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そろそろ良い加減少しはスローライフをしたい
第63話 伊織の居場所へ
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「うおー!ルミィ!いっけー!!」
「うおー!」
時夫の雄叫びに応えて、ルミィも叫ぶ。
ルミィの杖に乗って二人ひたすらに空を飛ぶ。
ルミィの染めた薄紅の髪は月明かりに仄かに赤く輝き、ふわりと夜風になびく。
時夫ギルド長バージョンは相変わらず杖に腕だけで捕まってマッスル。
虐げられてマッスル。
時夫の扱いは置いといて、空を飛ぶのは気持ちが良い。
昼間も良いが、夜は夜でこの世界は空気が澄んでいるのもあるのか、
「方角はこっちで合ってますよね?」
「合ってマッスル」
「その語尾もう飽きました」
ルミィは辛辣だった。
杖で飛ぶのは大変らしく、飛んでる時はいつも少しだけノリが悪くなってしまう。
でも、でも……でも!時夫はルミィと違ってやる事なくって暇なんだもん!
構って欲しいのに……この世全てのおじさんは寂しがりなのに……。
寂しいとおぢさんは死んぢゃうのに酷いよ……。
「ほら、そろそろ着きますよ」
さっぱりクール系ルミィ様の言葉に、地表に視線を落とすと、立派な教会がそこにはあった。
暗くて詳細は分からないが、中々のデカさだ。
それに幾つかの施設が隣接されている。
少し離れたところには、そこそこ栄えた街があるから、そこの人達が祈りを捧げる場所なのだろうか?
「俺らが住んでる神殿全体よりは小さいけど、かなり立派だな!」
時夫はルミィを見上げて声を掛ける。
……もちろんスカートの中は見えないぞ!
「ここの地方の中心なんでしょう。
ゴールダマインの親族と関わりが深い土地です。
忍び込みますよ!」
ルミィは杖をゆっくりと下降させて行く。
教会から少し外れた場所に来たところで時夫は飛び降りる。
片膝をつく形でストンと静かに綺麗に着地!
……できなかった!!
つるりん!
「ぎゃばー!!」
時夫は悲鳴を上げつつド派手にすっ転んだ。
「ちょっとトキオ!静かにして下さい!」
「ああ………………う、うわぁぁあああ!!!服がぁ!服が溶けてる!!!」
「もう!!」
ルミィが怒りながら強めの風で時夫と服を溶かすヌルヌルの何かを分離してくれた。
時夫はマントと下の服が僅かな時間でボロボロになっている。
イヤン!何なの!?
時夫はボロ切れを掻き合わせて身体の全面を隠す。
「うーん……トキオそのものでも見苦しいですけど、ギルド長の姿では見たくなかったですね……」
「え……見たの?」
何を見られてしまったのか。もう時夫お婿にいけない……。
時夫は何かに尻餅をついてしまい、ズボンのお尻部分も身も心もボロボロだ。
「見たって何をですか!?もう!良いからほら、予備のマントをあげますから!
アレは最近あちこちで爆発的に増殖してるスライムです!
服を溶かす固有魔法持ちなんです!
こっちの国でも増えてたのは今知りました!
触ると服や鎧だけ溶かすんです!」
「マジか……実在するんだ。そんなの」
時夫は気味が悪そうに夜の闇に艶めくプルプルを見る。
うわ……何故か時夫の方に近づいて来てない?
しかも、一匹だけじゃなく、いつの間にか茂みの中から出て来て数が増えてるよ?
「防ぎ方は?すっごく丈夫な服なら防げる?」
とは言っても、普通の服しか持って来てない。雨ガッパくらい持ち歩くべきだったかなぁ。
「服という概念を持つものを溶かす厄介な存在なんです。
だから国でもギルドにお金出して色々対策してますよ。
伝説級の装備すら溶かすんですから!
……たしか、他国で古の賢者のマントに穴が開いたとか、ミスリルアーマーを一部溶かしたとか……。
国宝級の物品でも問答無用に溶かすので、とにかく早く発見して距離を取らないとダメなんです」
「じゃあ、雨ガッパとかもダメか……」
水っぽいからそれで防げるかと思ったが、甘かったようだ。
「じゃあ、倒し方は?」
「水分を全部飛ばします。
だから、トキオはスライムにとっては天敵です。
……でも、今王都の研究室が回収して欲しいって依頼を冒険者ギルドにかけてた気がしますね。
割の良い依頼だから覚えていたのですが……」
キラリーン!
時夫の眼が光る!
金は稼げる時に稼ぐべし!
「どうやって捕まえるんだ?」
「……スライムって生き物じゃないらしいんですよ。
もちろん魔物とかでも無いらしいんです。
よく固有魔法持ちの変異種が生まれる謎の存在なんです。
何なのかは分からないんですし、生き物じゃ無いという理論は私には理解できません。
ただ、多くの魔物研究の学者がそう言ってるんです」
生き物じゃ無い……ルミィの言いたい事にピンと来た。
「生き物じゃ無いのかぁ。なら、収納出来るかな?」
伊織捜索前にまさかのスライム狩りが始まった。
時夫の『空間収納』はあっという間に近隣にいたひと抱え程の大きさのある数十のスライムを取り込んだ。
ふふふ……臨時収入ゲットだぜ!!
風の魔法で捕まえるのをサポートしてくれていたルミィが、ホクホク顔の時夫にやるべき事を思い出させる。
「それで、これからどうしますか?」
「そうだな……ルミィにはどこからも伊織ちゃんを受け取れる様に上空で待機していて欲しい。
杖に3人はやっぱり速度上げるの厳しいだろうし、伊織ちゃんはなるべく早く帰国させたいから」
敵を倒すよりも伊織の安全を確保するのが今回の時夫の仕事だ。
そして、二人は先に空で帰って、時夫は地面を走って追いかければ良い。
「分かりました。では、イオリを受け取って欲しい時には合図をお願いします」
「おう!特大のファイアボールを夜空に打ち上げるぜ!」
時夫はウインクしつつ、サムズアップし、白い歯をニカっと見せた。
鏡の前で練習をした動作と表情なので、良い感じにキマってるはずだ。
ルミィは夜に溶ける黒いマントを深く被り、空にゆっくりと浮上していった。
よし、伊織を迎えに行く。
「うおー!」
時夫の雄叫びに応えて、ルミィも叫ぶ。
ルミィの杖に乗って二人ひたすらに空を飛ぶ。
ルミィの染めた薄紅の髪は月明かりに仄かに赤く輝き、ふわりと夜風になびく。
時夫ギルド長バージョンは相変わらず杖に腕だけで捕まってマッスル。
虐げられてマッスル。
時夫の扱いは置いといて、空を飛ぶのは気持ちが良い。
昼間も良いが、夜は夜でこの世界は空気が澄んでいるのもあるのか、
「方角はこっちで合ってますよね?」
「合ってマッスル」
「その語尾もう飽きました」
ルミィは辛辣だった。
杖で飛ぶのは大変らしく、飛んでる時はいつも少しだけノリが悪くなってしまう。
でも、でも……でも!時夫はルミィと違ってやる事なくって暇なんだもん!
構って欲しいのに……この世全てのおじさんは寂しがりなのに……。
寂しいとおぢさんは死んぢゃうのに酷いよ……。
「ほら、そろそろ着きますよ」
さっぱりクール系ルミィ様の言葉に、地表に視線を落とすと、立派な教会がそこにはあった。
暗くて詳細は分からないが、中々のデカさだ。
それに幾つかの施設が隣接されている。
少し離れたところには、そこそこ栄えた街があるから、そこの人達が祈りを捧げる場所なのだろうか?
「俺らが住んでる神殿全体よりは小さいけど、かなり立派だな!」
時夫はルミィを見上げて声を掛ける。
……もちろんスカートの中は見えないぞ!
「ここの地方の中心なんでしょう。
ゴールダマインの親族と関わりが深い土地です。
忍び込みますよ!」
ルミィは杖をゆっくりと下降させて行く。
教会から少し外れた場所に来たところで時夫は飛び降りる。
片膝をつく形でストンと静かに綺麗に着地!
……できなかった!!
つるりん!
「ぎゃばー!!」
時夫は悲鳴を上げつつド派手にすっ転んだ。
「ちょっとトキオ!静かにして下さい!」
「ああ………………う、うわぁぁあああ!!!服がぁ!服が溶けてる!!!」
「もう!!」
ルミィが怒りながら強めの風で時夫と服を溶かすヌルヌルの何かを分離してくれた。
時夫はマントと下の服が僅かな時間でボロボロになっている。
イヤン!何なの!?
時夫はボロ切れを掻き合わせて身体の全面を隠す。
「うーん……トキオそのものでも見苦しいですけど、ギルド長の姿では見たくなかったですね……」
「え……見たの?」
何を見られてしまったのか。もう時夫お婿にいけない……。
時夫は何かに尻餅をついてしまい、ズボンのお尻部分も身も心もボロボロだ。
「見たって何をですか!?もう!良いからほら、予備のマントをあげますから!
アレは最近あちこちで爆発的に増殖してるスライムです!
服を溶かす固有魔法持ちなんです!
こっちの国でも増えてたのは今知りました!
触ると服や鎧だけ溶かすんです!」
「マジか……実在するんだ。そんなの」
時夫は気味が悪そうに夜の闇に艶めくプルプルを見る。
うわ……何故か時夫の方に近づいて来てない?
しかも、一匹だけじゃなく、いつの間にか茂みの中から出て来て数が増えてるよ?
「防ぎ方は?すっごく丈夫な服なら防げる?」
とは言っても、普通の服しか持って来てない。雨ガッパくらい持ち歩くべきだったかなぁ。
「服という概念を持つものを溶かす厄介な存在なんです。
だから国でもギルドにお金出して色々対策してますよ。
伝説級の装備すら溶かすんですから!
……たしか、他国で古の賢者のマントに穴が開いたとか、ミスリルアーマーを一部溶かしたとか……。
国宝級の物品でも問答無用に溶かすので、とにかく早く発見して距離を取らないとダメなんです」
「じゃあ、雨ガッパとかもダメか……」
水っぽいからそれで防げるかと思ったが、甘かったようだ。
「じゃあ、倒し方は?」
「水分を全部飛ばします。
だから、トキオはスライムにとっては天敵です。
……でも、今王都の研究室が回収して欲しいって依頼を冒険者ギルドにかけてた気がしますね。
割の良い依頼だから覚えていたのですが……」
キラリーン!
時夫の眼が光る!
金は稼げる時に稼ぐべし!
「どうやって捕まえるんだ?」
「……スライムって生き物じゃないらしいんですよ。
もちろん魔物とかでも無いらしいんです。
よく固有魔法持ちの変異種が生まれる謎の存在なんです。
何なのかは分からないんですし、生き物じゃ無いという理論は私には理解できません。
ただ、多くの魔物研究の学者がそう言ってるんです」
生き物じゃ無い……ルミィの言いたい事にピンと来た。
「生き物じゃ無いのかぁ。なら、収納出来るかな?」
伊織捜索前にまさかのスライム狩りが始まった。
時夫の『空間収納』はあっという間に近隣にいたひと抱え程の大きさのある数十のスライムを取り込んだ。
ふふふ……臨時収入ゲットだぜ!!
風の魔法で捕まえるのをサポートしてくれていたルミィが、ホクホク顔の時夫にやるべき事を思い出させる。
「それで、これからどうしますか?」
「そうだな……ルミィにはどこからも伊織ちゃんを受け取れる様に上空で待機していて欲しい。
杖に3人はやっぱり速度上げるの厳しいだろうし、伊織ちゃんはなるべく早く帰国させたいから」
敵を倒すよりも伊織の安全を確保するのが今回の時夫の仕事だ。
そして、二人は先に空で帰って、時夫は地面を走って追いかければ良い。
「分かりました。では、イオリを受け取って欲しい時には合図をお願いします」
「おう!特大のファイアボールを夜空に打ち上げるぜ!」
時夫はウインクしつつ、サムズアップし、白い歯をニカっと見せた。
鏡の前で練習をした動作と表情なので、良い感じにキマってるはずだ。
ルミィは夜に溶ける黒いマントを深く被り、空にゆっくりと浮上していった。
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