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魔術確認
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さっきまでの熱狂もすっかり止み、フィールドには、セシリアとアレクがとり残されている。
「まあ、ドンマイ」
そう言ったのは隣にいるネクサスだ。
「ちょっとネクサス! そんなド直球に言わない方が……」
「負かした本人が言うか?」
「それは……そうだけど」
アレクのフォローはフォローになっていない上に弱々しい。
「はああ~」
そこで、ずっと黙っていたセシリアが大きなため息をつく。
やはり負けたことが相当ショックだったのか。
「また負けてしまったな。やはり強いな、アレクは」
「い、いや、どうだろう」
そこは否定しろよと思ったが、実際にはできる奴にはできると認めてもらいたいものだ。
できないアピール程嫌な気分になるものはない。
「仕方ないとは言わねえ。まあ精進することだな。てか、アレクの前に俺もライバル視してくんね?」
「なぜネクサスをライバル視しなければならない。私より下なのに」
「今はなっ! 前まで俺のが上だったろうが!」
「ネクサスは何位なんだ?」
俺はそう聞いてみる。
前までセシリアより上なら、四位か五位ぐらいだろうか。
「こいつは元々三位。現在八位だ」
だだ下がりじゃないか、ネクサスよ……
「ネクサス。おまえ、なにやってたんだ?」
「訓練のほとんどをサボってたのだこいつは。努力を怠った結果がコレだ。全く不甲斐ない」
サボりまくって落ちたとか自業自得だな。
あれ? それ俺にも言えるんじゃ……
「まあ話を変えようぜ! ささ、こいつの魔術を見てやるんだろ?」
話そらしやがった、こいつ。
しかし、八位を馬鹿にできるのもこのメンツだからだろう。
少なくとも大半は無理だ。
「そうだったな。では坂里。さっきの決闘で属性はどんなものかは理解しただろう」
「ああ」
「だったらまずは魔力の感覚を掴め。自分の中に流れる魔力を感じるのは難しいことではない」
「その前に、俺って魔術使えるのか? ここまで来て使えなかったりしたら恥ずかしいんだけど……」
「それは大丈夫だ。貴殿からは分かりやすいほどの魔力を感じるからな」
そばの二人もそれに対して頷く。
やだ、俺そんなに漏れてるの?
「魔力を感じたらどうするんだ?」
「これに魔力を流し込む感覚を持て」
投げられた木刀を俺は受け取る。
軽く振ってみると、とても軽く、簡単に折れてしまいそうだった。
修学旅行のお土産と対して質は変わらないように思える。
これに魔力を付加させると属性の発動と共に硬度も高くなるらしい。
あれ程の威力を出していたのも、魔術のおかげだということだ。
そうだよな?
「じゃあ……」
持っている木刀を持ち直し、目を瞑る。
集中しろ。感覚を掴み取れ。俺の中に眠っている魔力を、感じろ。
それができなきゃ、俺はあの子を……
――すると、魔力は俺の要望に応える。
燃え盛る炎の様な、そんな感覚が俺の中に生まれる。
「感じたぞ。これが……魔力!」
溢れ出る様なエネルギーを感じる。
ここまではスムーズだな。
「じゃあ……」
このまま魔力を剣に流すだけ。
あと一歩だ。
自分の能力に期待を膨らませつつ、一点に手繰り寄せた魔力を剣に流そうとした、その瞬間。
――魔力は分散し、握っていた剣を手放してしまう。
「どした?」
立ち尽くしている俺に言ったのはネクサスだ。
その一言で俺は我に返る。
「い、いや。何でもない」
なんでだ。確かに使おうとしたのに。
見ると、手が震えている。
そして、遅まきに理解する。
――自分が、恐怖を覚えていることに。
もう一度剣を持ち直して構える。
今度こそ成功させるために。
恐怖は自分の魔力にだろうか。
だとしても、俺はモタモタしてる暇はない。
――だって俺は、あの子を助けることを、まだ諦めていないのだから。
今度こそ、魔力を木刀に持っていくことに成功する。
瞬間、
――視界が遮られるほどの暗闇が、目の前に溢れ出た。
ドス黒い色に染められたそれは、止まることなく溢れ出ている。
そして、これが俺から出た魔力だと分かるのに幾らか時間がかかった。
「なんだこれ……! 止まんねえっ」
一向に溢れ出る魔力を止めることができない。
止める術もわからず、魔力は消耗し続けていく。
全力全開で発動させようとしたのが原因だろうか。
「アレク!」
「ぶ、武器は?」
セシリアの呼びかけに対してアレクはたどたどしく応える。
「いらぬだろう! 武器なしでやれ!」
「っ……分かった」
アレクは腕に魔力を付加させ、【迅雷】を発動する。
そして、俺に向かって雷を走らせる。
雷は黒い霧に当たり、それを霧散させる。
――はずだった。
刹那の後、雷は闇に触れ、そのまま頼りなく消えたのだ。
「「「「!!?」」」」
四人の心中が完全に一致した瞬間だった。
=======================
刻々と色を濃くしている夕焼けを、俺は今眺めている。
仰向けの状態でだ。
先刻、魔力の大放出を行った俺は、結局今ある魔力を全て使い切ってしまった。
つまり、今はからきしなのだ。
三人は、誰も俺の魔力放出を止めることはできず、諦めて帰ってしまった。
そして、魔力を使い切った俺は、そのまま倒れ、動くことができず、結果帰ることができなくなっていた。
「サカリさーん!」
「迎えに来たぞー坂里ー」
見ると、メアリさんが走ってこっちの方へ向かっていて、ネクサスがその後ろから歩いてきていた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。メアリさん。ただ、動けなくて、苦しくて、カラカラなんです」
「ほんとに大丈夫ですか!?」
「帰ってないって聞いて、来てみればさ。もう閉まるぞここ?」
「残りたくて残ってんじゃねえよ……置いていきやがって」
「悪い悪い。じゃあメアリさんこれ頼みます」
そう言ってネクサスが取り出したのは、小型の結晶。
それをメアリさんは受け取ると、
「サカリさん。背中向けてください」
言われて俺は、うつぶせの状態になる。
メアリさんは俺の背中に結晶をあて、押し込むと、俺の体に結晶が入っていく。
徐々に魔力の回復を感じ、体もなんとか動くようになった。
「これは?」
「魔力結晶ですよ。魔力を補給するための道具です。結構高いんですよ」
当の本人を見ると、少し自慢げな表情を浮かべ、いいっていいってと手振りで伝えている。
それを見ると、抱きかけていた感謝も吹き飛んでしまった。
というより、元々こいつらが新人置いてったのが悪いんだし。
「ああ。あと、この時間でおまえの魔力について調べてやったぞ」
何もしてなかったわけじゃないらしい。
「そっかサンキュな。で、どうだったんだ?」
「お前の魔力は、過去に前例がなかった。つまり? 新種だ」
「おお! そっか」
新種……じゃあ、俺の名が歴史に残るってことか。
なんだか照れくさい。
「召喚者が異例ってのはホントだったんだな。でだ、おまえの属性だが……」
「なんだ?」
「最低でも俺ら三人の魔術は打ち消された。おそらくおまえの魔術は全ての魔術を打ち消す性質がある」
「と、いうことで」
俺はゴクリと唾を飲む。
「坂里、おまえの属性の名は……
【無属性】だ!」
属性があるのかないのか分からないような、そんな属性だなと俺は思いました。
「まあ、ドンマイ」
そう言ったのは隣にいるネクサスだ。
「ちょっとネクサス! そんなド直球に言わない方が……」
「負かした本人が言うか?」
「それは……そうだけど」
アレクのフォローはフォローになっていない上に弱々しい。
「はああ~」
そこで、ずっと黙っていたセシリアが大きなため息をつく。
やはり負けたことが相当ショックだったのか。
「また負けてしまったな。やはり強いな、アレクは」
「い、いや、どうだろう」
そこは否定しろよと思ったが、実際にはできる奴にはできると認めてもらいたいものだ。
できないアピール程嫌な気分になるものはない。
「仕方ないとは言わねえ。まあ精進することだな。てか、アレクの前に俺もライバル視してくんね?」
「なぜネクサスをライバル視しなければならない。私より下なのに」
「今はなっ! 前まで俺のが上だったろうが!」
「ネクサスは何位なんだ?」
俺はそう聞いてみる。
前までセシリアより上なら、四位か五位ぐらいだろうか。
「こいつは元々三位。現在八位だ」
だだ下がりじゃないか、ネクサスよ……
「ネクサス。おまえ、なにやってたんだ?」
「訓練のほとんどをサボってたのだこいつは。努力を怠った結果がコレだ。全く不甲斐ない」
サボりまくって落ちたとか自業自得だな。
あれ? それ俺にも言えるんじゃ……
「まあ話を変えようぜ! ささ、こいつの魔術を見てやるんだろ?」
話そらしやがった、こいつ。
しかし、八位を馬鹿にできるのもこのメンツだからだろう。
少なくとも大半は無理だ。
「そうだったな。では坂里。さっきの決闘で属性はどんなものかは理解しただろう」
「ああ」
「だったらまずは魔力の感覚を掴め。自分の中に流れる魔力を感じるのは難しいことではない」
「その前に、俺って魔術使えるのか? ここまで来て使えなかったりしたら恥ずかしいんだけど……」
「それは大丈夫だ。貴殿からは分かりやすいほどの魔力を感じるからな」
そばの二人もそれに対して頷く。
やだ、俺そんなに漏れてるの?
「魔力を感じたらどうするんだ?」
「これに魔力を流し込む感覚を持て」
投げられた木刀を俺は受け取る。
軽く振ってみると、とても軽く、簡単に折れてしまいそうだった。
修学旅行のお土産と対して質は変わらないように思える。
これに魔力を付加させると属性の発動と共に硬度も高くなるらしい。
あれ程の威力を出していたのも、魔術のおかげだということだ。
そうだよな?
「じゃあ……」
持っている木刀を持ち直し、目を瞑る。
集中しろ。感覚を掴み取れ。俺の中に眠っている魔力を、感じろ。
それができなきゃ、俺はあの子を……
――すると、魔力は俺の要望に応える。
燃え盛る炎の様な、そんな感覚が俺の中に生まれる。
「感じたぞ。これが……魔力!」
溢れ出る様なエネルギーを感じる。
ここまではスムーズだな。
「じゃあ……」
このまま魔力を剣に流すだけ。
あと一歩だ。
自分の能力に期待を膨らませつつ、一点に手繰り寄せた魔力を剣に流そうとした、その瞬間。
――魔力は分散し、握っていた剣を手放してしまう。
「どした?」
立ち尽くしている俺に言ったのはネクサスだ。
その一言で俺は我に返る。
「い、いや。何でもない」
なんでだ。確かに使おうとしたのに。
見ると、手が震えている。
そして、遅まきに理解する。
――自分が、恐怖を覚えていることに。
もう一度剣を持ち直して構える。
今度こそ成功させるために。
恐怖は自分の魔力にだろうか。
だとしても、俺はモタモタしてる暇はない。
――だって俺は、あの子を助けることを、まだ諦めていないのだから。
今度こそ、魔力を木刀に持っていくことに成功する。
瞬間、
――視界が遮られるほどの暗闇が、目の前に溢れ出た。
ドス黒い色に染められたそれは、止まることなく溢れ出ている。
そして、これが俺から出た魔力だと分かるのに幾らか時間がかかった。
「なんだこれ……! 止まんねえっ」
一向に溢れ出る魔力を止めることができない。
止める術もわからず、魔力は消耗し続けていく。
全力全開で発動させようとしたのが原因だろうか。
「アレク!」
「ぶ、武器は?」
セシリアの呼びかけに対してアレクはたどたどしく応える。
「いらぬだろう! 武器なしでやれ!」
「っ……分かった」
アレクは腕に魔力を付加させ、【迅雷】を発動する。
そして、俺に向かって雷を走らせる。
雷は黒い霧に当たり、それを霧散させる。
――はずだった。
刹那の後、雷は闇に触れ、そのまま頼りなく消えたのだ。
「「「「!!?」」」」
四人の心中が完全に一致した瞬間だった。
=======================
刻々と色を濃くしている夕焼けを、俺は今眺めている。
仰向けの状態でだ。
先刻、魔力の大放出を行った俺は、結局今ある魔力を全て使い切ってしまった。
つまり、今はからきしなのだ。
三人は、誰も俺の魔力放出を止めることはできず、諦めて帰ってしまった。
そして、魔力を使い切った俺は、そのまま倒れ、動くことができず、結果帰ることができなくなっていた。
「サカリさーん!」
「迎えに来たぞー坂里ー」
見ると、メアリさんが走ってこっちの方へ向かっていて、ネクサスがその後ろから歩いてきていた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。メアリさん。ただ、動けなくて、苦しくて、カラカラなんです」
「ほんとに大丈夫ですか!?」
「帰ってないって聞いて、来てみればさ。もう閉まるぞここ?」
「残りたくて残ってんじゃねえよ……置いていきやがって」
「悪い悪い。じゃあメアリさんこれ頼みます」
そう言ってネクサスが取り出したのは、小型の結晶。
それをメアリさんは受け取ると、
「サカリさん。背中向けてください」
言われて俺は、うつぶせの状態になる。
メアリさんは俺の背中に結晶をあて、押し込むと、俺の体に結晶が入っていく。
徐々に魔力の回復を感じ、体もなんとか動くようになった。
「これは?」
「魔力結晶ですよ。魔力を補給するための道具です。結構高いんですよ」
当の本人を見ると、少し自慢げな表情を浮かべ、いいっていいってと手振りで伝えている。
それを見ると、抱きかけていた感謝も吹き飛んでしまった。
というより、元々こいつらが新人置いてったのが悪いんだし。
「ああ。あと、この時間でおまえの魔力について調べてやったぞ」
何もしてなかったわけじゃないらしい。
「そっかサンキュな。で、どうだったんだ?」
「お前の魔力は、過去に前例がなかった。つまり? 新種だ」
「おお! そっか」
新種……じゃあ、俺の名が歴史に残るってことか。
なんだか照れくさい。
「召喚者が異例ってのはホントだったんだな。でだ、おまえの属性だが……」
「なんだ?」
「最低でも俺ら三人の魔術は打ち消された。おそらくおまえの魔術は全ての魔術を打ち消す性質がある」
「と、いうことで」
俺はゴクリと唾を飲む。
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