いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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410:白のレース※

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予定通り、月が昇ると、コットワッツの砂漠の上空を廻る。
特に何もなく、静かなものだ。
ひと際、サボテンの森が緑に輝いているようだった。
呪いの森もキラキラ光っている。
この木々についてる水滴を少し分けてもらった。
栄養剤の上位だ!1万円ぐらいする奴!
瓶ができたら、そこに分けてもらおう。
なんだか、かっこいい入れ物じゃないと申し訳ないぐらいだったから。
あとは湖も渓谷も問題なし。
カエルの色が鮮やかになって来たかな?

それから、白魚、エビ、赤魚。
魚は見た目は同じなのにね。
海老は様々な大きさで取れる。
大小ととる。
大でブラックタイガーの大きいもの。
小でエビチリや、ピラフに入れれも大きいくらいのものだ。
串焼きにしたのは大の大きさ。
宿の横で買ったイセエビ級も取れる。
これは半身で焼けばいい。
貝も収穫。うん、ここは餌が豊富なんだ。
深く考えてはいけない。

明るい月明かりの下は海の生き物は活発だ。
水しぶきが上がる。そこがポイント。
環境破壊にならない程度に収穫完了。

マトグラーサとダカルナの国境沿いの森に入る。
リンゴは収穫したようだが、根までは取っていないようだ。
ツイミさんの村の人たちしかまだ知らないのだろう。
ダカルナ側のほうで、
取ってくれないと腐るだけっていう根だけを根こそぎ。
ふふふ。

真上に昇る前に砂浜にやってこれた。
いまから石肉を焼く。
2時間だ。
その間、魚の処理、魚の袋と作り、
竹炭も作る。


「どうかな?」

どれもおいしい。ザ・お肉!
しかし順番ができた。

皮無し時間経過1,2,3 
皮有り時間経過1,2,3
収納 1,2,3

特に即収納した3番塩が一番だ。
ここで海のから直接作った塩と同じ。

「収納のことは言えないからな。
ルポイドには魚の皮で包んだ3番塩で
3時間塩で包み、低温で2時間焼く。
この方法をだな。」
「いくらで売る?」
「金ではなく、クジラ討伐時にまるまる一頭もらうほうがいいだろ。」
「お!そうだね。肉自体の乾燥具合も研究しないとね。」
「そういうことだ。」


あとは月が沈むまで、わたしは竹関係を。
マティスはアクセサリーを作っている。

一応、間の砂漠のさざれ石は月光欲をしてもらっている。
蓄光という考えはあってる予感がするのだ。
いや、青白いから。うん。思い込みだな。
月が沈んだらもう一度試そう。


かなり月が傾いてきた。
月無し石も海に入ってる。ちょっと減ったのかな?

炭もうまくできたし、竹製品もいいんじゃないかな?
前回のとったブラスは全て使った。

魚もいい感じで匂いも取れた。
月の光は短時間でいいのかもしれない。
渓谷に行ったときにワサビもとってる。白身魚のお刺身!いいねー!

着々と砂浜を片付けているのだ。
露天風呂だけ残している。

だって、もうすることないもの。

マティスはアクセサリーを作ってる。
わたしは、ピンクの砂だけ集めることにした。
結構大きな粒がある。
楽しい。

「愛しい人!さ、これを身に付けて。」


満面の笑みだ。
己に朝露ほどの悪気がない笑顔。

「ああ、先に風呂に入ろう。
全てさせてくれ。さ、時間がないぞ。」

もうされるがままです。


髪も、きれいにオイルをつけてくれる。
どこで習ったんだ?
紅もつけてくれた。

「?おパンツは?」
「これだけだ。」
「・・・・。」


基本シースルーだ。マティスの意匠は。
そこにトックスさんのアドバイスという良心が入る。いや、常識だ。
今回は入っていない。マティスがごり押ししたのだろう。
アクセサリーっちゃ、アクセサリーだ。
ダイヤと蜘蛛の糸で体にまとわりつくように煌めく。
が、裸の上にだ。
オケケも見えてるよ?ピーチクも。
体のラインに沿うようにダイヤ。ところどころにエメラルド。


「うん。こうなるとは思ったよ。誰にも見せないからね。
かまわないよ?でもね?
マティスは?マティスも裸だ!でないとダメ!!」
「もちろんだ。」

もちろんなのかよ!!

「・・・その臨戦態勢はちょっと。パンイチでお願いします。」
「・・・トックスと同じことを言うな。」

今回の良心はそっちに行ったか。いや、ありがとう。

これで完了。
砂浜の露天風呂もみな片付けた。
寒くないように暖かい空気は纏っている。



「ああ、きれいだ。いや、言葉で表現できないな。
愛しい人。愛しい人だ。」

そうりゃよかった。
マッパで猫背はいただけないので、ツンと胸を張る。


手を差し出せばマティスがそっとエスコートしてくれる。

どうやって歩こうか?浮くのは芸がないな。

『海に現れし月光の道よ。
我ら二人を導いておくれ。』

お!歩ける。
下から支えられれてる感じだな。

『ありがとう。海の散歩を楽しませてもらうよ。
いこう!マティス!愛しの人!』
『ああ、愛しい人。あなたとどこまでも。』

最初はおそるおそる歩いていたけど、
トランポリンの上を歩くようだと考えると、ぼよんぼよんと飛び跳ねる。
もちろん手はつないでる。

かなり進んだところで、海に挨拶だ。

『海よ!大いなる海よ!
我らは砂漠の民だ。陸のものだ。
月の光のおかげでここまでやって来た。
海の幸の恩恵を余すことなく頂いている。ありがとう。
感謝の気持ちを込めて舞を捧げよう。
笑い話の一つにしておくれ!』

マティスの奏でるリュートで、飛んだり跳ねたり。側転やバク転。
ベリーダンスも披露。
捧げるもないも自分たちが楽しんでいる。
ああ、楽しい!

ベリーダンスはマティスのお気に入りになってしまった。

マティスの腰に下げた袋から香木の香りがする。
蚊取り線香の要領だ。

「もう一つの方もつけるか?」
「ん?そうだね。うん。つけちゃおう。」

裸って気分が大きくなるのか?

もともと裸なんだ。
あの香りがわたしの廻りにまとわりつく。
マティスが煙になったようだ。
マティスに中にいる。

海の上なのに温かいお布団の上に横のなったよう。

強く、奥まで。ずっとキスをしながら。

「愛しい人。きれいだ。ああ、私はどうすればいい?
あなたを壊しそうだ。」
「ふふ。マティス、マティス。あなたが本当に望むのなら。」
「本当に望む?あなたと生きていきたい。それが望みだ。」
「なら壊さないで。わたしもあなたと生きていきたい。それがわたしの望み。」
「ああ、愛しい人。愛している。」
「わたしも。マティス、愛してる。」

マティスも、中に何度も出している。それでも、とまらない。
マティスを口に含めば、
わたしも、自分の物か、マティスの物か、その両方が流れ出ていくのが分かる。
それをまたマティスがかき出し、後ろに撫でるけて行く。

後ろを突かれ、前は2本の指でぐちゃぐちゃだ。
後ろから抱かれているので、振り向き、キスを求める。



そしてまた前から突き上げてくる。
もう、なんども中に出され、体にもかけられる。
きれいなダイヤがそれどころではない。
蜘蛛の糸も、なぜか、白いものをからめとる。
白のレースを纏っているようだ。

「雨の日のドレスの参考になるな。」

すこし落ち着いてからマティスが言う。
香がなくなったのだ。

「あのお高い絹で作ってくれるんでしょ?」
「そうだ。黒のレースもいいが、白もいいな。」

どんな想像をしているんだろう。
寒くないようにだけ注文をつけておこう。

もうじき道がなくなる。
砂浜に戻り、さっときれいにして服を着る。
アクセサリーもマティスが収納した。
月無し石も帰ってきたのでフキフキタイムだ。

モモの時期は終わっている。
波打ち際にはモモではないきれいな丸いものが打ちあがっていた。

「なんだろ?きれい!」

慌てて回収。踊りのおひねりだろうか?
「ありがとうー!!」

あとは、ツーっと道がなくなるのをじっと見つめていた。
きれいだ。
ああ、幸せなんだ。








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