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55:ほしいものリスト
しおりを挟む布
野菜
酒(これは少量で可)
砂糖(甘い野菜)
卵
牛乳
小麦
米(無くてもよい)
あれ?ほとんどが週末の買い物リストだ。
からすの行水のごとく戻ってきたマティスは、
水も滴るいい男だった。
髪を撫でながら水分を飛ばす。マッサージ付き。
あ、これをしてほしかたんだな?甘えたさんめ。
そんなマティスに、パネルに書いたリストを見せる。
文字はお互いが”理解”できる。
「この、乳はチーズのもとのことだな?」
「そうか、牛じゃないんだっけ?牛羊?」
「なんだそれは?メーウーというんだ。乳も出るし、毛も刈れる。
毛布などの原料だな。布というのは、範囲が広いな。
メーウー地、麻、絹、綿。」
「なんでもいいんだけどね、最初にくれた下着用?
あれだけじゃなくて、いろいろね。それは街にいってからだね。」
「そうなると、ほとんど街だな。今日行く場所は、サボテンの群生地だ。
ほかの植物も少なからず群生している。
そうなると、野菜類だけだな。砂糖?甘い野菜?これは?」
「んー、こっちて砂糖は何からどうやってできてるの?」
「詳しくないが、糖分を多く含んだ芋から絞り出してる。」
「芋なんだ、大根じゃなくて。ここにあるお芋は?違う種類?」
「違うな。砂糖芋は皮が赤い。」
「ふーん。そのね、材料というか、物質をある程度まで分解できるのよ。
それと結合、というか融合?だから、最初に着ていた服なんかは
コートになったり今は掛布団だったり。下着も縫い目がないでしょ?
こう、くっついていくのよ。でも、ないものはできない。
糸なんか貴重だよ?ああ、また話がそれた。
それでね、甘い野菜があれば、糖分を抜き出すことができるかな?と思ったわけ。」
「なるほど。酒から抜くというのは?甘い酒もあるだろう?」
「うーん、考えたけどバッカスの神様に罰当たりで、できない、と、思ってるからできない。」
「ああ、そういうことか。では似たような芋からだとできるということか? 」
「うん。」
「しかし、砂糖はいま、少なからずあるぞ?」
「・・・コーヒーに入れたい。」
「これにか?」
「うん、牛乳も入れたいけど、ないから砂糖だけ。」
「乳も入れるのか?ああ、茶葉を煮立てるときに入れるようなものかな?」
「たぶん、そんな感じ。マティスの飴玉みたいな感じで
ちょっと甘味がほしなと。」
ちなみにマティスの飴玉は半分こして食べてます。
「ここにあるのを入れればいい。」
「いや、それはもったいない。だから砂漠でそれっぽいものを探したい。
あ、あと毛が欲しい!!」
「け?」
「そう、毛!できれば豚毛!歯ブラシ欲しい!」
「豚?これはわかる。肉になるものあの豚だよな?それの毛?」
「そう!豚はいるんだね、よかった。肉も欲しいけど毛も欲しい。」
「あの長い毛がいるのか?」
「え?長いの?またなんか似てるようで違うのかな?」
「・・・これが豚だ。」
マティスがパネルにざっくり書いてくれた。
う、うまいな。
「わたしの知ってる豚じゃない、これは太ったウサギだ!!」
「うさぎ?わからないな。でもこれが豚だ。繁殖力が強い。
食べただろう?ハムはこれから作っている。」
「あ、あのハムおいしかったね。うん、おいしいのはいいのよ、この毛はどうしてるの?」
「どうって、なにも利用していない。邪魔なだけだが、
捌く時に吊るすんだが、その時は紐いらずってぐらいか?」
「おお、その光景は見たくない。」
「そうか?その毛がいるわけではないんだな?」
「うん、そういうんじゃなくて、もうちょっと固いの。ブラシってあるよね?
それはなん毛?」
「毛ではなく植物だ。それを束ねている。」
「あ、そうか、植物ね。豚の毛って思い込んでたよ。それは砂漠にある?もしくは似たようなもの」
「草原の民が栽培している。ここには、ないな。いや、奥に行けば似たようなものがあるかもしれん。
探してみよう。それと、短い毛の動物もいるだろう。それも狩ろう。
砂トカゲだけじゃ飽きるからな。」
「うん。がんばろう。」
そんなことを台所で、朝と昼を兼ねたご飯を食べながら話した。
マティスは料理をしながらだ。
外にでるまでに武器をつくるという。
あの投げナイフみたいなもの。
わたしがつくろうか?と聞いたら作れそうなので自分でつくるということ。
そうなの?作業部屋使う?
これまた自分の部屋でするって。なんだ、マティスの寝室は作業部屋化となってるようだ。
それがおわったら、持って出るご飯もつくるって。
働き者だね~うちの奥さんは。
「じゃ、わたしもごそごそしておくよ。」
「そのごそごそっていうのはなんだ?」
「え?いわない?なんかとはいえないけど、なんかしてるっていう意味?かな?」
「なるほど。」
「てなことで、作業部屋にいてるね。」
「ああ、わかった。」
そうしてごそごそしに部屋に向かった。
いわないのかな?ごそごそって?
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