34 / 863
34:ペアカップ
しおりを挟むトイレにビデ機能と、ハンドドライヤー
お風呂に普通のシャワーと、湯舟の近くに銭湯のような洗い場。
座って体を洗いたい。
排水して、汚れを分離しようとおもったけど、これだけの大量の水が
どこぞに流れるのはまずくないか?と思い、24時間風呂のように
循環させる。雑菌の繁殖が怖いのでフィルターは念入りにお願いした。
脱衣の横に洗面所。鏡を付けた。歯磨きは当分指ですることにした。
塩ってあるのかな?あ、岩塩?それこそ海が隆起したんならあるよね?
寝るところとは別に仕事部屋を作ろう。
扉君の近くがいいかな?
さっくりと改良していく。
元の世界でこれができたら、職を無くす人がでまくるな。
わたしはその筆頭だ。怖い、怖い。
扉君におはようのあいさつ。
「扉君、おはようございます。見張りご苦労様です。
どうですか?外は?出れそう?」
扉に手を当て、聞いてみた。
なんとなくいけそうな感じ。扉も前回と違って動きそう。
けど、重い、物理的に。
「これはマティスに開けてもらおう。ありがとね。」
扉君にもキスがしたいが、ダメだと言われたし、
体勢的に難しい。手で撫でまくる。
わしゃわしゃと。
なんとなく喜んでるような気がする。
扉の擬人化。新しいジャンルだ。
台所に戻ると、いいにおいがする。
のぞき込むと、笑顔のマティスがいた。
おいおい、新婚家庭か?どこの新妻だ?
どこの?わたしのだ。
母さん、わたしやっと嫁をもらったよ。
「いま、呼ぼうとしてたんだ。終わったのか?」
思わず抱き付き頭をぐりぐりこすりつける。
「マティス、2人で幸せになろう。」
「え?な?なに?」
見上げれば顔を赤くするマティス。ああ、かわいい。
俺の嫁は世界一。
これだ!このパターンなんだ!えーと、パターンHだ!!
「目指すパターンもわかったし、朝からいい日だ。
これ?テーブルにもっていくの?はこぶね?」
まだ、固まってるマティスはおいて、
スープとこれはクレープ?ハムを巻いている。
野菜系がないが、ピクルスっぽいのは有る。
素晴らしい。
『おぼん、ぼんぼん、お盆で運ぼう♪』
ポケットに入れた石を取り出し
トレーを作る。
今の歌もどきは手で物を運ぼうとすると決まって母が怒っていうフレーズだ。
一人になってからこれを言いながら短い距離でもトレーで運んだ。
うん、母さん、ちゃんとできてるよ。
いそいそとテーブルに運ぶとランチョンマットも置いてあり
あとは並べるだけだ。
うしろから、カップを2つもったマティスがやってきた。
「いまのは歌?言霊?」
「ん?気にするない。とりあえず言葉で表現すればいいんだから。
あ、それなに?コーヒー?紅茶?」
「ああ、同じものがあるんだな?コーヒーだ。」
「うれしいね。コーヒー好きなんだ。」
それぞれにコップを置き、2人して座った。
カップは磁器だ。
家にあったものなんだね。お揃いだ。ペアカップだ。
いや、もともとあったんだからタロスさんのか。それでもちょっと顔がにやける。
「いやらしい顔になってるぞ。」
「失礼な。さっきのマティスはかわいかったよ?」
またしても、顔を赤らめる。あー、かわいい。
「2人で、し、幸せになるんだな?」
「うん、マティスさえよければ。いや、違うな?」
「え?違うのか?」
「マティスがいれば幸せになるよ。わたしがね。そのついでにマティスも幸せになってくれればうれしい。
フフ、まずいのに捕まったね。」
がばりと立上り、真剣な顔でこう言ってくれた。
「私と2人で幸せになろう。私も幸せなんだ。」
うれしいね。
「うん。」
そのあとは2人して照れ臭いのか黙って朝ごはんを食べた。
12
お気に入りに追加
369
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる