いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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376:欲張り※

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扉君の家に戻り、風呂に入るために服を脱ぎかけた段階で彼女は、
半分寝に掛かっている。
きれいにして寝るかと聞いても、とにかく入ると聞かない。
昨日は寝ていないんだ、眠いんだろう。

抱きかかえて入る。
彼女はくふふふと笑っている。

「楽しかったね。ひと先ず、みんな終わった。安心したよ。
会合と雨の日前後は忙しいけど、それまでゆっくりしようね。
家を建てなくちゃ!ここでもいいけどね。
どんなのがいい?」
「あなたが来てくれるのなんでも。風呂付がいいんだろ?」
「そうそう。台所も作ろう。ん?
じゃ、大きな部屋に間仕切り無しでお風呂と台所と、トイレがあるってことか?
ワンルーム?あはははは!なるほど。」
「一つの部屋?ああ、そうなるな。」
「なんだ、じゃ、景色のいいところを探そう。
あれ?真っ暗だから何も見えない?」
「雨が降ってることしかわからない。」
「そうかー。雨音は聞こえる?」
「雨の音?重い、冷たい音だ。きっと寒い。」
「雨具がいるね。冷えないように。砂漠石で膜を張ろう。
雨が伝って落ちてくる。きっときれいだ。」
「ああ、しかしそれは、後だ。
私はあなただけを見ていたいんだ。」
「うふふふ。今は?」
「もちろん、今もだ。眠くはないか?」
「うん。ちょっと熱めのお湯に入ったら目が覚めたよ。
いつも洗ってもらってるから今日はわたしが洗ったげるね。」
「うれしいな。」



彼女が私の体を丁寧に洗っていく。
足の指の間はダメだ。くふふふと悪い笑いをあげている。
まっさあじもしてくれる。ああ、気持ちがいいな。
祭りの間ずっと立っていたから。鍛錬とは違った疲れが出ている。
それは彼女もだろう。

途中で水を飲む。これは炭酸と枸櫞が入っている。
凍らせた果実も食べる。

交代で彼女も洗い、からだを揉み解す。


湯舟のなかで彼女が乗り上げ、私の耳朶を甘噛みする。


「マティス、マティス。
明日は一日お布団の上で過ごそう。
もう、ぐうたら三昧。
外にお布団だそう。寒いから膜は張ろうね。
で、ずっと、ゴロゴロ。鍛錬はちょっとだけ。」
「いいな。食事は?」
「簡単に。お米買ったから、ご飯は炊いておこうね。
おにぎりは作っておこう。パイも。シチューも。
ん?先に食料を補充しないといけないね。
その計画もしながら、やっぱり明日はゴロゴロ。
だって、もう決めたもの。ね?そうしよう。」
「ないわけじゃないぞ?パンもあるし、干し肉もある。チーズもな。」
「そうだよ。それで。お酒も飲んじゃおう。
ドルガナで買ったのと、リンゴ酒と。
あこがれのぐうたら生活!!くっちゃねの日と決めよう!」


くふふふふと笑いながら、額に、目尻に頬、鼻、そして唇にと、
口づけを落としていく。

「マティス?なにかしてほしいことない?わたしに。
なんでも、って言いたいけど、そこはね、
うん、できることしかできなんだけど。
なにかない?歌も歌うし、踊りも踊るよ?
ご飯は、んー、マティスが作ってくれた方がおいしいから、
それは一緒に作ろう。それか、ずっと腰を持ってるよ。
目が合うごとにキスでもいいし、名前を呼ぶ前のキスでもいい。
なにかない?」
「全部だな。」
「くふふふふ。欲張りだ。マティス、マティス!」

名を呼びながらの口づけ。
ずっと見つめ合ってるから、ずっと。

彼女を後ろから抱きかかえ、今度のわたしが耳朶を噛む。

「どうした?なにを考えている?」
「いっぱい、人と会って話したから。
マティスと話していない。マティスがいればそれだけでいいのに、
マティスと一緒にいなかった。
ふたりでお金を稼げたのいいけど、一緒じゃなかった。
一緒にいたいんだ。」
「一緒だよ?いつでも。
さ、上がろう。ゴロゴロというのか?それをするのは明日だ。
今日は、ここでゆっくり寝よう。」


寝支度をして、寝床へ。

「おいで。」
「マティスが、おいでっていうのが好き。」
「ふふ。そうか。」
「その笑い方も好き。」
「私もだ。あなたが嬉しそうに笑うのが好きだ。」


寝支度をしてもすでに2人は何も纏っていない。
すでにあふれんばかりに濡れている場所に、沈め、
そのまま抱き起こす。
入れたまま、向かい合って話すのが好きだ。私も彼女も。

「このまま動かないで頑張ってみようかな。」
「ん?あ、あ、すごいな。」

彼女が、ん、ん、と中に力を入れているのだろうか、
中が、うごめく。

「ん、きもちい?」
「ああ。動かせるってこと?」
「んー、おなかとお尻をきゅってしめれば、
中が締まる?って言われてるんだけど。
みんなで体操したでしょ?あれを教えてくれた、インストラクター、
ああ、先生ね、その人が言ってた。」
「そういうことも学ぶのか?」
「あの体操は、運動不足解消の為、ちょっとだけね。
そのなかで、お尻しめてーって。女の人ばっかりだから笑いながらね。
で、締まるよーって。
ほんと、ひろく浅く。ものにはなってないな。
でも、いろいろ役に立ってる。
こっちに来てからね。うふふふ。あー、これ、疲れる。」
「そうか?では、私がしてみよう。」

あ、あ、あん


動かないが、腹と尻に力を入れる。
中で動くのが分かる。固く、こすり上げるようだ。
しかし、緩やかな刺激。

「ん?」
「もっと、もっと。いっぱい。」
「言ってごらん?たくさん話をしよう。」
「話なの?これ?ん、ん、もっと、んー、上?なかをこすりつける?」
「こう?」

彼女を寝かせて、上?を突く。腹側か?

あ、あ、そ、ん、ふっ、ああ

ああ、いいな。もっと、奥に。

片足を持ち上げもっと奥に。

「ふぁ、ああ、うふふ。」
「はっ、ん?」
「これ、松葉崩し。こういうのって48パターンあるらしいよ?」
「ん?」
「あ、知らないよ?こうね、あ、あ、、やり方。いろいろあるって。」
「・・・習うのか?」
「なんとなく知るというか。
こういう、いわゆるピンク系の話ってあるでしょ?
娼婦はいわゆる彼女だけど、こう、女の子を落とす技とか?
タロスさんに聞いたことない?ああああ、あ、、ん。」
「そんなことは、言わない。話さない。
あなたの故郷はやはりおかしいぞ?」
「あ、あ、あ、そうだね。秘め事だね。ん、、、」


48あるというのを知りたいが、それを求めると、
彼女が笑い転げてしまうだろう。いまはダメだ。



後ろからも。これはいいのだが、顔が見えないのがいやだ。
「鏡、置いていいか?」
「え?なに?」
「鏡。」
「あ、あ、ここに?」
「あなたの顔が見たい。」

彼女が離れていく。え?ダメなのか?


鏡の前に彼女が立ち、両手を付く。
尻を突き出して。

「ん」

ああ、素晴らしい。
でも、顔をあげて。
ああ、その顔が好きだ。
鏡越しに見つめ合う。
私は緑の目。彼女は?


そのまま後ろのくっしょんの上に座り込み、
足を広げたままの彼女を見る。
出したものをかき出してやると、それをじっと見つめ、
口を開けるので、絡めて2本入れてやる。

全部入れたい。

「いい?」
「ん、ん?ん!・・・また今度?」
「ふふふ。そうか。今度な。」

風呂付の部屋だ。必ず。

彼女を上に乗せ、
彼女が声なき声で歌い踊る。

あとは、寝床の戻り、ゆっくり、ゆっくり。

彼女は私の胸元に頭をぐりぐりとすり寄り眠りに入る。

「・・・ん、いっぱい、いっぱいマティスがした・・・。
わたしがしたかったの、に、
もうぉ、ん、おぼえておきやがれ、だ。
ん、おやすみ、マティス。」
「愛しい人、おやすみ。」

愛しい人、私の愛する人。
あなたが私を求めてくれるのがうれしい。
だが、私はそれ以上にあなたが必要なのだ。

鏡越しに見た彼女の瞳は緑に見えた。

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