異世界のんびり冒険日記

リリィ903

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本編

20話 領主へ抗議

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門が閉まる前に戻って来たアーク達は冒険者ギルドに向かった。

そして、そのまま買い取りカウンターに行き10体ずつのオークとオーガの買い取りをお願いした。

出すために倉庫に向かいオークとオーガを出す。

「オークは魔石と肉や睾丸、オーガは肉は食えないから皮と牙と魔石の買い取りだな。」

「わかりました。じゃあ、それで。」

「わかった。じゃあ1度カウンターに戻るぞ。」

そう言われカウンターに戻って来た。

「オークとオーガを10体ずつで状態は最高級だから、大金貨20枚程だな。」

思ったよりも高い。そして、内心、オークキングやオーガキング、エルダートレント等を出したらどうなるんだろう?と焦るのであった。

そして、冒険者ギルドを出ようとしたところリリアンから声を掛けられた。

「あら?今日は依頼は受けてなかったの?」

「はい。今日はエリュシオン大森林の中で狩りをしてきましたから。」

「え?エリュシオン大森林の中で?狩り?」

エリュシオン大森林の中と聞いたリリアンは顔には出さないが内心焦っていた。
大森林の入口付近はそうでもないが中に行けば行く程魔物の種類が増え、上位種が大量に居るのだ。
更にはドラゴンまで居る。
冒険者時代にベイグマン、ゴアン、ランセリア、リリアンの4人で踏破しようと挑んだがあまりの魔物の多さ、強さに断念したのである。

「はい。」

「そ、そう、わかったわ。
じゃあ、明日ね。」

そう言って送り出す。

明日、領主邸で話を聞こうと決めたのであった。

翌日、ギルドマスターの部屋に集合した。

「今日は私も行きますので。」

「え?ギルドマスターとサブギルドマスターが居なくなって大丈夫なんですか?」

「別に長期間居なくなる訳じゃないから大丈夫よ。
特にギルドマスターは居ても居なくても忙しさは変わらないわ。」

そう言われたゴアンの方を見たのだが目を反らした……良いのか、それで。

「さて、行くか。」

リリアンさんは何か言いたそうだったが時間なので言わないようだ。

そして、馬車に乗り領主邸に向かう。

差程掛からずに到着した。

「ようこそ、お越しくださいました。」

そう言って迎えに来たのは執事長のダイナムである。

「さあ、こちらでございます。」

そう言って案内されたのは前回の凍った部屋である。

既に中にはベイグマンとランセリア、そして、今回はメイド姿ではないルーセリアが待っていた。

「「いらっしゃい」」

「こんにちは。あの凍った状態から良くここまで掃除できましたね。」

アークはそんなことを言った。

ベイグマンとゴアンが目を反らした。
前回の事を思い出したのだろう。

「ランセリア、『絶対零度アブソリュート・ゼロ』使ったんだって?」

リリアンが親しげに話す。

「ええ、ついカッとなって」

「まあ、悪いのはこの2人だから、」

「んんっ。さて、今日は爵位について、だったね。」

そんなベイグマンの言葉に皆が一斉にアークを見る。

「爵位ですが……子供を蔑ろにする方達の家臣に成るのはちょっと。」

その言葉にランセリアが反応する。

「子供を蔑ろにするとはどう言うことですの?」

「実は、2日前にリリアンさんに伝言をお願いしたあと、教会に行ったんです。
そのときに気になったので隣の建物に入ってみたらそこは孤児院でした。
子供達の元気がなかったので管理しているクレメータさんとロザリンドさんに話を聞いたら、お金がないから食べ物もまともに買えないって言ってました。
援助金は無いのかと聞いたところ半年前から減っていき、つい先日打ち切られたと言っていました。
たしかに、子供は生産性は無いけど、将来働いて領地に還元したりするのに、そんな小さな芽を潰すような方の家臣にはなれません。」

「話はわかりました。
でも、聞いてください。
私達は援助金を打ち切ったりはしていないのです。
それどころか、孤児の数が増えたりしても大丈夫なぐらいの援助金を出しているのですよ。」

アークの話を静かに聞いていた面々。
話が終わるとランセリアがそんなことを言った。

「たしかに、おかしいな。
ダイナム!!居るか!」

扉が開きダイナムが入ってくる!

「孤児院への援助金の管理者を大至急調べろ!」

「孤児院への援助金の管理ですか?」

「あぁ、どうやら孤児院への給付金を街の金を横領してるようだ!」

「今日は引き上げた方が良さそうですね。」

アークは居ない方が良さそうだと思いそんなことを言った。

「ああ、爵位の話どころではないな。後程、結果を話すから今日は泊まっていってくれ。」

「ゴアンもリリアンも泊まっていって頂戴」

ベイグマンに続きランセリアもゴアンとランセリアにも泊まるように言う。

「わかったわ。それ手伝えってことでしょ?」

「正解よ。」

ランセリアとリリアンがそんな会話をしていた。
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