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シリルさま、おいたをするの巻(一年目、秋)

act.15 いたずら

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 一つしかないベッドを俺に譲ろうとするレイノルドを引きずり込んで、程よく筋肉がついた人肌で暖を取りながら眠ること三度目の朝は、初めてレイノルドに起こされる前に目が覚めた。記念すべき日になった。



 名ばかりだろうと今のレイノルドはダンジョンマスター。神が生み出したダンジョンコアに次ぐ貴い存在として、元同僚の神官たちからは神と俺の次に恭しく傅かれているが。その状態がしばらく続いて、俺の性根がわりとどうしようもないものだと薄々わかっていなければおかしいだけの時間が経った今となっても、俺に対するレイノルドの態度は変わっていない。

 この世界における〝敬虔な神官〟とはなるほどこういうものかとレイノルドやその周囲を見て学んだ俺に、ふと芽生えたイタズラ心を止めるような理性は働かなかった。



(こーんな綺麗な顔してるくせに、ちゃんとオトコノコなんだよなぁ)
 清廉潔白を絵に描いたようなレイノルドが眠りながら性的に興奮していたとしても、それはそれでグッとくるものがあるが。今日のこれ・・に関しては、男の朝に珍しくもないやつだろう。

 眠る前は俺がレイノルドのことを捕まえるよう抱きしめていたのに、目が覚めると立場は逆転していて。薄手の毛布ごと俺のことを抱きしめているレイノルドの腕の中で、俺はごそごそと手を伸ばし、服の上からでもわかるほど兆しているレイノルドの局部を撫で上げた。

「んっ……」
 本人は一介の神官のつもりで俺に仕えているが、他の神官たちにとっては自分が俺に次ぐ貴い身分であることも理解して、如才なく振る舞っているレイノルド。

 この世界の神官は妻帯しないだけで事実婚のような状態には持ち込めるし子供を持つこともできるという話なので、神の従僕というその立場に禁欲的なイメージを抱いてしまうのは、俺の勝手な偏見でしかないのだが。俺が一人で楽しむ分にはそれで充分だった



 日中は通いの神官たちの前で高嶺の花もかくやと澄ました顔をしているレイノルドをひん剥いて、まだ十代そこらの若い神官たちの前でめちゃくちゃにしてやりたいと思ったのは、一度や二度のことではない。



「……起きるなよ」
 どうしようかと散々迷った挙句、俺はダンジョンコアとしての権能を使い、レイノルドの眠りを深くして。生身の人間をそのまま放っておいたら儚くなってしまうような深い眠りに沈めたレイノルドの隣に起き上がり、二人分の熱が篭もった毛布を剥ぎ取った。



 眠りの魔法をかける前、ズボン越しに触れたときは与えた刺激の分、素直に体を震わせたのに。今はもうぴくりともしない。
 俺の方を向いて寝ていたレイノルドを仰向けに転がし、下着ごと寝間着のズボンをずり下ろすと。夜明け前の薄闇の中に、ゆるく勃ち上がったものがふるりとまろび出た。



「えっろ……」
 くったりと四肢を投げ出してぴくりとも動かないでいると、その美しい造形と相まって、レイノルドはまるでそういう人形のようだった。

 淫靡に立ち上がった男根だけが、生々しくその生を主張している。

「このお綺麗なちんこを女に食わせてやったことがあるってマジかよ」
 今のレイノルドのことを人形のようだ、と思ってしまったせいか、下品な女に跨がられ、好き放題されている姿しか想像できなくて。自分の妄想に自分で笑ってしまう。

 普段、他の神官たちに向かってあれこれ指示を出したり、意見を仰がれたりしているレイノルドの、人の上に立つものに相応しい毅然とした振る舞いを思い出せば、女を組み敷いている姿も想像できなくはないが。俺の中ではとっくに〝神官の中の神官〟というイメージが出来上がってしまっている、見るからに性への関心が薄そうな澄まし顔を常備しているレイノルドが自分の快楽のためにみっともなく腰を振っている姿までは、どう足掻いても辿り着かなかった。

(こいつに夢見すぎだろ)
 力の抜けた足の間に陣取って。誘われるようレイノルドの下肢に顔を埋めた俺が、躊躇いも容赦もなく口の中へと頬張り、舐め回して、下品な音を立てながら啜り上げてやると。そのお綺麗な顔だけを見ていればまるで自慰の経験もなさそうなレイノルドの象徴はいとも容易く、青臭い精を吐き出した。

(まっず……)
 当然口に入れて美味いものではないそれをおえっと吐き出し、垂れ落ちていったものを指先に纏わせて。

 くちり、と。



 指一本呑み込ませるのも苦労するような狭さをしていた後孔がぽっかりと開き、いやらしく男を誘うかのよう柔らかくほぐれる頃には、すっかり夜が明けていた。
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