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第3章 東と西 黒の追憶編。
第128話 現状把握する時間。
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「……」
ワゴン車の後部座席で爆睡する忍を運転手以外の全員は興味深く見ていた。
「スゲェな。マネージャー兼プロデューサーまでやりきってるから、過労死してもおかしくねぇのに……」
「まあな。俺がボディーガード以外何もできねぇから、負担はデカイ。感謝しかねぇぜ、神崎忍には……」
助手席に座る品川がポツリと呟き、それを吹雪が反応し返答する。
「貴様が、少しでも会計できたなら負担は減る」
「へいへい。アンタも相変わらず俺に対する悪態が止まりませんな」
「ほうそうか。そんなに罵詈雑言が欲しければくれてやろう……ろくでなし、サボり魔、遅刻魔、無能、頭悪い、ボンクラ……」
尽きることのない雅の暴言を三人は聞き流していた。
「この半年間なにしてた?」
「結構、色々させられてた。給料はええけど、スゲェしんどい」
「原因がコレだと思うと大変だよな……」
まだ言い続けてる雅を見て、品川は吹雪に同乗する。
「お前の方も大変だったらしいな」
「あぁ、いきなり弟子はできる。いきなり師匠は来る。刑事さんに目を付けられたり、『アトラス財団』には勧誘されて、ボコボコにされたり……疲れるぜ」
「……お前がボコボコにされた? 完全に手ぇ抜いたやろ。色んな奴と戦ってきて、それに悪魔にも勝ってんねんで? 手加減してるしか考えられへん」
「バレてたか……まあ、弟子の為による最終試験みたいな物だ。ちゃんと、基礎さえやってさえいれば喧嘩程度は何とかなる」
「基礎ね……俺は我流でしかやってこなかったからな。ちゃんとした人が教えてくれた訳じゃねぇから、羨ましいくらいだぜ」
「羨ましいか? 失敗すると殴られるし、怒鳴られるし、一回だけ十円ハゲできそうなぐらいストレス溜まることあったし……あんまり良い物じゃねぇぞ?」
「あの性格だと、あながち嘘ではなさそうだ」
すると雅の罵詈雑言を隣で聞き流しながら、暇になった南雲が会話に入る。
「マジかよ」
「あぁ、ジャーマンで俺は倒された。アレで元覇気使いでも、体力だけは鍛えてきたんだろうな」
「あの見た目で、もう五十らしいぜ。あの格好はコロンボに憧れて真似してるらしい。たまに聖職者になるのは、癖で祈る時に着るらしい」
「そういえば神崎達が信仰してる神様って、どんな御利益があるんだ?」
純粋な疑問を修二は持ち、未だに言い続けてるいる雅へ尋ねる。
「……実は知らない。私はそこまで関与していない」
「え? メイド長なのに?」
「いや、信仰するしないかは個人の自由だから無理強いはしないって、輝様、忍様、洋様、柏木さんから全員に……」
「まあ、信仰と仕事は別だもんな」
修二は歯切れの悪い雅をフォローする。
「でも、日常生活でも宗教的な話ぐらいはあるやろ?」
「……よく分からないんだ。どんな神様なのか、どんな祈り方なのかも話は出ないし……」
「神様っていうぐらいだから閻魔光の可能性が高くないか?」
「なんだろうな? 見た感じだと、閻魔さんとの関係はそんな感じゃなかった。お互いに協力関係みたいな感じだったな」
「神嫌いの忍、神と魔神のハーフである閻魔さん……この二人、まさか俺達でも想像つかない事をしでかすんじゃないのか?」
「あり得そうやな。けど、今は伊波が何をやらかすのか心配やわ」
「伊波?」
「魔界連合閻魔組若頭補佐、伊波一翔。お前よりイカれた人間だ。あまり近づかない方が身のためだ」
そこへ寝起きで重たい身体を起こしながら、四人の話を聞いていたのか、淡々と紹介をする。
「……強いのか?」
「……一般的にはな? ある格闘技の世界チャンピオンを半身不随なるまで殴り、噂では債務者が気に食わない奴なら、臓器と腕を海外に売り飛ばし、更に骨を金に変えてマニアックな連中に販売してる……もはや人間の道徳を完全に欠落させた化物だ」
「あだ名はクレイジードレッド。俺と初めて出会う前に、道端でヤクザを病院送りにしてたわ。東京では厄介者、警察からは法が適応されない鼻摘まみ者や」
「……警察ね」
ここに出会う前から警察とは、一波乱があったとは言えなくなり、品川は苦笑いするしかなかった。
「まだ目的地ちゃうで?」
目的地まで時間があると吹雪は親切心で、寝ていて良いと伝えた。
「いや、もう大丈夫だ。数分でも仮眠とれただけでも十分だ。それに時間は早いほうが良い」
すると今まで吹雪が運転していた車は、瞬時に取引先の会社へとワープしていた。
「やっぱ、闇の覇気は便利でチート性能だな」
利便性のある闇の覇気は羨ましいと思った品川だった。
「たまに寝惚けて使ったら、土の中で目覚めることがある。利便性はあるが少し不便でもある」
「アンタが土の中から、這い出てくるのを想像すると笑えてくるな」
「お前からしたら笑えるかもしれんが、俺からすれば服は汚れるし、周りから何事かと心配されて面倒だ」
「そんだけ大切にされてる事だろ? なんか苦労人みたいなイメージあったんだけど、意外と親しみやすいんだな?」
「初めてだな。誰かから親しみやすいなんて言われたのは……いつもなら恐れられたり、ご機嫌取りされたり、意味もなく称賛されたりする。俺にとっては、それが気持ち悪くて仕方なかった……お前はそのままでいてくれよ?」
「あ? 誰に向かって言ってんだ。俺は俺のままだぜ?」
「……いつか衝突するぞ。お前が望んでいなくても、その時は残酷に……」
忍は品川の方には見ず、窓ガラス越しから見える夜空へ向けて発言した。
「それって……」
「吹雪、南雲、留守番は頼んだぞ」
これ以上話していると、待ち合わせ時間に遅れる為、すぐさま切り上げて、二人へ指示を出した。
「俺は吹雪みたいに、部下になった覚えはないんだが?」
「俺も好きでなった訳じゃねぇよ」
南雲が文句垂れ出し、吹雪も機嫌が悪くなる寸前だったので……
「天才である南雲と有能な吹雪の海道コンビに任せてるんだ。お前等がチンピラごときに負ける訳ないと思っているから、信頼してから頼むんだ」
「「……そう言われたら仕方ねぇよな! よし、この海道コンビに任せろ!」」
息の合った返事で忍の命令を了承した。
(こうもよく簡単に嘘つけるよな?)
忍からしたら、二人は天才でも有能から程遠いぐらい力不足なのに、士気向上の為に淡々と嘘をつくのが、品川にしたら残酷だなと思った。
「それじゃあ頼むぞ」
忍は雅と品川を連れて、ビルの中へ侵入したのだ。
「お前、あの嘘は残酷じゃねぇのか?」
「嘘つかないとアイツ等は命令聞かないだろ? それに全て嘘というわけじゃない。半分ぐらいは真実を言っている」
「それは一般人基準だろ、お前基準だったら……」
「お前は偏見で物を見るタイプなんだな……この五年で強くなったのは、お前だけじゃない。吹雪は頭を使うようになった。南雲は技術開発で戦術を上げた。全て……お前に追い付くためだ」
「はあ?」
「お前が俺を目指すように、アイツ等もお前に追い付きたいと、思ったから強くなる。強者っていうのは、そういう目標になる。お前もうかうかしてられないな?」
忍は優しく品川の右肩を触れ、自分なりの励ましを与えた。
「……」
そして品川は焦る。このままでは忍に近づけない上、周囲から追い抜かれる心の余裕が少しずつ削られていった。
(品川には酷なことをしたな。焦る心が出てくるが、ここは経験してもらおう……お前以上に強い奴はゴロゴロと出てくる。その右腕だけで勝てる程、世界は広く甘くない……強くなれ品川)
そして三人はエレベーターへ乗車し、取引先の相手へと出会うのだ。
ワゴン車の後部座席で爆睡する忍を運転手以外の全員は興味深く見ていた。
「スゲェな。マネージャー兼プロデューサーまでやりきってるから、過労死してもおかしくねぇのに……」
「まあな。俺がボディーガード以外何もできねぇから、負担はデカイ。感謝しかねぇぜ、神崎忍には……」
助手席に座る品川がポツリと呟き、それを吹雪が反応し返答する。
「貴様が、少しでも会計できたなら負担は減る」
「へいへい。アンタも相変わらず俺に対する悪態が止まりませんな」
「ほうそうか。そんなに罵詈雑言が欲しければくれてやろう……ろくでなし、サボり魔、遅刻魔、無能、頭悪い、ボンクラ……」
尽きることのない雅の暴言を三人は聞き流していた。
「この半年間なにしてた?」
「結構、色々させられてた。給料はええけど、スゲェしんどい」
「原因がコレだと思うと大変だよな……」
まだ言い続けてる雅を見て、品川は吹雪に同乗する。
「お前の方も大変だったらしいな」
「あぁ、いきなり弟子はできる。いきなり師匠は来る。刑事さんに目を付けられたり、『アトラス財団』には勧誘されて、ボコボコにされたり……疲れるぜ」
「……お前がボコボコにされた? 完全に手ぇ抜いたやろ。色んな奴と戦ってきて、それに悪魔にも勝ってんねんで? 手加減してるしか考えられへん」
「バレてたか……まあ、弟子の為による最終試験みたいな物だ。ちゃんと、基礎さえやってさえいれば喧嘩程度は何とかなる」
「基礎ね……俺は我流でしかやってこなかったからな。ちゃんとした人が教えてくれた訳じゃねぇから、羨ましいくらいだぜ」
「羨ましいか? 失敗すると殴られるし、怒鳴られるし、一回だけ十円ハゲできそうなぐらいストレス溜まることあったし……あんまり良い物じゃねぇぞ?」
「あの性格だと、あながち嘘ではなさそうだ」
すると雅の罵詈雑言を隣で聞き流しながら、暇になった南雲が会話に入る。
「マジかよ」
「あぁ、ジャーマンで俺は倒された。アレで元覇気使いでも、体力だけは鍛えてきたんだろうな」
「あの見た目で、もう五十らしいぜ。あの格好はコロンボに憧れて真似してるらしい。たまに聖職者になるのは、癖で祈る時に着るらしい」
「そういえば神崎達が信仰してる神様って、どんな御利益があるんだ?」
純粋な疑問を修二は持ち、未だに言い続けてるいる雅へ尋ねる。
「……実は知らない。私はそこまで関与していない」
「え? メイド長なのに?」
「いや、信仰するしないかは個人の自由だから無理強いはしないって、輝様、忍様、洋様、柏木さんから全員に……」
「まあ、信仰と仕事は別だもんな」
修二は歯切れの悪い雅をフォローする。
「でも、日常生活でも宗教的な話ぐらいはあるやろ?」
「……よく分からないんだ。どんな神様なのか、どんな祈り方なのかも話は出ないし……」
「神様っていうぐらいだから閻魔光の可能性が高くないか?」
「なんだろうな? 見た感じだと、閻魔さんとの関係はそんな感じゃなかった。お互いに協力関係みたいな感じだったな」
「神嫌いの忍、神と魔神のハーフである閻魔さん……この二人、まさか俺達でも想像つかない事をしでかすんじゃないのか?」
「あり得そうやな。けど、今は伊波が何をやらかすのか心配やわ」
「伊波?」
「魔界連合閻魔組若頭補佐、伊波一翔。お前よりイカれた人間だ。あまり近づかない方が身のためだ」
そこへ寝起きで重たい身体を起こしながら、四人の話を聞いていたのか、淡々と紹介をする。
「……強いのか?」
「……一般的にはな? ある格闘技の世界チャンピオンを半身不随なるまで殴り、噂では債務者が気に食わない奴なら、臓器と腕を海外に売り飛ばし、更に骨を金に変えてマニアックな連中に販売してる……もはや人間の道徳を完全に欠落させた化物だ」
「あだ名はクレイジードレッド。俺と初めて出会う前に、道端でヤクザを病院送りにしてたわ。東京では厄介者、警察からは法が適応されない鼻摘まみ者や」
「……警察ね」
ここに出会う前から警察とは、一波乱があったとは言えなくなり、品川は苦笑いするしかなかった。
「まだ目的地ちゃうで?」
目的地まで時間があると吹雪は親切心で、寝ていて良いと伝えた。
「いや、もう大丈夫だ。数分でも仮眠とれただけでも十分だ。それに時間は早いほうが良い」
すると今まで吹雪が運転していた車は、瞬時に取引先の会社へとワープしていた。
「やっぱ、闇の覇気は便利でチート性能だな」
利便性のある闇の覇気は羨ましいと思った品川だった。
「たまに寝惚けて使ったら、土の中で目覚めることがある。利便性はあるが少し不便でもある」
「アンタが土の中から、這い出てくるのを想像すると笑えてくるな」
「お前からしたら笑えるかもしれんが、俺からすれば服は汚れるし、周りから何事かと心配されて面倒だ」
「そんだけ大切にされてる事だろ? なんか苦労人みたいなイメージあったんだけど、意外と親しみやすいんだな?」
「初めてだな。誰かから親しみやすいなんて言われたのは……いつもなら恐れられたり、ご機嫌取りされたり、意味もなく称賛されたりする。俺にとっては、それが気持ち悪くて仕方なかった……お前はそのままでいてくれよ?」
「あ? 誰に向かって言ってんだ。俺は俺のままだぜ?」
「……いつか衝突するぞ。お前が望んでいなくても、その時は残酷に……」
忍は品川の方には見ず、窓ガラス越しから見える夜空へ向けて発言した。
「それって……」
「吹雪、南雲、留守番は頼んだぞ」
これ以上話していると、待ち合わせ時間に遅れる為、すぐさま切り上げて、二人へ指示を出した。
「俺は吹雪みたいに、部下になった覚えはないんだが?」
「俺も好きでなった訳じゃねぇよ」
南雲が文句垂れ出し、吹雪も機嫌が悪くなる寸前だったので……
「天才である南雲と有能な吹雪の海道コンビに任せてるんだ。お前等がチンピラごときに負ける訳ないと思っているから、信頼してから頼むんだ」
「「……そう言われたら仕方ねぇよな! よし、この海道コンビに任せろ!」」
息の合った返事で忍の命令を了承した。
(こうもよく簡単に嘘つけるよな?)
忍からしたら、二人は天才でも有能から程遠いぐらい力不足なのに、士気向上の為に淡々と嘘をつくのが、品川にしたら残酷だなと思った。
「それじゃあ頼むぞ」
忍は雅と品川を連れて、ビルの中へ侵入したのだ。
「お前、あの嘘は残酷じゃねぇのか?」
「嘘つかないとアイツ等は命令聞かないだろ? それに全て嘘というわけじゃない。半分ぐらいは真実を言っている」
「それは一般人基準だろ、お前基準だったら……」
「お前は偏見で物を見るタイプなんだな……この五年で強くなったのは、お前だけじゃない。吹雪は頭を使うようになった。南雲は技術開発で戦術を上げた。全て……お前に追い付くためだ」
「はあ?」
「お前が俺を目指すように、アイツ等もお前に追い付きたいと、思ったから強くなる。強者っていうのは、そういう目標になる。お前もうかうかしてられないな?」
忍は優しく品川の右肩を触れ、自分なりの励ましを与えた。
「……」
そして品川は焦る。このままでは忍に近づけない上、周囲から追い抜かれる心の余裕が少しずつ削られていった。
(品川には酷なことをしたな。焦る心が出てくるが、ここは経験してもらおう……お前以上に強い奴はゴロゴロと出てくる。その右腕だけで勝てる程、世界は広く甘くない……強くなれ品川)
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