歌のふる里

風の中に歌が聴こえる。
いつも聴こえる美しい旋律の歌。
どこにいても聴こえるのに、どこを捜しても歌っている人間を見つけることが出来ない。

しかし、あるとき、霧生柊矢(きりゅうとうや)は歌っている少女霞乃小夜(かすみのさよ)と出会った。
柊矢は、内気そうな少女に話しかけることも出来ず、ただ歌を聴いているだけの日々が続いていた。

ある日、二人の前に白く半透明な巨木の森が出現した。
二人が見ている前で森はまた消えていった。

その夜、柊矢の所有しているアパートの近所で火事が起きたという知らせに現場へ行ってみると小夜がいた。
燃えていたのは小夜の家だった。
たった一人の肉親である祖父を亡くした小夜を、成り行きで柊矢が引き取った。

その後、柊矢と小夜はやはり、普通の人には聴こえない歌を歌う青年と知り合った。
その青年、椿矢(しゅんや)から普通の人に聴こえない歌が聴こえるのはムーシコスという人種だと教えられる。

そして、柊矢の前に、昔、白い森へ入っていって消えた元恋人霍田沙陽(つるたさよ)が現れた。沙陽もまたムーシコスだった。
柊矢は沙陽に、ムーシコスは大昔、あの白い森から来たから帰るのに協力してほしいと言われる。
しかし、沙陽は小夜の家の火事に関わっていた。

柊矢と小夜、柊矢の弟楸矢(しゅうや)は森への帰還を目指す帰還派との争いに巻き込まれる。

「歌のふる里」の最終話の次話から続編の「魂の還る惑星」が始まります。

小説家になろうとカクヨム、note、ノベマにも同じものを投稿しています。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,376 位 / 193,376件 ライト文芸 7,657 位 / 7,657件

あなたにおすすめの小説

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

婚約者の浮気相手が子を授かったので

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。 ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。 アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。 ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。 自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。 しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。 彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。 ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。 まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。 ※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。 ※完結しました

アリシアの恋は終わったのです。

ことりちゃん
恋愛
昼休みの廊下で、アリシアはずっとずっと大好きだったマークから、いきなり頬を引っ叩かれた。 その瞬間、アリシアの恋は終わりを迎えた。 そこから長年の虚しい片想いに別れを告げ、新しい道へと歩き出すアリシア。 反対に、後になってアリシアの想いに触れ、遅すぎる行動に出るマーク。 案外吹っ切れて楽しく過ごす女子と、どうしようもなく後悔する残念な男子のお話です。 ーーーーー 12話で完結します。 よろしくお願いします(´∀`)

タイトルは最後に

月夜野 すみれ
ライト文芸
「歌のふる里」シリーズ、番外編です。 途中で出てくる美大の裕也サイドの話は「Silent Bells」という別の短編ですが、アルファポリスではこの話の最終話として投稿しています。 小夜と楸矢の境遇を長々と説明してますが、これは「歌のふる里」と「魂の還る惑星」を読んでなくても分かるように入れたものなので、読んで下さってる方は飛ばして下さい。 飛ばせるように塊にしてあります。 塊の中に新情報は入れてませんので飛ばしても問題ありません。 カクヨム、小説家になろう、pixivにも同じものを投稿しています(完結済みです)。 pixivは「タイトルは最後に」「Silent Bells」ともにファンタジー設定なし版です。

私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~

希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。 しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。 それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…  【 ⚠ 】 ・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。 ・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。