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第3章 東と西 赤の書編。
第98話 足立区戦争。
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「追加注文で柿の種、ピスタチオ、ドライマティーニ…チーズちくわ、たこ酢、もろきゅうをください」
ジントニックを飲んだ後、小腹が空いたので他に色々と注文していた。酒も少し含ませて料理を楽しんでいた。
それも渋い物ばかり…
「君、若いのに親父クサイ物ばかり頼むんだね?」
「結構、好きなんですよ。中学の時…知り合いのオッサンに嫌というほど食べさせられたんで…」
うっかりと桐崎の事を口から出しかけた。が、なんとか知り合いのオッサンという話で乗り切った。
「そうなんだ…あ! そう言う人、前にいたよ。君と一緒の背格好で、最初にジントニックを頼んで、その後一緒の注文してたよ。凄い、運命を感じるね」
「へぇ~どんな人?」
マスターの言う人物が気になり、修二はジントニックを飲みながら尋ねた。
「えっとね…眼鏡掛けて、君みたいにガッチリした身体で、インテリっぽい人だったね。これ以上はプライバシーだから言えないけど…」
「いや、ありがとう。面白い運命的な話だったよ」
引き続きジントニックを黙々と飲み続けながら、運命的な話に密かにと感銘を受けていた。
すると修二は思い出したかの様にマスターへ相構えて例の件を尋ねる。
「…後、マスター。この周辺でギャング集団とかいなかったりする?」
「ギャング? 何? また足立区、治安が悪くなったの?」
マスターは何も知らない素の様子だった。
その反応に修二は少し拍子抜けし、笑っていた。
「いや、気にしないでくれ。ちょっと怖いもの見たさで尋ねただけだ」
これ以上ややこしい事なる前に修二は誤魔化した。
「ふ~ん、お客さんだから言っておくけど、あんまり深い闇には立ち入らない方がいいよ? 他の所でヤクザが死んでるっていう話だしね」
「そうなの?」
魔界連合と忍が関わっているかもしれないので、それも視野に入れながら修二はそれとない雰囲気で聞き出す。
「ニュースだと仲間割れみたいけど、常連さんから変死だと言う噂があるみたいだよ?」
「変死?」
「上半身だけ金にコーティングされたり、頭蓋骨だけ綺麗に粉砕されてから、金にコーティングされたりする話だよ。それも純金、売れば数万はするほど…」
「奇妙な話だな。まあ噂だから気にする必要もねぇか…」
あの人達ならやりかねないと思いはした。が、ここは先入観は捨て、直接会って尋ねると考え修二は話を切り上げようとした。
「お待たせしました。ドライマティーニです」
暫くしてから注文したドライマティーニがやってきたのだ。
「ありがとう」
一言マスターへ礼を述べて、ドライマティーニを一気に飲み干した。
「やっぱ美味いな酒は…」
修二は酒と煙草を同時に楽しみ、このまま営業終わりを待とうとしていた。
「ちょっと放してよ!」
その怒号に修二は手に持っていた二杯目のジントニックを飲まず。その場で静止し、横目で原因を探った。
「良いじゃん、少しぐらい付き合ってくれてもよ~?」
暗がりの場所で激しく揉める声が響いた。それは男女四人の言い争いだった。
酔っ払ったチンピラ男三人と素面の女一人という圧倒的にしつこいナンパで揉めてる様子だった。
「少し話を聞きたかっただけよ。それについて知らないなら、コレ以上付き合う必要なんてないわ!」
「そんなこと言わないでさ。一緒に飲んで踊ろうよ? お姉さん、どうせ一人でしょ? だったら俺達と楽しいことしようよ?」
「しつこいですよ。コレ以上しつこいと警察に…」
女性が最終手段として警察を呼ぼうとした。が、一人の男に口を抑えつけられて騒げなくされたのだ。
「おい、こっちだ!」
慣れた動きで三人は女性を拐い裏口から出て行った。
「はい、お待たせ…アレ? お客さん?」
振り向いたマスターは修二が大量に注文していたツマミを用意した。が、そこに修二はいなくなっていた。
代わりに注文したツマミの代金だけ置いてあった。
連れ拐われた女性は身体を大きく揺らしながら抵抗していた。が、多勢に無勢で抵抗も空しかった。
男達は近くに駐車していた黒いバンに女性を乗せようとした。が、一人の男は突如と首根っこを捕まれ、暗がりへと引っ張られ消えた。
残った二人が女性を拘束しながら、恐る恐る背後へと振り向いた。
「女、拉致る前に思考がヤベェ、酔っぱらいがクラブにいねぇか確認するもんだぜ?」
すると暗闇から二人の間に、バンへ向かって何か通り、猛烈な衝撃音が響いた。
二人は正面へ向き直り、バンを確認した。そして驚愕と畏怖に支配された。
そこには血みどろで、四肢が明日の方向へ向かって折れ、それでも辛うじて生きてる状態の男がいたのだ。
「…その人を放して、さっさと消えるならコレ以上は何もしねぇよ」
暗がりから険しい表情で修二が姿を現し、残った二人へ警告していた。
「赤髪、中分け、屈強な男…リーダーが話してた通り全部合ってる…」
一人の男がポツリと修二の特徴を呟いた。
その瞬間、修二の表情は険しい表情から一変し、狂喜な歓喜の表情を浮かべていた。
「あ~良かった。これなら東京に来た甲斐もあれば…酒飲んで気分よく大阪には帰れそうだな?」
その動きは一瞬だった。二人へと早足で近づき、先ず拘束されている女性を右片手で掴み救った。
(え? 誰っ!?)
女性は手荒で急な救助に困惑していた。が、そんな事はお構い無しに修二は暴れた。
修二は右ストレートで気絶させてから話を聞こうという、いつも通りの手段で出た。
「うぐっ!」
そんな強い攻撃は通ることなかった。逆に修二が鼻にダメージを受けて驚き動揺していた。
「な、なんだよ。リーダーをデコピン一発で倒したって聞いたから、てっきり化物かと思ってたぜ。でも、パンチ一発で動揺してるから大したことねぇな!」
弱くなった修二の様子を見て、チンピラは歓喜の表情を浮かべて調子に乗っていた。
(思ったより、力が出ねぇ…師匠の祝福の力か。だったら昔ながらに喧嘩してみるか)
自分が弱体化した原因を探り、なんとか判明する。
ここで祝福の効果は現れてほしくなかったが、文句も言ってられないので、取り敢えず戦う事に専念する。
チンピラ二人は尻ポケットから仕込み棒を取り出し、修二へと一心不乱に突進していく。
修二は前へと現れたチンピラ一人を右前蹴りで距離から離し、もう一人のチンピラは仕込み棒を振りかぶった所で左カウンターを放った。
あくまで弱体化しているので一発では仕留められなかった。が、ある程度のダメージは与えれた。
「この…野郎!」
一人激情したチンピラが仕込み棒を捨て、拳銃を取り出し修二へ向けた。もう一人も同じく拳銃を向けた。
「……」
ただ拳銃を向けられて茫然とするしかない修二。
「くたばれ!」
チンピラ二人は本当に感情だけで修二へ発砲したのだ。
そんな危機的な状況にも関わらず、修二は冷静にも右手を翳した。それも無意識だった。
特に理由もなければ策がある訳でもなかった。ただ、右手が自然と勝手に動いて『太陽の覇気』を使ったのだ。
(右手が勝手に!)
右手が勝手に使った『太陽』で弾は空中で融解し、力無くポロポロと落ちた。
「お、おい見たか?」
「に、逃げよう化物だ!」
目前で非現実的な出来事に恐れをなして、瀕死の仲間をバンへ乗せて、逃げ去った。
「あ! クソッ! …まあいい」
しょうがないと修二は諦め、誘拐されそうになった女性の安否確認をするため振り向いた。
「大丈夫か?」
「…えぇ。私は大丈夫…それより貴方は怪我とかない?」
「鼻を殴られた程度だ。これならすぐに治る」
互いに安否確認をした。すると女性は安堵した表情となった。が、突如と修二の胸ぐらを強く掴んだ。
「そう良かったわ…それより、貴方! なんで、あんな無謀な事したんですか! 相手は拳銃構えているのに、私なんて置いて逃げれば良かったんです!」
そして凄い剣幕な表情で、先程の出来事に対してご立腹の様子だ。
「え? えぇ…?」
流石に百戦錬磨の修二も困惑し、状況が飲み込めなかった。
「申し遅れました。私、警視庁警視第一課所属、桜草一華です。貴方を決闘罪及び、暴行で逮捕します」
一難去ってまた一難という修二の不運な始まりだった。
ジントニックを飲んだ後、小腹が空いたので他に色々と注文していた。酒も少し含ませて料理を楽しんでいた。
それも渋い物ばかり…
「君、若いのに親父クサイ物ばかり頼むんだね?」
「結構、好きなんですよ。中学の時…知り合いのオッサンに嫌というほど食べさせられたんで…」
うっかりと桐崎の事を口から出しかけた。が、なんとか知り合いのオッサンという話で乗り切った。
「そうなんだ…あ! そう言う人、前にいたよ。君と一緒の背格好で、最初にジントニックを頼んで、その後一緒の注文してたよ。凄い、運命を感じるね」
「へぇ~どんな人?」
マスターの言う人物が気になり、修二はジントニックを飲みながら尋ねた。
「えっとね…眼鏡掛けて、君みたいにガッチリした身体で、インテリっぽい人だったね。これ以上はプライバシーだから言えないけど…」
「いや、ありがとう。面白い運命的な話だったよ」
引き続きジントニックを黙々と飲み続けながら、運命的な話に密かにと感銘を受けていた。
すると修二は思い出したかの様にマスターへ相構えて例の件を尋ねる。
「…後、マスター。この周辺でギャング集団とかいなかったりする?」
「ギャング? 何? また足立区、治安が悪くなったの?」
マスターは何も知らない素の様子だった。
その反応に修二は少し拍子抜けし、笑っていた。
「いや、気にしないでくれ。ちょっと怖いもの見たさで尋ねただけだ」
これ以上ややこしい事なる前に修二は誤魔化した。
「ふ~ん、お客さんだから言っておくけど、あんまり深い闇には立ち入らない方がいいよ? 他の所でヤクザが死んでるっていう話だしね」
「そうなの?」
魔界連合と忍が関わっているかもしれないので、それも視野に入れながら修二はそれとない雰囲気で聞き出す。
「ニュースだと仲間割れみたいけど、常連さんから変死だと言う噂があるみたいだよ?」
「変死?」
「上半身だけ金にコーティングされたり、頭蓋骨だけ綺麗に粉砕されてから、金にコーティングされたりする話だよ。それも純金、売れば数万はするほど…」
「奇妙な話だな。まあ噂だから気にする必要もねぇか…」
あの人達ならやりかねないと思いはした。が、ここは先入観は捨て、直接会って尋ねると考え修二は話を切り上げようとした。
「お待たせしました。ドライマティーニです」
暫くしてから注文したドライマティーニがやってきたのだ。
「ありがとう」
一言マスターへ礼を述べて、ドライマティーニを一気に飲み干した。
「やっぱ美味いな酒は…」
修二は酒と煙草を同時に楽しみ、このまま営業終わりを待とうとしていた。
「ちょっと放してよ!」
その怒号に修二は手に持っていた二杯目のジントニックを飲まず。その場で静止し、横目で原因を探った。
「良いじゃん、少しぐらい付き合ってくれてもよ~?」
暗がりの場所で激しく揉める声が響いた。それは男女四人の言い争いだった。
酔っ払ったチンピラ男三人と素面の女一人という圧倒的にしつこいナンパで揉めてる様子だった。
「少し話を聞きたかっただけよ。それについて知らないなら、コレ以上付き合う必要なんてないわ!」
「そんなこと言わないでさ。一緒に飲んで踊ろうよ? お姉さん、どうせ一人でしょ? だったら俺達と楽しいことしようよ?」
「しつこいですよ。コレ以上しつこいと警察に…」
女性が最終手段として警察を呼ぼうとした。が、一人の男に口を抑えつけられて騒げなくされたのだ。
「おい、こっちだ!」
慣れた動きで三人は女性を拐い裏口から出て行った。
「はい、お待たせ…アレ? お客さん?」
振り向いたマスターは修二が大量に注文していたツマミを用意した。が、そこに修二はいなくなっていた。
代わりに注文したツマミの代金だけ置いてあった。
連れ拐われた女性は身体を大きく揺らしながら抵抗していた。が、多勢に無勢で抵抗も空しかった。
男達は近くに駐車していた黒いバンに女性を乗せようとした。が、一人の男は突如と首根っこを捕まれ、暗がりへと引っ張られ消えた。
残った二人が女性を拘束しながら、恐る恐る背後へと振り向いた。
「女、拉致る前に思考がヤベェ、酔っぱらいがクラブにいねぇか確認するもんだぜ?」
すると暗闇から二人の間に、バンへ向かって何か通り、猛烈な衝撃音が響いた。
二人は正面へ向き直り、バンを確認した。そして驚愕と畏怖に支配された。
そこには血みどろで、四肢が明日の方向へ向かって折れ、それでも辛うじて生きてる状態の男がいたのだ。
「…その人を放して、さっさと消えるならコレ以上は何もしねぇよ」
暗がりから険しい表情で修二が姿を現し、残った二人へ警告していた。
「赤髪、中分け、屈強な男…リーダーが話してた通り全部合ってる…」
一人の男がポツリと修二の特徴を呟いた。
その瞬間、修二の表情は険しい表情から一変し、狂喜な歓喜の表情を浮かべていた。
「あ~良かった。これなら東京に来た甲斐もあれば…酒飲んで気分よく大阪には帰れそうだな?」
その動きは一瞬だった。二人へと早足で近づき、先ず拘束されている女性を右片手で掴み救った。
(え? 誰っ!?)
女性は手荒で急な救助に困惑していた。が、そんな事はお構い無しに修二は暴れた。
修二は右ストレートで気絶させてから話を聞こうという、いつも通りの手段で出た。
「うぐっ!」
そんな強い攻撃は通ることなかった。逆に修二が鼻にダメージを受けて驚き動揺していた。
「な、なんだよ。リーダーをデコピン一発で倒したって聞いたから、てっきり化物かと思ってたぜ。でも、パンチ一発で動揺してるから大したことねぇな!」
弱くなった修二の様子を見て、チンピラは歓喜の表情を浮かべて調子に乗っていた。
(思ったより、力が出ねぇ…師匠の祝福の力か。だったら昔ながらに喧嘩してみるか)
自分が弱体化した原因を探り、なんとか判明する。
ここで祝福の効果は現れてほしくなかったが、文句も言ってられないので、取り敢えず戦う事に専念する。
チンピラ二人は尻ポケットから仕込み棒を取り出し、修二へと一心不乱に突進していく。
修二は前へと現れたチンピラ一人を右前蹴りで距離から離し、もう一人のチンピラは仕込み棒を振りかぶった所で左カウンターを放った。
あくまで弱体化しているので一発では仕留められなかった。が、ある程度のダメージは与えれた。
「この…野郎!」
一人激情したチンピラが仕込み棒を捨て、拳銃を取り出し修二へ向けた。もう一人も同じく拳銃を向けた。
「……」
ただ拳銃を向けられて茫然とするしかない修二。
「くたばれ!」
チンピラ二人は本当に感情だけで修二へ発砲したのだ。
そんな危機的な状況にも関わらず、修二は冷静にも右手を翳した。それも無意識だった。
特に理由もなければ策がある訳でもなかった。ただ、右手が自然と勝手に動いて『太陽の覇気』を使ったのだ。
(右手が勝手に!)
右手が勝手に使った『太陽』で弾は空中で融解し、力無くポロポロと落ちた。
「お、おい見たか?」
「に、逃げよう化物だ!」
目前で非現実的な出来事に恐れをなして、瀕死の仲間をバンへ乗せて、逃げ去った。
「あ! クソッ! …まあいい」
しょうがないと修二は諦め、誘拐されそうになった女性の安否確認をするため振り向いた。
「大丈夫か?」
「…えぇ。私は大丈夫…それより貴方は怪我とかない?」
「鼻を殴られた程度だ。これならすぐに治る」
互いに安否確認をした。すると女性は安堵した表情となった。が、突如と修二の胸ぐらを強く掴んだ。
「そう良かったわ…それより、貴方! なんで、あんな無謀な事したんですか! 相手は拳銃構えているのに、私なんて置いて逃げれば良かったんです!」
そして凄い剣幕な表情で、先程の出来事に対してご立腹の様子だ。
「え? えぇ…?」
流石に百戦錬磨の修二も困惑し、状況が飲み込めなかった。
「申し遅れました。私、警視庁警視第一課所属、桜草一華です。貴方を決闘罪及び、暴行で逮捕します」
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