いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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322:世間一般の価値

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「ええ、どう使おうがもちろん自由です。
カエルの羽根を虫よけに使うのもいい。
ただ、世間一般の価値というものをもう少し考慮していただければと思います。」
「うん、大丈夫。セサミンとトックスさんにしか渡していないから。
トックスさんもね、なにかわからないものが手に入ったら、
まずはセサミンに見せろって。
それでもわからなければ、こっちに聞いてくれてもいいって。
若い頃に大陸は大体廻ったんだって。すごいよね。」
「ええ、トックスさんはなかなかの博識です。その方がおっしゃるんだ、
姉さん、兄さん?必ず、わからないものが出てくれば相談してくださいね。」
「「はーい。」」

とりあえず、放火魔のことはセサミンにお任せして、
離れはじめの月の次の日に遊びに来てと伝えておく。

湿地の2人はやはり世間知らずなようで、
買い物でぼったくられそうだったので、ルグが姿を出して、
偶然を装い助けたそうだ。
さすが、ルグ。
そのあと、一通り買い物に付き合ったそうだ。
明日にでも柵の様子を見に行くついでに様子を見て来よう。



「しかし、あれだよね。難しいよね。
こう、2人で使う分はいいんだよ。それを他の人に渡すときに
先にセサミンに聞けばいいんだ。
最初に内祝いのこと聞いたでしょ?あれが正解だったんだよ。」
「そうだな。これからはそうしよう。
しかし、大体がそうなってるぞ?香木のあれは、ま、仕方がないな。
セサミナもトックスを認めているんだ、セサミナかトックスに見せればいいだろ。
そうなると今のところ問題はないな。」
「おお!さすが、赤い塊夫婦!死角なしだね!」
「そういうことだ!!」


返事だけはいい夫婦だと思われないようにしようねと、2人で誓い合った。


焼け跡に戻って、やっぱりここにもう一度家を建てることにする。
サボテンの森の家は2人の場所だからだ。

極力一般的なものに仕上げる。トイレとお風呂は扉を付けて
認めたものしか開かないように。
水は井戸、火元は樹石で。窯も。

「また火を付けられたら困るから、
なんか細工はしときたいけどどんなのがいいかな?」
「言霊でいいだろ。悪意を持ったものは近づけない。」
「それが手っ取り早いよね?けどさ、あの女の子たちに悪意はないんだよ?」
「?」
「自分たちが悪いことをしたって意識がないってこと。
あのお嬢はセサミンのリングを自分のものにしたいっていうのがあったから。
あの子たちは、守衛さんに聞かれて、領主様に言われて、
やっと悪いことだったんだって、気付けばいい方なんだよ。」
「それは怖いな。」
「でしょ?うーん、悪意を持ったものは近づけないはもちろんで、やっぱり、
海峡石で水を撒くようにしようか。海峡石は貴重になったからね、
砂漠石に頑張ってもらおうか。」
「そうなるな。火には弱いが、
そこまで燃え上がらないうちに消すようにしてもらえば?」
「そうだね。うん。やっぱり、マトグラーサの砂漠に取り行こう。
ちょっとだけ。」
「ああ、もちろん。ちょっとだけだな。」


この話の後にマティスは収納袋を作ってほしいといってきた。
そうだね、セサミンにあげちゃったからね。
なので、収納付き巾着袋を10袋ほど作っておいた。
砂漠石で量もわかるタイプ。
色違いでかわいくできたと思う。


あとは皆で食べることが出来る大きなテーブルと椅子、
ちょっとしたステージ。
準備万端だ。
1日が短いのであっという間だ。




翌日は月が沈むと同時に赤い塊の衣裳で湿地まで飛んだ。
駱駝馬が1頭つながれていた。荷車もある。
あいさつすると、もう、あの2人は湿地の奥まで出ているようだ。
今日は特に早いそうだ。
世話はちゃんとしてくれてるか?と聞くと、
水は3度出してほしい、もしくは大量に出してほしい、
ブラシングも2日に1度はしてほしいとのこと。
それ以外は問題ないと鼻息荒く答えてくれた。
伝えると約束し、きれいにだけしておく。
わたしが出した水じゃなけダメと言われると困るので、
井戸の水を水桶に入れた置いた。


「勝手に家に上がるわけにもいかないしね。
ちょっとまっとこうか。」
「朝ごはんはどうする?」
「あの2人と一緒にと思ったんだけどね。」
「あの2人にも甘いな。」
「そうだね。自分たちには500で母さんたちに4500っていったからかな?
自分のことより母さんたちを優先したからね、ちょっとは甘くなる。」
「そうか。お、戻ったようだな。」
「そう?あ、ほんとだ。」


『おーい!』

大きな声で手を振ってみる。

「あ!赤い塊殿!!いらしてたんですか!!アバサ!急げ!」
「おう!」

筏もうまく操っているようだ。

『ずいぶんと早くから出ていたんだな。どうだ?樹石は取れているか?』
「はい!この時間なのは研究です。どの時間帯が一番取れるかを確かめています。
いまのところ、月が昇る直前が一番いいようです。
いまはあまり浮いてきませんでした。
それでも、バケツ5杯です。また、月が昇る前に取りにでます。
それまではいろいろ試していますよ。」
『そうか、そうか。』
「はい!それで?赤い塊殿は?なにかありましたか?」
『いや、柵の様子を見るついでにな、
お前たちと朝飯、ああ、月が沈んだあとに食べる飯のことだがな、
いっしょにどうかと思ってな。』
「飯!あのらあめんですか!」
『いや、また違うがな。よければ、台所を使わせておくれ?』
「ええ、もちろん!」


なかにはいると、こじんまりときれいにまとめていた。
なんか、新婚さんの家にお邪魔するようで照れる。

『料理は、こちらの赤い塊がつくるからな、ルコール殿が普段は作っているのか?
よかったら手伝っておくれ。日持ちするものも教えてくれるだろう。』
「いいのですか!ぜひ!!」

マティスとルコール君は2人で台所に入っていく。

『さ、アバサネ殿?なにか困ったことはないか?
仕事を紹介したんだ、ある程度は面倒は見るぞ?
あの筏も使いにくいところはないか?』
「いえ、大丈夫です。自分たちで改良もしていってます。
水を撒いて、そのまま進むんですよ。後ろに網を付けているので浮いてきたところを
すくって取ります。」
『ほう!素晴らしい!それで、離れはじめの月の日に領主館に持って行けるだけは
取れたのか?』
「ええ、荷車に詰めるだけは持って行けます。
ただ、その間の保存方法をどうするか考えています。
泥を落としてすぐに使えるようにはしていますが、
そうすると何かのはずみで熱を出したり、火が付くと危ないでしょ?」
『おお、そうだな。イリアスでは泥に埋まっている間は砂漠石では火がつかない。
ここでも湿地に沈んでいる間は温かくもならない。泥にいれて運んでもいいが
重量が負担になるな。水に沈めても同じか。
これはよくよく考えねばならんな。イリアスでは砂漠石で火をつけるということしか
知らぬからな、バケツのままで売り買いしていたし、保存もそうだ。
しかし、これからは熱源として使う。大人たちはいいだろうが、
子供がうっかり高熱をだすよう願ってしまうとやけどをするな。
よく気付いたな。さすがだな。』
「あ、いえ、そんな。」
『ん?どうした?』
「あ、その、褒められるというのは、その、照れますね。」
『あはは!褒めているというか、称賛しているのだ。
しかし、気付いたからにはどうするか考えねばな。最悪は小さな砂漠石を使えば
制御もできようが、できればそれは最終手段だ。なにか考えておくれ。
石を使うとしても、どう使うか。少し小さな砂漠石は置いていこうな。
うまく使え。』

小さな砂漠石を袋に入れて渡す。

「え?こんなに?街に買い物にいって初めて物の価値と石の相場を知りました。
これは30リング分はある。1か月分、駱駝馬3頭分です。」
『そうなのか?ま、うまく使え。
ああ、その駱駝馬な、名は?ないのか?つけてやった方がいいぞ。
それがな、水は1日3回かもっと大量に、それで、2日に1度はブラッシングを
してほしいとな、名を付けてかわいがればある程度のことはわかるようになるぞ?』
「そうなんですか!馬の世話など初めて。買った時に、
あのルグ殿が通りかかってくれて店の主人と交渉してくれたんですよ。
100リングと言われて、出そうとしたら、
ルグ殿が、声を掛けてくれて。そしたら、あっという間に10リングです。
世間知らずに見えたんですね。そのとき世話の仕方も聞いたんですが、
そうか、水を大量にとは言われたけど、あの量では足りないんだな。
ああ、赤い塊殿、わたしたちはいま、幸せなのです。」
『ははははは!言わなくてもわかるよ、顔色もいい。飯もうまいか?そうか?
礼をいってるか?言わなくてもわかるというのはあり得ないんだぞ?』
「はい!・・・・・あの?」
『なんだ?』
「赤い塊殿は、わたしたちのことは、どう?」
『ん?どう見えるかか?そんなことを気にするな。そんなことどうでもいいだろ?
自分の気持ちだ。他人がどう思っていても関係ないだろ?
気にするのは自分の気持ちと相手の気持ち、それだけだ。
でも、世間という中で生きるんだ。委縮することはないが、
わざわざ見せびらすこともない。
お前たちが幸せならそれでいい。だが、あまりに理不尽なことがあれば、
いつでも我に言え。それぐらいは何とでもなる。ま、これは年の功だな。』
「はい、はい。・・・・。」
『まだなにかあるのか?』
「あの、その・・・。」
『?』


こんなところで、わたしの腐った知識を披露することになるとは!
メモるな!覚えろ!

「アバサ!すごいぞ!これからもっとうまいものを食わせてやるからな!」
『どうした?』

(あとでいう)
(そうか?)

「あ、ルー。い、いつもありがとう。」
「え?どうしたんだ?へんなアバサだ。
さ、食べよう!ほとんどわたしがつくたんだ!
これ!王都のソース!昨日卵と乳を買っておいてよかった!」
「え?王都のソース?」
「作れるんだ!驚いた!それに、はんばあぐ!それもだ!」
「え?それはすごい!でもどうして!!」
「この赤い塊殿は何でも知ってるんだ!窯も作ってもらった!
樹石はすごいんだ!ああ、なんて楽しいだ!」

『はははは、さ、冷めないうちに頂こう。』


マヨネーズ、ハンバーグ、あとはホットケーキ、フレンチトースト。
煮込み。今ある材料でできるものを教えたそうだ。

なので、今朝の朝ごはんはフレンチトースト。
砂糖少な目で、ハムと目玉焼きがつく。マヨネーズも。
コーヒーはわたしが入れた。マティスの為だ。

「はー、おいしいですね。セサミナ様のところで頂いたコーヒーがおいしくて
贅沢だとは思たんですが、豆も買ったんです。乳もコーヒーの為に。
でも、うまくできなかった。布で濾すと言ってたので、試したんですが。」
『ああ、それはな、少し蒸らすんだ。それで、少しずつ円を描くように
湯を落としていく。後は豆の種類といり方、砕き方だろうな、好みは。』
「ルー!あとで、わたしが入れてやるからな!」
「そうか?ではおねがいしよかな?
それにしても赤い塊殿の料理の知識はすごいですね。
わたしも暇に飽かせてそれなりにできると思っていたんですが、
下準備であれだけ手間をかけてこの味が出るんですね!」

あとはルコール君が料理の話と、
やはりどうやって運搬するかの話になった。

カイロは、酸化鉄になるときの熱だったけ?だから、空気を遮断すれば、
朝使って、昼ナイロン袋にいれて、空気を抜いて、また夕方出せば
トータルの燃焼時間は同じだが、より長時間使える。

樹石は燃えているときは酸素を使ってるだろう。
しかし、自ら熱を出しているときは?
出し切った時は白く軽石になるから、
やはり酸素を燃やしていると考えればいいのだろうか?
それが、こちらの”願い”でコントロールできる。
小さな砂漠石で袋を作ればいいが、それはみなができることではない。

空気に触れさせなければいいんだ。
密封性のいい入れ物か。
トックスさんが作ってくれた入れ物は毛布だったから
空気を通したんだ。しかも少な目になったから懐炉としてはちょうどいいんだ。

樽でもいい。そこに詰めて、空気を抜く?ポンプで?
違うな、紙でもいいんだ。空気に触れさせなければいい。
密な紙がいい。

(愛しい人?どうした?)
(え?)

みながこちらを見ていた。

『ん、ん。いや、すまんな。どうすればいいかなとな。
ちょっと、樹石と紙と持ってきてくれ。ああ、なんでもいい。』

記録用の紙と樹石、軽石とを持ってきてもらう。


『物が燃えるにはこの空気中にある酸素と呼ばれるものがいる。
酸素がない水中、土中では燃えない。
ああ、詳しくは聞くな、我も教えるほど詳しくないからな。

で、この樹石に砂漠石で、燃えろ、と願う。
うむ、燃えるな。
ではこの樹石を握って、暖かく、と願う。
うむ、暖かいな。ありがとう、もういいよ。うん、暖かくはない。』

「ええ、それが樹石の特徴ですね。赤い塊殿は礼を言うのですね。」
『ん?そうだぞ?なにかをしてもらうんだ、人にものを頼むときと同じだ。
礼をいうだろ?そこらへんも研究してみるといい。

でだ、紙で1度、包んだ樹石。 砂漠石で燃えろ、と願う。うむ、燃える。
2重は。うん、燃える。3重。燃えない。

暖かく、願ってもダメだな。

ほら、やってみろ。』

紙で3重に包んだ樹石をマティスたち3人に渡した。

『ならぬな。』

「あれ?暖かく!ほんとだ、ただの石だ!」
「燃えろ!すごい!燃えない!」


『これで一応解決だな。少し手間だが、紙で包めばいい。』
「すごいです!赤い塊殿!しかし、まだ一応なのですか?」
『そりゃそうだ。お前たち、これから何十年と月に300杯の樹石を集めて
生活していくのか?それでもかまわぬが、月に300杯だけでは
コットワッツの住人には足らぬだろ?イリアスでは月にひと世帯6~7杯買っている。
50世帯分にもならん。乾季の間だけ、暖炉の薪の代わりに使うとなったら
もっといるだろう。それを2人で供給するか?無理だろ?
ここで樹石を取る人間が増える。お前たちが雇うんだ。
そうするとずるい人間が、自分たちも同じようにここで樹石を取るだろう。
そうなる前に、領主セサミナ殿に交渉するんだな、専売でやらせろと。
前回のようなお粗末な話を持っていくなよ?
争いになる前に手に入れるという考えは正解なんだよ。
いかに、自分たちが樹石を熟知しているかを示せばいい。
きっとセサミナ殿は領民の為になるのなら許してくれるだろうさ。
そうしたときにな、ずるい人間は樹石をこっそりとって、紙に包んで売ろうとする。
本物の樹石なら、買ったほうに損はないさ、しかし、それがただの石ころだったら?
騙されたと、お前たちに文句を言うかもしれない。
それを許可したセサミナ殿の名に傷がつく。それを防がないといけない。
恩をあだで返すようなことは、たとえお前たちがしでかしたことではないにしろ
許されることではないんだ。恩に報いるというのはそういうことなんだ。
完全に防ぐことはできないが、あらゆることは考えろ。』
「「はい!」」
『勝手に燃焼することはなくなったが、紙で包むことで、
中身が樹石かただの石ころかわからなくなるからな。
どうするか。ま、これは時間がある。お前たちで考えるがいい。
紙以外にもいい方法も見つかるかもしれんからな。
どれ、長居したな。ああ、その砂漠石はその研究費に使え。紙もいろいろな。
油紙がいいかもしれない。安く上がる方法を探せ。
あとは燃え尽きた後の軽石の研究もだ。
それと、駱駝馬にいいブラシを買ってやれよ?
鶏も買えばいい。卵は料理の幅が広がる。ではな、行こうか。
ルコール殿、うまい飯をありがとう。
アバサネ殿、先ほどの件は2人でよく話せ。』



我らも移動ができるが、内緒だぞ?と、そのまま柵近くまで移動した。

「それで?なにを話していたんだ?
ところどころ聞こえてはいたがわからなかった。」
「いやー、もう、参った参った!あの2人、やっぱり愛し合う2人なのね、
それで、わたしが理解を示したでしょ?だからわたしも男で、男の人を
愛したことがあると思ってるのね。ああ、その相手がマティスだと思ってるよ?
それで、どうすればいいんだって聞いてきたのよ。はー、参った!」
「ん?どうするとは?」
「例の新しい扉の話!男同士はそこを使ったり、そのいろいろあるのよ。
その知識を披露してしまったわ!なんという罰ゲーム!!
あ!これって先にセサミンに言わないといけない話?」
「男同士・・・新しい扉・・・ああ、なるほど。
セサミナにか?いや、これはいいだろ。うん、物ではないんだ。」
「そ、そうだよね。うん、よかった。」
「しかし、あなたは故郷では普通のことなのか?」
「うん、世界は広いよ。男同士や女同士の結婚を認めている国がある。」
「!!認めるのか?国が?」
「そそ。もちろん反対してる国もある。
わたしのところは国としては何もしてないけど
地域で認めているところがあった。認めてくれなくても本人たちがよければ
それでいいじゃんと部外者は思うんだけどね、財産とか結婚相手だったら
認められるけど、ただの同居人だと認められないとか、そういうのあるみたい。」
「・・・いろいろあるとおもっておけばいいのか?」
「そうそう。いろいろあるねってこと。」



魚の皮に乗りながら、柵を見て回る。
うん、問題は無さそう。頑張ってね。
メジャート側は不浄なものは浄化したが、土なんかは浄化されていない。
草も残っている。虫はどこかに行ったようだ。ちょっとだけぞわっとなった。

「ここにブラシになる草が育てばいいね。」
「そうだな。・・・・・?」
「どうしたの?」
「・・・ワイプの気配がする。」
「師匠?んー、わたしにはわかんないな。」

(師匠?ワイプ師匠?今どこですか?)
(おや?モウ。いま、メジャートですよ。領主に会う前に
境界石の確認をね。どうしました?)

あはははは!
マティスはほんと師匠大好きっ子だ。

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