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第2章 魔導使い襲来。
第37話 再開の約束。
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依頼を受けていた企業訴訟は無事に勝利した。企業の不正や労働環境と劣悪な人間関係が証拠となり町工場は閉鎖され、一つのブラック企業が関西の町から消えた。
だが、そんな事よりも更に頭を抱えていた者がいたのだ。
「結局、何処にすればいいんだ?」
未だに歓迎会の場所を決めかねている修二だった。
「本人に聞いてみればどうだ?」
そんな修二を見かねたのか南雲が直接聞けばいいと提案した。
「…そうだなそうしよう。そう言えば輝さん見なかったか?」
修二は南雲の提案を受け止め、思い出したかのように話題を変えた。
「屋上で寝るって言ってた。」
「サンキュー。」
「…じゃあ仕事入ったら連絡する。」
修二は南雲に後を任せて事務所から出た隣に階段があり、屋上まで登る。
広い屋上に着くと太陽の光が照らされている中心にパラソルを置き、椅子をベッドにして、真っ昼間にグッスリと眠っている輝がいた。
「…輝さん。」
修二は真剣な面持ちで輝に近づき起こす。
「ん? 品川? どうしたの?」
輝は体を伸ばしながら目を覚まし、修二の要件を聞いた。
「神崎忍の行方は分かりましたか?」
修二が聞いたのは、五年前に突然と失踪した『最強の覇気使い』で輝の兄でもある神崎忍の話だった。
「…空港で別れて、それからだよ。フランス警察も捜索はしてるけど見つからないらしい…それに神崎の最大勢力で探しても見つからないっていうのはおかしいからね。」
「そうですか…。」
修二にしては珍しく不安な表情を浮かべていた。それを見た輝は微笑み励ます。
「大丈夫だよ。兄さんは性格はアレでも『闇の覇気使い』だから負ける事はないと思うし、死とは程遠いみたいな人だからね。」
「…分かりました。それと俺、これから友人と会って来ます。」
「分かった。後の仕事はやっておくから行っておいで。」
修二は前向きに考え、一旦は忍の事を忘れようとした。元気よく会社を早退したのだ。
「…また言いそびれた。仕方ないな僕も…」
輝は修二に『太陽の覇気』を教えようとしたが、言いそびれ、次回に教えるという事で諦め、再びグッスリと眠った。
場所は海道スーパーマーケットエリアに変わった。スーパーマーケットは毎日、人々がごった返して賑わっていた。
エレベーター近くにある公衆電話の下でうんこ座りして、煙草を吸い、黄昏ていた。
「あー遅いな。吹雪の奴…。」
どうやら修二は吹雪を待っていたらしく時間を潰そうと喫煙所を探していたが、見つからず隠れて喫煙していたのだ。
「おい、オッサン!」
そこに不良の二人が修二を睨み付け囲んでいた。
「……。」
「ここは喫煙所じゃねぇぞ。黙ってほしければ有り金置いて行けや。」
「後からボコってサツに突き出していいんだぜ?」
二人の不良は修二を脅してカツアゲしようとしていたのだ。
反応しない修二に限界が達したのか不良の一人が修二の胸ぐらを掴んだ。
「ブルちゃって声が出ねぇってか!?」
「早く金を出した方が…。」
不良が言い終わる前に修二は右拳で公衆電話を殴る。公衆電話は見事に綺麗な穴を作り、修二は右手に膂力を込め内部にあった配線を外まで引っ張り、引き千切る。
二人の不良は目が点となり口が開き唖然とし、恐怖の冷や汗が溢れ出た。
「問題です。今から、ぶち殺されるのはどっちでしょう? 一、スーパーマーケットで違反をして絡まれた余裕の俺。二、実力を知らずに運悪くチンピラに喧嘩を売った可哀想な不良の二人組。さあ、どっちでしょう?」
修二はニコニコと笑いながら握りしめ引き千切った配線を二人の不良に見せつける。
(品川の奴、何処にいんだろうな…何やってんのアイツ…。)
忍を意識してなのか耳にピアス、黒いインナーシャツ、黒いジーンズ、黒いスニーカーを黒ずくめになった吹雪が修二を見て驚愕していた。
「おう、吹雪! 君たち、これからは気をつけるのだぞ。」
修二は二人の不良をボコボコに、吹雪を見つけて歓喜の表情で走り近づいた。
二人の不良は魂が抜けた脱け殻のように呆然とし倒れた。
「今のご時世、法律とか厳しいんだぞ? それに法律を守る立場のお前が暴力とか…。」
「アレはノーカンだ。あんなの遊びぐらいだぜ。」
「遊びで鼻血なんて出てたまるか! …まあ、久し振りだな品川。」
「あぁ、久し振り吹雪。」
修二と吹雪は久し振りの再開としてグータッチで友の挨拶を交わしていた。
「相川の奴は?」
挨拶を終えると吹雪は思い出したかのように相川の詳細を聞いた。
「あぁ、アイツは少し遅れるってよ。先に喫茶店で待ってようぜ。」
どうやら相川は遅れるらしく、修二は喫茶店で吹雪と一緒に時間を潰そうとした。
「別に構わねぇぜ。そんな事より彼女とか出来たのかよ?」
「出来る訳ねぇだろ!」
「マジかよ! 弁護士なら給料いいのに。」
「まあ、そんな金銭の話とかいいじゃねぇか。それより、そっちの仕事はどうなんだよ?」
「…仕事って、俺まだ大学生なんだけど…。」
「そうだっけ?」
「テメェ、頭は学生時代のままか?」
「ちょっとボケただけだよ。」
修二と吹雪は歩幅を合わせて下らない雑談をしながら楽しんでいた。
喫茶店に着き、修二は喫煙席を選択し、二つのアイスコーヒーを注目して相川を待つ事にした。
「…品川、神崎忍の行方は分かったのか?」
「…まだ見つかってねぇ。」
「そうか…俺も驚いた。アイツが輝さんに何も言わず消えるなんてよ。」
「輝さんは心配すんなって言ってたからよ…俺達は普段通りにしてアイツを出迎えるだけだ。そして五年前の決着をつける。」
「そう言えば『覇気』を失っているんだったよな? どうすんだ、アイツは『光系統の覇気』でしかダメージを与えられないんだぞ?」
修二は吹雪の核心を突いた言葉に、口を絞り、何も考えていなかったと言う困惑した顔になって沈黙してしまった。
「つまりプランは無しという事か…相変わらず、どういう神経してんのか分からねぇぜ。とても司法試験に受かったとは思えねぇな。」
「そりゃあ、南雲と勉強してよ司法試験に受かったんだよ。」
当然だろという得意気な表情で簡単に答える修二に対し…
「……。」
有り得ない勉強方法に口が開き、呆れて物が言えなくなってしまった吹雪。
「どうしたんだよ。そんなに俺を信用できねぇのか?」
「…信用できねぇ以前に、南雲から教えてもらって合格とかがビックリだわ。」
あれだけ修二と仲が悪い、南雲が気に入らない相手に勉強を教える事が、吹雪にとっては眉唾物の話だった。
「そんなの人それぞれだろ。」
尤もな意見を述べて勉強と大学の話を強制的に終らせた。
「それより相川の奴、おせぇな。」
吹雪は店内にある時計を見て、まだ来ない相川を心配した。
「そうだな。喫茶店にいるってメールで送ったのによ。」
「そう言えば、相川も司法試験受かって検事とかなってたんだよな?」
話題は未だに来ない相川の職業になった。
「あぁ、アイツは最初から検事になりたいって言ってたからな。まあ、アイツはアイツでやってる感じだよな。」
「俺もやりたい様にやってるんだよな…。」
トホホという意気消沈した表情で吹雪はストローでアイスコーヒーを飲む。
「すみません! ここで赤い髪でチンピラ風の弁護士バッチを付けた人を見てませんでした!?」
そこに息を荒くし、汗だくで修二の特徴と一致する情報を店員に聞いた人物がいた。
「は、はい! その人なら彼方に…。」
男性店員は少しドン引きしながらも掌で修二達を示していた。
「ご、ごめん。なかなか裁判が終わらなくて遅れちゃった。」
それは上下が茶色のスーツ、白いワイシャツ、ピンクのネクタイを身に纏った。五年前とは変わらない相川がいた。
「おう、別にいいぜ。アイスコーヒー飲むか?」
「ありがとう。それじゃあ貰おうかな。」
修二の提案に、相川は感謝をしてアイスコーヒーを注文した。
「やあ、久し振りだね吹雪くん。」
「おう、お前も相変わらずだな。少し背は伸びたくらいか?」
「う~ん、どうだろう?」
相川は考えながらも修二の隣へと座った。
「まあ、これで友人は揃ったことなんだ。」
気を取り直し、修二が雑談を無しにして話を進めようとする。
「取り敢えず、乾杯。」
「乾杯。」
ここで再び三人は集まった。例え環境が変わり、離れ離れになったとしても、三人は約束の元で再開を祝した。
「…あ、急いでて財布忘れちゃった。」
珍しい事に相川が忘れるボケをすると修二と吹雪はズッコケた。
だが、そんな事よりも更に頭を抱えていた者がいたのだ。
「結局、何処にすればいいんだ?」
未だに歓迎会の場所を決めかねている修二だった。
「本人に聞いてみればどうだ?」
そんな修二を見かねたのか南雲が直接聞けばいいと提案した。
「…そうだなそうしよう。そう言えば輝さん見なかったか?」
修二は南雲の提案を受け止め、思い出したかのように話題を変えた。
「屋上で寝るって言ってた。」
「サンキュー。」
「…じゃあ仕事入ったら連絡する。」
修二は南雲に後を任せて事務所から出た隣に階段があり、屋上まで登る。
広い屋上に着くと太陽の光が照らされている中心にパラソルを置き、椅子をベッドにして、真っ昼間にグッスリと眠っている輝がいた。
「…輝さん。」
修二は真剣な面持ちで輝に近づき起こす。
「ん? 品川? どうしたの?」
輝は体を伸ばしながら目を覚まし、修二の要件を聞いた。
「神崎忍の行方は分かりましたか?」
修二が聞いたのは、五年前に突然と失踪した『最強の覇気使い』で輝の兄でもある神崎忍の話だった。
「…空港で別れて、それからだよ。フランス警察も捜索はしてるけど見つからないらしい…それに神崎の最大勢力で探しても見つからないっていうのはおかしいからね。」
「そうですか…。」
修二にしては珍しく不安な表情を浮かべていた。それを見た輝は微笑み励ます。
「大丈夫だよ。兄さんは性格はアレでも『闇の覇気使い』だから負ける事はないと思うし、死とは程遠いみたいな人だからね。」
「…分かりました。それと俺、これから友人と会って来ます。」
「分かった。後の仕事はやっておくから行っておいで。」
修二は前向きに考え、一旦は忍の事を忘れようとした。元気よく会社を早退したのだ。
「…また言いそびれた。仕方ないな僕も…」
輝は修二に『太陽の覇気』を教えようとしたが、言いそびれ、次回に教えるという事で諦め、再びグッスリと眠った。
場所は海道スーパーマーケットエリアに変わった。スーパーマーケットは毎日、人々がごった返して賑わっていた。
エレベーター近くにある公衆電話の下でうんこ座りして、煙草を吸い、黄昏ていた。
「あー遅いな。吹雪の奴…。」
どうやら修二は吹雪を待っていたらしく時間を潰そうと喫煙所を探していたが、見つからず隠れて喫煙していたのだ。
「おい、オッサン!」
そこに不良の二人が修二を睨み付け囲んでいた。
「……。」
「ここは喫煙所じゃねぇぞ。黙ってほしければ有り金置いて行けや。」
「後からボコってサツに突き出していいんだぜ?」
二人の不良は修二を脅してカツアゲしようとしていたのだ。
反応しない修二に限界が達したのか不良の一人が修二の胸ぐらを掴んだ。
「ブルちゃって声が出ねぇってか!?」
「早く金を出した方が…。」
不良が言い終わる前に修二は右拳で公衆電話を殴る。公衆電話は見事に綺麗な穴を作り、修二は右手に膂力を込め内部にあった配線を外まで引っ張り、引き千切る。
二人の不良は目が点となり口が開き唖然とし、恐怖の冷や汗が溢れ出た。
「問題です。今から、ぶち殺されるのはどっちでしょう? 一、スーパーマーケットで違反をして絡まれた余裕の俺。二、実力を知らずに運悪くチンピラに喧嘩を売った可哀想な不良の二人組。さあ、どっちでしょう?」
修二はニコニコと笑いながら握りしめ引き千切った配線を二人の不良に見せつける。
(品川の奴、何処にいんだろうな…何やってんのアイツ…。)
忍を意識してなのか耳にピアス、黒いインナーシャツ、黒いジーンズ、黒いスニーカーを黒ずくめになった吹雪が修二を見て驚愕していた。
「おう、吹雪! 君たち、これからは気をつけるのだぞ。」
修二は二人の不良をボコボコに、吹雪を見つけて歓喜の表情で走り近づいた。
二人の不良は魂が抜けた脱け殻のように呆然とし倒れた。
「今のご時世、法律とか厳しいんだぞ? それに法律を守る立場のお前が暴力とか…。」
「アレはノーカンだ。あんなの遊びぐらいだぜ。」
「遊びで鼻血なんて出てたまるか! …まあ、久し振りだな品川。」
「あぁ、久し振り吹雪。」
修二と吹雪は久し振りの再開としてグータッチで友の挨拶を交わしていた。
「相川の奴は?」
挨拶を終えると吹雪は思い出したかのように相川の詳細を聞いた。
「あぁ、アイツは少し遅れるってよ。先に喫茶店で待ってようぜ。」
どうやら相川は遅れるらしく、修二は喫茶店で吹雪と一緒に時間を潰そうとした。
「別に構わねぇぜ。そんな事より彼女とか出来たのかよ?」
「出来る訳ねぇだろ!」
「マジかよ! 弁護士なら給料いいのに。」
「まあ、そんな金銭の話とかいいじゃねぇか。それより、そっちの仕事はどうなんだよ?」
「…仕事って、俺まだ大学生なんだけど…。」
「そうだっけ?」
「テメェ、頭は学生時代のままか?」
「ちょっとボケただけだよ。」
修二と吹雪は歩幅を合わせて下らない雑談をしながら楽しんでいた。
喫茶店に着き、修二は喫煙席を選択し、二つのアイスコーヒーを注目して相川を待つ事にした。
「…品川、神崎忍の行方は分かったのか?」
「…まだ見つかってねぇ。」
「そうか…俺も驚いた。アイツが輝さんに何も言わず消えるなんてよ。」
「輝さんは心配すんなって言ってたからよ…俺達は普段通りにしてアイツを出迎えるだけだ。そして五年前の決着をつける。」
「そう言えば『覇気』を失っているんだったよな? どうすんだ、アイツは『光系統の覇気』でしかダメージを与えられないんだぞ?」
修二は吹雪の核心を突いた言葉に、口を絞り、何も考えていなかったと言う困惑した顔になって沈黙してしまった。
「つまりプランは無しという事か…相変わらず、どういう神経してんのか分からねぇぜ。とても司法試験に受かったとは思えねぇな。」
「そりゃあ、南雲と勉強してよ司法試験に受かったんだよ。」
当然だろという得意気な表情で簡単に答える修二に対し…
「……。」
有り得ない勉強方法に口が開き、呆れて物が言えなくなってしまった吹雪。
「どうしたんだよ。そんなに俺を信用できねぇのか?」
「…信用できねぇ以前に、南雲から教えてもらって合格とかがビックリだわ。」
あれだけ修二と仲が悪い、南雲が気に入らない相手に勉強を教える事が、吹雪にとっては眉唾物の話だった。
「そんなの人それぞれだろ。」
尤もな意見を述べて勉強と大学の話を強制的に終らせた。
「それより相川の奴、おせぇな。」
吹雪は店内にある時計を見て、まだ来ない相川を心配した。
「そうだな。喫茶店にいるってメールで送ったのによ。」
「そう言えば、相川も司法試験受かって検事とかなってたんだよな?」
話題は未だに来ない相川の職業になった。
「あぁ、アイツは最初から検事になりたいって言ってたからな。まあ、アイツはアイツでやってる感じだよな。」
「俺もやりたい様にやってるんだよな…。」
トホホという意気消沈した表情で吹雪はストローでアイスコーヒーを飲む。
「すみません! ここで赤い髪でチンピラ風の弁護士バッチを付けた人を見てませんでした!?」
そこに息を荒くし、汗だくで修二の特徴と一致する情報を店員に聞いた人物がいた。
「は、はい! その人なら彼方に…。」
男性店員は少しドン引きしながらも掌で修二達を示していた。
「ご、ごめん。なかなか裁判が終わらなくて遅れちゃった。」
それは上下が茶色のスーツ、白いワイシャツ、ピンクのネクタイを身に纏った。五年前とは変わらない相川がいた。
「おう、別にいいぜ。アイスコーヒー飲むか?」
「ありがとう。それじゃあ貰おうかな。」
修二の提案に、相川は感謝をしてアイスコーヒーを注文した。
「やあ、久し振りだね吹雪くん。」
「おう、お前も相変わらずだな。少し背は伸びたくらいか?」
「う~ん、どうだろう?」
相川は考えながらも修二の隣へと座った。
「まあ、これで友人は揃ったことなんだ。」
気を取り直し、修二が雑談を無しにして話を進めようとする。
「取り敢えず、乾杯。」
「乾杯。」
ここで再び三人は集まった。例え環境が変わり、離れ離れになったとしても、三人は約束の元で再開を祝した。
「…あ、急いでて財布忘れちゃった。」
珍しい事に相川が忘れるボケをすると修二と吹雪はズッコケた。
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