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第四節「小竜公の婚約者」
SCENE-070 境界都市
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「そろそろ鏡夜と代わるね」
もうじき沖の浜が見えてくる、という海の上で、奈月と鏡夜が入れ代わる。
奈月は身軽に〔イチイバル〕へと乗り上げて。後ろから手を伸ばしてきた奈月にハンドルを渡した鏡夜も、一定の高度と速度を保ちながら飛んでいる竜の背中――伊月のすぐ後ろ――へすたんっ、と飛び降りてくる。
「ふぅ……」
やれやれとばかり息を吐いた鏡夜がのしっ、と寄りかかってくるのを、伊月も咎めはしなかった。
やがて、たった一つだけ〔ハイブラゼル〕――内部世界として扶桑樹の王庭を抱えている次元跳躍艦――の外にある〝ティル・ナ・ノーグの浮島〟が見えてくる。
空ではなく海に浮かぶ沖の浜。
その中心には島の基幹樹であり、扶桑樹の端末として島の全てを掌握しているインスミールが天を衝く塔のごとく聳え立っていた。
もうじき沖の浜が見えてくる、という海の上で、奈月と鏡夜が入れ代わる。
奈月は身軽に〔イチイバル〕へと乗り上げて。後ろから手を伸ばしてきた奈月にハンドルを渡した鏡夜も、一定の高度と速度を保ちながら飛んでいる竜の背中――伊月のすぐ後ろ――へすたんっ、と飛び降りてくる。
「ふぅ……」
やれやれとばかり息を吐いた鏡夜がのしっ、と寄りかかってくるのを、伊月も咎めはしなかった。
やがて、たった一つだけ〔ハイブラゼル〕――内部世界として扶桑樹の王庭を抱えている次元跳躍艦――の外にある〝ティル・ナ・ノーグの浮島〟が見えてくる。
空ではなく海に浮かぶ沖の浜。
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