いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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246:朝風呂

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寝るとは言ったけど、マッパはないわな。
ただ、抱き合って寝たようだけど。

とりあえず、おひげじょりじょりはしておこう。
うん、じょりーだ。

「おはよう、愛しい人。これはなに?」
「ん?じょりじょり?おひげがあるなーって。」
「そりゃそうだ。それを確認しているのか?」
「うん。ちょっと不思議な感覚。うふふふ。」
「そうか。たのしいのならいいぞ?」
「うん、たのしい。あのまま寝ちゃったんだね。朝風呂はいろうか?
まだ、みんな寝てるからジャングル風呂に行こう。」
「ああ、それはいいな。だれも入ってこれないようにはしておこう。」

月がまだ残っていた。
沈み一瞬暗くなるがすぐに別の何かで明るくなる。
緑の木々の間をやはり陽の光なんだろう、きらきら光っている。
これが何かはもう深く考えない。わかったところでなにもならないから。
あ、師匠の眼鏡作らないと。虫眼鏡作ったら光を集めて火が付くかな?
実験リストが増えていく。

マティスはわたしの体を洗ってくれた後、自分の体をさっと洗い終えると
後ろから抱えるようにして抱きしめている。
マティスの胡坐の上にすわってゆらゆら考える。

「朝ごはんはサンドイッチにしよう。
それでお昼はちらし寿司。お客様が来るからね。」
「ちらし?初めて聞くな。」
「うん、ご飯をね少し固めに炊いて、
お酢、ちょっとだけお砂糖入れたのをまぶすの。
ほんとはシイタケとかレンコンとか炊いたの混ぜるんだけどないからね、
いくらと錦糸卵を散らそう。あとエビと。ローストビーフも。唐揚げも。
しっぽ煮も出したいけど、いつのトカゲだ?って言われたらややこしからだめか。
デザートはプリンとアイスだね。
沢山食べるかな?
あとはお澄ましと、つくだ煮も出そう。
お醤油あるからね、煮卵もつくっちゃおうかな。」
「にたまご?卵を煮るのか?」
「うん、ゆで卵にしてね、半熟の。それをね、
お醤油とみりんがないからお酒と出汁とちょっと砂糖いれてね、
付けとくの。そしたら味がしみっるのよ。あ、殻ごと塩水につけるのもあるのよ。
卵とお米まだあったっけ?」
「今日の分はあるな。買出しにいかないと。」
「んー、でもさ、ここにずっといるわけじゃないからね。
イリアスに行き準備もしないと。
それでも買出しはしないといけないか。
じゃ、ボルタオネの人たちの話が終わったら
買出しに行こう。ニックさんのお土産もね。王都のお酒とかがいいかな?
なにが好きだったかしってる?」
「結婚の祝いをもらいに行くのに土産を持っていくのか?」
「それとこれとは別だよ。」
「よくわからない。ニックは酒好きだ。王都の酒より日本酒が好みじゃないかな?
強い酒を飲んでいた。酔っていても強かったぞ?」
「おお!リアル酔拳!」
「なんだ?」
「うん、わたしの拳術の師匠の師匠が酔っぱらうとものすごい強いのよ。
その動きを取り入れたのが酔う拳、酔拳。
こう、酔っ払いがさふらふら予測付かない動きするでしょ?
あんな感じの。」
「?」
「ふふふ。ガイライが来たら見せたあげるね。」
「愛しい人はガイライがよほど気に入ったのだな。」
「んー、わたしのお母さんは、全力でお母さんだったの。
お母さんはこうなんだってずっと思ってたんだ。
でもね、よそ様の家では違うのよ。
友達と話していてびっくりしたことが何度もある。
それで、友達が母親になっても、わたしがしてもらっていたことをしないのよ。
それが普通なんだって。だから、わたしがお母さんにしてもらったことを、
子供にしたいなって思ってたけど、機会がなかったらね。
わたしをお母さんって呼んでくれるならどうしても甘やかしてしまう。
でもね、お母さんは怒ると怖いんだ。もうね、世界が終わるくらい。
ま、悪いのはわたしなんだけどね。うふふふふ。」
「そうか、あなたがたのしいならそれでいい。」
「あー、母さんにマティスを紹介したかったな。絶対に惚れるね。
自慢の息子って連発するよ。」
「そうか、母君の息子か。」
「ん?結婚したら相手は息子か娘っていわない?」
「いわないな。」
「そうか、ややこしいものね。でも、うちの母さんの息子だよ?
きっと娘のわたしよりも甘々にするね、これ、絶対。」
「そうか。それはうれしいな。」


朝は大量のサンドイッチを作りました。
四角いパン、食パンは以前から作ってもらっていたので問題なかったけど、
結局出せば皆食べる。卵とハムだけでは足りないから
カツサンド、ローストビーフサンド、チーズサンド。
マヨネーズもたっぷり使う。
8人分。大家族は大変だね。

師匠もガイライもきっちり食堂にやって来た。
ガイライは卵を持ってきてくれた。さすがだ。

「ありがとう。お昼につかうからちょうどよかった。
お昼はね、豪華ちらし寿司だよ?お米をつかった料理。楽しみにしててね。」
「ええ、ありがとうございます。これもおいしいですね。食べやすいです。」

サンドイッチの名前の由来を話したりした。
「謂れは2つあるよ。砂と魔女以外はなんでもはさんで食べられるとか、
ここではカードゲームってある?」
「カード?札遊びか?」
「たぶんそれかな?それをしながら食事ができるようにと
サンドイッチ伯爵が作らせたとか。」
「姉さんの故郷の伯爵ですか?」
「ああ、別の国のずっと昔の人の話。ここでも貴族の階級はあるのね。」
「ありますが、貴族間だけですね、意識しているのは。
わたしたちには王族、貴族かそれ以外かです。」
「なるほど。いろいろあるね。」「
「姉さん、まじょというのは?」
「ああ、石使いみたいなもの?いろいろ定義があるけどね。
一般的なのは魔法を使う女の人かな?」
「マホウ?」
「んー、呪文を唱えて、いろんなことをするの力がある人、かな?」
「じゅもん?呪いの言葉?」
「えーと、ちちんぷいぷいもそうだし、アブラカタブラとかかな?」
「では姉さんは魔女?魔法使い?」
「あはははは!そうなるかな?そうか、ここでは魔法使いか。
子供のころは一度はあこがれるよ。魔法使い。
空飛ぶ絨毯とかね。」
「絨毯が飛ぶ?」
「あー、これはここだとできるな。メモメモ。
あ、紙と鉛筆がいる。そういえば鉛筆はどうなった?」
「製品としてはできましたが、どこで木材を調達するかです。
サボテンの森はなくなりましたし、他の砂漠の森もありません。
館の森では間に合いません。」
「そうか、今日来るボルタオネさんとこで聞いてみ?間伐材ってあるはずだから
安く手に入るよ。逆に鉛筆の生産を譲ってもいい。
なにもかもコットワッツでする必要ははないんだから。
作ったものを買えばいいんだから。」
「そうか、そうですね。相談してみます。」
そんな感じで朝ごはんの時間は終わり。
師匠は資産院、ガイライは軍部に出勤。
「いってらっしゃーい。」
みなでお見送り。
トックスさんは糸の研究。
師匠が言うには蜘蛛の糸玉はなぜか大きくなっていたようで、
また、ギリギリまで糸を取ってきたようで、
その隙間に砂漠石と小さな虫を入れて来たそうだ。
その糸と最初の糸と比較するそうだ。

師匠とガイライ、トックスさんは客人が来るので
昼は同席しないとのこと。
取り分けておくと約束した。


さ、頑張って酢飯から作らないと。







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