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第2章 魔導使い襲来。
第81話 決まる目的。
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「お疲れ様。」
少し疲労気味な修二の労を輝は優しく労ったのだ。
「いえ、アイツ等事態は大したことなかったです。戦闘も素人だったので厳重に警戒する程じゃなかったです。」
修二は先程の戦闘を分析し、東京のギャング集団は恐れることはないと、言い切ったのだ。
それは今の戦闘で、修二は殆ど本気を出さず、『覇気』も使っていなかったので、個人的にはそう思ったのだ。
「…やっぱり『覇気使い』だった?」
「…えぇ、久し振りの『覇気使い』でした。それも『土の覇気使い』。わざわざ相手から晒してくれました。」
「…君が強くなったのか、それとも君が閻魔さんに近づいたのか分からないけど、強くなったね。」
「そうですか? 俺はそうは思わないんですけどね…それにしても、あのスゲェ威力の技はなんですか?」
「アレは僕じゃないよ。」
「俺だよボケ。」
南雲は柏木と何処かへ行っていたのか、大量に発汗させ、肩で息を繰り返して戻って来たのだ。
「アレが、お前の秘策か?」
「まあな、レールガンを真似てみた物だ。筒と発射する奴がいれば、相手をビビらすのに使える。」
「ビビらすのに、あんな火力は必要ねぇよ。もっとスマートにプラズマ銃とかで、適当な場所でも当てて消し炭にするぞって、脅してやればいいじゃん。」
「あのな? こんな短時間で複雑で時間掛かる物ができると思ってんのか? ウロボロスに頭殴られた所為で、現実と空想の区別がついてねぇんじゃねぇのか?」
修二の意見に対し、気にいらなかったのか南雲が、キレ気味で反発する。その事が原因で、互いに額を付けて、凄い剣幕な表情で睨み合う。
「何時も通りになったね。」
二人が何時もの犬猿の仲となった事で、輝は一安心し、柏木へ微笑みかけた。
「えぇ、あの二人はアレが通常ですね。」
輝と柏木は二人の何時もと変わらない、喧嘩を微笑みながら眺めていた。
「それよりも、あの連中が何処から来たか分かった?」
喧嘩中に輝は割って入って、修二へ質問をしていた。
輝から質問され、何時までもやってるのは失礼なので、互いは額を外し、修二は真面目な表情で報告する。
「相手が相手なので、ベラベラ喋りませんでしたが、東京から来たと聞きました。」
東京という単語を聞いて、頭痛が襲い輝は深くタメ息ついていた。
「…東京か。なんだろうね? 誰かさんが暴れて住所教えたじゃなきゃいいけど…。」
そんな言葉に全員の頭には、自分勝手サングラスコーンロウが思い浮かんだのだ。
「しょうがないよねーーって言って許されると思ってんのか、あのボケッ!」
確信ではないが、一応アイツが仕業だと分かった場合の時に添えて、我慢できないと思い、今のうちにキレておく輝だった。
「…それで今度は魔界から東京ですか?」
修二はとばっちりが来ない様に、大きいコンクリート片を拾い上げ、盾としていた。
そんな修二の背後へコッソリと素早く真顔で隠れたのは、柏木と南雲だった。そして脇から顔を覗かせていた。
「今回は相手が悪魔じゃないから楽かもしれない…けど、『覇気使い』なんだよね。」
輝は深刻な面持ちで、東京から襲来してきた『覇気使い』の事を考えていた。
「…気がかりなのは、なんでギャング集団が人を簡単に殺傷できるバズーカを持ってたのかだ ね。」
「…東京で流行ってんじゃいんですか? よくザバゲーとか銃使ってる奴を見かけますし。」
修二は顎に手を当て、よく考えたかと思えばザバゲーと一緒にして返答したのだ。
そんなふざけた返答に対し、輝が許してくれるかと南雲と柏木の二人は心配していた。
「何その無法地帯なザバゲー。絶対に死人が出て終わりだよ。」
意外にも怒らず、冷静に修二のボケを突っ込んでいく。
内心、二人は何時爆発しないか分からない、輝を警戒しながら話を頑張って聞いていく。
「…じゃあ、例えばの話です。たまたまヤーさんが密輸してた武器が、偶然にもギャング集団が手にして、俺達に襲撃したとかは?」
「それじゃあ僕等に喧嘩を売る意味が分からない。前者が当たっても後者が引っ掛かる。」
「……おい、キモロンゲ。お前も意見出せよ、俺ばっか喋らせるんじゃなくてよ。」
背後でコソコソ隠れる南雲に対し、修二は痺れを切らして意見を求めた。
「…ここ最近、恨みを持たれた事はありませんか?」
「兄さんって考えたけど、皆も分かる様に兄さんが、先ずあんな三下を相手にして、更に住所までさらけ出す愚か者じゃないって事は知ってるから無しだね。僕は暫くは海道から出ていない、君達は何時も通りに仕事している。これ以上の事はないね。」
推理しても行き当たりバッタリとなり、なかなか進行しなかった。
「…輝さん、この行為に何か意味があるとしたら?」
重い口を開いたのは修二だった。
「と言うと?」
「相手が上手だとして考えましょう。昔から神崎に恨みがあって、更に武器を日本国に密輸ができる人間が、アイツ等を送り…喧嘩という宣戦布告してきたっていうのが妥当じゃないかと思います。それも警察官と一般人からバレずに海道まで持ち込むぐらいに詳しい奴が。」
「…柏木さん、心当たりとかあります?」
「…いえ、悪魔になら数え切れないほど恨みを持たれていますが、そんな化物みたいな経済力と政界を揺るがす人物とは無縁です。我々は昔から普通の宗教を貫き通しております。」
チェーンソーを持って、悪魔をバッタバッタ倒す普通の神父はいない。というツッコミはせずに皆は深く考える。
「…考えても答えは出ねぇな。」
流石にお手上げ状態となり、南雲が諦めたという雰囲気だった。
「さっきの彼等から、もう少し話を聞いておけば良かったね。それなら幾らでも対策しようがあったのに…。」
「なら、こっちから出向いてやりますか? あっちからの挨拶を俺等は返してねぇし、次いでに神崎忍も見つけて一発ぶん殴ってやれば良いんですよ。」
最初から、そう言うつもりで話してた癖にと、内心呆れながらも南雲は思っていた。が、珍しく修二の案に南雲は便乗するつもりだった。
「…それは駄目だよ。」
だが、それは冷静に低い声で輝が強く静止したのだ。
「え? 普段なら許してくれてるのに?」
「…相手が普段の『覇気使い』なら構わないよ。それは自業自得で終わるから…問題は、何時も以上に自由ができないって事だよ。」
輝の手が震えている事を目撃し、何かを察した様子の修二だった。
「…『魔界連合』が絡んでくるんですね。」
それは強敵ウロボロスを血シミにした無敵の悪魔、閻魔光が率いる『魔界連合』を思い出したのだ。
「そう。そして東京の極道は全て『魔界連合』によって支配されて、商売ができてる状態だ。それで赤の他人の僕達が進行し勝手に暴れたとなったら…。」
「『魔界連合』かヤーさんが黙っちゃいられないとなる。」
「そうなったら僕達もケジメを取らされて、東京湾に沈められるか、ウロボロスみたいに壁と同化させられるかもね。」
そして真剣に考えた結果、輝は立ち上がり二人を無視して扉へと向かって行った。
「…どうするんですか、輝さん? このまま馬鹿にされて黙って、再び襲撃されるのを待つのですか?」
輝から返答が出なかった事が気に食わず、修二は強めな態度で尋ねた。
「…そうだよ。ここは『魔界連合』に気を使って、受け身に取るよ。もし君が勝手に東京に向かうならーーその時は神崎法律事務所から退職扱いさせてもらうよ。」
輝は受け身を取ると宣言し、もし修二が勝手な事をするならば、弁護士としての仕事を奪うと発言したのだ。
そんな煮え切らない答えで、モヤモヤする雰囲気の中で輝は勝手ながら退室した。
「今回は輝が当たってるぜ。今日はもう…おい、聞いてんのか?」
南雲は話しかけても応答しない修二に痺れを切らし、右手で左肩を掴み振り向かせた。
そして掴んでいた右手は震えて、瞼を限界まで開きーー恐怖に支配された。
「……。」
それは修二の目が、穏やかで優しそうな瞳じゃなく…今にも人を本気で殺しそうな、殺意の目だった。
今まで誰にも敵でさえも見せた事のない目付きが、今ここにいる南雲だけが、目の当たりしていた。
少し疲労気味な修二の労を輝は優しく労ったのだ。
「いえ、アイツ等事態は大したことなかったです。戦闘も素人だったので厳重に警戒する程じゃなかったです。」
修二は先程の戦闘を分析し、東京のギャング集団は恐れることはないと、言い切ったのだ。
それは今の戦闘で、修二は殆ど本気を出さず、『覇気』も使っていなかったので、個人的にはそう思ったのだ。
「…やっぱり『覇気使い』だった?」
「…えぇ、久し振りの『覇気使い』でした。それも『土の覇気使い』。わざわざ相手から晒してくれました。」
「…君が強くなったのか、それとも君が閻魔さんに近づいたのか分からないけど、強くなったね。」
「そうですか? 俺はそうは思わないんですけどね…それにしても、あのスゲェ威力の技はなんですか?」
「アレは僕じゃないよ。」
「俺だよボケ。」
南雲は柏木と何処かへ行っていたのか、大量に発汗させ、肩で息を繰り返して戻って来たのだ。
「アレが、お前の秘策か?」
「まあな、レールガンを真似てみた物だ。筒と発射する奴がいれば、相手をビビらすのに使える。」
「ビビらすのに、あんな火力は必要ねぇよ。もっとスマートにプラズマ銃とかで、適当な場所でも当てて消し炭にするぞって、脅してやればいいじゃん。」
「あのな? こんな短時間で複雑で時間掛かる物ができると思ってんのか? ウロボロスに頭殴られた所為で、現実と空想の区別がついてねぇんじゃねぇのか?」
修二の意見に対し、気にいらなかったのか南雲が、キレ気味で反発する。その事が原因で、互いに額を付けて、凄い剣幕な表情で睨み合う。
「何時も通りになったね。」
二人が何時もの犬猿の仲となった事で、輝は一安心し、柏木へ微笑みかけた。
「えぇ、あの二人はアレが通常ですね。」
輝と柏木は二人の何時もと変わらない、喧嘩を微笑みながら眺めていた。
「それよりも、あの連中が何処から来たか分かった?」
喧嘩中に輝は割って入って、修二へ質問をしていた。
輝から質問され、何時までもやってるのは失礼なので、互いは額を外し、修二は真面目な表情で報告する。
「相手が相手なので、ベラベラ喋りませんでしたが、東京から来たと聞きました。」
東京という単語を聞いて、頭痛が襲い輝は深くタメ息ついていた。
「…東京か。なんだろうね? 誰かさんが暴れて住所教えたじゃなきゃいいけど…。」
そんな言葉に全員の頭には、自分勝手サングラスコーンロウが思い浮かんだのだ。
「しょうがないよねーーって言って許されると思ってんのか、あのボケッ!」
確信ではないが、一応アイツが仕業だと分かった場合の時に添えて、我慢できないと思い、今のうちにキレておく輝だった。
「…それで今度は魔界から東京ですか?」
修二はとばっちりが来ない様に、大きいコンクリート片を拾い上げ、盾としていた。
そんな修二の背後へコッソリと素早く真顔で隠れたのは、柏木と南雲だった。そして脇から顔を覗かせていた。
「今回は相手が悪魔じゃないから楽かもしれない…けど、『覇気使い』なんだよね。」
輝は深刻な面持ちで、東京から襲来してきた『覇気使い』の事を考えていた。
「…気がかりなのは、なんでギャング集団が人を簡単に殺傷できるバズーカを持ってたのかだ ね。」
「…東京で流行ってんじゃいんですか? よくザバゲーとか銃使ってる奴を見かけますし。」
修二は顎に手を当て、よく考えたかと思えばザバゲーと一緒にして返答したのだ。
そんなふざけた返答に対し、輝が許してくれるかと南雲と柏木の二人は心配していた。
「何その無法地帯なザバゲー。絶対に死人が出て終わりだよ。」
意外にも怒らず、冷静に修二のボケを突っ込んでいく。
内心、二人は何時爆発しないか分からない、輝を警戒しながら話を頑張って聞いていく。
「…じゃあ、例えばの話です。たまたまヤーさんが密輸してた武器が、偶然にもギャング集団が手にして、俺達に襲撃したとかは?」
「それじゃあ僕等に喧嘩を売る意味が分からない。前者が当たっても後者が引っ掛かる。」
「……おい、キモロンゲ。お前も意見出せよ、俺ばっか喋らせるんじゃなくてよ。」
背後でコソコソ隠れる南雲に対し、修二は痺れを切らして意見を求めた。
「…ここ最近、恨みを持たれた事はありませんか?」
「兄さんって考えたけど、皆も分かる様に兄さんが、先ずあんな三下を相手にして、更に住所までさらけ出す愚か者じゃないって事は知ってるから無しだね。僕は暫くは海道から出ていない、君達は何時も通りに仕事している。これ以上の事はないね。」
推理しても行き当たりバッタリとなり、なかなか進行しなかった。
「…輝さん、この行為に何か意味があるとしたら?」
重い口を開いたのは修二だった。
「と言うと?」
「相手が上手だとして考えましょう。昔から神崎に恨みがあって、更に武器を日本国に密輸ができる人間が、アイツ等を送り…喧嘩という宣戦布告してきたっていうのが妥当じゃないかと思います。それも警察官と一般人からバレずに海道まで持ち込むぐらいに詳しい奴が。」
「…柏木さん、心当たりとかあります?」
「…いえ、悪魔になら数え切れないほど恨みを持たれていますが、そんな化物みたいな経済力と政界を揺るがす人物とは無縁です。我々は昔から普通の宗教を貫き通しております。」
チェーンソーを持って、悪魔をバッタバッタ倒す普通の神父はいない。というツッコミはせずに皆は深く考える。
「…考えても答えは出ねぇな。」
流石にお手上げ状態となり、南雲が諦めたという雰囲気だった。
「さっきの彼等から、もう少し話を聞いておけば良かったね。それなら幾らでも対策しようがあったのに…。」
「なら、こっちから出向いてやりますか? あっちからの挨拶を俺等は返してねぇし、次いでに神崎忍も見つけて一発ぶん殴ってやれば良いんですよ。」
最初から、そう言うつもりで話してた癖にと、内心呆れながらも南雲は思っていた。が、珍しく修二の案に南雲は便乗するつもりだった。
「…それは駄目だよ。」
だが、それは冷静に低い声で輝が強く静止したのだ。
「え? 普段なら許してくれてるのに?」
「…相手が普段の『覇気使い』なら構わないよ。それは自業自得で終わるから…問題は、何時も以上に自由ができないって事だよ。」
輝の手が震えている事を目撃し、何かを察した様子の修二だった。
「…『魔界連合』が絡んでくるんですね。」
それは強敵ウロボロスを血シミにした無敵の悪魔、閻魔光が率いる『魔界連合』を思い出したのだ。
「そう。そして東京の極道は全て『魔界連合』によって支配されて、商売ができてる状態だ。それで赤の他人の僕達が進行し勝手に暴れたとなったら…。」
「『魔界連合』かヤーさんが黙っちゃいられないとなる。」
「そうなったら僕達もケジメを取らされて、東京湾に沈められるか、ウロボロスみたいに壁と同化させられるかもね。」
そして真剣に考えた結果、輝は立ち上がり二人を無視して扉へと向かって行った。
「…どうするんですか、輝さん? このまま馬鹿にされて黙って、再び襲撃されるのを待つのですか?」
輝から返答が出なかった事が気に食わず、修二は強めな態度で尋ねた。
「…そうだよ。ここは『魔界連合』に気を使って、受け身に取るよ。もし君が勝手に東京に向かうならーーその時は神崎法律事務所から退職扱いさせてもらうよ。」
輝は受け身を取ると宣言し、もし修二が勝手な事をするならば、弁護士としての仕事を奪うと発言したのだ。
そんな煮え切らない答えで、モヤモヤする雰囲気の中で輝は勝手ながら退室した。
「今回は輝が当たってるぜ。今日はもう…おい、聞いてんのか?」
南雲は話しかけても応答しない修二に痺れを切らし、右手で左肩を掴み振り向かせた。
そして掴んでいた右手は震えて、瞼を限界まで開きーー恐怖に支配された。
「……。」
それは修二の目が、穏やかで優しそうな瞳じゃなく…今にも人を本気で殺しそうな、殺意の目だった。
今まで誰にも敵でさえも見せた事のない目付きが、今ここにいる南雲だけが、目の当たりしていた。
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