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第8話
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バルメジャーが連れ出され、後に残ったのは私と主な貴族たち。
「この国の今後について話し合わなくてはならないわね。見ての通りバルメジャーはもう王ではないし、バルメジャーのせいで一部の貴族たちが優遇される政策が進められているわ。それについても話し合いましょう
貴族たちから異論がないのも当然。
だって私の実家が実質的な最高権力者なのだから。
新たな王には兄にでも任せればいいし、私はもう十分に国のために働いたのだから正妃の立場も退く。
表向きは私も責任を取った形にしたほうが次の王もやりやすいだろうし。
こうして話し合いは私の望んだ形で進んでいった。
* * * * * * * * * *
残務処理の目途もつき、私はやっと人心地ついた。
方向性は示しておいたから、後は優秀な貴族たちに任せておけばいい。
今は自室に戻って休んでいるけど、扉がノックされた。
やっと待ち人が来てくれた。
「入って」
予想していたとおり、入ってきたのはマンスティルだった。
「やっと終わったな、メディーレ」
「ええ。長かったわ…」
今のマンスティルは近衛隊長ではなく、お互いに想い合う男女としての振る舞いだ。
「今なら言える。ずっとメディーレのことが好きだった。どうか俺と結婚してほしい」
「もちろんよ。喜んで」
マンスティルから抱きしめられ、これが望んでいたものなのだと自覚できた。
望まないバルメジャーとの結婚は苦痛でしかなく、義務を果たすために私の心は消耗していた。
でもマンスティルが素直に気持ちを伝えられるようになり、全てが報われたように思えた。
「一つ謝らないといけないわ。マンスティルを王にすることは難しいと思うの。ごめんなさい…」
「そんなことはどうでもいい。俺はメディーレさえいれば満足なんだ。王の立場なんて二人だけの幸せな日々にはかえって邪魔になるだろう?メディーレが謝ることなんてないんだ」
「ふふ…そうね」
マンスティルが望めば王の地位も私の愛も全てを手にできるというのに。
それよりも私のために余計なことをしたくないという気持ちが嬉しかった。
やはり私は最初からマンスティルと結ばれるべきだったと思うけど、メルヴィエール公爵家の立場と無能なバルメジャーの存在により政略結婚せざるを得なかった。
バルメジャーのせいだと思うとムカムカしてくる。
せっかくマンスティルとの幸せな時間を邪魔するなんて、バルメジャーはどこまでも私の足を引っ張ってくる。
「これ以上バルメジャーに邪魔されないようにしたいわ。何か良い案はある?」
「許せない存在だが命を奪うと罪悪感を抱くかもしれないだろう?一生幽閉するのが一番だと思う」
「そうね…。それならシビリアと一生一緒にいてもらいましょう。あれだけ愛し合っていた二人だもの。きっと喜んでくれるわ」
「ははは、それはいいな。お似合いの二人だ」
こうしてバルメジャーの処遇も決まった。
もしバルメジャーを処刑したら私やマンスティルが要らない誹りを受けるかもしれないし、幽閉だってあれだけ好き勝手して国や民を裏切ったバルメジャーの処分としては寛大だし、非難されることはないだろう。
それでも非難するような力関係を読めないような貴族はいらないから処分すればいいわ。
「面倒な話はこれでお終い。これからは二人だけの時間よ?」
「ああ」
マンスティルと結婚するにしてもすぐには無理だから最低でも1年は時間がかかるかもしれない。
でもそれは私たちの愛の障害にすらならない。
「愛してるよ、メディーレ」
「私もよ、マンスティル」
目を閉じ、唇と唇が触れ合った。
「この国の今後について話し合わなくてはならないわね。見ての通りバルメジャーはもう王ではないし、バルメジャーのせいで一部の貴族たちが優遇される政策が進められているわ。それについても話し合いましょう
貴族たちから異論がないのも当然。
だって私の実家が実質的な最高権力者なのだから。
新たな王には兄にでも任せればいいし、私はもう十分に国のために働いたのだから正妃の立場も退く。
表向きは私も責任を取った形にしたほうが次の王もやりやすいだろうし。
こうして話し合いは私の望んだ形で進んでいった。
* * * * * * * * * *
残務処理の目途もつき、私はやっと人心地ついた。
方向性は示しておいたから、後は優秀な貴族たちに任せておけばいい。
今は自室に戻って休んでいるけど、扉がノックされた。
やっと待ち人が来てくれた。
「入って」
予想していたとおり、入ってきたのはマンスティルだった。
「やっと終わったな、メディーレ」
「ええ。長かったわ…」
今のマンスティルは近衛隊長ではなく、お互いに想い合う男女としての振る舞いだ。
「今なら言える。ずっとメディーレのことが好きだった。どうか俺と結婚してほしい」
「もちろんよ。喜んで」
マンスティルから抱きしめられ、これが望んでいたものなのだと自覚できた。
望まないバルメジャーとの結婚は苦痛でしかなく、義務を果たすために私の心は消耗していた。
でもマンスティルが素直に気持ちを伝えられるようになり、全てが報われたように思えた。
「一つ謝らないといけないわ。マンスティルを王にすることは難しいと思うの。ごめんなさい…」
「そんなことはどうでもいい。俺はメディーレさえいれば満足なんだ。王の立場なんて二人だけの幸せな日々にはかえって邪魔になるだろう?メディーレが謝ることなんてないんだ」
「ふふ…そうね」
マンスティルが望めば王の地位も私の愛も全てを手にできるというのに。
それよりも私のために余計なことをしたくないという気持ちが嬉しかった。
やはり私は最初からマンスティルと結ばれるべきだったと思うけど、メルヴィエール公爵家の立場と無能なバルメジャーの存在により政略結婚せざるを得なかった。
バルメジャーのせいだと思うとムカムカしてくる。
せっかくマンスティルとの幸せな時間を邪魔するなんて、バルメジャーはどこまでも私の足を引っ張ってくる。
「これ以上バルメジャーに邪魔されないようにしたいわ。何か良い案はある?」
「許せない存在だが命を奪うと罪悪感を抱くかもしれないだろう?一生幽閉するのが一番だと思う」
「そうね…。それならシビリアと一生一緒にいてもらいましょう。あれだけ愛し合っていた二人だもの。きっと喜んでくれるわ」
「ははは、それはいいな。お似合いの二人だ」
こうしてバルメジャーの処遇も決まった。
もしバルメジャーを処刑したら私やマンスティルが要らない誹りを受けるかもしれないし、幽閉だってあれだけ好き勝手して国や民を裏切ったバルメジャーの処分としては寛大だし、非難されることはないだろう。
それでも非難するような力関係を読めないような貴族はいらないから処分すればいいわ。
「面倒な話はこれでお終い。これからは二人だけの時間よ?」
「ああ」
マンスティルと結婚するにしてもすぐには無理だから最低でも1年は時間がかかるかもしれない。
でもそれは私たちの愛の障害にすらならない。
「愛してるよ、メディーレ」
「私もよ、マンスティル」
目を閉じ、唇と唇が触れ合った。
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