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○○しないと出れない部屋。

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「待て!!逃げるな!!!」

 俺【ライアン】は黒い目で指名手配されている魔術師の男キャスを追いかけていた。
 キャスは腕の良い魔術師なのだが非常に腐った性格をしており悪さばかりしている。イタズラから段々とエスカレートしていき、いつしか犯罪まで犯すようになってとうとう指名手配されることに。
 キャスが酒場に現れたと情報を聞き、騎士である俺と同期であり同じ騎士である男【シリウス】とその酒場に行ってキャスを逮捕しようとしたが今に至る。
 するとキャスは裏道にある空き家に入って行った。空き家で隠れでやり過ごす気なのだろうか、そうはいくか。俺達も続いて空き家に入る。
 中に入るとすぐに目に入ったのはベッドだった。入ってすぐに寝室とは随分変わった部屋だ。

「おいキャス!出てこい!お前がここに居るのはわかっているぞ!」

 するとガチャンと鍵が閉まる音がした。

「なっ?!」

 シリウスがドアを開けようとしているがびくともしてないようだった。

「開かない。閉められたようだ。」

「貴様!ふざけてるのか?!そんな訳あるか!」

 この空き家はドアが壊れていて鍵なんか閉められるはずがなかった。俺は奴を信頼出来ずにドアを開けようと押したり引いたりしたが全くびくともしなかった。

「なっ、何故だ?!」

「多分キャスの仕業だ。入った時に魔術をかけたのか、元から仕込んでいたのかわからないが、どうやら罠にかかったようだな。」

「何故神はあいつに才能を与えたんだ?!!もっと他に良い人が居ただろうに!」

 ということはこのベッドが置かれている部屋は元々こういう感じではなく、奴が魔術で作り出した空間って訳か。
 とにかくここから出る手段を探さないとならない。だけど窓は無く出れるような場所はなかった。

「っち、シリウス。そっちはどうだ?」

「残念ながら脱出手段は無さそうだな。」

「はぁ…」

 俺は項垂れる。そして自分の青い髪を掻きむしる。よくよく考えたらキャスが空き家に入った時点で警戒すべきだった。とにかく奴を捕まえないといけないという使命感が冷静さを失わせていた。
 するとシリウスは紙を見つけたのか手に取りそれを読んだ後、固まった。

「おいシリウス、どうした?」

「…いちよう脱出条件方法はわかったぞ。」

「!本当か?!なんて書いてあった?!」

「……」

 シリウスは何も言わずに紙をこちらに向けてきた。
 そこには【SEXしないと出れない部屋】と書かれていた。

「は、せっ、え?…」

 俺は周りを見回す。シリウス以外は誰も居なかった。
 
「はっ、はぁぁぁぁぁぁぁあ?!!」

 思わず大きな声を出してしまった。
 いや、だって普通はそうなるだろ?!キャスの奴何を考えてやがる?!!

「あ、頭が痛い…つまり…どういうことだ?」

「多分オレとお前がセックスしないと出れないってことだろ。」

「わかってるわ!冷静に言いやがって!!」

 第一なんでよりによって相手がコイツなんだよ?!
 シリウスは腕は良いはずなのに何故かいつもやる気を出さない。手合わせ願う時も絶対手を抜いていることがわかるのでその度叱ってるのがお約束になってる。その怠慢な性格が気に食わないから俺はコイツに一方的に嫌ってる。
 癖のあるミルクティーのようなベージュの髪に赤茶色の目をしている奴の顔はこんな状況でも冷静でいる。ますます気に食わない。

「助けに来るまで待つしかないのか…?」

「ここは空き家だ。キャスの奴がここに入ったことはオレ達しか知らない筈だからな、当てにしない方がいいだろ。」

「マジかよ…キャスのやろぅ、悪知恵働かせ過ぎだろうがよ…」

「とりあえずさっさとやるしかないな。オレが女役やるから。」

 そう言ってシリウスは軍服を脱ごうとし始める。

「ちょ、ちょっとまて!何平然と軍服を脱ぐ?!しかも女役って…」

「セックスする以上女役は必要だろ。嫌いな奴に抱かれるより抱く方がまだマシなはずだしな?」

「なっ…」

 確かに俺はコイツが嫌いだ。シリウスも俺に嫌われていると知っている。
 俺が嫌がるから、勝手に嫌なことを引き受けようとする。

「…舐めんな!!だったら俺が女役やってるやる!!」

「えっ…?」

 予想してなかったのかシリウスは目を丸くした。
 コイツに気を遣われるのも気に食わない。俺は軍服を脱いでシャツとズボンだけの状態でベッドに座る。

「やるなら早くやれ。」

「いや、本当に良いのか…?」

「良いって言ってるだろうが!!それとも抱かれるのは良くても抱くのは嫌だってか?」

「…わかった。後で文句は無しな。」

 そう言ってシリウスもシャツとズボンだけの状態になる。
 そして俺を押し倒す。その表情は何処か真剣な眼差しをしていた。俺と手合わせしてる時もそんな顔をしろよ…

「じゃあするぞ…?」

「さっさとやってくれ…」

 シリウスは俺のシャツのボタンを全て外し、全開した俺の首筋に唇を添えた。

「っ!お、お前一体なにを…?」

「セックスと言ってもどこまでなのかわからないだろ?挿れてなくても条件果たせる可能性があるしな。」

「まぁ確かに。」

 だからとはいえ何も言わずにそこキスされたらビックリするだろうが!!女にもされたことないわ!
 すると今度は胸元に唇を落とす。そしてそのまま俺の乳首を舐めてきた。

「あっ…!!」

 思わず出てしまった声に動揺して口を手で押さえた。

「ち、ちがっ、驚いただけで別に感じてなんか!」

「わかってる。」

「本当だからな?!!」

 さっさと次行ってほしいのに、シリウスはまた乳首を舐めてくる。しかもただ舐めだけじゃない、押し潰したり転がしたりしてくるのだ。
 別に女のように感じたりしないはずなのに、そのくすぐったい感覚と乳首を舐められているという事実に思わず身体が反応してしまう。

「(くっくそう…もしかしてコイツ手慣れてる…?」

 明らかに素人ではない。そう言った話は聞かないだけで実は結構遊んでるのか?だったら尚更ムカつくのだが。

「も、もう乳首はいいだろ…」

 そう言われてシリウスは口を離した。奴の唇から銀色の糸が伸びていた。
 奴の表情が妙に色っぽくて思わずドキッとしてしまった。

「ん?」

 シリウスは俺のズボンの方に視線を落とした。
 俺は自分でも気づいていた。アレが固くなっていることを……

「…感じたのか?」

「聞くな!!!!」

 クッソ、屈辱だ。よりによって乳首で突起してしまうなんで…

「じゃあ次はソレだな。」


 するとシリウスは俺のズボンを下ろし始める。

「わっちょっおま?!」

 抵抗するが思った以上に力があって結局ズボンと下着を脱がされ、そこには勃っている俺の性器が丸見えだった。

「くぅ…なんの拷問だこれぇ…」

 もうこの状況に耐えられなくなり目を瞑ってしまう。

「やっぱりオレが女役やろうか?」

「っ、ここまで来たら最後までやるわ!」

「そうか…だが無理するなよ。」

 なんなんだコイツ。さっきから妙に優しい気がする。アレか?夜の営みでは優しくなるタイプとかなのか?普通に興味ないし知りたくなかったが…
 そしてシリウスは勃っている俺の性器を握ってきた。

「んっ!!」

 そのままゆっくり上下と動かしてくる。自分でやるのとは違う。他人に触られる感覚に戸惑いながらも変な気分になる。

「んっ、んんっ…で、出る…」

「そうか、じゃあ一回出しとけ。」

 そう言ってシリウスは動きを早めた。

「あっ!ばかっ、あっ、くぅっ!!!」

 その刺激に耐えられずに俺は盛大に達してしまった。

「はぁ、はぁ…」

「…大丈夫か?」

 正直大丈夫ではない。羞恥心でいっぱいいっぱいだった。よりによって恥ずかしいところをコイツに見られたことが悔しかった。

「大丈夫だ…それよりもカギは…?」

「空いた様子は無さそうだな。…どうする?ここまでして開かないならもうここしかないぞ?」

 シリウスは俺の腕を引っ張る抱きしめてきた。コイツからレモンの香りがする。
 そして指先を俺の後孔に触れてくる。

「?!!!、ほ、本当にそこ使うのか…?」

「もうそれしかないだろ。まだ引き返せるけど、どうする…?」

「っ、何回も言わせるな!!わかった!さっさと挿れろ!」

「ならまず解かさないとな、悪いが一旦うつ伏せ向けになってくれ。」

 そう言われて仕方なくうつ伏せになる。するとシリウスは自分の軍服のポケットから香水を取り出してきた。
 レモンの香りがするそれを指先に垂らして俺の中に入れてきた。

「ひっ!!」

 香水の冷たさと奴の指で思わず悲鳴を出してしまう。自分でもさえ弄ったことないそこをシリウスは容赦なく動かしてくる。

「流石にきついな。」

「あたりっめえだ…」

 むしろガバガバであってたまるか。そう考えていると段々とシリウスの動きがスムーズになっていく。
 そして指を増やしてきやがった。この感覚になれなくて早く終わってほしい思いでいっぱいいっぱいだった。
 そんな時だった。シリウスの指先に何か触れた瞬間、痺れらしき感覚が全身に巡ってきた。

「あっ!!な、なんだ、いまの…?」

「ああ、ここか。」

 再びシリウスはそこに指先で触れてくる。そして粘質にそこばかり触れてやがる。

「あっ!!やめっ!それっ!あ!」

「ここは前立腺って言って男が感じる場所だとよ。」

「しりっ、やめっ、あぁ!」

 感じたことのない感覚から逃れたいのか喘ぎ声を抑える前に俺の身体はうねってしまう。うつ伏せになっていた筈なのに今は腰を浮かせている。

「ちゃんと感じてるんだな。」

 シリウスはそう言ってさっきイッたばかりのはずの俺の性器に触れてくる。

「あぁっん!ばかっ、やろっ!!」

 性器も前立腺って所も触ってきて快楽が襲ってくる。グチュグチュっと水音が部屋に響いて、早く終わってほしい筈なのに、身体は触って欲しいとねだっているようだった。

「…これでも開かない、か。仕方ない。ライアン。」

 シリウスは一度動きを止めた。まだイけてないのに、何故止めたのか困惑してしまう。
 そしてシリウスは自分のズボンを下ろして、性器を見せつけてきた。
 大きくて勃っているソレを見て俺は動揺する。

「?!!おまっ…」

「本当にこれで最後だ、いいんだな…?」

 眉をひそめてシリウスはそう尋ねてきた。確かに、アレを俺のケツの中に挿れるなんて恐怖しかない。けど、ここまできて辞めるのは嫌だ。俺は頷いた。

「………わかった。じゃあ。挿れるぞ?」

 うつ伏せになっている俺の後孔にシリウスは性器を当ててきた。
 怖い、けれども俺は覚悟を決めた。
 そしてそのままほぐされた後孔にシリウスのが入ってくる。

「っ、くぅ…」

 指とは違う、俺は歯を食いしばる。さっさと挿れてしまえ良いのにスイレンはゆっくりと挿れてきやがる。

「ライアン、息を吐け。」

 そう言われたって異物感と圧迫感でそんな余裕はない。

「仕方ないな。」

 するとシリウスは俺の性器に触れてくる。

「んんっ!!」
前への刺激で意識が後ろに集中しなくなった瞬間を狙って一気に奥まで入ってきた。

「ああっ!!!」

「全部入ったな……」

 シリウスの言う通り、俺の中は全て埋め尽くされていた。
 あぁ、とうとうここまできてしまった。

「動いてもいいか……?」

「……いちいち聞くんじゃねえよ。」

 シリウスは俺の腰を持ってゆっくり動き出した。

「あぁっ!あっ、んんっ!」

 シリウスの奴、前立腺ばかり狙っているのかそこばかり擦れてそのたびに身体が熱くなってくる。
 指先とは違ってシリウスの熱が全体的に伝わってきて、それがまた快楽を呼び寄せていた。

「はぁ、はぁ、んっ」

「どうだ…?ライアン。」

「…いち、いちきくなぁ、おまぇ…ぜんぶ、わからねぇ、よ…」

 もう女のように喘ぐ声も抑えることなく、俺はシリウスから与えられてる快楽に溺れていた。
 そして段々と動きが早まってきてくる。肌がぶつかっていく音が部屋に響き渡る。

「あっ、もうだめだっ、イクっ!!」

「そうか…じゃあ!」

 次の瞬間、シリウスは動きを更に始めた。

「あぁぁぁぁっ!!!」

 その快楽に耐えきれずに俺は達してしまった。
 頭がチカチカする。今まで以上に味わったことない快楽と感覚に無意識に動揺していた。

ガチャ

 その時、扉の開く音が聞こえてきた。

「!、開いたか…良かったな。」

 シリウスは自分の性器を抜き出し、ベッドから降りようとした。
 そんなシリウスの腕をを俺は今ある力を振り絞って掴んだ。

「ライアン…?」

「お前…まだイッてねぇだろ?」

「は?いや、そんなことより扉開いただろ…?」

「俺ばかりイッてお前だけイッてないのが気にくわねぇんだよ!!」

 そうだ。こっちは散々醜態を見せてきたのに、シリウスだけ何も味わってないのが気に食わねぇ!!

「…はぁ、わかったわかった…」

ーこっちだって我慢してるってのによー
 シリウスはため息をつくと再びベッドに上がり、今後は俺を仰向けにさせる。

「煽ったのはそっちだからな?」

 そう言って再びシリウスの性器が入ってくる。

「んんっ!!あぁっ…あつい…」

 仰向けになってるからかシリウスがよく見える。
 腐っても騎士だからかワイシャツの胸元から見える腹筋に汗が垂れてるのがわかる。
 俺の手合わせでさえやる気を見せない癖に、今の奴の表情は余裕が無さそうに見えた。
 けれども真っ直ぐ俺を見ていた。きっとこういう状況じゃなければずっと見れなかっただろうな、コイツのこんな表情。
 
「はぁっ、あっ、ん!」
 
「っくっ、出る。」

 シリウスは性器を取り出した瞬間に、精液が俺の上半身にかかった。
  
「…ははっ、みっともねぇな。シリウス。」

 シリウスの熱を感じながらも俺は嘲笑った。自分の方がみっともないという事実を棚に上げてだが。
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