10 / 863
10:つとめを果たそう
しおりを挟む
広い空間にでた。
夜目が効いているのか、なんとなく見える。
空間を把握している感じか。
いかにも、という地下空間。
土を粘土細工のように固め上げ、砂漠石を薄い幕にして
間に空気をいれて、エアーマットを作りベットとした。
そこにマティスを寝かせ、こちらもこまごまとした、休憩グッツを作り上げた。
センスがないので、実用主義だが、ま、いい感じだ。
扉の向こうの火は納まったのか、
がたがたと音がする。
しまった、死体もどきを置いておけばよかった。
そうすればマティスは死んだことになったのに。
あー、でも、そこまでする必要もないか。
そろそろ、ご本人をおこしましょうか。
『目を覚まして、体の不調はどこにもないよ』
驚異の腹筋力で起き上がり、そばに置いてあった槍手探りで探しあて構えた。
「おはようございます」
「・・・?どこだ?・・・なにも見えない。」
『明かりがなくても見えるよ』
そういうと、見えるようになったのか、さらにキョロキョロしだした。
テーブルとイス。そこに座るわたし。
「・・・とらえず、ここは大丈夫なところ。
気絶したあんたに蹴りをくらわしてから、
油かなんかを撒いて火をつけて、さっき帰っていったよ。
自称弟君たちは。
金目のものは、火をつける前にすべて持っていかれたけど、
それ以外であんたが「大事」だと思っているものは、すべてもってきた。
でだ、気づいていると思うけど、
わたしはここの人間ではないのよ。わかるでしょ?
あまり、ここの風習に疎いのよ。だから、砂漠の石のこととか、月の事とか、
ざっとでいいから、説明してもらえると助かるたすかるけど。
あー、左目と左腕は自分でつぶしたみたいだけど、もう、戻ってるからね。」
マティスは、大きく息を吐いて、槍を下した。
「座っても?」
「どうぞ。水しかないけど、おいしいと思うよ?」
椅子を勧め、水を出した。もちろん「おいしい水(原産地:ここの空気)」だ。
「まずは、感謝を。・・・・・・」
そうして、長い話を聞かせてくれてた。
合間に尋ねたことは、
太陽は昇らないのか?
魔法?なんでもできる力みたいな?
どれも初めて聞くものらしい。
最後に、
「・・・飴玉なんぞはくすねない。」
と、言われた。
「・・・なるほど。飴ちゃんで足がついたか・・・
何を口にしているのか気になってね、
ひとつとってみたら甘い匂いがしたから、思わずね。
こちらに来てから唯一口にしたものになるね。
それぐらいもらっても文句は言えないと思うけど、
食べ物のうらみは怖いからいつか返すよ。」
「・・唯一?なにも食べていないのか?
・・人ではないのか?・・・今更だが、あんたの話が聞きたい。」
「うーん、こことは違うところから来たのよ。
で、槍で刺されるわ、マッパだわ、乙女に対する暴力はあるわ、
そいえば謝罪もないよね?」
「・・・槍のことは、謝罪しない。ここは辺境だ。
こうして話はできたが、あの時はあんたが何者かわからなかった。
いまもわからないが。
・・暴力、それは・・・、すまなかった。」
「・・・ふーん。その謝罪は受け入れましょう。
さて、ゼムさんだっけ?この前来た人。
あの人、この騒ぎに気付いてこっち来るかな?」
「ゼムを知ってるのか?・・・ちがうな、あの時からずっといたのか?
ゼムは次の混合いはじめの月まで来ない。ここのことなぞ街には届かない。
セサミナも接触はしないだろう。でもなぜ?ゼムに?」
「ゼムさんが来たら、ついていって街に行こうとおもって。
ここの事はおおよそわかったから。
太陽が昇らない。
1日が同じ時間ではない。
朝の挨拶の習慣がない。おはよう、こんにちは、こんばんは・・わかる?
基準はすべて2つある月の動きにある。
化学でも魔法でもない文化がある。
王様、貴族がある身分制度がある。
砂漠石は望んだことがある程度叶うけど、取扱注意。
砂トカゲは・・・おいしいの?」
「1日が同じなわけがない。月が沈み昇るまでの時間は毎日変わる。
アサ?挨拶はわかるが、オハヨウ?コンニチワ?コンバンワ?
さっきも言っていたな?オハヨウゴザイマス?だったか?
カガク?マホウ?
身分制度はもちろんあるさ。人が集まればおのずとできるだろう。
砂トカゲはうまいぞ。多少筋張っているが
砂漠石のことは簡単に言えばそうだが、さっき話したようにいろいろ制限がある。
しかし、あんたは、石使いのように扱えている。」
「石使い?魔法使いみたいな感じかな?」
「そのマホウとやらは何を示すかわからないが、
石の力を最大限に様々なことができる人の事だ。
あんたは、石使いか?あんたの力はすこしちがうようだが。」
「石使いかどうかはわからんけど、そうだね、思ったことを強く願うとそうなる。
浮いたり飛んだり姿が消えたりね。飢えがいやだからおなかもすかない。
けど、心臓は動いているから切られると血は噴き出すね。
止めることはできるし、出た血を元に戻すこともできた。
・・・わたしのからだ、なかなかいい感じでしょ?」
「なっ!!何の話だ!!」
「いやいや、わたしの力の話だよ。望んだようになるってね。
質量保存の法則ってわかる?
変化の前と後で物質の総質量は変化しないって感じ。
わたしのからだの脂肪は胸とお尻に、
あとはいい感じになってる。これは女の願望だね。
けど、体重は変わらないはず。だから、すっごいのよ、わかる?」
「・・・・」
「それはさておき、弟君がしたみたいなことは石がなくてもたぶんできると思うよ。
望まないけどね。」
「あんたは違うところから来たといったな?
あんたがいたところではそれは普通の事なのか?」
「まさか!!こっちに来てからよ?泣いて起きて
砂漠に行って、ちょっとやらかしたら石が出てきて・・・
で、槍にさされた」
「・・やらかしたってあの地響きはあんたが起こしたのか?
石もやはり出たんだな?」
「そうそう、石が出たよ、おっきいの。それをそこの鞄にいれて使ってるよ。
力がどうのというより加工性抜群の素材だよね?」
「鞄?しかし、5つも置いていっただろう?
もう残ってないんじゃないのか?なんでだ?」
「いや、なんか、申し訳ないなーとおもって。
石の事気にしてたから価値があるのかなと?
きれいだしね。それにまだ石はあるよ。」
「あんたを探すのに4つ使った。気配が分かったのは最初の一回だけだ。
最後の一つはゼムに渡した。見てただろ?」
「うん、使うと砂になるのね。気配は最初こっちを向いたから、
気配も消すように願ったんだよ」
「・・・そうか。石を使ったわけではないのか?すごいな。」
「そう、すごいよね。いわゆるチートだ。もう、どのパターンかもわからない。
夢よ覚めろ、元に戻れと、強く願っても起きないし、戻れない。
受け入れるのが自分でも早いと思うけど、仕方がないね。」
「チイト?時々わからない言葉が出てくるな。
それに聞こえる言葉と口の動きが違う。
なぜだ?」
「そういうのをチートっていうんだと思うよ。
お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す」
「?」
「最後のおはようございますって音と唇の動き合ってたでしょ?
てか、よく見てるね?
これね、朝の挨拶。
わたしの世界では月と太陽があって、太陽が昇れば一日の始まり。
その時の挨拶。月が昇れば夜でしょ?
沈めば太陽が昇って朝。簡単に言えばね。
で、朝の挨拶。おはよう」
「月以外にそのタイヨウというのも空を制しているのか??
違うところというのはこのグラシオル大陸ではないところという意味だよな?」
「違うよ。もっと別なところ。別な世界。あんたの本のなかにもあったでしょ?
子供向けの本でさ、妖精の国とかそういう物語の世界。
それと似て非なる世界だと思って。そこからなぜかここに来たのよ。」
「あの本も読んだのか?
しかし、妖精の住まう国というのは妖精たちが作り出したり現実逃避の妄想だぞ?」
「え?妖精はいるの?現実逃避ってなに?虐げられてるの?」
「いる。あたりまえだろ?奴らは基本働かないんだ。
なにかの庇護のもとに生きている。
妖精の国は働かなくても日々生きていける国なんだと。
それが妖精の国だ。
いつかそこに帰るまでここにいてやる、
だから養えという無茶なことを言う輩だよ
見目がいいから貴族、王族のペット扱いだ。」
「うーん、わたしが知ってる妖精とちがうかもしれない。
ま、ともかく、そういう別の世界から来たのよ。妄想じゃなくてね。
で、もとには戻れないから、この世界で暮らそう、街にいってみよう。
どこにある?ゼムについていこう、ってことで。」
「・・・妖精のように養えとはいわないのか?
それだけの力があれば王族に取り入ることも可能だぞ?」
「ばかだなー。だからだよ。
これだけの力があるんだから王族何ぞにかかわるのもばかなはなしでしょ?」
「・・・なるほど。」
理解できているのかどうかわからないけど、マティスは大きくうなずいた。
よくある話で異世界に転移、
現代科学を異世界で披露して文化レベルの向上ってのがあるが、
逆の場合もあるはず。ないものの証明、悪魔の証明はできない。
蒸気の力での産業革命まではまだしも、
そこからの電気、電子の発達はなにかしらの力が働いたとしてもおかしくないよね。
電気も0と1の世界もわからんもん。
でも、便利さは手放せない。上位の文明から下位への移転、ありうるよね。
でも、そんな話は聞かなない。万全の体制で秘密裏に披露しているか、
何もせずにその世界で生きて死んでるかだ。
べらべらとしゃべったりするやつはそもそも転移はしないかもしれない。
ならば、わたしは、というと、後者だな。生きて死ぬだ。
昔、新聞の詩の投稿に
-生きることは権利ではなく
-つとめだと・・・
-ただ黙々とつとめを
-果たすことだと・・・
というのがあった。切り抜いてずっと持っていた。
獣医だった父君が独り言のように言った言葉で
看取った方の投稿だった。
-それでも別れの時は
-つとめを果たしたのか
-やすらかな顔だった
ああ、つとめを果たそう。どこにいてもだ。
なにかの言葉で人生が変わったか?と聞かれればこの詩をあげるだろう。
死んでるように生きるのではなく
生きて死ぬ。
だから、ここの世界に来たことも受け入れられる。
夜目が効いているのか、なんとなく見える。
空間を把握している感じか。
いかにも、という地下空間。
土を粘土細工のように固め上げ、砂漠石を薄い幕にして
間に空気をいれて、エアーマットを作りベットとした。
そこにマティスを寝かせ、こちらもこまごまとした、休憩グッツを作り上げた。
センスがないので、実用主義だが、ま、いい感じだ。
扉の向こうの火は納まったのか、
がたがたと音がする。
しまった、死体もどきを置いておけばよかった。
そうすればマティスは死んだことになったのに。
あー、でも、そこまでする必要もないか。
そろそろ、ご本人をおこしましょうか。
『目を覚まして、体の不調はどこにもないよ』
驚異の腹筋力で起き上がり、そばに置いてあった槍手探りで探しあて構えた。
「おはようございます」
「・・・?どこだ?・・・なにも見えない。」
『明かりがなくても見えるよ』
そういうと、見えるようになったのか、さらにキョロキョロしだした。
テーブルとイス。そこに座るわたし。
「・・・とらえず、ここは大丈夫なところ。
気絶したあんたに蹴りをくらわしてから、
油かなんかを撒いて火をつけて、さっき帰っていったよ。
自称弟君たちは。
金目のものは、火をつける前にすべて持っていかれたけど、
それ以外であんたが「大事」だと思っているものは、すべてもってきた。
でだ、気づいていると思うけど、
わたしはここの人間ではないのよ。わかるでしょ?
あまり、ここの風習に疎いのよ。だから、砂漠の石のこととか、月の事とか、
ざっとでいいから、説明してもらえると助かるたすかるけど。
あー、左目と左腕は自分でつぶしたみたいだけど、もう、戻ってるからね。」
マティスは、大きく息を吐いて、槍を下した。
「座っても?」
「どうぞ。水しかないけど、おいしいと思うよ?」
椅子を勧め、水を出した。もちろん「おいしい水(原産地:ここの空気)」だ。
「まずは、感謝を。・・・・・・」
そうして、長い話を聞かせてくれてた。
合間に尋ねたことは、
太陽は昇らないのか?
魔法?なんでもできる力みたいな?
どれも初めて聞くものらしい。
最後に、
「・・・飴玉なんぞはくすねない。」
と、言われた。
「・・・なるほど。飴ちゃんで足がついたか・・・
何を口にしているのか気になってね、
ひとつとってみたら甘い匂いがしたから、思わずね。
こちらに来てから唯一口にしたものになるね。
それぐらいもらっても文句は言えないと思うけど、
食べ物のうらみは怖いからいつか返すよ。」
「・・唯一?なにも食べていないのか?
・・人ではないのか?・・・今更だが、あんたの話が聞きたい。」
「うーん、こことは違うところから来たのよ。
で、槍で刺されるわ、マッパだわ、乙女に対する暴力はあるわ、
そいえば謝罪もないよね?」
「・・・槍のことは、謝罪しない。ここは辺境だ。
こうして話はできたが、あの時はあんたが何者かわからなかった。
いまもわからないが。
・・暴力、それは・・・、すまなかった。」
「・・・ふーん。その謝罪は受け入れましょう。
さて、ゼムさんだっけ?この前来た人。
あの人、この騒ぎに気付いてこっち来るかな?」
「ゼムを知ってるのか?・・・ちがうな、あの時からずっといたのか?
ゼムは次の混合いはじめの月まで来ない。ここのことなぞ街には届かない。
セサミナも接触はしないだろう。でもなぜ?ゼムに?」
「ゼムさんが来たら、ついていって街に行こうとおもって。
ここの事はおおよそわかったから。
太陽が昇らない。
1日が同じ時間ではない。
朝の挨拶の習慣がない。おはよう、こんにちは、こんばんは・・わかる?
基準はすべて2つある月の動きにある。
化学でも魔法でもない文化がある。
王様、貴族がある身分制度がある。
砂漠石は望んだことがある程度叶うけど、取扱注意。
砂トカゲは・・・おいしいの?」
「1日が同じなわけがない。月が沈み昇るまでの時間は毎日変わる。
アサ?挨拶はわかるが、オハヨウ?コンニチワ?コンバンワ?
さっきも言っていたな?オハヨウゴザイマス?だったか?
カガク?マホウ?
身分制度はもちろんあるさ。人が集まればおのずとできるだろう。
砂トカゲはうまいぞ。多少筋張っているが
砂漠石のことは簡単に言えばそうだが、さっき話したようにいろいろ制限がある。
しかし、あんたは、石使いのように扱えている。」
「石使い?魔法使いみたいな感じかな?」
「そのマホウとやらは何を示すかわからないが、
石の力を最大限に様々なことができる人の事だ。
あんたは、石使いか?あんたの力はすこしちがうようだが。」
「石使いかどうかはわからんけど、そうだね、思ったことを強く願うとそうなる。
浮いたり飛んだり姿が消えたりね。飢えがいやだからおなかもすかない。
けど、心臓は動いているから切られると血は噴き出すね。
止めることはできるし、出た血を元に戻すこともできた。
・・・わたしのからだ、なかなかいい感じでしょ?」
「なっ!!何の話だ!!」
「いやいや、わたしの力の話だよ。望んだようになるってね。
質量保存の法則ってわかる?
変化の前と後で物質の総質量は変化しないって感じ。
わたしのからだの脂肪は胸とお尻に、
あとはいい感じになってる。これは女の願望だね。
けど、体重は変わらないはず。だから、すっごいのよ、わかる?」
「・・・・」
「それはさておき、弟君がしたみたいなことは石がなくてもたぶんできると思うよ。
望まないけどね。」
「あんたは違うところから来たといったな?
あんたがいたところではそれは普通の事なのか?」
「まさか!!こっちに来てからよ?泣いて起きて
砂漠に行って、ちょっとやらかしたら石が出てきて・・・
で、槍にさされた」
「・・やらかしたってあの地響きはあんたが起こしたのか?
石もやはり出たんだな?」
「そうそう、石が出たよ、おっきいの。それをそこの鞄にいれて使ってるよ。
力がどうのというより加工性抜群の素材だよね?」
「鞄?しかし、5つも置いていっただろう?
もう残ってないんじゃないのか?なんでだ?」
「いや、なんか、申し訳ないなーとおもって。
石の事気にしてたから価値があるのかなと?
きれいだしね。それにまだ石はあるよ。」
「あんたを探すのに4つ使った。気配が分かったのは最初の一回だけだ。
最後の一つはゼムに渡した。見てただろ?」
「うん、使うと砂になるのね。気配は最初こっちを向いたから、
気配も消すように願ったんだよ」
「・・・そうか。石を使ったわけではないのか?すごいな。」
「そう、すごいよね。いわゆるチートだ。もう、どのパターンかもわからない。
夢よ覚めろ、元に戻れと、強く願っても起きないし、戻れない。
受け入れるのが自分でも早いと思うけど、仕方がないね。」
「チイト?時々わからない言葉が出てくるな。
それに聞こえる言葉と口の動きが違う。
なぜだ?」
「そういうのをチートっていうんだと思うよ。
お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す」
「?」
「最後のおはようございますって音と唇の動き合ってたでしょ?
てか、よく見てるね?
これね、朝の挨拶。
わたしの世界では月と太陽があって、太陽が昇れば一日の始まり。
その時の挨拶。月が昇れば夜でしょ?
沈めば太陽が昇って朝。簡単に言えばね。
で、朝の挨拶。おはよう」
「月以外にそのタイヨウというのも空を制しているのか??
違うところというのはこのグラシオル大陸ではないところという意味だよな?」
「違うよ。もっと別なところ。別な世界。あんたの本のなかにもあったでしょ?
子供向けの本でさ、妖精の国とかそういう物語の世界。
それと似て非なる世界だと思って。そこからなぜかここに来たのよ。」
「あの本も読んだのか?
しかし、妖精の住まう国というのは妖精たちが作り出したり現実逃避の妄想だぞ?」
「え?妖精はいるの?現実逃避ってなに?虐げられてるの?」
「いる。あたりまえだろ?奴らは基本働かないんだ。
なにかの庇護のもとに生きている。
妖精の国は働かなくても日々生きていける国なんだと。
それが妖精の国だ。
いつかそこに帰るまでここにいてやる、
だから養えという無茶なことを言う輩だよ
見目がいいから貴族、王族のペット扱いだ。」
「うーん、わたしが知ってる妖精とちがうかもしれない。
ま、ともかく、そういう別の世界から来たのよ。妄想じゃなくてね。
で、もとには戻れないから、この世界で暮らそう、街にいってみよう。
どこにある?ゼムについていこう、ってことで。」
「・・・妖精のように養えとはいわないのか?
それだけの力があれば王族に取り入ることも可能だぞ?」
「ばかだなー。だからだよ。
これだけの力があるんだから王族何ぞにかかわるのもばかなはなしでしょ?」
「・・・なるほど。」
理解できているのかどうかわからないけど、マティスは大きくうなずいた。
よくある話で異世界に転移、
現代科学を異世界で披露して文化レベルの向上ってのがあるが、
逆の場合もあるはず。ないものの証明、悪魔の証明はできない。
蒸気の力での産業革命まではまだしも、
そこからの電気、電子の発達はなにかしらの力が働いたとしてもおかしくないよね。
電気も0と1の世界もわからんもん。
でも、便利さは手放せない。上位の文明から下位への移転、ありうるよね。
でも、そんな話は聞かなない。万全の体制で秘密裏に披露しているか、
何もせずにその世界で生きて死んでるかだ。
べらべらとしゃべったりするやつはそもそも転移はしないかもしれない。
ならば、わたしは、というと、後者だな。生きて死ぬだ。
昔、新聞の詩の投稿に
-生きることは権利ではなく
-つとめだと・・・
-ただ黙々とつとめを
-果たすことだと・・・
というのがあった。切り抜いてずっと持っていた。
獣医だった父君が独り言のように言った言葉で
看取った方の投稿だった。
-それでも別れの時は
-つとめを果たしたのか
-やすらかな顔だった
ああ、つとめを果たそう。どこにいてもだ。
なにかの言葉で人生が変わったか?と聞かれればこの詩をあげるだろう。
死んでるように生きるのではなく
生きて死ぬ。
だから、ここの世界に来たことも受け入れられる。
22
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
異世界隠密冒険記
リュース
ファンタジー
ごく普通の人間だと自認している高校生の少年、御影黒斗。
人と違うところといえばほんの少し影が薄いことと、頭の回転が少し速いことくらい。
ある日、唐突に真っ白な空間に飛ばされる。そこにいた老人の管理者が言うには、この空間は世界の狭間であり、元の世界に戻るための路は、すでに閉じているとのこと。
黒斗は老人から色々説明を受けた後、現在開いている路から続いている世界へ旅立つことを決める。
その世界はステータスというものが存在しており、黒斗は自らのステータスを確認するのだが、そこには、とんでもない隠密系の才能が表示されており・・・。
冷静沈着で中性的な容姿を持つ主人公の、バトルあり、恋愛ありの、気ままな異世界隠密生活が、今、始まる。
現在、1日に2回は投稿します。それ以外の投稿は適当に。
改稿を始めました。
以前より読みやすくなっているはずです。
第一部完結しました。第二部完結しました。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
レベルカンストとユニークスキルで異世界満喫致します
風白春音
ファンタジー
俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》は新卒で入社した会社がブラック過ぎてある日自宅で意識を失い倒れてしまう。誰も見舞いなど来てくれずそのまま孤独死という悲惨な死を遂げる。
そんな悲惨な死に方に女神は同情したのか、頼んでもいないのに俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》を勝手に転生させる。転生後の世界はレベルという概念がある世界だった。
しかし女神の手違いか俺のレベルはカンスト状態であった。さらに唯一無二のユニークスキル視認強奪《ストック》というチートスキルを持って転生する。
これはレベルの概念を超越しさらにはユニークスキルを持って転生した少年の物語である。
※俺TUEEEEEEEE要素、ハーレム要素、チート要素、ロリ要素などテンプレ満載です。
※小説家になろうでも投稿しています。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
【リクエスト作品】邪神のしもべ 異世界での守護神に邪神を選びました…だって俺には凄く気高く綺麗に見えたから!
石のやっさん
ファンタジー
主人公の黒木瞳(男)は小さい頃に事故に遭い精神障害をおこす。
その障害は『美醜逆転』ではなく『美恐逆転』という物。
一般人から見て恐怖するものや、悍ましいものが美しく見え、美しいものが醜く見えるという物だった。
幼い頃には通院をしていたが、結局それは治らず…今では周りに言わずに、1人で抱えて生活していた。
そんな辛い日々の中教室が光り輝き、クラス全員が異世界転移に巻き込まれた。
白い空間に声が流れる。
『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
話を聞けば、異世界に召喚された俺達に神々が祝福をくれると言う。
幾つもの神を見ていくなか、黒木は、誰もが近寄りさえしない女神に目がいった。
金髪の美しくまるで誰も彼女の魅力には敵わない。
そう言い切れるほど美しい存在…
彼女こそが邪神エグソーダス。
災いと不幸をもたらす女神だった。
今回の作品は『邪神』『美醜逆転』その二つのリクエストから書き始めました。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる