いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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339:保健体育の授業

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宿屋に移動すると、
リンゴ4兄弟がそろっていた。


「ん?ものすごく甘い匂いがしますね?それが?」
「あ、匂いますか?自分ではわかんなかったけど、そうですよ、これです。」
「うまくいったんですね?」
「うふふふふ。もちろん。」
「それは後でいいから、飯にしよう。握り飯にしたぞ?」
「やった!甘いもの系は今はいいや。」
「ほら、これを並べてくれ。カップ、手伝ってくれ。
ワイプはじっとしていたか?」
「はい、先生。
ワイプ様はその壁に立てかけている扉をじっとみてそわそわしていましたよ?
挙句、扉と話をしていました。
俺たち、配下になったのは間違いじゃないかと思ってるんです。」
「カップ。悪いが、それは正しい。落ち着いたら、また違う職に就け。」
「マティス君!黙って!!」
「マティスはカップ君の先生なんだ?剣?」
「え?モウさん、違いますよ!恋愛ですよ!」
「え?マティスが?ぶははははははは!!!」
「愛しい人!!」
「ほら!モウも笑うぐらいなんですよ。それは誰に聞いてもおかしい。」
「でも、モウさんを射止めてるんです。独身のワイプ様よりいい!」
「・・・。」
「あー、カップ君?だれを先生、師と仰ぐかはもちろん自由だけど、
わたしとマティスは唯一なんだ。
だから、マティスが言うことは全てわたしにとっててことなんだよ?
だから、それがほかの人に当てはまるかどうかはわからないよ?
でも、結局は馬さんたちの進言とか、マティスの助言を踏まえて、
最終的には自分で判断するのがいいよ?優柔不断な男は嫌われるから。」
「はー、なるほど。モウ先生ですね?」
「あははははは!それもないな!わたしもこれが恋愛だって言えるのは
マティスだけだから、ほかはどうかは知らないよ?今のも一般論だ。」
「その一般論がいいんですよ!」
「そうなの?ま、頑張って?」
「はい!!」

チュラル君とルビス君はカプ兄はやっぱり間抜けだと笑い、
ツイミさんは師匠とため息をついていた。
マティスは師匠よりいいといわれてご満悦だ。

朝ごはんを食べながら聞いた話で、
コットワッツを押さえる云々は置いといて、これまでも、是正していくように
進言していたが、ますますひどくなる一方。
ワイプ師匠を弟子共々こちらに引き入れることに失敗したと報告したら、
首だと言われたとか。これはいつものやり取りで、
それはお待ちください、なんとか致します、というお約束はせずに、
わかりました、と、そのまま館を出て来たらしい。
もちろん、引き連れてきた、3人も一緒だ。
カップ君は馬たちに別れを告げ、
雨の日の結果は報告するとだけ約束したそうだ。


「ツイミ殿?それで、領国の仕事は回るのですか?
失礼ですが、あなたが実質の運営者だと聞いています。
あの弟、あの地の管理者では同じでしょう。
自分の財を増やすのはやり手だと見ますが、
領民までは行き届いていないのでは?
自分の息子に対しての仕打ちを見てもわかる。
あれは厳しいのでない、ただ切り捨てただけだ。」
「それは心配ありません。ストーム様にはテナンス様だけでなく、
あとお二方の弟君がいらっしゃいます。書簡で現状は常に報告しています。
此度のこともすべて。あとは領国内で解決してくれるでしょう。」
「んー、でもさ、今までも報告してたんでしょう?
それで、なんにもしてくれなかったんだよ?
いまされ全ても任されても動いてくれるのかな?領民に迷惑かからない?
いや、だからってツイミ殿が最後まで面倒見なきゃいけないとは言わないよ?
ああ、言葉遣いが崩れる、許されよ。」
「いえ、かまいません。モウ殿、ツイミとお呼びください。」
「ああ、では、わたしのこともそれで。で?どうなんだろ?」
「モウ、それは天秤にかけたんですね、
自分たちが動くか、このまま王都資産院預かりになるか。
コットワッツもそうですが、ラルトルガも全て領主采配です。
しかし、ここは州を置いている。領国が資産院預かりになれば、
潤滑運営している自分の州も召し上げられる。
それをされるよりも、召し上げられる前に介入するほうがいいでしょうね。」
「領民的には?」
「どちらでも同じです。気持ち的には資産院預かりになるよりも
心穏やかでしょう。上は誰が納めていてもいいんですよ、領民は。」
「そうか、じゃ、逆にツイミさんが引かなきゃいけなかったんだね。
ごめんなさい、知らずに失礼なことを言いましたね。お許しください。」
「いえ、モウ殿のおっしゃる通りです。もう少し、早く引くべきでした。」

(師匠?この人、スホームの血縁者?)
(え?そうなんですか?あ!耳!)
(なんか、複雑そうだ。ここで、つついてもいいけど、必要ないね)
(あとで、話てみます)

「じゃ!ちょっと新作の甘み食べてみる?」
「やった!!」
「ルビス!落ち着け!」

お酒の入っていないリンゴとキトロスのチョコ掛け。
ミルクチョコ。
飲み物はコーヒーとオレンジジュース。

わたしとマティスはさすがにいまはいい。

リアクションはそれぞれだった。
師匠はわたしにひれ伏したいが、新しい配下の手前、猛烈に我慢している。
リンゴ4兄弟、ルビス君、チュラル君は即完食。
カップ君はリンゴのを一つだけ、
ツイミさんは3人の様子をみて手つかずだ。


「あれ?カップ君ダメだった?もしかしてアレルギー?
どっかかゆいとかない?呼吸は?腕見せて?」

しまった、アレルギーまで考えていなかった。


「え?あれる?なに?」
「息はできる?体、どこかかゆくなって何?あ、あまり好きじゃなかった?」
「あ!違います。これ、もらって帰っていいですか?あの、彼女のお土産に。」
「ああ、びっくりした。いいよ、また用意するから、これは食べてしまっても。」
「愛しい人?」
「特定の食べ物食べて、息できなくなったり、かゆみが出ることがあるのよ。
ちらし寿司のときも話したでしょ?
チョコレートにもあったはず。
こっちではまだ話を聞かないけど、気を付けないとね。」
「あの、また、もらえるんですか?」
「もちろん、ほら、早く食べないと、弟君たちに盗られるよ?」
「モウさん!あとちょっとで取れたのに!」
「うふふふ。おいしかった?じゃ、特別ね、あと2個づつ。」
「やった!!」
「ツイミさんは?」
「モウ殿とマティス殿が出すものは全てがおいしい。
さっきのおにぎりですか?それも。
前のリンゴも、シチューもうまかった。もちろん、らあめんも。
いちど口にすると、残すことなぞできない。
だから、これは、食べなくてもおいしいものだとわかる。
母に持って帰りたいのです。」
「母君はお元気なのね?マトグラーサに?」
「ええ。我々は4人兄弟です。母は同じです。父も。」
「父君はスホーム殿?」
「・・・・そうです。ご存じだったんですね。」
「いえ、血縁者でない限り、
そこまであれを支えることはしないでしょうから。
あれ扱いなんですよ、
わたしのなかでは。あれはわたしの弟に銃を向けた。
それだけでも許しがたいんですよ。
ああ、その話はいいですね。」


そこからの話はちょっと胸糞悪い話だった。わたしにとって。
母君は自分の最初の娘。またしても親子婚だ。
そこで生まれたのが、ツイミ。
母君は自分と父親との子をそれはそれは大事にした。
それが普通だと言われている感覚なので、誰も違和感はない。
このツイミが優秀すぎた。
そこからスホームは娘たちと、成人を待たずに婚姻。
子供を産ます。だが、まともに育つのはツイミのみ。
やっと育ったのは今の次期領主と言われる人物で、
母は娘ではなく、姪に当たる人らしい。
この姪御さんはやり手で、邪魔なツイミ親子を追放した。
その時10才。子供から大人になる年だ。
師匠は餓死はないといったけど、それに近い状態だったとか。
だれの援助もなく、何とかかき集めて食料を確保、
雨の日が終わった後は母子で泣いて喜んだ。
そこから十年。やれることはすべてやった。
食べていくのがやっとだが、穏やかに過ぎたそうだ。

成人になると、いまさら、ナソニール領主から呼び出しがあった。
育ったことは育ったが、他が困った人だったのだ。
仮にも父親、母と平穏に暮らすためにも頑張ったが、
父親はやっていることは同じ。血縁者との婚姻。
姪が流行り病で死ぬと、あろうことか、また、自分の母に手を出した。
止めることもできずに、カップ君が生まれる。
だが、生まれたことは隠した。
こんな世界に弟を引き込むことはない。そのときはそう思ったそうだ。
育つことなく死んだと報告。
それからまた、娘、姪と婚姻、子が生まれるが、まともに育たない。
あの晩餐で座っていたのは外部からの嫁と息子、娘たちだ。
一番末席は大人になりたてではなく、17才だった。
3歳ほどまでは利発な子供だったらしい。それに気を良くして、
また、母に手を出す。もう、母親も年齢を重ねている。
止めても、自分が優秀な分、望みがあると、押し切られた。
優秀な自分の息子たちに州を任せたいその思いだ。
それも自分の思い通りになる息子。
ツイミは優秀すぎて思い通りにならない。

「殺してまでも止めることが出来なかった。
カップも優秀だったんです。ほかの兄弟とはちがう。
生まれてもまた、死産と報告すればいい。
そんな軽い気持ちだったんです。」


生まれたのは双子だ。
産婆に口止めを払って、マトグラーサに逃がした。
そこは、祖母にあたる人がいる村だ。
祖母は自分の娘に手を出した夫を許すことが出来ずに
、遠縁を頼って住んでいた。
もとはマトグラーサの豪族。戻ってきた娘に親族は冷たかったようだ。
辺境の小さな村で細々と暮らしていた。
同時に生まれる子供。間違ったことをしてきた報いだ。
ルビスには悪いが、食べる量をわざと少なくし、2年間隠した。
同じ背丈の子供が同時にいるのはどうしても不自然に思われる。
2つ違いの子供がいると、そして年の離れた兄がいる。
それで、なんとかやってこれた。
子供から大人になるのは同時期で、少し、ルビスが小柄なだけで済んだ。
それを見届け、祖母も他界。
これで、安泰と思っていたところに、南からの使者、これが3年前。
どうにも手が回らなくなり、なぜか、隠匿ができる2人と、
武に秀でたカップを呼び寄せた。
母は無理だけはするなと、マトグラーサで待っている。
もう、頃合いを見つけて帰るつもりだった。
自分の力ではどうにもならないところまで来ているのだ。



「へー、双子ってこっちで初めて見たよ。
やっぱいるんだよ。2卵生かな?」
「モウさん、気持ち悪くないですか?」
「え?なんで?うちの故郷じゃ、双子って珍しくないよ?
5つ子ちゃんとかいるし。」
「!!」
「モウ、にらんせいとは?」
「あー、ちょっと講習しようか?まったく不思議でも何でもないことだよ?」


ここからホワイトボードをだして、
保健体育の授業。
精子と卵子。受精、分裂。
2卵生、1卵生。
ここらへんは同じだと思う。
小学校の修学旅行前に女子だけ先に勉強するような内容だ。
10日で急激に成長するんだ、乾季から雨の日までに
急激に大きくなることも不思議ではない。


「てなことだよね。その双子って言葉、産婆さんから聞いた?
この2人はそんな言葉すらしらなかったよ?
それに、与える食料を少なくして
育てる方法も産婆さんが教えてくれたんでしょ?
産婆さんは何人も双子を取り上げてるんだよ。
貴方たちだけではない。普通のことなんだよ。
ルビス君はちょっとかわいそうだったね。
でも、耐えてくれたおかげで、母様と兄さま、チュラル君が生きてこれた。
もう、わざと幼い振りをする必要もない。好きなだけ食べればいい。
えらいよ。だから、おばちゃんがもう一つおいしいものをあげよう。」

ココアを入れてあげる。

「熱いよ?冷ましながらね。」

「・・・おいしい。でも、この体は小さいままだ。」
「乳製品を取りなさい。乳と、チーズ。後、肉。これで、すぐに追いつく。」
「ほんと?」
「ほんと、ほんと。だから、このおいしいの、みんなにもいい?」
「はい!」
「うふふふ。ツイミさんも、それ食べて下さい。
あとで、カップ君の彼女さんさんの分とは別に用意しますから。」

みなに、ココアを入れた。
わたしも、マティスも。
師匠は、またしてもひれ伏することを我慢していた。






半分になったころ、わたし一人で、器を取りに行く。
師匠とマティスをはなすわけにはいかない。
4兄弟は、荷物の整理だ。
とりあえず一緒にコットワッツに向かう。




「すいませーん!できてますかー!」
「おう!出来てるぜ!これだ!あれ?旦那は?持てるのか?」
「ええ。背負子に入れますし、砂漠の民は力持ちです。
主人ともすぐ合流します。」
「そうか。これだ。水を入れてひっくり返しても、漏れない。
どうだ?」
「おお!!すごい!さすが天才職人!!
あ、しかも軽い!」
「気付いたか?今ある容器にフタを付けるだけじゃ、芸がないだろ?
あの器のように、できるだけ薄くした。だからと言って、弱いわけではない。
ここにカンランを丸く切って挟み込む。
カンランがしなびれると交換しないといけないが、十分だろ?」
「すごい!しかも、かわいい!売れますね。」
「そ!それなんだよ!これ、売ってもいいか?」
「え?もちろん。わたしが買うんだから。あれ?お金払ってますよね?」
「ちがうちがう!金はもちろんもらってる。
同じようなのを作って売ってもいいかってこと!」
「ああ、もちろん。また足りなくなったら買いに来ますし。
違う大きさもあればいいですよね。」
「さすがだ。そういってくれると思ったぜ!」
「あははは、変なの。」
「こういうのはさ、自分だけっていう奴が多いんだ。
だから最初に結構な金をとることにしているんだ。」
「ええ、もちろん。お好きに。
じゃ、この形から改良してもいいですよね?」
「改良?それは聞き捨てならねえな、これをどうするんだ?」
「うふふふふ。このね、カンラン。
これをいまコットワッツで開発中のゴムっていうのにするの。
すると、密封性も増して、カンランより長持ちする。」
「ごむ?しらんな。そういうのがあるんだな?」
「そそ。ちょっと知り合いがあるんだ、コットワッツに。
だから先にその話も知ってる。
ご主人はいい人っぽいからいうけど、
これをガラスでも作りたいと思ってるの。」
「ガラス?これで?それは俺も欲しいな。」
「そう?ここは陶器だから、ガラスは別口なんだね。」
「そうだな。ガラスの器は俺たちとは別だ。扱えればとは思うよ。」
「そっか。ああ、今度コットワッツで食の祭りがあるの知ってる?」
「知ってるさ!俺も店閉めて行くつもりだ。楽しみなんだ。」
「その時にね、あの鉢で食べるものがお披露目されるの。
良かったら、売り込みに行ったら?まだ、器まで考えていないと思うよ?」
「売り込むって誰に?」
「ん?コットワッツの領主でしょ?」
「へ?俺が?あれを?無理無理!」
「砂漠の民、モウの紹介だって言ってごらん。話はつけておくよ?」
「ほんとかよ?え?」
「ほんとほんと。あの器でおいしいものがでて、流行ったら、
やっぱり同じ器で食べようと思うよ?」
「どれがそんなうまいもんなんだよ?」
「あー、そうか。いまはないんだ。明日?の夜持ってくるよ。
何人家族?何人でご飯食べてる?」
「夜?弟子もいるから、俺入れて6人だ。」
「そうか、じゃ、6人前ね。持ってくるよ。」
「は!ま!期待しないで待ってるよ!!」
「うん。じゃ、これ、ありがとうね。」


これで、ラーメン鉢は確保できる。
やっぱり、こういうのは型から入らないと。


宿に戻ると、4兄弟も荷物をまとめて、待っててくれていた。
スーとホーに幌馬車を引いてもらうことになった。
そんなスー達を宿に残して、
わたしたちはそのまま、武器屋巡りをした。
蜘蛛ちゃんも同行している。

「荷物少なかったね。そんなもん?」
「コットワッツに寄りますが、そこから、王都に戻ります。
あまり多くても困りますから、向こうで買えるものは買うということで。」
「あの家に住むの?」
「そうなりますね。ああ、ツイミ殿は別ですね。
オート院長の補佐となりますから、院の近くになります。」
「カップ君たちは?資産院?」
「あの3人はわたしの配下です。資産院ではない。」
「えー、師匠?こき使うつもり?」
「大事に育てますよ?」
「では弟子?」
「弟子ではないです。配下です。個人の。」
「カップ、吸収するものを吸収したら早々に職を探せ。
お前ならどこででもやっていける。」
「はい!先生!」
「あ!でも、カップ君、いま通ってる彼女はいいの?」
「・・・・・。」
「?」
「モウさん!カプ兄は振られたんですよ!雨の日前に!」
「え?どういこと?」
「・・・これから頻繁に会えなくなるから、って言いに行ったんです。
そしたら、じゃ、もういいって。
あんたに時間をとるのがもったいないって思ってたって。」
「うーわー。なにそれ?いやいや、よかったよ。そんなこという奴の為に
雨の日の準備をするのはそれこそもったいないよ!うん。王都で気分一新!
がんばろう!」

それから、カップ君の剣、2人の棒、
マティスの剣、棒、槍と買っていく。
わたしも防具類を買ってもらう。
スー達のブラシもだ。
これがマティスの使い捨てにする剣より高い。
もちろん、スポンサーは師匠だ。
一通りまわって、話ながら進むと、大きな建物にでる。
なんだか、独特のにおいがする。

「ここ?ゴミ処理場?」
「ガムを噛むか、膜を張れ。」
「うん。ああ、ツイミさんたちはガムを。」

ガムを4人に渡す。

「モウ、わたし、もう一度ここを調べたいんですよ。」
「ここ?ここで?」
「そうです。」
「・・・マティスが同行します。わたしはここで待機。
カップたちはダメです。」
「ええ、わかっています。」
「マティス?お願いね。ここに膜を張って待機してるから。」
「わかっている。」
「わたしもいきたいけど、ダメな予感がする。
そのG関連で。」
「やはり。蜘蛛をつれていきます。」
「蜘蛛ちゃん?無理しないでね?」

かなりなれたので、軽い感じに意思の疎通はできるのだ。

「なにかいってますか?」
「カンランまるまる1個だって。」
「・・・・モウ?やはりあなたが甘やかすからではないですか?」
「いやいや、そういってるってだけ。」
「わかりました。1個ね。では。」


「ちょっとここで休憩しよう。」
「モウ殿?あの2人は?」
「ああ、気配消してなかに入った。さ、わたしの話をしようか。
師匠の配下、いうなれば手足だ。
ツイミさんは無理かもしれないけど、カップ君たちはできると思うよ?」
「なにを?」
「うん、まずは、デッキを展開するよ。」


デッキを展開して、膜を張る。
トイレに入れば大抵理解できるから。
師匠の配下だ、教えても問題ないだろう。
師匠に何かあれば、わたしもだけど、マティスのなにかが壊れる。
2人だけならいい。
この世界にかかわるのなら、師匠とセサミンは守るべき要素だ。



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