いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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79:駄々洩れ

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バターと卵が入ったブリオッシュっていうのかな?
おいしい~。おやつにも食べたい。

わたしもなにか作ってあげたいけど、
ハンバーグ以外でなにができる?
できんよー、できん、できん。

んー?
粉もの?ああ!お好み焼きとか?
あれは、鉄板に焼き加減をお願いすればいいかな?
キャベツ?サボテンで。
卵が貴重だが、仕方がない。
あー、ソースがないな。
トマトと玉ねぎ炒めて、肉汁で炒める?
んー、、どうしようかな。

卵と牛乳は買えるだけ買わねば。
牛乳はたまたまと、言ってたから草原に行くのもいいかもしれない。

マティスがじっとこちらを見ている。

「ん?なに?」
「・・・考えてることが聞こえる。」
「うそ!!」
「オコノミヤキ?つくってくれるのか?」
「いやいや、そんなことよりも、これが聞こえるって大問題よ?
なに?心の中を見ようとおもったの?」
「・・・うまそうにたべながら、考え込むような
顔になったからどうしたんだろうか?と思っただけだ。
見ようとはおもってない。」
「んー、、昨日の夜さ、マティスの考えてることも
聞こえてきてたのよね。
力のこととか?考えてたでしょ?
自分で答えを出したから、マティスの出した答えが
わたしと同じだったから、何も言わなかったけどね。
・・・決して、食べ物の夢を見て笑ってたわけじゃないよ?」
「・・・そうか。同じだったか。うれしいな。」
「うん。・・・ってそれもいまは、2の次3の次よ!!
抱きしめられてるから、肌が接してるから
無意識に流れ込んだと思ったんだけど、
なんだろう?って思われただけで、駄々洩れなのはいかんよ!君ぃ!!」
「ときどき不思議な話し方をするな。
ダメなのか?大きな独り言が聞こえてるようなものだぞ?
別に悪くはないだろう?」
「え?そんな感覚?うーん、、、」

「いまのはわからんな。深く考えるとわからない。
ほら?大丈夫だろ?」
「えー、じゃ、トイレいこーとか、もっとたべたいーとかは
わかっちゃうのよ?」
「別に構わん。大丈夫だ。」
「えー?そう?そうか?あれ?
わたしだまされてない?詐欺師の常套句?」
「ははは、お前の大丈夫は心底大丈夫だと思うが、
俺の大丈夫はダメだな。」
「だれが言ったって大丈夫じゃないでしょうに!
でも、うん、いいか。人に聞こえてもいい独り言だもんね。
でもまー、聞こえてきてもあまり突っ込まないように!」
「ははは、そうしよう。それで、乳のために草原に行くのか?海は?」
「海と草原は遠いの?遠そうだね。
街に行って、草原にいって、それで海?」
「草原は領内だ。ラーゼム草原といってな、ゼムはそこ出身だ。」
「へー、ゼムって名前だものね。草原の民はみんなゼムさん?」
「ゼムは草原という意味だ。ラーは広い。街にいる草原の民はゼムだけなので
商人のゼムで通用する。名は別にあるが知らんな。」
「なるほど、田舎に行ったら親類じゃないけどみな同じ苗字ってのがあるものね。」
「みょうじ?」
「んーファミリーネーム?家族の名前、なになにさんちのなになに君。」
「家名か。家名があるのは王族、貴族だけだな。」
「マティスもあるの?」
「あったが、捨てたので名乗ることもない。」
「そうだね。マティスはわたしの愛しの人マティスだからね。」
「そうだ、愛しい人。
草原にいくなら、それように準備もしないとな。
ゼムに紹介してもらおう。」
「それがいいね。
 ・・・ぷっ、みんな、お嫁さんもらって国をでたとおもってるのに、
 街に戻ったら逃げられたと思われるよ?」
「ふん、逃げられてないんだからなんとでも思うがいいさ。
・・・ゼムにはこっそり会いに行こう。」
「あはははは!そうしよう。」



そんな話で盛り上がり、
お昼にお好み焼きを食べるために、
鉄板、コテ、ソースなど作った。
道具類は簡単にできるのだが、ソースが難しい。

玉葱をこれでもかとあめ色に、トマト、リンゴのような果物、
樹脂蜜、塩、香辛料、肉汁などなど・・・脂身で炒めて煮詰めて・・・
んーこんなもの?

サボテンの実はみじん切りして、小麦粉、卵。
お肉は脂身が多いところのトカゲ肉。薄く切ってもらった。

トッピングにチーズも用意。
マヨネーズか、、、酢がない。卵もすくない。割愛しました。


「んじゃ、焼くよー!鉄板君よろしく!火力担当赤海峡君もよろしく!!」

テーブルにコンロを置き、鉄板を置く。


2枚一度にはできないから一枚ずつ。


「こうしてね、丸くタネをのばしてね、
お肉をのせてね・・・
前に作ってもらった
ホットケーキのご飯版?だと思ってもらえばいいかな?
いや、ちょっと違うか。
これはねーいろいろ乗せれるのがいいの。エビとかね。
でだ、こう、コテで、、、、どうだ!」

うまくひっくり返る。ふー、いい仕事しました、道具たちが!
マティスは拍手している。
もう一度ひっくり返して、ソースを砂漠石でつくった専用容器に入れて
網目状にかけていく。

「あ!!」
「どうした?」
「鰹節がない・・・痛恨の極み・・・」
「落ち込みがすごいぞ!だ、大丈夫かっ!」
「青のりと桜エビはいいけど、鰹節はほしかったな・・・
まいっか、チーズをパラパラと・・・」
「・・・いいんだ。」
「はい、召し上がれっ。あ、その小さいコテで、こう、切りながら、
そう、そのまま食べたみ?あ、熱いよ?」

「ふぉふお!!」
「はい、ビール」

やはり熱かったのか、ビールを流し込んでいる。
お好み焼きはおかずだからご飯が欲しい。
自分の分も焼く。2枚目だからさらにうまくできたようなきがする。
マティスのために大きめの3枚目も焼きながら食べる。
ソースはやはり一味足りないが、肉がうまいな、肉が。
ビールうまうま。

「うまいな、これは。小麦焼きがこうなると、ほかになにもいらないな。
ビールもうまい。」
「そう、よかった。これおかずにしてご飯食べるんだけどね、わたしは。」
「・・・ごはん、米か?そうだ、夜は米詰めの丸焼きを作ってやろう。」
「ほんと!!あのモグラもどきだよね?
えーと、調理過程はあまり見たくないかな?」
「はは、そうだな手伝いはいらないさ。
森へ行かないし、ゆっくりすればいい。樹液をどうにかするんだろう?」
「うん、じゃ、お昼からはゴムづくりしてるね。
マティスは?すぐ晩御飯づくり?」
「いや、捌いて、詰めて焼くだけだから、準備が終わったら鍛錬する。」
「日々精進ですな。なにかあったら、呼んで?いきなり呼ぶのは無しで。」
「わかった。これ、もういいのか?」
「うん、もう一回ひっくり返して、する?そう、うまいな!!」
「お前は?」
「んー、その半分の半分頂戴?」
「たりるか?」
「たりる、たりる。・・ありがと。ん、最後に焼いたのが一番いい感じだね。
 そうか、鉄板に油がなじんだからか、なるほど。」
「最初のもこれもうまいぞ。うまかった、ありがとう。」
「そう?喜んでもらえたならよかった。」

うまうまと食べました。ビールはお昼なので2杯でストップ。

「それにしても、卵の消費速度がはやいよね。
卵は街で買えるよね?」
「そうだな、もっと買えばよかったな。ゼムが用意してくれたんだ。
 自分でも買えばよかったな。」
「ふふ、日持ちのしない卵を2人で食べるには十分な量だよ。
次の買い物リストの筆頭に書いておこう。
あ、紙ってある?」
「ああ、家にはガムを包むぐらいしか用途がなかったからな。
紙は買って置いた。」
「高いの?書くものってなに?鉛筆?羽根ペン?」
「えんぴつ?知らないな。羽ペンだ。インクと。紙は金額的にはそう高くはない。」
「羽ペンなんだね。鉛筆は黒鉛、んーっと炭素を高熱処理したもの?
ほら、炭って黒くて、白いものに擦り付けたら字とか書けるでしょ?
その炭をもっと固くして細くして木に挟んでる感じ?」
「炭を使うのか?」
「たぶん。」
「ははは、そうか。たぶんか。なんせよ、紙とペンはあるからな。」
「うん、何枚かもらうね。じゃ、片付けよう。」
「この鉄板はいいな。この前やった焼肉をするときはこれを使おう。」
 「おお!マティス天才!!そうだよこれを使おう!
いや、まて!改良するよ。無煙ロースターはできないけど、
波型にして油がたまらないようにするよ、なんで、あのとき気付かなかたんだろ?不覚!」
「次回の楽しみだ。ありがとう。これもまた食べよう。うまかった。」
「うん、海に行ったら鰹節とか昆布とかも仕入れようね。」
「カツオとコンブ、魚と海藻?」
「あ、干物とかないの?魚の干したの?あとキノコを干したの?」
「干物?魚のか?内陸の街では聞かないな。生の魚もはもちろん
干物も見ないな。茸を干すのか?茸は雨の後に一斉に生える。
食べれるのその時だけだな。うまいぞ、茸は。
たまに毒持ちがあるが、運だな。」
「・・・アバウトだね。見分けはつかないの?
見た目が毒々しいとか?」
「柿と同じで食べるまでわからん。中るのが怖くて食べるのを戸惑うことがないくらいに
茸はうまい。中っても腹を下すだけだ。」
「おおお!!それは食べねばなりませんな!!」
「そうだ、この森も茸はたくさん生えるだろう。
その時期に戻るのも何の問題もない。移動できるのだからな。」
「おおお!!素晴らしい!!」

茸話に興奮しつつ、片付けを済ませた。

「さ、いまから捌くから、ここはもういいぞ?」
「うん、お願いします。じゃ、作業部屋に行くね。
味見の時は呼んでね?」
「ははは、出来上がるまで味見はできないな。」
「そうなの・・・でも楽しみだ。
あ、レモンもらっていい?」



作業部屋でゴムづくりだ。


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