いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

文字の大きさ
上 下
50 / 862

50:空腹は最高の調味料

しおりを挟む


こうしは思っていた香辛料の香りがみんな入ったようなものだった。
玉葱はドライオニオンでした。うーん、今回はパスで。
テレビでしていた方法で作ろう。砂糖を少しもらう。

「そうか、ミンチから作るのか・・・
 あ、油ってあるの?」

タンタンと細切れにしていく。
マティスは横で見ている。そう、うれしそうに。

「ああ、トカゲのな、革と肉の間にあるものをこそげ落としてつかっている。」
「トカゲすごいね。結構ある?それと脂身も。」
「今回は大量に捌いたからあるぞ?脂身も。焼くのに使うのか?」
「ううん、油があれば、揚げ物もできるかなって。これは教えるから作ってほしいな。
脂身は赤みが多いからちょっと足そうかなと。あー、腕がすでに筋肉痛。」

砂糖と塩を混ぜた水にミンチを浸す。
その間に、乾燥トマトを湯で戻し、これまたみじん切り。
玉ねぎも少し使う。トマトソースね。

形作って、焼けばすぐなので、今のうちに小麦焼きとサボテンサラダを作ってもらう。
「氷作るの忘れてた!」
「四角いのならできていると思うぞ。」
「さっすが!お酒を炭酸水で割っちゃおう。
 では焼くよ~。」

お肉の焼けるいいにおいがする。香辛料もいい感じだったみたいだ。
裏返して、また少し置く。透明な肉汁が出ればOK。
お皿に移し、おいしく出た肉汁にトマトと玉ねぎを入れる。
塩と胡椒で調整。
おいしくなーれ。

ハンバーグにかけて出来上がり。

「いい匂いだ。」
「さ、食べよう。出来立てならまずくても食べれる!!」

「ありがとう。誰かに作ってもらう飯は久しぶりだ。」
「空腹は最高の調味料だし、それも加味したらきっと食べれるはず。」

「・・・どう?」

もくもくと食べるマティスに恐る恐る聞いてみた。
小麦焼きにソースを絡めている。
わたしも食べたけど、うん、肉がいいのかおいしかった。

「・・・うまい。夢中になってしまった。うまい。」
「ほんと?嘘偽りなく?食感とかは?」
「うまい。トカゲでこんなに肉汁が出るものなんだな。
 やわらかいが、肉の塊もあって、うまい。」
「塊は力尽きたからだよ。肉汁は脂身も入れたからね。
爬虫類系は獣臭さは少ないのかな?香辛料もいい感じに効いてるね。」
「ああ、毎日食べたいって奴だ。」
「あははは、それは勘弁。手がダルダルだよ。
でも、気に入ってもらってよかった。ありがとう。
また作るね。今度はお肉の中にチーズを入れてみるよ。」
「ああ、それはおいしそうだ。こちらこそ、ありがとう。
愛しい人に飯を作ってもらって、食べるというのは幸せだな。」
「うん、だからわたしは幸せだよ。」
「そうか。それはうれしいな。」

つくれるのはこれだけだけど、
ポテトフライや、とんかつなどの揚げ物、ピザ生地の事、
パンを作ってくれること、食べ物の話ばかりをした。
お酒も炭酸割、ロックと、結構飲んでしまった。

「お酒とか食料とかほんとに大丈夫?」
「酒はこの調子で飲んだらあと3回分くらいか?ゼムの置き土産だしな。
 食料はそうだな、サボテンをもっと取ってきたいな。肉はあればあるだけいい。
 また、近いうちに外に出よう。今度は空を飛んでいけるから
 奥のサボテン群生地までいける。うまくいけば酸味のある実も取れるかもしれない。」
「おお!それは素晴らしい。えっと、離れはじめの月までは短いんだよね?
それを過ぎたら長くなるの?徐々に?急に?」
「2つ月が離れて沈み、次に上るときは、今の倍になる。」
「・・・わからん。」
「はは、説明はできないが、お前がよくいう、そんなものって奴だ。」
「そうか、そんなもんか。じゃ、砂漠の探検は月が昇ってる時間が長いほうがいいね?」
「そうだな。離れはじめの月の次にしよう。」

それまでに、植物関連とあらたな海峡石は把握しておこう。
おっと、サウナが先だ。

そんな話をして今日は終わった。
お風呂に入り、洗いっこをして、ちょっといちゃついて、
なぜかわたしの部屋で2人で寝る。
明日もこうなら、ベットを少し大きくしようと思った。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」

まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。 気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。 私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。 母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。 父を断罪できるチャンスは今しかない。 「お父様は悪くないの!  お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!  だからお父様はお母様に毒をもったの!  お願いお父様を捕まえないで!」 私は声の限りに叫んでいた。 心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。 ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 ※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※タイトル変更しました。 旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」

英雄になった夫が妻子と帰還するそうです

白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。 愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。 好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。 今、目の前にいる人は誰なのだろう? ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。 珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥) ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。

udonlevel2
ファンタジー
修学旅行中に異世界召喚された教師、中園アツシと中園の生徒の姫島カナエと他3名の生徒達。 他の三人には国が欲しがる力があったようだが、中園と姫島のスキルは文字化けして読めなかった。 その為、城を追い出されるように金貨一人50枚を渡され外の世界に放り出されてしまう。 教え子であるカナエを守りながら異世界を生き抜かねばならないが、まずは見た目をこの世界の物に替えて二人は慎重に話し合いをし、冒険者を雇うか、奴隷を買うか悩む。 まずはこの世界を知らねばならないとして、奴隷市場に行き、明日殺処分だった虎獣人のシュウと、妹のナノを購入。 シュウとナノを購入した二人は、国を出て別の国へと移動する事となる。 ★他サイトにも連載中です(カクヨム・なろう・ピクシブ) 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

森だった 確かに自宅近くで犬のお散歩してたのに。。ここ  どこーーーー

ポチ
ファンタジー
何か 私的には好きな場所だけど 安全が確保されてたらの話だよそれは 犬のお散歩してたはずなのに 何故か寝ていた。。おばちゃんはどうすれば良いのか。。 何だか10歳になったっぽいし あらら 初めて書くので拙いですがよろしくお願いします あと、こうだったら良いなー だらけなので、ご都合主義でしかありません。。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央
ファンタジー
 糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。  一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。  だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。  そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。  この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。 2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。

処理中です...