は持ち上げればいいが、
カーチもマーロも、機敏なほうではないようだ。
椅子と机を寄せて持ってもらう。
これから森を行く
その後ボルタオネに
(そうなの?でも、匂いは?カーチは?)
新たな香木も見つけることができる
あなたと香人のおかげだ
あの石も
(クジラ石?役に立ったんならよかったよ。
またわからんことがあったら呼んでもいいのかな?)
もちろんだ
あなたはわたしの友人だ
わたしもあなたの元を訪ねることもある
またあなたと走りたいしな
香人も乗せたい
(香人ってのはマティスのことを差すんだね。わたしは?)
あなたはあなただ
(そりゃそうだ。ああ、あの言葉、マティスと2人で言い合ったんだ
で、名前の付けっこをしたよ)
それは愉快だ
「マリー?」
「ああ、乗れましたね。
では、行ってらっしゃいませ。」
「テール殿、我らはこれにて。また新しき館が整いましたら、
いらしてください。」
「え?もう行くの?マリー?」
「ええ。今宵の夜会にも行きますよ。
その時テール様もいかれますよね?
そのときに乗り心地を教えてくださいね。」
「わかった!では、コク?案内してくれ。」
馬に乗った2人の顔面が蒼白なのは、高いところが怖いのか、
コクを怖がっているのか。
館を完璧にきれいする。
師匠の館はそのまま収納。
地下の鍛練場もそのまま持っていく。
もちろんきちんと埋め戻した。
それから、割り当てられた区画近く、ガイライ達の館を調達したところへ。
きっとニックさんがいてるはずなので、
案内してもらおう。
急がないとね。
「結局はお茶がすごいって話?」
「そうなりますね。姉さんの言うように、
それぞれが、思うことをしでかしたということですか?」
「怖いな。望んだことが叶うのだろ?無意識に。」
「ちょっと違うかな?叶うというかしてしまう。
砂漠石の制御がないというか。」
「砂漠石の?」」
「そうだよ?砂漠石で願いが叶う。
けど、それはかなりの制御があるっていう認識でしょ?
ほんとうは砂漠石は切っ掛けを作るんだけどね。
だけど、本来は、それはできない、大きい砂漠石だからできる、
これだけ理解しているからできるっていう
縛りがあるんだ。が、ボルタオネではそれが緩んでいたんだ。
わたしの言霊と同じだ。それが、漠然と?
移動や呼び寄せも必ず縛りをかけてるよね?
それがない状態。
領民にはそんなに影響はなかったかもしれないね。
そんな大それたことを望んでいないから。
んー、ペリフロは結婚っていう願いが少なからずあったのかも。
それが膨れたかもしれないね。」
「では、そのゆるみがなければドーガーは?」
「無理だろう。少なくとも即決はないな。
イスナさんは家族の、娘の幸せ、自分のしたいこと、
領主の仕事というのは優先順位が低かったんだろうね。
心の中でカーチが先に生まれていたはずだと。
自信がなかったのかもしれない。」
「しかし、そのゆるみのきっかけは?匂い? 」
「だと思う。妖精の匂いかどうかは分からないけど。
糸ではないだろうね。徐々にだ。
香木がある森。その管理はボルタオネではなく、
管理者はコクだ。コクも気付かないまま、匂いに侵されたとしか。
いまは大丈夫みたいだけどね。」
「・・・姉さん。これ以上は。」
「もちろん。」
いまは旧王都の近くの場所。
いうなれば旧都下街。
1棟解体したのだが、そのお金はもらっていない。
要は金を払う気はさらさらないわけだ。
全部解体して更地にしても払わないだろう。
しかも隣接する区画はコットワッツの滞在区画となった。
コットワッツの今の状況を考えれば、
なにか新しいことをはじめて儲け話が転がってくると考えるかもしれない。
が、所詮、滞在区画だ。
ここれなにかかできるわけでもない。
だったら、王都中央院に疎まれているコットワッツに
なびくのは得策ではないだろう。
しかも、天文院まで絡んできた。
触らぬ神にたたり無し。
熟れたプニカに触るなだ。
そうだ、ダクルの実も雨の日前に収穫しないと。
メモ帳に忘れないように書いておこう。
残りの館を収納して、
まずは師匠の家をどんと設置した。
家の前にデッキを展開してお茶をしている。
ブラスの館をどこに持っていこうか。
ゆったりと緑あふれる公園も作りたいな。
畑も。
イーペロの樹だけ先に植えておこうかな。
なにか、囲っていないとちょっと不安。
ニックさんと相談しよう。
そんなことをしながら、ニックさんを待っている。
この地区の管理者と交渉しているからまっててくれと言われているのだ。
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